ツルとカメ-12
朝から酷い雨だ、しかも風も強い。天気予報ではお姉さんが今夜は台風が直撃をすると
言っていたし、気が滅入ってくる。唯一の救いといえば、家に帰るまでは大丈夫そうだと
いうことくらいか。しかしバスに乗って帰ることになるので、ツルは始終不機嫌そうな顔
をしていた。今はツルの女の子の日と重なっているので、余計に大変なのだろう。ツルの
もの幼い外見に反してはかなり思い部類に入るらしく、いつ吐いてしまうのかと冷や汗を
かきっぱなしだ。帰るまで保つだろうか。
そんな状態が丸一日続いて今はもう六時限目、あと少しなのでもう大丈夫だろうと安心
してしまったからかもしれない。急に眠気が襲ってきた。定期テストが来週に控えていて、
テスト範囲を早めに終わらせた今は自習時間だ。担当のアズサ先生には悪いけれど、今は
休ませてもらおうと机に顔を突っ伏した。
『カメ、起きて』
水樹の声がして、顔を上げる。視界に入ってくるのはスカートと柔らかそうな太股だが
油断をしてはいけない、こいつは飽くまでも男なのだ。目の前の神秘布を捲ってしまえば、
がっかり棒が見えてしまう。本当にがっかりだ、身内の中では僕基準でツルの次くらいに
可愛い外見をしているというのに。この責任は、一体どうやって取ってくれるのだろうか。
『やだ、あんまり見ないでよ』
いかん、つい凝視してしまったか。
焦って周囲を見回してみるが、誰も居ない。帰ったのだろうか、だとしたら薄情な連中
も居たものだ。せめて起こすなり一声かけるなりしてくれても良さそうなものなのに、僕
は今やそんなに気不味い存在になってしまったのだろうか。そんな状態になってしまった
僕を待ってくれているなんて、やはり水樹は親友だ。本当にありがたい。
『皆起こしたのに、カメが『うるせぇ、パンツ燃やすぞクソアマ』とか言ったから』
そんな危険発言をしてしまったのだろうか。記憶にはないが、寝惚けて言ったとしたら
僕も大したものだ。それだけのことを言ってしまったら、確かに皆諦めるだろう。ツルが
キレて僕を叩き起こさなかったのは、単純に体調が悪かったからだろう。
『ほら、早く帰ろ。台風もどんどん強くなってきてるし』
『体を揺らすな、寝起きなんだ。あとスカートの中身が今にも見えそうだから気を付けて
くれ、僕は無意味にがっかりしたくない』
『そんな、あたしはこれでも女の子なのに』
『男だろ!!』
『酷い!!』
酷くない、こいつがY染色体を持っているのは事実なのだ。だが声には本気の悲しみの
色が混じっていて、僕はどうフォローすれば良いのか分からなくなってくる。今まで常に
冷静だったのに、どうして急にこんなトチ狂った発言をしたのだろうか。
少し考えて、結論が出た。
『とうとう脳が完全に駄目になったか』
いつかはこんな日が来るのではないかと思っていたので、覚悟はしていた。しかし駄目
人間になってしまっても水樹は僕の親友であることには変わりはない。今まで水樹が僕を
助けてくれていたように、今度は僕が水樹を助けていこうと思う。
『介護師の免許は必要になるだろうか』
『だからあたしは女の子だってば』
吐息と共に、目の前の布が僅かに上がった。
『少し恥ずかしいけど、証拠、見せるね。大丈夫、相手はカメだから平気だよ』
繊細な手付きで摘まれたスカートの裾が、ゆっくりと上がってゆく。しかしその中身は
分かりきっている、いつものボクサーパンツだろう。そう思い黙って眺めていたが、何故
だか太股が見えたままだ。そろそろパンツの端の方が見えてもおかしくないところまで裾
が上がってきているのに、そんな様子は見られない。
僕が混乱している間にもスカートの裾は上がり、黄緑色のパンツが見えてきた。しかし
どう考えてもそれは女物、外見が女だからとはいえ男が気軽に穿いてよいものではない。
何段階も考慮を重ね、それでも駄目だという決断が下る代物だ。それなのにこいつは何故
