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ヒデヨシ編1

 城門が開かれた城の前にひしめき合っている軍勢。城の中には人の気配はなく、静まり返っている。
しかしひしめき合っている軍勢は、攻め込む様子もなく、ただ、時を無駄に過ごしていた。
その軍勢の先頭には、小柄な女の子が立っている。
しかし彼女のその手には、小さな体には不釣合いな少し大きな…否、巨大なハンマーが握れらていた。
自らの身長以上ある巨大なハンマー。そのハンマーには百貫びょうたんと書かれている。
そのハンマーを片手に、開けられた城門の先をじっと見つめる小さな少女。
この百貫びょうたんを持っていなければ、誰がこの少女のことを、8人の戦国乙女の内の1人だと思うであろうか?
彼女こそ、巨大なハンマーをいともたやすく操り、全てを粉砕する戦国乙女の一人、豊臣ヒデヨシその人である。
そのヒデヨシはいったい何をしているのかというと……ただ、開けられた城門の先をじっと見ているだけである。
かれこれ3日間、彼女の軍勢はこの城の前で足止めを食らっている。
そう、3日も前からこうして開いている城門を見つめているだけなのだ。

(ねぇ、そろそろヒデヨシ様に言ったほうがいいんじゃないの?)
(う~ん、でも怒られるのヤだしなぁ)
(どう考えたって、城の中には誰もいないわよ。この3日間、炊飯の煙も上がってないんだし)
(こんなところで時間を潰してる暇はないんだけどなぁ)

 背後で囁かれる兵士達のヒソヒソ話。もちろんヒデヨシも気が付いている。
『言われなくても城の中に誰もいないことくらいは、とっくに気が付いているわよ!』
と、声を大にしていいたいところだ。
が、しかし!……開かれた城門を見て、『これはワナだね!突入しちゃダメだよ!』
と、突入しようとした兵士を止めたヒデヨシには、自らの考えを否定することとなるため、突入命令を下せないでいた。
素直に過ちを認め、誰もいない城を攻め落とせばいい。
しかしヒデヨシは、攻め込んだらなんか悔しいという幼稚な考えのため、攻めこめないでいたのだ。
彼女は幼い容姿そのままに、考え方もまだまだ幼い様だ。

(ああ~!もう!どうしたらいいのかな?こんなことならさっさと突入しちゃえばよかったよ。
あのおっぱいお化けめ……こんな手でアタシを足止めするなんて卑怯だよ!おっぱい垂れちゃえばいいんだ!)

 以前に仕えていた主。今は敵である織田ノブナガに八つ当たりするヒデヨシ。
ノブナガが聞けば、『簡単に騙されるお前が悪い』と言いそうな、八つ当たりである。



「ああ~!もう!さっさと出てきなさいよ!メッチャメチャにやっつけちゃうんだからね!」

 誰もいないと分かっている城に、大声で出て来いと叫ぶヒデヨシ。……空しいだけである。

「あの~、ヒデヨシさま?」

 見るに見かねた兵士の一人がヒデヨシに話しかける。

「なに!今アタシ、忙しいんだけど!」

 頬を膨らませ、むくれ顔のヒデヨシ。忙しいも何も、彼女は誰もいない城を見ているだけである。

「いや、あのですね、もしかしたらなぁ~?って考えなんですけど……この城って誰もいないんじゃないんですか?」

 勇気ある部下が、ヒデヨシに意見を述べる。周りの者たちもウンウンと頷く。

「……もし伏兵がいたらどうするのよ!矢をビャビャー!って射られたらすっごく痛いんだよ?」
「し、しかしですね、炊飯を炊く煙も上がっておりませんし、人の気配がまったく感じられませ……きゃ!」
「みんな危ない!敵襲だよ!」

