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012 黒~Fog

ヒイカ:で、そいつ誰よ?

ネクリア:そいつって?

ヒイカ:そのでかいの。

   それは、ネクリア、チクテキと共にチームにいた両鞭の怪物だった。

ネクリア:誰って…手下。

ヒイカ:そっちも手下にしたの?何にも考えてないのね。

ネクリア:覚えてないの?

ヒイカ:覚えてない。

ガーラミンド:ガーラミンドだ。

ヒイカ:…………?

ネクリア:ダメねこりゃ。

ヒイカ:まぁどうでもいいわ。

ネクリア:一応四天王の最後の一人の予定よ?

ジャング&ミョンガー&ハリイノギョ&ウミナギ:は!?

ジャング:おい待てネクリア、エールにいとも簡単に負けたこいつが四天王だと?

ハリイノギョ:一敗もしてへんわいらと3勝4敗のそいつを一緒にされたないわ!

ミョンガー:見てたけど、技も特殊な技じゃなかったもんね~。

ウミナギ:怨念の鞭とか使ってたけどよォ、怨念は俺の分野じゃねェかァァ!しかも怨念の欠片も感じねェ!

ヤズネ:ブーイングの嵐でやすね。

ネクリア:まぁ落ち着きなさい。予定はあくまで予定よ。もっと適任がいたら交代よ。

ガーラミンド:あぁ!?

ネクリア:だって皆の言うとおり、あんた弱いもの。

ソルト&シュガー:じゃあ仲間にしなきゃいいじゃん?

ネクリア:それもそうね。

ガーラミンド:おい待てぇ!お前が勝手に俺様を手下にしてやるとか言ったんだろ!?四天王っていう魅力的な響きだから協力してやろうと思ったんだぞ!?

ジャング:つけあがるな。代わりはいくらでもいるんだ。あえて言うならお前より、フバクノソラワの方が信用できる。

フバクノソラワ:え?僕四天王になれちゃう感じぃ?

ジャング:あえて言えばの話だ。

ガーラミンド:じゃあなんだ?実力を見せつけりゃいいのか?

ネクリア:まぁ、実際ハリイノギョが戦ってるとこみたことないしね。

ハリイノギョ:わいは戦っとったがな!

ソルト&シュガー:僕たちは見てたけどねー。

ネクリア:そういうわけだし、そのうち実力を見せてくれるってことで、今日はもう行きましょ。

ウミナギ:俺は認めねェぞォォ?ハリイノギョの戦闘能力は知らねェが、あいつには役に立つ能力がたくさんあるんだぜェェ。こいつにはそれがまったく感じられねェ!

ジャング:俺も認めない。ハリイノギョの時は実力はわからずとも、同じ目的の仲間として深く共感できたが、こいつはただ単に四天王という肩書きに魅力を持っているだけだ。

ミョンガー:僕はどっちでもいいけど~、後から入って四天王ってのじゃ、フバクノソラワたちも納得できないんじゃないかな~?

エール:戦った私からの感想はー、正直弱いかなぁ♪

ヤズネ:ボロボロでやすね。

ガーラミンド:この…ガーラミンド様を侮辱してんじゃねぇー!!

ヒイカ:あ!思い出した!

ガーラミンド:あぁ!?

ヒイカ:あの草原の家の…

ネクリア:そう、そいつよ!

ヒイカ:1分で倒した雑魚!

ガーラミンド:雑魚!!??

ヒイカ:ネクリア、やめときなさい。そいつ使えないわきっと。

ネクリア:ヒイカまで…

ヤズネ:ま、実際弱いんなら仕方ないでやすね。

ガーラミンド:どいつもこいつも…俺様を馬鹿にしやがって!

   ガーラミンドは鞭を上にあげた。

ネクリア:ちょっとあんた!やめなさいって!

   ドカッ

   ガーラミンドは横に蹴り飛ばされた。

ガーラミンド:ぐあっ!

   そして、黒い髪に黒い服、ピアスやネックレスをつけた男性がいた。

ネクリア:何すんのよあんた!

   ネクリアは男性に近寄った。

?:へぇ、いい女がいるじゃん?

   男性はネクリアの手を掴んだ。

   ヒィィン

ヒイカ:それ以上触ったら刺すわよ?

   ヒイカは晴天の剣を作り出し、男性の首元に向けた。

?:おっと、恐ろしい子供だな。

   男性は手を放し、離れた。

?:俺が用があるのはあんたらじゃあないんだ。わかってるだろ?エール・ラヴァル。

エール:!!

