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Le souhait ツン編11

  • 作者 79氏

『・・・前線の影響で、夜通し雪が降り続いております。今朝窓の外の景色を見て、驚かれた方も多いのではないでしょうか』
テレビのニュースでは、そんな事を言っていた。
暖房をつけたばかりでまだ十分に暖まっていないリビングで、私はクッションを抱いて何気なくニュースを見ていた。
窓のほうを向く。確かに、外は真っ白。
歩きたくないなぁ。でも、ハロはいつもどおりに来るんだろうな。
ハロの事だから、寝坊するかも?『布団から出たくない』とか言っちゃってさ、妹さんに迷惑かけて。
こんな寒い中で私を待たせる気だったら承知しないわよ。本当。
『さて、十二月も中旬。いよいよクリスマスですね』
ツン「あっ」
そうだ。もうクリスマスなんだった。
『クリスマスケーキの予約は、もうお済でしょうか。今日は、クリスマスの装飾に彩られた、町の商店街から・・・』
そ、そうよね。もうあちこちで・・・なんだったかしらあの歌。
ジングルベル、ジングルベル、すすが出るみたいな歌詞の・・・。すすだったかしら?変な歌。
違うに決まってるじゃない。『ジングルベル』でいいんだったかしら?
違う違う。そんな事どうだっていい。問題はハロよ。
何よあいつ。もうすぐクリスマスだってのに、何の音沙汰も無いわ。
『ずっと内緒で用意してたんだよ』っていうパターンじゃないのは確かだわ。ハロがそんなに気がつくわけがないし。
大体、全体的に鈍感なのよね。わかってるんだかわかってないんだか・・・。
あ、あそこは敏感なくせに・・・///
な、私ったら朝から何・・・。は、ハロじゃあるまいし、そんな事考えるなんて。ああ、バカバカ。
違うんだってば。
ハロが私に何も言ってこないのが悪いのよ。
クリスマス、どれくらい重要な行事かわかってるのかしら?
ツン「・・・」
なんか、去年もこんな事言ってたような。
あの時はハロ、何してくれたんだっけ?
確か買い物に行ったのよね。そして、そう、服を買ってもらったのよ。あー、あの服、その時買った服だったの。
もちろん覚えてるわよ。そうそう、そうだったわ。
でも・・・。
ずっと付き合ってきたわけだけど、私たちあんまり進展してない気がする。
そ、そりゃ、色々あったわよ。あったけど、でも。やっぱりハロは、私だけを見ていてはくれない。
理緒の強引さが、ちょっとだけ羨ましくなった。
私がもっとハロをしっかり繋ぎとめておけたなら、理緒が来ようが来まいが関係無かった筈なのに。
ハロはいっつも、あちこちに気を取られてふらふらしてる。
そうだ。
今日学院に行ったら、それとなくクリスマスのことを言ってみよう。
あいつ、気付くかしら?

『・・・今朝窓の外の景色を見て、驚かれた方も多いのではないでしょうか』
ハロ「やっかましね!!」
テーブルを叩く。朝の食卓が揺れた。
ユリ「もう、大きな声出さないでよ。びっくりしたなあ」
由梨はそんなのんきな事を言いながら、パンを一片取った。
ハロ「お前なあ。外真っ白だぞ!?」
ユリ「昨日までは雪なんて殆ど無かったのにねー」
ハロ「のほほんとすんな!また雪かきの季節だぞ!?しかも毎朝寒くてつらい!なんだよこの冬の装い!」
ユリ「しょうがないじゃん」
ハロ「・・・ま、そりゃそうだけどよ」
由梨に説かれたように、おとなしく食事を続ける。
ハロ「はあ・・・」
ユリ「でもほら、悪い事ばっかりじゃないよ」
由梨がテレビを指差す。
ハロ「あん?」
『クリスマスケーキの予約は、もうお済でしょうか。今日は・・・』
口に咥えていたパンが落ちた。
ユリ「え?どしたの、おにいちゃん?」
ハロ「由梨、今日何日だ?」
ユリ「えっと・・・十七日かな?」
あと一週間か。
ハロ「そうか、もうそんな時期か」
パンを取り直し、何事も無かったかのように食事を続ける。
ユリ「がんばってね!」
にこやかに言う由梨に、俺はずっこけた。
ユリ「どしたの、おにいちゃん!?」
ハロ「どうもこうも・・・どう受け取ればいいんだよその言葉を」
ユリ「え?ほら、秋奈先輩。クリスマスなんだし、デートしてあげるんでしょ?」
ハロ「ああ、まぁそのとおりだ。お前、何ともない・・・いや、なんでもない」
ユリ「変なの」
ハロ「しかしクリスマスなんて元は冬至じゃないか。一月六日とかに延ばしたほうがいいんじゃないか?」
ユリ「そしたら正月が大変じゃん。冬至かどうかは知らないけど、でもロマンチックな日だと思うけどな」
ハロ「そうかなあ」
ユリ「そうなの」
頭をかく。
ユリ「だから、秋奈先輩にはとびっきりのプレゼントを用意してあげなきゃ駄目だよ?」
由梨は人差し指を立てて力強く言う。
ハロ「把握・・・」
ユリ「うんうん。私の事なんか気にしないでごゆっくり」
それもまたどうとっていいのかわからないセリフだな。

