アットウィキロゴ

016 話~City

   がやがやがやがや

ヒイカ:ビルは多いわ人は多いわうるさいわ…嫌な街ね。

   ヒイカたちはこの近辺でも大都会と呼ばれる街にたどり着いた。

ネクリア:夜なのに全然人が減らないし、夜とは思えない明るさね。流石は大都会。

ヤズネ:騒がしいのは嫌いじゃないでやすけど、こいつらいつ寝てるんでやすかね?

ジャング:朝方に寝て、昼過ぎに起きるんじゃないか?

シュロ:生活習慣が悪いのですね。

エール:そろそろお腹空いたなぁ~…

フバクノソラワ:どっかで食べましょっ?こんな都会だし、美味しいものがいっぱいありますよねっ!?

ヒイカ:その考えは改めておく必要があるわよ。

フバクノソラワ:へ?なんで?

ヒイカ:都会だからなんでもある。都会ならどこにでもいける。そんな安直な考えは止めておきなさい。

フバクノソラワ:だからなんで~っ?

ヒイカ:今はわからなくてもいいわよ。けど、記憶の隅っこに置いておく事をオススメするわ。

   それから、安めの旅館を探し、大広間を借りてそこで寝ることになった。

ジャング:畳か。流石は旅館、風情があるな。

ネクリア:少し離れた場所にあるだけあって、窓を開けても騒がしくないのはいいわね。

   ゆっくりしているうちに、時間は1時を過ぎていた。

ウミナギ:まだ寝ねェのか?

ネクリア:んー…そうねぇ。畳、大広間、静か、時間もいい時間になってきた…怪談話でもしましょうか。

ヒイカ:どこをどうとったらその発想に繋がるのよ。

ネクリア:そことそれをとったらこうなるのよ。

ヤズネ:でも、妖怪や幽霊がいるのに怪談話ってどうなんでやす?怖がるもんなんでやすかねぇ。

ユラク:たしかにー!私たちが幽霊だもんね!

ソルト&シュガー:こんな身近に幽霊がいたら、怪談話もつまんないよねー。

ネクリア:じゃあ何するってのよ。どうせまだ皆眠くもないでしょ?

エール:誰一人寝てないねぇ♪

ネクリア:じゃあハイ!誰か面白い話しなさい?

ハリイノギョ:んなアバウトな…

ガーラミンド:面白い話って言われてもな…

ネクリア:ねぇヒイカ、何かない?

ヒイカ:知らないわよ。

ネクリア:つめたぁい。氷より冷え冷えね。

ヒイカ:つっこまないわよ?

ネクリア:じゃあヒイカから話しなさい?ハイっ!

ヒイカ:別に面白い話なんてないわよ。

ネクリア:あ、じゃあ、どんな話をしてほしいかネタを頂戴?そしたらヒイカが話さなくてもいいわ。

ヒイカ:ふーん。じゃ、心に残ってる昔話でもすれば?

ネクリア:よしきた!さぁ!誰から話す?

シュロ:心に残ってる昔話…ですか…

   誰も話出さなかった。

ネクリア:…ハリイノギョ!丁度円形だし、あんたから時計回り!

ハリイノギョ:わいかいな!?

エール:早く早くぅ♪

ハリイノギョ:え、えーと…心に残ってる昔話やな…?

回想~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

   獅子魚の島

   ハリイノギョ、当時5才。

ハリ父:いいか?ハリイノギョ。私たち獅子魚は、水陸両用生物。陸も海も制することができなければいけないんだ。わかるな?

ハリイノギョ:わからん!何で水陸両用生物になったんや?

ハリ父:何でと聞かれてもな…とにかく!私たちはそういう種族に生まれたからだ。

ハリイノギョ:わからん!せやったら獅子魚やなかったら泳がんでもよかったっちゅうこと?

ハリ父:そうだな!

ハリイノギョ:わかった!

ハリ父:流石は私の息子だ!頭がいいな!

ハリイノギョ:せや!わいは頭がええんや!

ハリ父:はっはっは!ところで…その喋り方はどっから学んできた?

ハリイノギョ:わからん!

ハリ父:そうか。わからないか。はっはっは!

