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019 Impertinent gentleman~生意気な紳士~

   マクノシタ訓練所

(ついた。ここがマクノシタ訓練所…)

マクノシタ:だからー!あんた救助隊でもないのに訓練所に入ろうだなんて都合のこと言わないでほしいんだな!

レイス:うるさい!元々救助隊だったのだからいいだろ!

パーク:…レイスくん?

レイス:おや?あなたは…たしかあのムカつくワニの救助隊の…

パーク:私はパーク。〈ゆうえんち〉救助隊のリーダーです。

レイス:丁度よかった。おい!この人と一緒なら入ってもいいな?

マクノシタ:別に一緒なら入っていいわけじゃないんだな。そのポケモンの意思がないとダメなんだな。

レイス:パークさん、一緒に入ってくれますよね?

パーク:ちょ、ちょっと待って!私、ここのことよく知らないんだけど…

マクノシタ:ここはマクノシタ訓練所。救助隊で頑張るポケモンたちを鍛える様々な部屋を準備しているんだな。自分の得意な相手で鍛えてもよし、苦手な相手で鍛えてもよしの救助隊の為の施設なんだな!

パーク:そういう所だったんだ…それで、レイスくんは何をしてるの?

レイス:この訓練所はタイプごとの部屋があって、弱点対策の為に飛行の間に入ろうとしてたのですが、救助隊じゃないとか言って入れてくれなかったんですよ。

(…レイスくんと話をしようとは思うけど、中に入った方が邪魔はされなそうね。)

パーク:わかったわ。マクノシタさん、レイスくんと飛行の間に入ります。

マクノシタ:わかったんだな。じゃあ、頑張るんだな。

   【飛行の間 B1F】

レイス:パークさん、ありがとう。これで少しは特訓できる。パークさんは後ろから付いてきていてください。

パーク:…ねぇレイスくん、どうして〈テングス〉をやめたの?

レイス:…ダウギから聞きましたか。あんな軟弱リーダーの救助隊にいたって仕方ないでしょう。

パーク:話は聞いたと思うんだけど、別にダウギさんはそこらのダンジョンで倒れたわけじゃない。相手は伝説のポケモンだったの。

レイス:知ってますよ。でも、たとえ伝説でも負ければ一緒。救助を成功できてないんですから。

パーク:ダウギさんは草タイプ、飛行タイプのサンダーに勝つのは難しいでしょ?

レイス:知りませんよそんなの。どんな状況であったとしても、負けて他の救助隊に救助されたという事実だけは変わらない。…そういえば、ライメイの山に向かったのはあなた方〈ゆうえんち〉だそうですね。

パーク:え?ええ…

レイス:こんなか弱いレディーですら勝てる伝説相手に負けるなど恥ずかしい。あんな奴、親族だと考えるだけで嫌になりますよ。

パーク:…そんな言い方はないんじゃないかな?あなたの父親が亡くなって、母親が蒸発して、あなたを本当の息子のように育ててくれたのは、ダウギさんじゃないの?

レイス:違いますよ。あいつはただ自分の救助隊に僕を入れて、〈テングス〉の価値を上げようとしただけです。

パーク:それは違うよ。ダウギさんはあなたに元気になってほしくて〈テングス〉に入れたの。決してあなたを利用しようなんて考えてない。

レイス:どうかな?あいつは善人のフリをした悪人です。あんな悪人の事なんて…信用できるものか。

パーク:…じゃあどうして、一時的にでも〈テングス〉に入ってたの?そんなにダウギさんを悪者扱いするなら、入る必要なんてなかったでしょ?

レイス:あの時の僕は何もかも失ってただの抜け殻だった。そんな時につけこんできたんだ。強制的に入れられたのと一緒ですよ。

パーク:じゃあ、どうしてやめなかったの?

レイス:…抜けるタイミングがなかっただけですよ。

パーク:……。

ポッポ:ポロッポー!

レイス:話はここまでです。ここからは僕の特訓なので、邪魔はしないでくださいね。

   『レイスの{だましうち}!』

   『ポッポにダメージ!』

   『ポッポは倒れた!』

レイス:そういえば…〈ゆうえんち〉救助隊のリーダーはバトルを嫌うと聞きましたが、止めないでくださいね?