ハロ「よぉ」
降りしきる雪の中、ツンは待っていた。
通学路の、いつもと同じ角。ベージュのダッフルコートを着、手袋をし、白い息を吐いて。
俺はいつもと同じ時間に来た筈だけど、怒らせたかな?
ツンは俺が近付くや否や、
ハロ「痛!」
叩いた。
ツン「何でもうちょっと早く来れないのよ!?」
ハロ「早くも何も俺はいつもどおりに来たぞ!時計を見てみろ!最近買ったやつなんだがな、なかなかいいデザインだろう!」
間違えた。
ハロ「時間だ、時間を見ろ!いつもより三分も早い。区間賞を狙える勢いだ。な?」
ツン「何が『な?』よ」
じっと俺を睨みつけるツン。
ツン「私、ずっと寒かったんだから!バカ!バカバカ!」
ポカ ポカ ポカ!
ハロ「いたい いたい!」
ツンの手が止まる。
ハロ「どした?」
ツンはちょっと考えた後。
ツン「なんでもないわ。あーもう、寒い!早く行くわよ!」
ハロ「ああ」
学院に到着する。
ハロ「お、早いな」
雪が降ったにもかかわらず、毒男と蕪雲の悪友コンビが教室に待ち受けていた。
俺は鞄を机に置いた。
ツン「ね、ねえハロ?」
ハロ「ん?」
ツン「そろそろ、寒くなってきたわよね?」
何を今更。
ハロ「こんなに雪も降ってることだしな」
ツン「・・・ハロ、そろそろあの時期だなーって思わない?」
ハロ「え?」
俺は背後の二人に意見を求めた。
ハロ「(いきなり世間話からはじめたのだが、君たちはどう考える?)」
蕪「(何か大きな事を頼もうとしてるんだと思われ)」
毒「(銀行から融資を受けるときと似ている)」
ハロ「(だよな。なんか怖いな)」
ツン「何コソコソ相談してるのよ?」
ハロ「いや、なんでもない」
ツンは面白くないような顔をして言った。
ツン「まさか、本当に気がつかないの?」
ハロ「クリスマスだろ?な?」
毒「あーもうちょっと粘れよバカ」
蕪「空気嫁(^ω^;)」
ハロ「うるせえな」
ツン「あんたたち、ちょっと」