ヒイカ:え?エール?

エール:オニダ…

   エールは男性をオニダと呼んだ。

オニダ:覚えていてくれたのか?光栄だな。その力を手に入れてから、人が変わったように銃殺を続けたから…てっきり狂ったかと思ってたぜ。

ジャング:お前、何者だ?

オニダ:俺か?俺はな…エールの婚約者だ。

ネクリア:婚約者!?

ヤズネ:お前、結婚相手いたんでやすか!?

エール:違う!あなたは婚約者なんかじゃない!

オニダ:おいおい、つれないねぇ。

   オニダはエールに近づき、肩に手をまわした。

エール:触るなっ!

   バシッ

   エールはオニダの手を叩いた。

オニダ:エール、わかってるだろう?俺からは逃げられないよ?

エール:…

ヒイカ:ちょっと鬼。

オニダ:オニダだ。

ヒイカ:どっちでもいいわよ。ってかどうでもいいわあんたなんか。あんたとエールが婚約者かどうかだってどうでもいいわ。

オニダ:だったら口出ししないでくれないか?これは俺とエールの問題だ。

ヒイカ:ところがそうも行かないのよね。エールは既に一緒に旅をする仲間ってことになったのよ。仲間が困ってるのを見捨てるわけにもいかないわ。

オニダ:ほぅ、俺と対立しようってのか?

ヒイカ:エールが望まないのなら仕方ないわ。

エール:あなた…止めときなよ。あなたが強いのはよくわかってるけど、オニダだって相当強いんだよ?

ヒイカ:知らないわ。大体、あんたそれでいいの?嫌な相手と結婚だなんて、あんたの人生本当にそれでいいの?

エール:それは…

ヒイカ:だったらはっきり断ってやりなさい。後は私たちがなんとかしてあげるわ。

ネクリア:そうよ。そんな奴一人、ちょちょいとヒイカがやっつけてくれるわ!

オニダ:ふーん。まぁ別にいいけど、後悔すんなよ?

   オニダは右手のひらを上に向けた。

オニダ:エールは俺の嫁だ。

   オニダの右手に、黒い塊が現れた。

オニダ:誰にも渡さねぇ!

   ズォォ…

   オニダの手の上の黒い塊は、黒い霧となって広がった。

ヒイカ:(まずい!目隠し!)エール!こっちに…っ!

   ヒイカはエールに手を伸ばしたが、黒い霧に包まれて見えなくなってしまった。

ヒイカ:(霧を吹き飛ばさなきゃ!風…タイフーンベィンクじゃ、誰かに攻撃する可能性が…!)

ソルト&シュガー:『ラージファン!』

   ビュオォォォォォ

   シュガーの左手についた扇が巨大化し、黒い霧を吹き飛ばした。

ネクリア:ナイスシュガー!

   霧が吹き飛んだ時、エールとオニダの姿はなかった。

   そしてそこに、1枚の紙が落ちていた。

   「俺とエールを邪魔するというのなら、ここへ来い。」

   地図がかかれていた。

ネクリア:どうする?

ヒイカ:どうするって…選択肢なんて元々ないわ。

ネクリア:ま、そうよね。

   ヒイカたちは地図を頼りに進んでいった。

   城

エール:んー…?

   気を失っていたエールは、城のベッドの上で目が覚めた。

エール:どこここ…あ、オニダ!

オニダ:呼んだ?

   オニダが椅子から返事をした。

オニダ:ここは俺の城だ。どうだ?すごいだろ?

   オニダはゆっくりと立ち上がり、エールに近づいた。

オニダ:ウェディングドレスも準備したんだ。着てくれるよな?

エール:…

オニダ:黙ってないで何か言ってくれよ。なぁエール…

   バン

   エールはオニダの心臓を撃ち抜いた。

オニダ:ぐっ!エール…!

エール:あなたと婚約するくらいなら、私は再び銃殺を続けるわ。

オニダ:おぉ…

   バタッ

   オニダは血を流して倒れた。

エール:(さて…と、早くこの城出ないとなぁ~。)

   エールはベッドから降り、扉へ歩きだした。

オニダ:おいエール、どこに行くんだ?

エール:え!?

   オニダはゆっくりと立ち上がった。

エール:どうして…心臓を撃ったはず!