ハリイノギョ:あっはっは!

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

   ………………

ヒイカ:(昔話ではあるけど…どうしてそれをチョイスしたのかしら…)

ウミナギ:(それを選んだお前の考えがわからん…)

ネクリア:さ、さぁ!次行きましょうか!時計回りだから次は、フバクノソラワ!

フバクノソラワ:わわっ!はいっ!

回想~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

   ぐぅぅ~

フバクノソラワ:お腹空いた。

   フバクノソラワは、河原でたそがれていた。

フバクノソラワ:(もう…何も食べなくていいかな。こんなつまらない世界に生きてたって、何もいい事なんてない…)

   フバクノソラワは静かに目を閉じた。が…

?:こんなところで日向ぼっこ?いいわねぇ。

フバクノソラワ:えっ?

   突然聞こえた声に驚き、目を開けるとそこには、美人(?)がいた。

ネクリア:おっと、警戒しなくてもいいわ。私はネクリア。あなたは?

フバクノソラワ:…フバクノソラワ。

ネクリア:フバクノソラワ?長い名前ね。

フバクノソラワ:別に…普通だよ。

ネクリア:何スネてんのよ?せっかくの可愛い顔が台無しよ?

フバクノソラワ:かっ!?う、うるさいな!そんなお世辞…

ネクリア:あなた、何に悩んでいるのかしら?私でよければ、相談に乗ってあげるわよ?

フバクノソラワ:別に悩んでなんかない!余計なお世話だよ!

ネクリア:嘘おっしゃい。

フバクノソラワ:嘘じゃない!それに、仮に悩んでたとしても、どこの誰かもわかんない人に打ち明けられるような悩みなら、最初から悩んでないよ!

   フバクノソラワはバタバタと走っていった。

ネクリア:何よ…結局悩んでるんじゃないの。素直じゃないわね。

   ネクリアは走ってすぐに追いついた。

フバクノソラワ:なんだよ…

ネクリア:騙されたと思って、私に話してみなさい?

フバクノソラワ:騙された。

ネクリア:こらこら。

フバクノソラワ:そんな簡単に信用できるわけないだろっ!

ネクリア:そりゃそうよ。誰だって初対面の相手を信用しろなんて難しい話よ。

フバクノソラワ:だったら…

ネクリア:でも、あなたは本当に悩んで、苦しんでるんでしょう?それなら、少しでも…楽になりたいじゃない?

フバクノソラワ:なりたいけど…

ネクリア:だから、私に話しなさいって。あなたがどんな悩みを抱えてようと、聞いてあげる。きちんと対応できないかもしれない。けど…

フバクノソラワ:何も出来ないなら、言っても一緒…

ネクリア:一緒なもんですか。対応は出来なくても、何も出来ないわけじゃない。

フバクノソラワ:どういうこと?

ネクリア:私が…一緒に抱えてあげる。一緒に悩んであげる。一緒に苦しんであげる。

フバクノソラワ:(何この人…)変な人…

ネクリア:変で結構よ。

   それからフバクノソラワは、ネクリアに悩みを打ち明けた。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

ヤズネ:自分のボスとの馴れ初め?

ミョンガー:それでいいなら僕もそれにしよ~っと。

ソルト&シュガー:じゃあ僕らもー。

ジャング:ネクリアとの出会い話を言えって言ってるんじゃないぞお前ら…

ペライト:ジャアオレタチハ、ウミナギトノデアイヲ…

アルトア:生まれた時から一緒だろ。

ネクリア:出会い話じゃ私が楽しめないわ。他の話にしなさいよね。

シュロ:これそのうち色々制限かかるタイプですね。

ヒイカ:というか、今の話はその悩みの内容が重要なんじゃないの?そこをスルーしてどうするのよ。

フバクノソラワ:まぁめんどくさいし~っ?

ジャング:ハリイノギョといいフバクノソラワといい、もっとまともに話せないのか?

ハリイノギョ:なんや?ジャングはんはもっとおもろい話できるっちゅうんか?

ネクリア:次は丁度ジャングね。ほら、話しなさい?

