想刻のペンデュラム

52 :イラストに騙された名無しさん:2006/01/26(木) 23:30:14 ID:Xls+bW1E
   『想刻のペンデュラム』 鳥生浩司 電撃文庫

   電撃文庫は惜しくも賞を逃した投稿作品を幾つも世に送り出してきたが、これも
   そのうちの一つである。だがしかし通常は最終選考通過作品が通例であり、
   二次選考を通過しただけの小説が出版される事は稀であると言っていい。
   にも関わらずこの小説が日の目を見たのはあまりに斬新過ぎる設定、数々の魅力的なキーワードで
   下読みのハートをがっちりゲットしたからだ。

   唯一神。リリス。エヴァ。サタナエル。サリエル。カドゥケウス。精霊。カバラ。武御雷。ヤタガラス。怒りの日、ジブリール──

   こういった複数の世界観を一冊に凝縮するその力量は並大抵のものではない。次々に繰り出される
   素敵ワードは読む者の脳髄に強烈な衝撃と陶酔感をもたらす。
   さらに登場人物のほとんどは大陸の西に栄えた古代の超王国──ソロモン王やダビデの末裔であり、
   当時の秘儀をめぐって戦うという余人の想像を絶する設定。そう、作者はユダヤ人団体など
   これっぽっちも恐れはしないのだ。
   だがしかし、鳥生浩司の挑戦心は止まらない。
   なんとメインヒロインは主人公の実の妹。しかも一度死んで別人として蘇ってくるという
   ソフ倫やPTA対策も万全な展開。なぜか表紙はサブヒロイン二人が独占しているのだが、
   それは謙虚さゆえに違いあるまい。絵描きに嫌われたなんて事は決してない。
   あまりの破壊力ゆえ電撃スレで「ペンデュラムでも読んでアタマをほぐせ」との
   名言まで生み出したこの作品、読まずにいるのは人生の損失と言っても過言ではない。
   さあ、これを読んだら書店にGOだ! 

54 :52:2006/01/26(木) 23:34:06 ID:Xls+bW1E
   ちなみにこの作者のあとがきと著者略歴、メチャクチャ面白い。転載しようかと思ったが
   武士の情けでやめておく。でも白のジャケットと黒のベレー帽? というファッションセンスと
   「好きな女性の前ではいまだに頭が白くなる」とか書くのはどうかと思う。
   二巻は買ってないが欲しくてたまらん。品切れなのが悔やまれる。

55 :イラストに騙された名無しさん:2006/01/26(木) 23:36:13 ID:/aMISBEQ
   >54
   ペンデュラムはあとがき読んで満ち足りた気分になってしまったので未だに本編読んでない俺ガイル 


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最終更新:2009年09月30日 01:58