ツン「で、クリスマスの事だけど」
それぞれ一発づつビンタを喰らい、黙る二人。ビンタ自体は俺も属性がないから、痛いだろうなあと思う。
ツン「別に強制はしないわ。いい物を買って欲しいとか、そういうんじゃなくて」
ハロ「あ、いいのか」
ツンは顔を俺の目の前に近づける。
ツン「いい!?『強制はしない』の意味わかってるわよね!?気を利かせるのよ、気を!」
ものすごい威圧感だ。ナイアガラの迫力を超える。
ハロ「ああ、わかってる」
ツンは顔を離す。
ツン「それに、そういう事はいつだってできるのよ。でも私は正直なところを言うと、言うと・・・///」
強気だったツンの表情が、急にしおらしくなる。
ツン「その、あ、あんたたち、出て行きなさい!」
蕪雲たち二人を教室から追い出そうとし始めるツン。
蕪「詳細キボンヌ」
毒「俺たちのことは窒素だと思って話せばいくね?」
ツン「うるさい!」
二人を追い出し、教室のドアまで閉める。
ツン「あ、あのね?笑わないで聞いて欲しいんだけど」
ハロ「うん」
ツン「こ、ここ今年のクリスマスは――」
理「遥君!」
ガラッ、と教室のドアを開け、理緒が突入して来た。
ハロ「なんとー!?」
俺は簡単に抱きしめられた。避けないから。いや、避けようとは思うんだけどつい。
理「ねえ遥君、今年のクリスマスは何か予定がおあり?」
と言いながら、人差し指で顎をなぞる理緒。
ハロ「あ、いえ、今のところは」
ツン「駄目よ!はーなーれーなーさいっ!」
ぐいっと理緒を引っぺがす。
理「何するんですの?今、せっかくいいところでしたのに」
ツン「そう思ってるのはあんただけよ!って言うかそれはこっちのセリフよ!」
理緒はふぅ、とわざとらしくため息をついた。
理「こんな暴力的な女に、表に締め出されて震えている子犬を見かけましたわ」
ツン「暴力的とは何よ!あの二人が空気読めないから・・・」
理「いいえ!」
びし、とツンを指差す。
理「遥君を独占しようとする独占欲にまみれたあなたは十分暴力的ですわ!」
ツン「って、あんたにだけは言われたくないわよ!」
理「でも、遥君は嫌がってませんでしたわ」
ツン「それは単にハロが変態だからでしょ!」
ハロ「『単に』って何だよ!」
ツン「何よ、『変態』とか言われて悦ぶくせに」
ハロ「くっ・・・!」
毒「否定汁」
ツン「とにかく!今年のクリスマスは私がもらうの!」
グイ、と俺の右腕を引くツン。このままではありがちなパターンで俺真っ二つ。
理「いいえ、今年は理緒の家でパーティーですわ!」
グイ、と俺の左腕を引く理緒。フッ・・・完成だ。
毒「悲鳴に手を離したほうが勝ち」
蕪「それなんて裁き?」
痛さは別として、腕に当たる感触からして大きいのはやはり理緒のほうだな。
チト「何だ?朝から騒がしいな」
今度は、智途が教室に現れた。
チト「騒がしいと思って覗いてみれば、何やってるんだ?」
蕪「智途さm・・・ウボアー!」
裏拳が頭にヒット。転がり、悶え転げる蕪雲。
チト「あ、そうだ。ところでハロ、今年のクリスマスは空いてるか?」
毒「この状況見て言うとは随分強硬な姿勢だなおい('A`;)」
ツン「ダメ!残念だけど今年は空いてないわよ!」
理「そうよ。今年は理緒と過ごすんですわ!」
ツン「何勝手に決め付けてるのよ!?ああもう、ハロ、あんたはどうなのよ!?」
ハロ「・・・え?」
硬直する場。
皆の視線が集まる。
ハロ「そりゃあ、もちろん」
 [アツン
  理緒
  智途
  由梨
  中に出す
ハロ「ツンと過ごすよ」
笑顔でそう言う。ツンは豪く驚いたような顔をしていた。
ハロ「え?何?」
俺何か変なこと言った?教えてママン。
ツン「と・・・」
と?
ツン「当然よ!」
腕を離し、ツンはふんぞり返って言った。
理緒も腕を離す。
理「あーあ。もうちょっと楽しみたかったですのに」
チト「呆気無いな」
ハロ「お前らやる気無いだろ」
プレッシャーがようやく解けた俺は、安心して自分の席に座った。
理「ま、そんな事はわかってましたわ。曲がりなりにも二人はお付き合いしているわけですし」
ツン「曲がってないわよ」
蕪「って言うか智途様の場合は、漏れが既に予約してるんで無r」
ゴッ(SE:裏拳)
毒「妄想乙」
敬礼する毒男の傍を、ごろごろ転げていく蕪雲。
理「問題はぁ」
理緒はゆっくりと俺に近付き、顎を指で軽く持ち上げて言った。
理「クリスマスまでの夜をどう過ごすか、ですわ♪」
ハロ「そう、なのか?」
好きすぎるシチュエーションに、つい動揺してしまう。心はもう服従の構えだ。
理「一日ぐらいいいでしょう?」
ハロ「ええっと・・・」
どうかな。上と話し合ってみないと・・・。
ツン「コラぁ!なに人の彼氏を誘惑してんのよ!さっさと離れなさい!」
理「じゃ、後でね」
ハロ「あ、うん」
ツン「って何約束してんのよバカぁ!あー、もうやだ」
ツンはがっくりとうなだれた。その様子に、顔を見合わせる一同。
ツン「みんなして、私をからかって・・・」
ハロ「あ、ツン、あのな」
ツン「あんたたちなんか、あんたなんか・・・あんたなんか、大キライよ!」
ハロ「あっ!?」
ツンはそう叫び、教室の外へ走って行ってしまった。
ハロ「・・・」
俺は唖然とし、智途を見た。が、智途は視線を逸らした。
蕪「BAD直行の予感」
ゴッ(SE:裏拳)
理「ご、ごめんなさい。理緒、少しからかい過ぎてしまいましたわ」
申し訳なさそうに理緒が言う。
ハロ「いや、俺がはっきりしないから」