ジャング:いいだろう。

回想~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

   とある国

   ジャングがリッパーに仕えていた頃。

ジャング:リッパー様。紅茶が入りました。

王女:ありがとう。ジャング。

   リッパーはジャングから紅茶を受け取り、優雅に飲んだ。

王女:あら美味しい。今日は味付けを変えたの?

ジャング:はい。隠し味を入れてみました。

王女:美味しいわ。成長したわね。

ジャング:は…はいっ!!

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

   …………

ネクリア:ええと…一応聞くけど、何が話したかったの?

ジャング:リッパー様に初めて味で褒められたんだ。あの日の事は忘れない…

エール:リッパー様って誰ぇ?

ハリイノギョ:ジャングはんが元々仕えてた王女やったな。

ウミナギ:まァいいじゃァねェか。心に残ってんだろォ?

ソルト&シュガー:ただ、フバクノソラワたちより良かったかって言うとー、微妙だよねー。

ガーラミンド:話の内容も短かったしな。

ジャング:文句言うならお前がしろよ。

ガーラミンド:いいぜ。次は俺様の番だからな!

回想~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

   草原の家

人:ここにいるのはわかってるぞ!化け物!出て来い!

   ドンドン

   ガーラミンドを恐れた人間は、妖怪、化け物退治の専門家を呼んだのだった。

   ガチャ

ガーラミンド:あぁ?何の用だ?

人:こ、こいつが化け物か…

人:こ、殺せー!

   人間は紙きれをガーラミンドに貼り付けた。

ガーラミンド:あぁ?なんだこれは?

人:喰らえ!

ガーラミンド:なんだか知らねぇが…俺様に喧嘩売るたぁいい度胸だなぁ!

人:な…し○○みが…効かない!?

ガーラミンド:燃え尽きろ!『ファイア!』

   ゴォォォォォー

   ガーラミンドは強烈な炎を放った。

人:ひ、ひぃぃー!あ、熱いー!

   人間は撤退した。

ガーラミンド:ふん。俺様に勝とうなんて百億光年早いんだよ。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

ガーラミンド:とまぁ、俺様の強さにびびった人間は、恐れ慄いて逃げていったのさ!

ウミナギ:次。

ジャング:エール。

エール:おっけーぃ♪

ガーラミンド:無視かごるぁー!

ウミナギ:ひらがなだと迫力ないなァ。

ハリイノギョ:物語から逸れとるわ。

ジャング:お前らな…

回想~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

   バン バン バン

   エールは威嚇に数発地面に撃ちこんだ。

人:ひ、ひぃぃぃ!もう止めてくれぇぇ!何が望みだ!?金か!?

   人はエールに恐怖し、ガタガタ震えていた。

エール:私が欲しいのはね、そんなものじゃないのよぉ♪

   ガッ

   エールは銃口を頭に突きつけた。

人:や、止めてくれ…っ!嫌だ…死にたくない!!金なら出す!命だけはぁぁぁ!!

エール:あれぇ?おかしいなぁ♪あなたたしか…お金で解決する奴は嫌いなんじゃなかったぁ?♪

人:そ、それは…


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

ヒイカ&ネクリア&ジャング&ハリイノギョ&ウミナギ:色々待て。

エール:え?♪

ヒイカ:え?♪じゃないわよ!何昔の銃殺話を意気揚々と語ってんのよ!

ネクリア:たとえ心に残ってたって、ここで話すネタじゃないわよ?

ハリイノギョ:そもそもそないなのが心に残ってるっちゅうんも問題や…

ヒイカ:ん?そういえばおかしいわね。エール、あなたってもしかして殺した人間を全員覚えてるの?

エール:そんなわけないじゃん?どれだけ銃殺したと思ってるのぉ?♪

ヒイカ:じゃあ、どうしてその人の事はそんなに鮮明に覚えてるの?

エール:この話をするためには、もう少し前から話すべきだったかなぁ♪

回想~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

   数年前。とある国にエールが訪れた。

住民:ねぇこれマジやばくなーい?

住民:うわーチョーやばいじゃーん!マジヤバー!