当然のような顔をして穿いているのだろうか、僕ですらツルのものを借りようとして骨を
折られかけた経験があるのに。いくらこいつの姉貴が変態でも、気軽に貸すような真似は
するまい。泥棒も絶対にしない性格だから、残る可能性は只一つ。
『買ったのか』
『? 当然でしょ?』
そして全貌が明らかになり、僕は自分の目を疑った。次に自分の脳を疑い、最終的には
世界をも疑ってしまった。それだけ、目の前の光景が信じられなかったのだ。
無い。
これだけ肌に密着した小さな布地なのに、ちんこによる膨らみが存在しないのだ。目の
前に広がる光景は他の女子のものと変わらない、いや女子そのものだ。どういうことだろ
うか、以前温泉旅館に行ったときや中学時代の修学旅行では確かに股間のものをしっかり
と目撃した筈だ。なのにそれが綺麗さっぱり消えている。
理由を考えて、一つの仮定に辿り着いた。
『すまん、少し調べるぞ』
『え? 変なことしないでよ』
上から雑音が聞こえてくるが、知ったことではない。
『そりゃ』
声にも気合いを入れパンツの縁に手を掛けると、太股の半分辺りまで引きずり下ろした。
眼前に薄い毛に覆われた割れ目が見え、女性だということを示している。だがこれは偽物
だという可能性もあるのだ。以前クラスメイトのSFX部員が何の目的があるのか、精巧
な女性器の模型を作って女子に袋叩きにあっていた。もしかしたら水樹は、それを股間に
取り付けているだけなのかもしれないのだ。
じっくりと眺めるが繋ぎ目は見えない、しかしあれだけ精巧なものを作れるのなら、見えないようにしている可能性が
ある。外見だけで判断してはいけないと思い直し、掻くように割れ目の周囲に指を這わせ
てみる。不自然な部分はなく、触感も普通の肌と変わりない。
『ちょっと、何してるの!?』
水樹はスカートから手を離して叫び、よろめいた。脚にパンツが引っ掛かっているので
動き辛いのだろう。しかしこれは本当のことを調べる為だ、心を鬼にして水樹を睨む。
『スカートをきちんと上げていろ、見えないだろうが』
言うと水樹は身を震わせ、目尻に涙を浮かべてこちらを見つめてきた。可哀想だが仕方
ないことなのだ、白黒はっきり付けなければ皆がぎくしゃくしてしまう。
割れ目に手指を当てて擦るように往復させ、中へと侵入させる。僅かに濡れていて楽に
入れることが出来た。ぬめりを持ちながらも奥へと誘い込もうとひだがうねり、指を複雑
な動きで絡めとってくる。思わず股間が反応してしまいそうな程の精密さだ。
軽く中で指を動かしてみる。すると悲鳴のようなものを出しながら、水樹は腰を捻って
引き抜こうとした。それに対抗するように僕は手を前に突き出して、指先を先程よりも奥
へと侵入させる。何度かそんなやりとりをすると粘着質な水音の他に、雨漏りのような水
が軽くタイルを打つ音が聞こえてきた。音のする方に目を向ければ、太股を伝った液体が
垂れて床に落ち、小さな水溜まりが出来ている。男ではこうはなるまい。
僕は指を水樹の割れ目から引き抜くと、今や手首まで濡らしている液体を舐める。個人
の差はあるのだろうが、これは間違いなく女性の出す蜜の味だ。つまりこれで、実は水樹
が女の子だったということが証明された訳だ。心にかかっていた霧のようなものが晴れ、
僕は安堵する。明日からも、普通に接することが出来るだろう。
『良かったな、万事解決だ』
『良くないよ』
弱い声で言いながら、水樹は座り込んだ。体に力が入らないらしく、支えになっていた
僕の手がなくなったことで堪えきれなくなったようだ。机に手をかけていることで辛うじ
て姿勢を保っているが、それすらも危うい雰囲気だ。
『カメ、お願いだから最後まで……』
「起きろ!!」
大音量に思わず体が震え、顔を上げた。続いて額に強い衝撃が走り、椅子に座っている
のにも関わらず倒れそうになる。何が起きたのだろうかと額を擦ってみると、指先に白い
粉が着いていた。舐めると独特の味があり、それがチョークの粉だと認識する。どうやら
