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023 談~Ghost

?:てるてるぼーず、てる坊主。あーした天気にしておくれー。いつかのー夢の空のよに、晴れたらー金の鈴あーげーよー。

   ごろごろ ぴかっ

   ざぁーざぁー

ヒイカ:止みそうにないわね。

ネクリア:雨宿りできる家があってよかったわー。

   ヒイカたちは、急激に降り出した雨に困り、見つけた1軒の洋館に雨宿りすることにしたのだった。

   誰かが最近まで使っていたのか、埃も少なく、電気もきちんとついた。

シュロ:もっと不気味成分欲しいですね。

ジャング:幽霊や妖怪がいて、これ以上何に驚けって言うんだ。

エール:神とか仏とかぁ?

ウミナギ:けッ。神様ねェ…

ヤズネ:わちきたち妖怪が神なんて信じてちゃダメでやすよね~。

ネクリア:妖怪は陰、神は陽だものね。一般的にだけど。

ジャング:実際は陽の奴が陰よりも悪の場合も多いよな。

ネクリア:だからー、一般的にって言ったじゃないの。

   ごろごろ

フバクノソラワ:ネクリア様ーっ!怖いですっ…

ネクリア:あらあら。

ソルト&シュガー:男のくせに雷怖がるなよなー。

ヒイカ:別に怖いものは怖くていいんじゃない?それをどう克服するかが問題なのよ。

ユラク:男の子でも怖いものは怖いよねー!

   きぃ…

ミョンガー:ん~?

ハリイノギョ:どないしたん?

ミョンガー:あそこのドア、今開いたよね~?

ハリイノギョ:元々開いてたんやないの?

ミョンガー:音がしたから間違いないと思うんだけどな~。

ハリイノギョ:たとえ幽霊か何かやったとしても、こっちには幽霊も妖怪もおるんやし、怖くないやろ。

ミョンガー:そうだね~。

   しばらくゆっくりして

ユラク:でーきたっ!

ウミナギ:いきなり何だよ。うるせェな。

ユラク:みてみてー!

   ユラクは、作ったてるてる坊主を見せた。

ガーラミンド:へんっ!ガキだな。

シュロ:覚悟はいいですか?

   シュロは右手に炎を纏わせた。

ガーラミンド:うぉぉ!?

ハリイノギョ:(ユラクはんを弄るのは命がけになりそうやな…)

ユラク:でさでさ!皆でこれ作らない?

ヒイカ:なんでそんな面倒なもの作らなきゃいけないのよ。それ作ったからって変わらないわよ?

ネクリア:ま、気分の問題よね。どうせすることないし、しましょ!

フバクノソラワ:わーいっ!てるてるー!

ミョンガー:あんまり器用じゃないんだよね~。

ハリイノギョ:わいもや…

ジャング:てるてる坊主に器用さはそこまでいらないだろ…

ウミナギ:俺はやらねェぞ。面倒なだけだしなァ。

ペライト:エー、ツクラナイノカー?

ウミナギ:全員で作ったって数だけ増えて邪魔だろォ?

ヤズネ:そう言うなでやすよー!ウミナギも作ろっ?ね?

   ヤズネはウミナギを引っ張った。

ウミナギ:作らねェって言ってんだろォ!

ヤズネ:そんな我が儘言っちゃダメでやすよ!

ウミナギ:しないものはしないんだよ!

ヤズネ:むむむー!だったら…

   ぽんっ

ヤズネ:じゃじゃーんっ!

   ヤズネは、人間の姿に変身した。

ヒイカ:あれ?あんた人間になれないんじゃなかったの?

ヤズネ:この前の神隠しの村で、なんか人間になれちゃったんでやす。それ以降自由自在に!

ヒイカ:無茶苦茶ね。

ヤズネ:ねぇウミナギー!一緒に作ろう?

   ヤズネはウミナギの腕を掴み、上目遣いで見つめた。

ウミナギ:う…ァ…はッ!だ、騙されねェぞ!

   ウミナギはヤズネを振り払った。

ミョンガー:騙されないって何が~?

ウミナギ:な、ななななんでもねェよ!!

ハリイノギョ:どないしたんや?えらい動揺しとるなぁ。

ウミナギ:してねェ!!

ヤズネ:はい、作るでやすよー♪

   結局ウミナギも一緒に作った。

ネクリア:うん、こんな感じでいいわね。

   てるてる坊主の山…

ヒイカ:1人いくつ作ればこうなるのよ…←2個

ネクリア:別にいいじゃないの!たくさんあった方が効き目ありそうでしょ!←40個

ジャング:量より質が大事だぞ。←6個

エール:質より量でしょー?←32個

ユラク:楽しければいいんだよ!←38個

フバクノソラワ:楽しかったぁ!←16個

ミョンガー:目とかって上手く描けないね~。←11個

ハリイノギョ:せやなー。←13個

ヤズネ:で、これどうするんでやす?←29個

ソルト&シュガー:こんな量、吊るすのも大変だねー。←2人で15個

チクテキ:…。…←4個

シュロ:けど、作ったのならちゃんと吊るしたいですね。←10個

ガーラミンド:そんな場所もねーだろ。←8個

ウミナギ:だから言ったじゃねェか。邪魔になるだけだってよォ。←52個←WIN!