俺、何も思ってなかった?
ツンの事。
『こ、ここ今年のクリスマスは――』。
続く言葉がわからないでもない。何か特別なものであって欲しいんだ、今年のクリスマスが。
俺はクリスマスの事なんか興味無い。ただのイベントでしかないなんて思う、ロマンのかけらも無いやつだよ。
だから、今年もいつもどおり、何か買ってやって、それをクリスマスプレゼントとして、それで終わらせるつもりだった。
『終わらせるつもり』。なんていい草だ。ツンは楽しみにしてたのに。
今までもツンをからかっては面白がってたんだけど、流石に今日のはまずかった。
ツンの気持ちを踏みにじるなんて。彼氏のすることか。死ね俺。

死んでる場合じゃない。
ハロ「謝りに行くよ」
俺は立ち上がる。
理「・・・」

至る所を捜したが、ツンはどこにも居なかった。
驚いた事に、ツンは一校時の授業にすら出なかった。
ハロ「(そこまで落ち込むことかな・・・)」
おそらく、ツンは帰ったのだろう。
でも、俺はそれを追うことなく、今授業を受けている。
尤も、授業は聞いていない。だけど時間が過ぎていく。
謝ろうと思っていたのに、だんだんその気持ちも蔑ろになっていくのに気付いた。
行って謝ってもいい。
けど、それでどうするんだよ?謝って許してくれなかったらどうする。
たぶん許してはくれない。でも、どうすればいいんだ。俺には方法がわからない。
クリスマスにデートする約束もした。今日だって、来る時もずっと一緒だった。
心のどこかでツンを軽視してた。
ハロ「・・・」
隣の席にツンは居ない。
ハロ「・・・」
俺は居たたまれない気持ちになった。

その授業が終わった休み時間、俺は学院を出た。
もちろん、授業は終わっていない。帰りにはいつも熾惺の生徒が歩いているのだが、当然こんな時間に帰るやつは居ない。
交通量の少ない道に、サクサクと雪を踏む音が響く。
その音は、次第に早くなっていった。
ハロ「ツン・・・」
商店街に差し掛かる。
早くもクリスマスの装飾をしている店々からジングルベルが聞こえてくる。
このままじゃ、クリスマスどころじゃない。
ツンから『キライ』なんて言われたのは初めてだ。
今まで、嘘でもそんな言葉は言わなかった。
『バカ』『変態』『邪魔』色々言われてきたが、・・・。
足が止まる。
俺の『好きだ』なんて、その言葉まで嘘だとは思われてないよな?
首を振る。そしてまた走り出す。