先程の衝撃は、チョークをぶつけられたときのものらしい。
それが何故かと視界を回せば、クラスメイトが一生懸命勉強をしているのが見えた。
「まだ授業中か」
「そうだ、自習だからって寝ることは許さん」
こちらを睨むアズサ先生の指の間にはチョークが数本、僕に投げたのはそれだったのか。
何て恐ろしい精度と破壊力なのだろう、これが全て投げられていたかもしれないと思うと
ぞっとする。早めに目を覚まして正解だった。
ということはつまり、今までのことは夢だったのだろう。
今になって現実を認識し、水樹を見て、続いて隣の席のツルに目を向けた。
「何よ?」
相変わらず不機嫌そうだ。
「水樹って男だっけ、女だっけ?」
夢のせいで少し混乱してきた。
「男でしょ、何を今更。それとさっきのカメ、妙な声を出したり空中を撫でたり、かなり
気持ち悪かったわよ? どんな夢見てたの? ものによっては」
ツルは親指で首の上を一直線に撫でる。
とてもじゃないが、素直に言う気にはなれなかった。正確に言ったら殺されてしまう。
「水樹が自分は女の子発言をして、それを調査する夢だった」
これくらいならセーフだろうか、ツルを見ると僕の発言を無視して再びノートに鉛筆を
走らせていた。自分から訊いておいて、なんという対応なのだろうか。
しかし、何故あんな夢を見てしまったのだろう。もしかして、溜っているのだろうか。
ツルが女の子の日以外は毎日していたから、少し止めただけでこうなってしまったのかも
しれない。この期間は常に苛々しているのでそんな話題も出せないし、この前はもう一度
だけ尻の穴でしたもののツルが予想以上に大変そうだったので、女の子の日だけは本当に
何もしていないのだ。口や手でしてくれるとは言ってくるものの、あまりツルの体に負担
をかけたくないので断るようにしている。
だが水樹まで夢に出してしまうのは末期かもしれない、どうすれば良いのだろうか。
僕は天啓を受けた。
「人魚プレイだ!!」
ツルといえば半マグロ、漢字で書けば半鮪になる。つまりは半分が魚、これは人魚の姿
を示しているのだ。確か昔は飾っていた鯉のぼりが押し入れに入っていた筈だから、それ
を下半身に着ければ外見的には問題ないだろう。しかもその姿になることで下半身の穴が
使えないことも論理的に納得出来るから不満は出ないし、より自然に見えるようにシーツ
の海に寝せれば体にかかる負担も少なくなる。全てにおいて無駄や隙といったものがない。
素晴らしい、僕は歴史に名前を刻む程の天才かもしれない。
「さぁ、ツル!! 今すぐ家に帰って試してみよう!!」
「あのね」
低い声で呟き、ツルは鉛筆をへし折った。
「私はカメと違って、勉強しないと良い点をとれないの」
僕だってそうだ。
「だから、邪魔しないでくれる?」
僕は黙って姿勢を正す。
「カメ、言っただろ」
今度はアズサ先生の声だ。こちらも低く、唸るようなもの。
「今は、授業中だ」
黒板消しが飛んできた。
ツルはコイに勉強を教えてもらうらしく掃除当番の僕を置いてさっさと帰ってしまい、
寂しい勉強時間となってしまった。僕は人に教えるのが苦手なので仕方のないことだが、
やはり一人だというのは辛いものがある。目の前にバーチャルツルを作りながらノートに
鉛筆を走らせること一時間、不自然なくらいにこやかで優しいツルが励ましてくれたお陰
か思ったより勉強が進み、一段落したところで風呂場へ向かった。雨に濡れながら帰って
きたツルは湯が沸いてある状況に感激するだろう。もしかしたら、自ら鯉のぼりを出して
人魚プレイをしてくれるかもしれない。やはり人魚は陸ではなく水辺で踊るものだ。
鼻唄を歌って浴槽を念入りに洗い、ついでにタイルの隅々までもを綺麗にする。そして
蛇口を捻ったところで玄関のチャイムが鳴った。予想より少し早いが、ツルが帰ってきた
のだろうか。しかし問題はない、まだ湯は完全に溜っていないが大した時間もかからずに