 むくれ顔で部下の意見をはねつけるヒデヨシ。
そのヒデヨシに食い下がろうとした部下が突然悲鳴を上げた。
その部下の足元には、クナイが突き刺さっており、どこからともなく飛んできたクナイに驚き悲鳴を上げてしまったのだ。
しかしヒデヨシは、してやったりといった顔で嬉しそうに手にした百貫びょうたんを構えた。
彼女にとっては、敵襲はどうでもよく、むしろ自分の意見が正しかったんだと嬉しくさえ思っているようだ。

「……フン!よくもまぁこんな雑魚どもを集め、ノブナガ様にたてつこうと考えたものだな」

 クナイが飛んできた方向から聞こえてきた、聞き覚えのある懐かしい声。
この声の主はかつては同じ主に仕え、お互いに切磋琢磨し、出世を競い合ってきたかつての同僚。
今はヒデヨシと同じくその主の下を去り、自らの一軍を率いて戦国の世を戦い抜いている戦国乙女の一人。

「なんでアンタがこんなところにいるの!ここはアタシが攻め落とすの!さっさと帰りなさいよ……明智ミツヒデ!」

 先ほどまでの子供っぽい表情は消え去り、キッとクナイが飛んできた方向を睨みつける。

「攻め落とすも何も……ノブナガ様の策にはまり、足止めを喰っていただけであろう?このバカサルめ」

 ヒデヨシの視線の先には、クナイを両手に持ち、皮肉たっぷりの笑みを浮かべた明智ミツヒデがいた。




「フフッ、久しぶりだな、ヒデヨシ。相変わらずおチビさんでなによりだ」

 中指でメガネを持ち上げ、見下したような笑みを見せるミツヒデ。

「な、ななな!そ、そういうアンタも変わってないじゃないの!その変なメガネ!」

 ヒデヨシはチビと言われ動揺したのか、嫌味を言い返したつもりなのだろう。
しかし、変なメガネと言われても、ミツヒデはまったくこたえた様子を見せない。

「ふん!相変わらず頭が足りないおサルさんのようだ。……頭だけではなく、胸まで足りぬとは、哀れなサルだな」

 またまたメガネを持ち上げ勝ち誇ったような笑みを見せる。
ミツヒデの容赦ない口撃に、フルフルと肩を震わせ、怒りに震えるヒデヨシ。

「ウ、ウルサイ!この根暗メガネ!」
「だまれ貧乳」
「ひ、ひんにゅう?!い、陰険メガネ!」
「うるさい貧乳」
「ひっ、イジワルメガ…」
「哀れな貧乳」
「ん~!んん~!」

 ミツヒデの見事な連続口撃で、かなりのダメージを負ったヒデヨシ。
今にも泣き出しそうな顔で、唇をギュッとかみ締めながら部下達を振り返り、
『ん!んん~!』と唸りながら、ミツヒデを指差しながら何かを訴えている。

「大丈夫大丈夫!ヒデヨシさまはカワイイです!」
「そうそう!ヒデヨシさまはカワイイから大丈夫なんです!」

 部下達の暖かい声援に勇気をもらい、視線をミツヒデに戻した瞬間、再度涙を堪えながらミツヒデを指差す。

「んん~!んんん~!」
「ひ、卑怯だぞミツヒデ!ジャンプするなんて反則だぞ!」
「そうだそうだ!ジャンプして揺らすなんて禁じ手だぞ!」

 涙目のヒデヨシの前でピョンピョンとジャンプするミツヒデ。
ジャンプするたびに連動してタプタプと揺れる乳房。
ヒデヨシのささやかな胸では決してすることは出来ない胸の動きに、ヒデヨシは涙を堪えることに精一杯だ。
ジャンプしながらヒデヨシを見下すその顔は、とても悪い顔をしており、まるでいじめっ子のようだ。