パーク:ここはそういう施設でしょう?止めはしないよ。

レイス:それなら結構です。

   【飛行の間 B2F】

パーク:ねぇレイスくん、どうしてそこまでダウギさんを憎んでるの?

レイス:別に…

(あぁ…なんとなくわかってきた…レイスくんのこと…)

パーク:レイスくん、あなたは……あなたを助けてくれたピカチュウを探したいんでしょ?

レイス:そこまで聞いたんですか…ダウギのやつ、どこまで話したんだか…

パーク:ダウギさんの救助隊に居続けたのも、救助隊で色々な場所に行けば、いつか会える。そう思っていたからじゃないの?

レイス:…違うと言えば嘘になります。

   【飛行の間 B3F】

ポッポ:ポッポー!

カモネギ:カモー!

ドードー:ドー!

レイス:3匹か…どうやらここが最後みたいだな…

パーク:レイスくん、私も…

レイス:いえ、パークさんは見ていて下さい。レディーに戦闘なんてさせられませんよ。それに、こんな奴ら僕一人で十分です!

   『レイスの{だましうち}!』

   『ポッポにダメージ!』

   『ポッポは倒れた!』

レイス:よし!

   『ドードーの必殺技!{つつく}!』

   『レイスの弱点をついた!』

レイス:うっ!

   『カモネギの{つつく}!』

   『レイスの弱点をついた!』

レイス:ぐあっ!

パーク:レイスくん!

レイス:邪魔しないでください!

パーク:でも…

レイス:僕は…一人で勝たなきゃいけなんだ…じゃないと…〈テングス〉をでた意味がないんだ…!

パーク:…あなた、もしかして……ダウギさんを助けに行けなかった自分を責めてるんじゃないの?

レイス:!!

パーク:ダウギさんがサンダーに連れ去られたって知って、助けに行きたかった。でも、相手が飛行タイプじゃ手も足もでない。だから、この飛行の間で特訓しようって思ったんじゃないの?

レイス:…違う。

パーク:〈テングス〉を抜けたのだって、自分が情けなくていられないって思ったから?

レイス:……僕は何も出来ないんだ。エリートって言われたって、紳士って言われたって、自分たちのリーダーすら助けることができない情けない男なんだ…

パーク:…ねぇレイスくん。レイスくんは情けなくなんかない。ダウギさんを助けたかったって気持ちは本物でしょ?だったら…

レイス:ダメなんだ…気持ちだけじゃ…もっと、もっと強くならなきゃ!

パーク:だったら尚更、また救助隊をするべきよ。

レイス:え?

パーク:また救助隊をして、もっともっと強くなるの。

カモネギ:無視するなー!

レイス:っ!

   『レイスの{だましうち}!』

   『ドードーにダメージ!』

   『ドードーは倒れた!』

カモネギ:よくもっ!

レイス:(もう1匹間に合わない!)

パーク:…それにね、レイスくん。…仲間で協力するって、とてもいいことだよ。

   『パークの必殺技!{でんきショック}!』

   『カモネギの弱点をついた!』

   『カモネギは倒れた!』

レイス:パークさん…

パーク:もう一度…救助隊、入らない?

レイス:(なんだろう?この感じ……すごく、懐かしい…いつかの…ピカチュウみたいな…ああ、この人も…あの人と同じなんだ…。暖かい…)

   『パークは【飛行の間】をクリアした!』

マクノシタ:おぉ!お前達!クリアしたんだな!これからも訓練に精進するんだな!

   ポケモン広場

ファイ:お、パーク!

パーク:皆…依頼は終わったの?

ファイ:おう!

ヒーナ:…そっちは?

パーク:えっと…

レイス:おいワニ。

ファイ:なんだサボテン。

レイス:…この前は悪かったな。

ファイ:んあ?

パーク:レイスくん…

レイス:パークさん。俺…救助隊には戻りません。でも…いつか、入れて下さいね。あなたの救助隊に…

パーク:ふぇ?

   この日以降、レイスはポケモンを見下すような言葉を使わなくなった。

レイス:(パークさん…とても綺麗な心を持ったあなた…いつか、手に入れて見せますよ。)



                            続く




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最終更新:2014年03月16日 02:21
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