満タンになるだろう。そうすれば後は僕の天下だ、思う存分楽しめる。
足取りも軽く玄関に向かい、意気揚々とドアを開いた。
「何だ、センスか。僕は今いやらしいことを考えながらツルを待つので忙しいから、用件
はなるべく手短に頼む。うわぁ、そんなことまでするのか!?」
「何でいきなり理不尽に不用宣言するんデスか!? それと後半思考が漏れてマスよ!?」
いかん、幸せが抜け落ちるところだった。幸福の御裾分けは絶対にしたくないので忠告
をしてくれたセンスには感謝をしなければいけないだろう。
しかしそれと用件を聞くのとは別問題なので、僕は黙ってセンスを見た。
「で、何の用だ?」
「あの、ちょっと濡れてしまって」
「股がか!?」
痴女はコイだけで充分だというのに。
「服がデスよ?」
成程、浮かれていたせいでちゃんと見ていなかったけれど、改めて観察してみれば雨の
せいなのか制服が濡れて、うっすらと透けている。注意して見ればブラの色だけでなく、
模様までもがはっきりと分かる程だ。
「黒のレースか」
「どこ見てるんデスか!?」
どこって、胸しかないだろう。そこ意外の部分を見てブラのことが分かる人が居るなら
それはエスパーか神に違いない。僕の周囲の女は論理的に物事を考えることが苦手な人が
多いけれど、頭が良いと思っていたセンスもそうだとは思わなかった。
「それで、少しの間で良いので雨宿りさせて下サイ」
最初からそう言えば良いのに、随分と話をややこしくする娘だ。
「まぁ、上がってくれ」
「その、重ね重ねすみませんが、シャワーを使わせて貰っても良いデスか?」
僕は少し考え、頷いた。ツルが帰ってくるまでにはまだ時間がある、少しくらいならば
使わせても問題はないだろう。僕はセンスに風呂場の案内をして、着替えを取りに部屋へ
向かった。我が家の洗濯機が最新のものだといっても、シャワーが終わる前に乾燥させる
程高性能ではない。濡れた服をまた着せるのも可哀想だろう。
まずは自分の部屋に入り、何を着せるか考える。ツルの服は乳を中心に不可能だと思う
ので、シャツは僕のもの。ジャージとトレーナーとYシャツのどれにするか考え、決めた
ものはYシャツだった。特に深い意味はない、なんとなくこれが一番似合いそうだと脳内
の神が告げてきたからだ。人魚プレイを授けてくれた程の神様だ、従うのが最善だろう。
次に下着を手に入れる為にツルの部屋に入り、タンスを開いた。下着は下から二番目の
棚だと知っているので迷いはない、堂々と開いて中を物色する。フリーサイズで伸縮性が
高いものをツルは好むので、パンツは簡単に決めることが出来た。問題はブラだが、ツル
のもので合うだろうか。何故か絶対に使うことがないだろうDカップのものが入っていた
が、センスはFカップなのは事前に調べてある。2ランク下のものだとかなり辛いだろう
から使うことが出来ないし、これ以上のサイズのものはない。
どうすれば良いのか。
一拍。
深く考えた結果、ブラなど不用という結論に辿り着いた。取り敢えずYシャツとパンツ
を持って風呂場へと向かった。楽しそうな鼻唄が聞こえてきて、使わせて正解だったのだ
と思う。人に喜んで貰えると、それだけで嬉しくなるものだ。
「ひゃあぁァッ」
不意に悲鳴が聞こえ、何事かと浴室のドアを開く。目の前には体を抱く姿勢のセンスが
居て、涙目でこちらを見上げてきた。原因は何かと視線を巡らせれば、勢い良く水の出る
シャワーが目についた。
「説明してなかったか」
ボイラーが暖めているお湯の殆んどはバスタブに入るように設計されているので、それ
意外の蛇口から出るものを強くすれば自然と水の割合が増して冷たいものになる。今回も
それを知らずにシャワーの勢いを強くしてしまい、その冷たさに驚いたのだろう。過去に
何回か泊まりにきているが、そのときは大丈夫だったので知らなかったのだろう。
「全く、驚かせて」
「み、見ないで下サイぃ!!」