ようやく、ツンの家の前にやってくる。
切らした息を深呼吸で整え、また深呼吸。
そして、インターホンを押す。
ピンポーン♪(SE:チャイム)
ハロ「・・・」
ツン「どちら様ですか」
ツンの声が聞こえた。
ハロ「あ、ああ。俺だけど」
インターホンはプツッと電源が切られた。
ハロ「おい!開けてくれよ!」
ここで会えなきゃ意味が無い。俺は必死になって玄関のドアを叩く。
すると、玄関のドアがそっと開いた。
ツン「近所迷惑」
リビングに招き入れられる。
ツンは今までここに居なかったのか、暖房のスイッチを入れた。
…ツンは本当に疲れた顔をしていた。
ハロ「ツン、あのな、俺・・・いや、ごめん。謝る。本当に・・・ごめん」
ツン「・・・」
反応が無い。顔を上げる。ツンは聞いているようないないような、そんな虚ろな目で俺を見ていた。
ハロ「その、俺、いままでツンの事、なんていうか軽視してた。からかってばかりで、気持ちなんか考えないで」
ツン「・・・」
ハロ「彼氏失格だった。もう俺の言葉なんか信じられないかもしれないけど、もうそんな事しない。許してくれ」
また頭を下げる。が、やはり反応は無い。
伺うように、頭をゆっくり持ち上げる。
ハロ「なぁ、もうキライか?俺は今でもお前の事が好きなんだけど」
ツン「言わないで」
ハロ「え?」
ツン「来ないで!」
ツンは涙目になって、その悲憤の表情を俺に向けた。その体は怒りに震えていた。
ツン「私は嫌。あんたなんかキライ。大キライ。謝りに来たって許さない!理緒のところにでも行っちゃえば?」
ハロ「行くわけないだろ!」
ツン「どうかしら?私の事なんか放っておいて、すぐふらふらあちこちに行っちゃうくせに、今更私の事を好きだなんて言われても
 あんたが言うと安っぽく聞こえて仕方がないのよ!」
ハロ「――・・・」
ツンは言い放つと、その場に膝をついた。
その目からはやがて涙が零れてきたが、俺は声を掛けてやることができなかった。
ツンが怒ってる理由はからかう事なんかじゃなかった。そんな事もわからなかった。気付いてやれなかった。
本当に嫌気がさした。この嫌気で自分が殺せたらと思うほどだ。
掛けてやる言葉が、見つからない。泣き崩れるツンを目の前にして、俺は。
ハロ「・・・」
俺はツンを抱きしめた。
ツン「!何するのよ!やめて、離して!」
どうしたらいいんだ。どうしたらいいのか、わからないんだ。俺じゃ不器用すぎて・・・。
ツン「・・・ハロ?」
どうしようもできなくて、俺は泣くしかなかった。悲しいけど、ツンを離したくない。どう伝えればいいのかわからない。
誰かに流されるのももう終わりにするから。お前はいつも俺の傍で慰めてくれたじゃないか。だから行くな。
ツン「・・・」
ツンは、ぽんぽんと俺の背中を叩いた。
ツン「もうわかったわよ」
ハロ「・・・」
体を離す。
ツン「情けない姿晒さないでくれる?」
俺は袖で涙を拭いた。
ツン「全く、この寒い中。その様子だとコートも学院に置いて来たのね?」
俺は頷いた。ツンはため息をついた。
ツン「昔とおんなじ。あんた、泣き虫治ってなかったの?こっちが情けなくなってくるわ」
ハロ「・・・ごめん」
しばし、静寂が続いた。その間に、俺は呼吸を整えた。
ハロ「言うとおりだな。俺、何も変わってない。寂しがりやで、泣き虫だ」
ツン「お母さんが居なくなってから、なんて言ってたわね?」
ハロ「ああ。あの時俺は泣いてばっかりで、そばにずっと居てくれたお前にお礼を言えなかった。お前はそれこそ何もせず
 俺のそばに居てくれただけだったけど、あの時俺はかなり慰められたんだ。ありがとう」
ツン「・・・。ね、ハロ」
ツン「今年のクリスマス、どうするの?」
ハロ「どうする、って」
俺には何も思いつけなかった。
ハロ「ツンが決めてくれ。俺、やっぱりプレゼント・・・それぐらいしか思い浮かばない」
ツン「そう・・・」
ハロ「・・・」
ツン「でも、自分で考えなさいよ?」
ハロ「え?」
ツン「私が強引に引っ張って行っちゃったら、それは今までと同じ事じゃない。やっぱり、あんたが考えないと」
ハロ「そう、だな」
ツン「それに、あんたがこう、私をびっくりさせるようなプレゼントをしてくれれば、嬉しい・・・でしょ?///」
ハロ「びっくりするような、か。・・・わかった」
ツン「本当!?き、期待しないで待ってるわ」
そういった後、ツンは気付いたように壁掛け時計を見た。
ツン「そろそろ、学院に戻ろうかな。ハロ、その、悪かったわ」
ハロ「何謝ってるんだ。もともと悪いのは俺のほうだったんだから。けど、そうだな。授業もあるし」
俺は立ち上がろうとした。
ハロ「おっと」
が、よろめいてツンを押し倒す格好になってしまった。
ツン「ど、ドサクサに紛れて何やってるのよあんたは!?///」