エール:くすっ。(この国の奴ら、私に銃殺されるなんて思ってもみないわよねぇ♪)

住民:ちょ、あれ見てよー!銃じゃん?銃じゃん?ゲキヤバなんですけどー!

住民:ヤバー!

   バン バン

住民:ガ…

エール:ヤバヤバ五月蝿いよぉ♪

   エールは銃殺し、まだ正体を知られないためにその場をすぐに離れた。

エール:(んー、どうしよっかな?どうせなら、国のトップから崩してやろうかしら♪)

   エールがそんな危険思考をしながら歩いていると、

記者:帰ってきたぞ!

記者:どこだどこだ!?

エール:ん?何だろう?

   大きな建物の傍でカメラやマイクを持っていた人間たちが、一斉に動き出した。

記者:バンさん!ちょっとよろしいですか?お話をお聞かせ下さい!

記者:今の心境をお願いします!

記者:これから、どのような政治を行っていくおつもりですか?

エール:(政治家?ふーん、政治とかって、あんま興味ないのよねぇ…)

バン:まぁまぁ、落ち着きたまえ。全ての質問に答えるから、順番に並びなさい。

   記者たちに囲まれたバンという男は、優雅に、誇らしげに笑った。

エール:ふぅん…♪

   エールは、近くのベンチに腰かけ、その様子を見ていた。

エール:(バン次期総理。変な奴。もう総理確定らしいのに、それでもまだまだ未熟とか言ってる。)ちょっと興味持っちゃった♪

   エールは立ち上がり、バンに近づいた。

エール:どきなさぁい♪

   ベシベシ

   エールは銃で記者たちを次々と殴っていった。

バン:ん?何だね?君は。

エール:私ねぇ、政治とか興味ないんだけどぉ…あなたには、ちょっと興味湧いちゃったのよぉ♪

バン:ほぅ。私に、興味があるということかね?

エール:そうね♪

記者:なんなんだ!暴行罪で警察につき出してやる!

バン:そう怒るな怒るな。すまんな。ここは私に免じて許してやってくれないか。

記者:バン次期総理、いいんですか?こんなガキを守って、総理の座から引きずり落とされるかもしれないんですよ?

記者:そうだそうだ。俺達は、あんたが銃を持った怪しいガキを連れ込んだってメディアに伝える事が出来るんだぞ!

記者:そんなことされて、一番困るのはあんたじゃないのか?

記者:どうしても隠したいって言うなら、それ相応のモノをいただかなきゃあねぇ?

バン:金…か?

記者:そうだな。1人5万で手をうってやってもいいぞ?

記者:いーや!殴られた治療費も含めて10万だ!

バン:ほぅ。結局は金が欲しいか。

記者:あんたなら、それくらいの金額はすぐに払えるだろ?

バン:ほぅ。ほぅ。勝手にせい。なんとでも書くがいい。

記者:なっ!?

バン:私は金で解決するような奴は嫌いでね。お前たちが何を書こうと知ったことではない。もうお前たちの質問に答える事は出来ない。早く帰れ。

記者:いいのか?長年かけてやっとの思いで辿りついた総理の座を、簡単に落とすことになるぞ?

バン:お前たちの嘘も見抜けぬような国民なら、この先未来はない。その時は、私は潔く全てを捨てよう。

記者:その言葉、忘れんなよ!

   記者たちはしぶしぶ帰っていった。

バン:悪かったね、見苦しいところを見せたようだ。

エール:別にぃ?そもそも事の発端は私だしぃ♪

バン:ほぅ。面白い子だな。どうだ?あがっていくかね?

エール:どこに?

バン:この大きな家は、私の豪邸なんだよ。どうだい?あがっていきなさい。

エール:ふぅん…いいよ。あがってあげるわよぉ♪

バン:ささ、こっちだよ。

   バンはエールの背中をソフトに押しつつ、家の中に誘導した。

   家の中は、1人で暮らすには勿体ないほどの部屋があり、どこもかしこも無駄に装飾されていた。

バン:どうだい?

エール:へぇ♪悪くない趣味してるじゃない♪

バン:喜んでもらえてよかったよ。

   バンに誘導され、エールは椅子に座った。

バン:ところでお嬢ちゃん、名前は何て言うんだい?