   …………

   お前が一番多く作ってるじゃん。とつっこむ気もおきなかった…

   深夜

ネクリア:今夜はここで寝ることになりそうね。

ジャング:それはいいが、この大量のてるてる坊主をどうにかしないと寝づらいぞ。

ネクリア:てきとーに寝ればいいのよ。

ジャング:おいおい…

   てきとーに寝た。

ジャング:(起きてる奴は…いるのか?寝そびれたな…)

   ジャングは起こさないように外に出た。

ジャング:(雨は止んだな。明日の朝には行動出来そうだ。)

???:なーにやってんの。

ジャング:!?

   後ろから声がして、ナイフを構えつつ振り向いた。

ヒイカ:あら、物騒ね。

ジャング:ヒイカ…

ヒイカ:そういえば、あんたと2人で話すことなんて滅多にないわね。

ジャング:そう…だな。いつもネクリアがいるからな。

ヒイカ:前から聞きたかったんだけど、あんたどうしてネクリアと一緒にいようと思ったの?

ジャング:もう何年前かわからないが、俺がまだリッパー様に仕えてた頃…

ヒイカ:あ、長くなる?

ジャング:そこそこにな。

ヒイカ:じゃあいいわ。面倒。

ジャング:聞いといてそれはないだろ…

ヒイカ:別に長話が聞きたいわけじゃないもの。

ジャング:相変わらずよくわからないな。

ヒイカ:え?そんなに私よくわからない性格してる?

ジャング:わからないな。勝ちにこだわってるかと思えば、相手の力に合わせて戦ったり、せっかちかと思えば、余計なくらい呑気にしてたりな。

ヒイカ:そんなものでしょ。

ジャング:そうか?

ヒイカ:そうよ。

ジャング:そういうことにしておこう。

ヒイカ:で、あんたってなんで戦うの?

ジャング:なんだそのバトルアニメのようなセリフ…

ヒイカ:ふと思ったから。

ジャング:なんで…と聞かれてもな。答えは簡単だ。

ヒイカ:ん、そうなの?

ジャング:強くなりたい…大切なものを、守るために…!

ヒイカ:へぇ、大切なものね。それってネクリアよね?

ジャング:ぐっ。

ヒイカ:あんたもとことん忠実よねー。ウミナギとかもそうだけど。ネクリアってそこまで魅力的?

ジャング:ネクリアのどこに魅力があるのかは分からない。でも、あいつには人を引き寄せる何かがある。

ヒイカ:それはわからなくはないわね。

ジャング:俺はあいつについていくよ。あいつとなら世界を変えられるって信じてる。そのためにも、お前にも協力してほしい。

ヒイカ:今は私もネクリアもその事は考えてないけどね。

ジャング:わかってるさ。だから俺も何も言わない。いつかまたネクリアがふと言い出したら、俺が全力でサポートする。

ヒイカ:もう惚気話はいいわよ。あとは本人に向かって惚気てあげなさいな。

ジャング:本人に向かっては言えないだろ…

   ぼぅー…

ヒイカ:ん?何の音?

ジャング:洋館の中からだな。

ヒイカ:行くわよ!

ジャング:ああ!

   ヒイカとジャングは音が聞こえる方へと走った。

?:てるてるぼーず、てる坊主。あーした天気にしておくれー。いつかのー夢の空のよに、晴れたらー金の鈴あーげーよー。

ヒイカ:てるてる坊主…?

ジャング:だな…

   音は声で、巨大なてるてる坊主が揺れながら歌を歌っていた。

ジャング:これはどこにつっこめばいいんだ?

てるてる坊主:雨、止んだよ、金の鈴頂戴?金の鈴頂戴?

ジャング:金の鈴?

てるてる坊主:くれないの?雨止んだのに?

   白かったてるてる坊主は、徐々に赤くなっていった。

   ぽた  ぽた

   てるてる坊主から、赤い液体が落ちていった。

ジャング:なんだあれは…まさか、血か?

ヒイカ:何がどうなればてるてる坊主から血が出るのよ!

ジャング:都市伝説…「てるてる坊主の怪」

ヒイカ:何それ?

ジャング:寺で修行をしていた僧がいて、その僧の仕事は水遣りだったんだ。

ヒイカ:長くなる?

ジャング:そこそこにな。

ヒイカ:聞かなきゃダメ?

ジャング:お前が何それって言ったんだろ…

てるてる坊主:晴らしてあげよう…一箇所以外。

ヒイカ:続けて。短くまとめてね。

ジャング:雨が降り続け、僧は喜んだが他の僧たちは雨が嫌いだった。それが僧の所為にされ、いじめられたんだ。

ヒイカ:ひどい言いがかりね。

ジャング:一週間以内に雨を止ませろと無茶を言われ、出来る限りの事をして止ませる事に成功したんだ。

ヒイカ:へぇ、よかったじゃないの。

ジャング:だが、曇りだったのをいいことに、寺の僧たちは「晴れにしろと言った」と言いだしたんだ。

ヒイカ:曇りになっただけでもいいじゃないの。

てるてる坊主:てーるてーる…

   てるてる坊主の怪は徐々に近づいてきた。

ヒイカ:おっと、これはどうすればいいのかしら?