「ひ、ひんにゅうじゃないもん」
「だまれ貧乳」
「ひ、ひっく、アタシ、ひんにゅうじゃ……」
「哀れな貧乳。むなしい貧乳。惨めな貧乳」

 容赦のないミツヒデの口撃に、もはや泣き出すのは時間の問題かと思えた。
しかし、苦し紛れに出た言葉にミツヒデの様子が変わる。



「う、うるさい!アタシは貧乳じゃないやい!このお漏らしメガネ!」
「お、お、おお、お漏らしだとぉ!」

 苦し紛れに出た言葉、『お漏らし』という言葉に明らかに動揺するミツヒデ。
その様子を見ていた、ここにいる兵士全員が思った。
『え?もしかして、明智ミツヒデともあろう武将が……お漏らししたの?』と。
それはヒデヨシも同じで、先ほどまでの半べそ顔はどこ吹く風、ニヤリと悪戯っぽく笑みを浮かべ、口を開く。

「おっ漏らしお漏らし~、明智『お漏らし』ミツヒデ~」
「だ、誰がお漏らしなどするか!黙れこの貧乳め!貧乳貧乳貧乳貧乳貧乳~!」

 同じく苦し紛れに貧乳を連呼するミツヒデ。
貧乳と連呼しているその顔は、真っ赤に染まり、お漏らししたことが事実であると言っているかのようだ。

「んな!うるさいお漏らしメガネ!」
「黙れ貧乳チビサル!」
「お漏らし!」
「貧乳!」

 戦国の世を争う8人の戦国乙女。その8人に名を連ねる2人が、『貧乳』『お漏らし』を連呼して言い争っている。
傍から見れば、馬鹿馬鹿しく見えるのだろう。しかし当の本人達は必死だ。
その証拠に鬼気迫る表情でお互いを『貧乳』『お漏らし』と罵りあっている。
……その様子を傍から見ている人物が一人。
煙管を咥え、呆れ顔でその様子を見ている。

「確かにヒデヨシの気を引きつけておけと命令はしたが……まぁよい、結果的には準備は出来た」

 ……ヒデヨシは疑うべきだった。何故ミツヒデが軍を率いずに、一人で現れたのかを。
彼女は疑うべきだった。なぜミツヒデが、憎き敵であったはずの織田ノブナガを、ノブナガ様と呼んだのかを。
何故あのノブナガが、自国の領土に攻め込まれても、一向に迎撃に現れなかったのかを。

 二人の言い争いを見物していた人物は、手にした大剣を振り上げ、背後に控える大軍に命令を下す。

「これより我らは……ヒデヨシ軍を蹴散らす!狙うはヒデヨシただ一人、必ず生け捕りにせよ!
皆の者……このノブナガに続けぇ!全軍、突撃じゃあ!」

 織田ノブナガは気合一閃、大剣を振り下ろし、背後に控える大軍を引き連れ、一気にヒデヨシ軍目がけ突撃を開始する。
その大軍の勢いに、完全に不意を疲れたヒデヨシ軍は、なすすべもなく、壊滅した。
……主である豊臣ヒデヨシを生け捕りにされて。  



「な、なに?なにしてるの?いったい何をしてるのよ!」

 ヒデヨシは目の前で行われている行為が、いったいなんなのかを理解できないでいた。
ミツヒデと罵り合っているところを急襲され、壊滅させられたヒデヨシ軍。
その際にミツヒデとの一騎打ちとなり、戦っていたのだが、
突然襲い掛かってきた炎の衝撃波に、ミツヒデもろとも吹き飛ばされ意識を失った。
そして、気がついたときには、両足を開脚させられた状態で、机の上に寝転がされたまま縛られていた。
しかしヒデヨシを一番混乱させているのは、身動きが取れないことではなかった。
今、目の前で行なわれている、不可思議な行為にであった。

「あ、あ、あ、ノ、ブナ、さまぁ……ミツヒ、デは、もう、もうぅぅぅ~!」
「我慢せいミツヒデ!サルの目の前で無様に達するつもりか?達したら、貴様とはもう二度と湯に入らんぞ?」
「ひ、ひぎぃ……ゆるし、も、ダメで……漏れるぅ、もう、でるぅ」