オニダ:昔言ったはずなんだけどな。俺は死なない。心臓を撃たれようと、車に轢かれようとな。

エール:でも…あんなの子供の頃の嘘じゃ?

オニダ:嘘なんかつかないさ。お前の前ではな。

エール:傷…治ってる?

オニダ:治ったからこそ平気に立ちあがってるんだろ?

エール:うぅ…うりゃああああ!

   ドドドドドドドドドドドド

   エールはマシンガンでオニダを撃った。

オニダ:ぐはっ!

   オニダは体を蜂の巣にされ、倒れた。

エール:今度こそ…

   しゅぅぅぅ…

   オニダの体の撃たれた部分に黒い霧がかかり、消えると傷は治っていた。

エール:なっ…!

オニダ:いてぇなぁ。何すんだよ。

   オニダは頭をかきながら起き上った。

オニダ:死なないっつってもいてぇんだよ。殺すのはいいがマシンガンは勘弁してほしいな。

エール:傷が治る…いや違う、死んで蘇ってる?

オニダ:その通り。俺は死んでもすぐに生き返る。

   城までの道。森。

ネクリア:結構遠いのねぇ。

???:もしもし、そこの貴女方。

ヒイカ:ん?

   ふわっと木の上から、2人の少女が舞い降りた。

シュロ:初めまして。私はシュロ。こっちはユラクです。

ユラク:ばばぁ~ん!

   ユラクはシュロの後ろからジャンプして前に出た。

ユラク:お姉さんたち、黒い城に向かってるんでしょ~?

ヒイカ:そうね。で、あなたたちは何の用かしら?オニダの手下なら容赦はしないわ。

シュロ:手下ではありません。私たちは貴女方の事を想い、いらぬお節介を焼きに来たのです。

ヒイカ:いらぬお節介ならいらないわ。

シュロ:そう言わず聞いていって下さい。

ヒイカ:急いでるのよ。

シュロ:だからこそです。

ヒイカ:どういう意味よ。

シュロ:まず、貴女方はこの森を抜けることはできません。

ネクリア:なんですって!?

ヒイカ:驚くのが早いわよ。せめて理由聞いてからにしなさい。

ネクリア:えへ☆

ヒイカ:あんたいると緊迫感ないわ。

ウミナギ:で、どういう意味なんだァァ?

シュロ:この森には不思議な磁場が纏わりついています。その磁場の影響で、まっすぐに見える道も実は曲がっていて、素直に進んでも城にたどり着けないのです。

ヒイカ:だったらひねくれて進むか、空から探せばいいじゃないの。こっちには鳥だっているのよ。

ヤズネ:いるんでやすよ~♪

ヒイカ:それにヤズネは目がいいわ。城の位置だって、どれほど遠くても迷うことはないわ。

シュロ:そう。忠告が聞けないのなら、自由にしなさい。もう私たちは何も言わないわ。

ユラク:言わないのー?

シュロ:言わない。

ユラク:なんでー?

シュロ:なんででも。

ユラク:どうしてー?

シュロ:ユラク!

ユラク:えーっ!だめだよそんなのー!

ヒイカ:ヤズネ、頼むわ。

ヤズネ:おぅけーい!

   ヤズネがふよふよと上空へ飛んでいった。

ヤズネ:見えるでやすよー!

   ヤズネはビシッと指差した。

ウミナギ:あっちだなァァァ。

ヒイカ:行くわよ。

   ヒイカたちはヤズネの指示で歩き始めた。

   しかし、いつまで歩いても城にはつかなかった。

ヤズネ:……

   ヤズネ正座中。

ヒイカ:どういうことかしら?

ヤズネ:ち、違うんでやす!わちきはちゃんと城に向かって飛んでたんでやす!

ソルト&シュガー:じゃあどうしていつまでもつかないのー?

ヤズネ:わからないでやす…

ガーラミンド:使えねぇ奴だな!

ジャング:お前が言うな。

シュロ:だから忠告したでしょう?

   先程と同じように、木の上からシュロたちがふわっと降りてきた。

ユラク:結局迷子になっちゃったね~!

ヒイカ:さっきの…

シュロ:私の忠告を聞かないからそうなるのですよ。鳥が空を飛んでもたどり着くことはできないと最後まで聞けばよかったものを。

ヤズネ:んおお!わちきの所為じゃないと証明されたでやすよ!

ネクリア:で、どうしてなのよ?

シュロ:言ったはずです。もう何も言わない、と。

ユラク:言ってほしい?