ジャング:さぁな…

ヒイカ:いいからあんたは続けなさい。そこからヒントがあるかもしれないから。

ジャング:僧は絶望し、泣き崩れた。その次の日、空は快晴だった。一箇所だけを除いて。

ヒイカ:一箇所?…まさか!

ジャング:花壇の上には、毛布で首を縛った僧が吊るされていた。血の雨は、喉を切り裂いた僧の血で、僧の体は真っ赤に染まっていた。

ヒイカ:うっ…あまり想像はしたくないわね。

ジャング:寺の僧は、2度とこのようなことがないよう、歌にして後世に伝えたとされる。

ヒイカ:てるてる坊主の3番…

   「それでも曇って泣いたなら、そなたの首をチョンと切るぞ」

ヒイカ:なるほどね。特にヒントなかったわ。聞いて損した。

ジャング:おいおい…

ヒイカ:けどそれだと少しおかしいわね。歌だと、誰かが首を切ったみたいじゃない?

ジャング:ああ、他にもおかしな部分はある。自分で首を吊るとはいえ、布団で縛った見えない状態で吊れるか?そして首を切れるか?

ヒイカ:やっぱり何かおかしい。ねぇ、てるてる坊主が怪として出るようになった理由はないの?

ジャング:それはないな。その僧の念…くらいしかな。

ヒイカ:念?だったら余計変よ。念で化けるくらいなら、死なないで寺の僧を殺せばいいんだもの。

ジャング:ということは…

ヒイカ:結論は出たわ。僧は寺の僧の誰かに殺された。てるてる坊主の怪は、その無念を晴らすために生まれた復讐の怪。

ジャング:だとしたら、出た以上することは…

ヒイカ:誰かの首も吊って同じ目に合わせるということ!

てるてる坊主:そなたの首も…チョンと切るぞ。

ジャング:だがどうする?このタイプのは、念が消えない限りは攻撃しても無駄だぞ?

ヒイカ:無念を晴らすのが一番だけど、幽霊とか念とか怪とかは担当外なのよね…

ジャング:幽霊とは違うだろ?

ヒイカ:一緒のようなものじゃないの?

シュロ:心外ですね。違いますよ。

   シュロが壁をすり抜けて現れた。

ヒイカ:あら、起きたの?

シュロ:幽霊が夜に寝てどうするんですか。

ヒイカ:じゃあいつ寝てんのよあんたら…

シュロ:てるてる坊主の怪…逆をしてしまえばいいんです。

ジャング:逆?

シュロ:ユラク!

ユラク:はーい!

   ユラクが現れた。

ユラク:まっかせてー!

   ユラクは洋館を飛びだし、空から水をぶちまけた。

てるてる坊主:あ、雨…?降るな…降るな…!鈴…金の鈴…

ジャング:(どう考えても雨じゃないだろ…)

シュロ:あなたがいても、雨は降ります。あなたがいなくても、晴れになります。あなたはたしかに不運でした。でも…あなた程度に天気は操れない。

ジャング:同情してるのか厳しくしてるのかどっちなんだよ…

てるてる坊主:晴れ…晴れにしなきゃ…晴れに…

シュロ:あなたがいることで晴れになるんじゃない。晴れの日にのみあなたが現れているだけです。気づきなさい。そして…いつまでも囚われちゃいけない。あなたは、また転生するのです。

ヒイカ:転生?

ジャング:輪廻転生。死んでまた生まれ変わることだな。

シュロ:もう、自由になりませんか?あなたは、こんなところで苦しんでちゃいけません。

てるてる坊主:でも、晴れにしないと…

シュロ:あなたをいじめるような奴は、私が許しません。私はあなたの味方です。だから…もう、ゆっくりお休みなさい。

てるてる坊主:味方…?ずっと、欲しかった…

   てるてる坊主の色が、白に戻っていった。

シュロ:今まで、よく耐えました。だから…次は、もっと素敵な人生になりますように…

   てるてる坊主の怪は、消えていった。

   すぅーっ

   ユラクが戻ってきた。

ユラク:終わった?

シュロ:終わった。

ヒイカ:説得できるのね。

シュロ:幽霊にもなれなかった怪は、現世を彷徨ってはいけないんです。私たちも下手したら…そうだったから。

ヒイカ:似てるんだ?

シュロ:ええ。誰かを怨み、憎み、死んだ。私たちとね…

ヒイカ:あなたたちの過去も暗そうね。どいつもこいつも病み病みね。

ジャング:人の事言えないだろ?

ヒイカ:それもそうだけど。

シュロ:もう…何年前の事かしら…

ヒイカ:あ、語るつもりならお断りするわ。面倒。

ジャング:語らせてやれよ…





                                  続く



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最終更新:2014年03月16日 01:53
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