 ヒデヨシの視線の先には、床に両手を付いて四つんばいになり、辛そうな声をあげているミツヒデがいた。
その四つんばいになっているミツヒデのお尻辺りに、何か赤い光を放つものを押し当てている人物がいる。
キセルを咥え、不敵な笑みを浮かべながら時折ミツヒデのお尻を叩き、愉快そうに笑っている。

「なにしてるか答えなさいよ!このおっぱいオバケ!」

 お化け呼ばわりされたノブナガは、面倒くさそうにヒデヨシを見る。
その手に握られた榛名はミツヒデの股間に当てられたままだ。

「何をしているか、じゃと?……褒美じゃ。
ミツヒデがキサマの意識を引き付けておったおかげで、我が軍はほとんど損害が出なかったからなぁ」
「ぐくぅ……ひ、卑怯だぞ!ノブナガ!正々堂々と戦え!」
「戦え、だと?……はぁ~っはっはっはぁ!キサマごときが我に戦えと言うか?
無様に捕えられ、縛り上げられた分際で戦えと?」

 ミツヒデから離れ、ヒデヨシの前に立つ。
そして、榛名を見せつけニヤリと笑みを浮かべる。

「お主のそういう強気なところを我は買っておった。どうじゃ?再びこのノブナガに仕えんか?」
「だ、だれがアンタなんかに仕えるもんか!アンタにされた数々の非礼、忘れてないんだからね!」
「数々の非礼?……覚えておらんなぁ。我はお主に何かしたのか?」

 首をかしげ、思い出そうとするノブナガ。
しかし、心当たりがないのか、全く思い出せないようだ。
そんなノブナガの様子を見て、頬を膨らませ、怒り出したヒデヨシ。
ノブナガにされたことを思い出したのか、少し涙目になっている。



「あれだけヒドイことやっておいて、忘れちゃったの?このオッパイお化け!」
「オッパイお化けとは酷いことを言う。お主の方が酷いのではないか?」
「忘れたとは言わせないからね!……恩賞でなんでアンタの胸のサイズの甲冑をよこすのよ!」

 戦で手柄を立てたヒデヨシに与えられたもの……特注で作らせた甲冑であった。
どこが特注かというと、胸のサイズだけがノブナガと同じもので、ヒデヨシが着込めば、空しさ漂う一品となる。
そんな甲冑を渡されても困るわけで、むしろバカにされたと思うのも当たり前の話だ。

「あぁ、あれか?あれはじゃな、お主の胸が大きくなればいいとの親心じゃな」

 家臣一堂の前で着させたことを思い出したのか、クククと笑みを浮かべるノブナガ。
それを見たヒデヨシはますます怒りに頬を膨らませる。

「なにが親心だよ!あれのせいですっごい傷ついたんだからね!……ブカブカにも程があるよ!」
「はぁ~っはっはっはぁ!よう似合うておったぞ?クックック、饅頭でも胸に詰めておけば着込めるであろう?」
「ほらぁ!やっぱりアタシをバカにしてたんじゃないの!」

 悔しさのあまりか、涙が零れそうになるヒデヨシ。
ノブナガはちょっとしたイタズラ心でしたことが、ここまでヒデヨシを傷つけていたとは思っておらず、少し動揺している。

「い、いや、確かにあれはこのノブナガが悪かった。ちょっとした冗談のつもりでしたこと何じゃがなぁ」
「他にもいっぱいあるんだからね!例えばね、えっとねぇ……ん~っとねぇ」

 他にもあると、必死に思い出そうとしているヒデヨシ。
しかし、思い当たることがないのか、ウンウン唸るだけで、全く出てこない。
それもそのはず、この甲冑事件があるまでは、2人はまるで姉妹のように仲がよく、常に行動を共にしていたのだ。
ヒデヨシが謀反を起こし、ノブナガの下を去った時は、さすがのノブナガもしばらくは落ち込んでいたという。