ヒイカ:…癪だけど、聞かないと進めそうもないわね。

ユラク:だーめだよー!タダで聞こうなんて虫がよすぎるよー?

ハリイノギョ:なんや?なんぼ必要なん?

ミョンガー:お金じゃないと思うよ~。

ハリイノギョ:ツッコミぬるいわ!ちゃうわアホっ!くらいのツッコミせんかい!

ミョンガー:あはは~。

ジャング:何しろっていうんだ?

ユラク:うふふ~!あのねー、ちょっとだけ遊んでほしいのー!

フバクノソラワ:遊ぶってどうやって?

ユラク:お姉様と、勝負してほしいの!

ヒイカ:勝負?

シュロ:ちょっとユラク、どうして私なのよ?

ユラク:だってー、最初は弱い方と戦うのが普通でしょー?常識よー?

ネクリア:お姉様?姉妹なの?

ユラク:そうだよー!あたしが妹で、シュロお姉様が姉なの!

ウミナギ:あァ?姉の方がよえェのかァァ?

ユラク:お姉様の力は火葬、あたしは水葬なの。だからー、どう考えてもあたしの方が強いでしょ?

ソルト&シュガー:物騒な能力だねー。

ヒイカ:あなたたち、人間じゃないわね。何かしら?幽霊?

シュロ:その通りです。私たちは背後霊。私は守護霊、ユラクは指導霊です。

ヒイカ:誰の背後に憑いてんのよ。

シュロ:…私たちは、背後霊の出来損ない。本来憑くはずだった人が死んでしまい、私たちは背後霊として一人前になれなかったのです。

ハリイノギョ:背後霊に一人前とかあるんやな。

ヒイカ:それで?誰にも憑けなかったから火葬と水葬してやろうってこと?

シュロ:この力は元々の私たちの力に依存します。私たちが生きていた頃の力、火を操る力と水を操る力。

ユラク:ねぇねぇー、まだ戦わないのー?あたし楽しみに待ってるんだけどー?

シュロ:そんなに楽しみなら自分で戦えばいいじゃないの。私は戦闘は好みじゃないのよ。

ユラク:だーめ!中ボスを倒してから大ボスにたどり着かなきゃ、いきなり大ボスなゲームなんてつまんないもん!

シュロ:まったく、しょうがない子ね。というわけらしいから、私に勝たなきゃ城にはいけないことになりました。

ヒイカ:迷惑な幽霊姉妹ね。お節介焼くならとことん焼いてほしいわね。何も言わないとかいいつつついてくるくらいならね。

シュロ:幽霊姉妹ではありますが、私たちにはジュレイという名字もあります。出来ればそちらで呼んでいただければ嬉しいですね。

ヒイカ:ふん、あんたたちみたいな迷惑姉妹、幽霊姉妹で十分よ。背後霊の出来損ないはこの森で地縛霊として漂ってましたなんて、笑える話ね。

シュロ:私たちを馬鹿にしてるつもりですか?残念ですけど、挑発には乗りませんよ。

ヒイカ:ふーん、まぁいいわ。とりあえず黙らせればいいのよね?

ネクリア:攻撃できるの?幽霊なのよ?

ヒイカ:どうかしらね?

ウミナギ:おいヒイカァァ、だったらこいつらに任せなァァ。

アルトア:俺達も憑き物…幽霊の一種だからな。

ヒイカ:あら?だったら問題ないわ。この前トレアに憑いてたあいつに効いたしね。

ジャング:そういえばそうだったな。

ネクリア:だとしても、ここはアルトアたちに任せた方がいいと思うわ。

ヒイカ:何でよ?

ネクリア:あの妹の方、きっと姉が負けたら挑んでくるに決まってるわ。だとしたら、オニダと戦うことも考慮して、少しでも戦闘は控えた方がいいわ。

ヒイカ:まぁ…それもそうね。

シュロ:私が負ける事を前提としてるなら大きな間違いです。私だって…そこまで弱くはありませんから。

ペライト:ソノセリフハ、オレタチニカッテカライウンダナ!

ノット:ウミナギたち、出る必要、ない。

シュロ:人が下手に出ていれば…ユラクには悪いけど、そこまで楽しい戦いは見せられそうにないですね。

アルトア:3対1で勝てると思っているのか?

シュロ:幽霊としての格の違いを見せて差し上げます。



                                続く




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2011‎年‎4‎月‎7‎日作成
最終更新:2014年03月16日 01:46
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