   バンは子供と話しているような口調で問いかけた。

エール:私?私はエールだよぉ♪

バン:そうか、エールちゃんか。良い名前だね。

エール:どうも♪(会っていきなりちゃん付け。この親父、絶対裏があるわよねぇ…ま、私ほどじゃないけど♪)

バン:エールちゃんはどこからきたんだい?

エール:ここからだと東かなぁ?

バン:そうかいそうかい。旅をしているのかな?

エール:旅…そうだね、旅かなぁ♪

バン:1人旅って、怖くないかい?

エール:別にぃ?むしろ、誰かがいたら邪魔なだけよぉ?

バン:そ、そうなのかい…。そうだ、何か飲む?言ってごらん。

エール:んー、じゃあメロンソーダ。

バン:メ、メロンソーダ?

エール:なければコーラでいいよぉ♪

バン:そうかい…ごめんねー。

   バンは立って歩き、しばらくしたら戻ってきた。

バン:はい、コーラ。

エール:どうもー♪

   エールはコーラを飲みながら、バンの質問に答え続けた。

バン:そうかい。それで、その銃は何なんだい?

エール:これ?これは私の相棒よ♪ずーっと一緒なのぉ♪

バン:ほぅ。もしかして、人を撃ち殺しちゃったりするのかな?

エール:ええ、もちろん…それが、私の本業だものぉ♪

バン:ほ、本業?

   バンは冷や汗をかき、硬直した。

エール:くすっ。心配しなくても、あなたを殺す気はないわよぉ。(今はね。)

バン:そ、そうかい。それは安心だなぁ。

エール:びびりなのねぇ♪

バン:は、ははは…あ、そうだ。ちょっと実験に付き合ってくれないかな?

エール:実験?何の?

バン:ちょっと待っててね。

   バンはそういうと立ち上がり、どこかへ行ってしまった。

エール:(何を考えてるんだろ?)

   数十分後にバンが帰ってきた。

バン:こっちに来てくれ。

   エールはバンに案内され、広い部屋にいった。

   そこには、バスタブより2回りほど大きいくらいの水槽があり、中には何やら白い液体が入っていた。

   水槽の端には至る所に不自然な金具がついていた。

エール:何これ?

バン:この中に入ってほしいんだ。

エール:え?私が?

バン:そう。

エール:どういう実験?

バン:これは少し不思議な力を持つ液体でね、動くと液体なのに、動かないと固体という非常におかしなものなんだ。

エール:ふぅん。それで?

バン:この中に入って、それを体験してほしいんだ。残念ながら、私ではどうにも体がでかすぎて入れないんだ。

エール:(何だろ…すっごーく嫌な気しかしないけど…でも、入ってからでもどうにでもなるわよね。)いいよぉ♪

バン:おお、ありがとう!

エール:でも、このまま入ったら服濡れちゃうよねぇ。

バン:心配はいらない。これは水ではないから、濡れる心配はない。

エール:そ。

バン:ゆっくり…そうゆーっくり入るんだよ。

   エールはバンの口車に乗せられ、液体の中に入った。

バン:そのままゆっくり座ってー…

エール:(硬いんだか柔らかいんだかよくわかんない…何これぇ…)

   エールは底に座り込んだ。

バン:よしよし。それじゃあ、次はこれの出番だ。

   バンは、至る個所に南京錠のついた鉄の板を取り出した。

エール:何それぇ?

バン:これはね、こうするためのものだよ。

   バンは水槽の上に鉄の板を乗せ、水槽の端の金具に鉄の板の南京錠を通して鍵をしていった。

エール:へ!?何してるのぉ!?

   鉄の板は首がギリギリ出る程度に穴が一部だけ空いていて、エールは顔だけ鉄の板の上に出た状態になった。

エール:ちょっ…何してんのってばぁ!

   ぐっ ぐぐっ

エール:あ、あれっ…?動けな…

   エールが力を入れても、体がびくともしなかった。

   そうしてるうちにバンは全ての鍵をかけてしまった。



                                 続く



前の話          次の話
最終更新:2014年03月16日 01:50
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。