「なんじゃ?いっぱいあるのではないのか?」
「うるっさい!黙れこのオッパイお化け!」
「オッパイお化けとは酷いいいようじゃ。どうじゃ?久しぶりに風呂を共にし、我の胸を揉んでみようとは思わぬか?
お主のその小ぶりな胸を久しぶりに触らせ……なんじゃ?今はヒデヨシとの会話を楽しんでおるところじゃ。
邪魔をする出ない、ミツヒデ」

 久しぶりのヒデヨシとの会話に、自然と頬が緩むノブナガ。
ヒデヨシとの会話は、ノブナガにとっては心を癒す一服の清涼剤のようなものなのだ。
そんな会話を楽しんでいるノブナガのマントを掴み、引っ張る人物が。
榛名であと少しというところまで攻められたまま、ほったらかしにされているミツヒデであった。



「はぁ~はぁ~はぁ~……ノブナガさまぁ、お情けを、このミツヒデにお情けを下さいませぇ」
「なんじゃ貴様は?まるで盛りのついたメスネコのようじゃな?」
「あぁぁぁ、言わないでくださいぃ……ミツヒデはもう、ミツヒデはぁ」

 ハァハァと息荒く、自らを慰めつつ、涙を溜めた瞳でノブナガにすがりつくミツヒデ。
そんなミツヒデを見て、面倒くさそうに足で蹴り倒すノブナガ。

「ええい!離れんか!……欲情しきったメスネコには、お仕置きが必要じゃなぁ」

 ノブナガの顔は、先ほどまでのヒデヨシとの会話を楽しんでいた表情とは一変する。
そこには残酷な表情で、舌なめずりをするノブナガがいた。
そんなノブナガの変わり様を見て、ゴクリとツバを飲み込むヒデヨシ。
ミツヒデは期待からか、ごくりとツバを飲み込み、自ら四つんばいとなり、ノブナガにお尻を見せる。

「雌猫でございます。ミツヒデはノブナガ様の雌猫でございますぅ」
「そうか、メスネコか。ならば……ネコらしく泣くがいいわ!」

 その手に握られた榛名が青く光り、振動を開始する。
激しく振動する榛名をミツヒデの濡れて光っている股間に押し当てる。
その瞬間、背筋を伸ばし、まるで悲鳴のような声をあげるミツヒデ。

「ひぎぃぃぃ!い、いいい~!スゴイィィ~!ノブナガ、さまぁ、ミツヒ、デ、っクゥ!あ、いいぃぃぃ~!」
「はぁ~っはっはっはぁ!もはや何を言っておるのか分からんな。それ!達するがいいわ!」

 背中を反り、快楽の声をあげるミツヒデに、ノブナガは呆れ顔の笑みを浮かべ、さらに榛名を押し付ける。
その様子を何も言えずに見守るヒデヨシ。
……ただ、苦しそうに泣き叫んでいるミツヒデの様子を見ていると、下腹が熱く、熱を持ってきているのが分かった。
何故お腹が熱くなってきちゃったんだろ?そう思うヒデヨシであったが、それが何を意味しているのかは分からない。
そんなヒデヨシの目の前で行なわれている不可思議な行為も、終わりを迎えようとしていた。

「あ、アアガアアガガガァァァ~!ノブ、ナガさま、も、で、出るぅ……イグ!も、わた、し……イグゥゥゥ~!」

 プシュ!プシュ!プシュー!