ハロ「足が痺れて・・・ずっと正座だったから」
ツン「とにかく、手首掴んでる手を離して。そういうところを無意識に確保しないでよバカ」
ハロ「ああ、ごめん」
俺が何とか手を離し、両手のひらを床についた。そしてその次の瞬間、ツンが俺の唇を奪った。
ツン「・・・これで、仲直りよ」
ハロ「・・・」
ツン「な、何よ。不満?///」
呆気に取られる俺を見て、ツンは顔を赤らめてぷいと横を向いた。
ハロ「欲求が不満」
顔を近づけ、ツンがこちらを向いたところを今度は逆に唇を奪い返した。
が、迂闊だった。ツンはもともとキスがうまく、首に腕を回されると、逆に口内を犯されていってしまった。やがて唇は離れる。
ツン「あんた、震えてたわよ?大体、あんたが上だなんて百年早いのよ」
生意気な事を言うツン。腰を下げて正座に近い格好になる。今度は胸を触って責める。というか触りたいから触った。
ツン「あ・・・///」
両手でそのふにふにとした感触を楽しむ。体にこんな気持ちいいものがついてるなんて、やっぱり女体は神秘だなあと思う。
ツン「いいいつまで触ってるのよ!///」
ハロ「飽きるまで」
ツン「この変態!///マゾのくせに・・・!」
ツンは足を俺の股下をくぐして曲げると、ズボンの上からでも形のはっきりしているそれを足でいじり始めた。
ハロ「う・・・」
ツン「ほらほら、このままイきたくないでしょ?ズボンが汚れるじゃない」
ハロ「わかった、手、離す」
ツン「ダメよ、こういうのにもちゃんと耐えられるようにならなきゃ!」
ハロ「む、無茶言うなよ制服だぞ。洗うの大変なんだから」
ツン「あんたね、人に散々かけてるくせに、自分のは大切なの?」
足は、より素早くズボンの上からそれをまさぐり始めた。
ハロ「う、うう。だって・・・」
ツン「ほら、我慢我慢」
耐え切れなくなって、俺はベルトに手をかけた。
ツン「こ、こら!勝手に何やってるのよ!」
ハロ「い、挿れたい・・・」
既に勃ちきったそれを取り出して、我慢しきれず言った。
ツン「何言ってるのよ、これから授業なのよ!?」
既に勃ちきったそれを見て、赤面しながら言った。
ハロ「もう休まない?」
言いながら、スカートをめくる。
ツン「ダメって言ってるじゃない、変態!///」
ばさっとスカートを押さえる。
ツン「わ、わかったわよ。でも舐めるだけよ?それでいい?///」
ハロ「なんでもいい・・・」
俺は体を離し、足を投げ出す。ツンは起き上がり、それに顔を近づけた。
ツン「ありがたく思いなさいよ、まったく・・・///」
言った後、それを口に咥えた。
ハロ「う・・・」
吸い上げながら、ツンはやや激しめに頭を動かす。我慢汁ごとすべて吸い上げられているような感覚に、思わず悶える。
ツン「ん、ん、んん、///」
ハロ「ちょ、激し・・・!」
何が嫌なのか、最短記録を目指しているのか、事情は知らないが、凄まじい責めを受ける。
眼下に揺れるツインテールを見ると、ツンの表情や口はうかがい知る事ができないものの、その激しさを物語るには十分
などと実況してる余裕は無い!後ろについていた両腕も震え、もう限界だ。
ツン「ん・・・んっ!?///」
我慢できず、とうとう俺はツンの口の中に出してしまった。全然『とうとう』じゃない。どう見ても早漏です本当に(ry
ツンは迷わず台所に走っていき、それを吐き捨て、水で流した。
そして、こちらにすたすたと歩いてきて。
ツン「さ、学院行くわよ」
ハロ「マジですか!?」
ツン「マジよ。はやくその、えと・・・しまう!///」
何だよその素早い切り替わりは。俺はふてくされながらそれをしまった。
ツン「さ、早く行くわよ!」
ハロ「口、大丈夫か?ガムとか飴ならあるけど」
ツン「気が利くわね。じゃあ貰うわ」
俺からのど飴を貰った後、すこし考えるツン。
ハロ「どうした?」
ツン「なんで用意してるのよ!?」
ハロ「や、偶然だ、偶然」

雪は止んでいた。
二人ぶんの足音が辺りに響く。俺は、ここを来たときの事を思い出した。
ハロ「もう、怒ってないか?」
ツン「え?」
ハロ「ほら、俺・・・」
ツン「もうその話はいいのよ」
ハロ「あ、うん」
サクサクと雪道を進む。
ツン「もうあんたのこと、キライだなんて言わないから」
ハロ「俺も言わない」
ツン「そういえば、あんたから『キライ』って言われた事無いわね」
ハロ「な?」
言った途端、ツンの顔がボッと赤くなった。
ツン「な、ななな何が『な?』よ!カッコつけてんじゃないわよバカ!///」
そういいながら早足で進むツン。雪道をもろともしない。
ハロ「待て待て!どこへ行く!?」

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最終更新:2007年08月04日 10:53