 背中をそらし、大きく開けた口からは涎をダラダラと垂らし、奇声を上げたミツヒデはガクガクと震えた後に倒れこんだ。
榛名を当てられていたその股間からは、ジョロジョロと小水が流れ、ミツヒデが失禁したことが分かる。



「ふぅ……ミツヒデよ、いい加減に失禁癖は直せ。お主を攻める度に手を汚されてはかなわんわ」

 ノブナガの手は、ミツヒデが漏らした小水で濡れており、榛名も小水で汚れていた。

「は、いぃぃ……漏らさないよう、に、注意を……しますぅぅ」 

 倒れこんだまま、肩で息をし、時折ビクビクと痙攣をするミツヒデ。
股間からはまだジョロジョロと小水が止まらずに溢れている。

「ふぅ、仕方のないヤツじゃな。我は風呂に入り、お主に汚された手を清めてくる。
ミツヒデ、お主は後片付けをしておけ、よいな?」
「ノブナガさまぁ、私もご一緒してよろしいでしょうか?お背中をお流しいたしますぅ」

 虚ろな眼差しでノブナガの足にすがりつき、共にお風呂に入る許しを請うミツヒデ。
体に力が入らないのか、這うようにしてノブナガの足にすがり付いている。
そんなミツヒデは、頬をほのかに赤く染め、風呂以外の何かを期待しているかのようだ。
しかし、そんなミツヒデを面倒くさそうに見下ろすノブナガ。
足元にすがり付いているミツヒデを蹴り飛ばし、冷たい眼差しで口を開く。

「……聞こえなんだか?我は後片付けをしておけと言ったはずじゃがな?」
「も、申し訳ございません!綺麗に片付けます!」

 ノブナガの冷たい言葉に一瞬青ざめたミツヒデ。
ノブナガが自らの言動により、機嫌を損ねてしまったと理解したようだ。
そんなミツヒデの髪を掴み、ミツヒデの眼前まで顔を寄せ、言い聞かせるようにゆっくりと話すノブナガ。

「ミツヒデ、キサマは我の下僕じゃ。下僕は命ぜられたまま動けばいいのじゃ。勘違いをするなよ?」
「は、はは!申し訳ありませんでした!」

 ゆっくりと話すノブナガのその表情は、怒りに満ちており、その怒りはミツヒデのみに向けられている。
ノブナガの怒りに当てられたミツヒデは、ガクガクと震るえ、額を床にこすり付けるように土下座をし、謝罪した。

「……ふん!分かればいいよいわ。では、ヒデヨシ。風呂上りにゆっくりと話すといたそう。
ミツヒデ!綺麗に片付けておけ!よいな!」

 土下座をしたままのミツヒデに怒声を浴びせるかのような命令をし風呂場に向かうノブナガ。
その顔は、なにかを企んでいるかのように皮肉の笑みを浮かべていた。

 縛られたまま部屋に残されたヒデヨシは、今、目の前で行われた行為がいったい何なのかを理解出来ないでいた。
なにか、青く光る物体を押し当てられたミツヒデが、狂ったような声を上げ、最後は失禁しながら痙攣して倒れこんだ。
自身と同じくノブナガを恨んで謀反を起こしたはずのミツヒデが、ノブナガに嫌われることを恐れているような振る舞い。
いったいなんなんだろ?なんでミツヒデはあんな感じになっちゃったんだろ?
あの光ってた物って、いったいなんなのかな?
縛られたまま、頭の中に『?』が次々と浮かんできたヒデヨシ。
好奇心旺盛な彼女には、考えるなというほうが無理な話だ。
そんな頭を捻らせウンウンと考えているヒデヨシの側に、冷たい殺気を放つ人物が立つ。
……この部屋には先ほどまで3人の人物がいた。
そのうち一人は汚れた手を洗いに風呂場へと向かい、もう一人は縛られたまま頭を捻り考え事をしている。
最後の一人……明智ミツヒデが特殊クナイを片手にヒデヨシのすぐ側に立つ。
冷たい殺気を放ち、狂気に満ちた瞳でヒデヨシを見つめながら。 
最終更新:2008年10月18日 01:24
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