視線を下に向けると、鋭い拳が飛んでくるのが見えた。
激痛。
股間を強打され、僕は思わずその場に崩れ落ちた。座っている姿勢だというのに、随分
とキレの良い拳だ。威力はツルに劣るものの、その精密さは恐ろしいものがある。
「あ、すみまセン」
「良い、拳だな」
「あ、はい。向こうでエクササイズに空手を習っていて、ブラックベルトを貰いまシタ」
黒いのはブラだけじゃなかったのか。
「そんな物騒な武闘派エクササイズを人に向けるんじゃねぇ!!」
思わず乳を掴み、揉みしだく。それだけではない、温泉で見たときから気になっていた
陥没した乳首に指を差し込んでほじるように指先で擦る。豊かな胸の先端に指が差し込ま
れる光景というのは、予想以上にいやらしい。柔らかいと思っっいてたコイと比べてみて
も格段に柔軟なそこは指の第一間接まで簡単に呑み込み、乳房は吸い付くような感触で掌
を受け、包み込んでくる。あまりに気持ちの良い感触に、こねる手が止まらない。
「駄目、デスよ。そんな」
仰向けに崩れて身をよじらせる姿に興奮して、胸に与える刺激を強くした。ときに弱く、
ときに激しく、悶える姿に合わせて様々に変えてゆく。大分感じてきたらしく、埋もれて
いた乳首が固さをもって顔を出してきた。今度はそれを摘んで少し痛いくらいに擦りあげ、
転がしてゆく。普段の柔らかい雰囲気は消え、目尻にいつもの恐怖や驚きとは違う種類の
涙を浮かべ、口の端からは唾液を溢しながら喘いでいる。
箍が外れたのか、更にはジーンズを穿いた僕の太股に割れ目を押し付けて、擦るように
腰を振っている。ざらついた生地が気持ち良いのか必死に体を動かし、僕が膝を軽く揺す
ると歓喜の声が漏れてきた。今や僕の股はずぶ濡れだが、それは降り注ぐシャワーのお湯
だけが原因ではない。脚を離そうとしても無理だと言わんばかりに絡み付くセンスの脚が、
その証拠だ。積極的に快楽を求める姿は、もはや別人とさえ思える。
バスタブに湯が溜り、蛇口を閉めようと無理矢理センスを引き剥がして立ち上がる。
「これで良し」
蛇口を捻ると、ジーンズの裾が引かれた。
「良く、ないデスよ」
肩で息をしながら、潤んだ瞳でこちらを見上げてくる。
「お願いデス、最後まで」
いかん、いつもツルにやる要領でやっていたのだが、センスを相手にそれは不味かった。
何とか逃げようとするものの、脱力している体からは想像も出来ないような握力で足首を
掴まれているのでどうすることも出来ない。さすが黒帯持ちは鍛え方が違う、万年帰宅部
の僕では勝てそうもない。それに加え、僕の股間はしっかりと反応している。
決断は一瞬、僕は股間の竿を取り出した。
「これで我慢しなさい」
竿をセンスの割れ目に当てて、擦り始める。
入れてしまうのは不味いし、僕も我慢が出来なくなってきている。このまま何もせずに
放っておくことも出来ないので、苦渋の決断というものだ。これ自体も不味いような気も
するが、辛うじてセーフと言えるラインだろう。コイがこの前素股を選んだ理由がなんと
なく分かったような気がした。
入れてはいないもののセンスは気持ち良いらしく、タイルを打つシャワーの水の音にも
負けないような声を出している。声がより響く風呂場なだけに、音にすら思考を奪われる
ような感じがする。脚を僕の腰に絡ませて積極的に動くセンスに、全てが取り込まれそう
になるような錯覚を覚えた。
「気持ち、良い、デス」
センスは腰を浮かせ、固く隆起したクリを押し付けるようにして腰を振る。擦っている
僕自身も気持ち良く、柔らかく挟んでくる割れ目の感触と合わさって出したくなる。
「ふあっ、もう、イきマス」
言葉を吐いた直後、大量に溢れ出した愛液が糸を引いてタイルに落ちた。ねばりを持つ
それはお湯とは違うゆっくりとしたリズムでタイルを打ち、しかしすぐに流される。
僅かな間隔を置いて、僕はセンスの腹の上に白濁した液を吐き出した。湯で流されそう
になるそれをセンスは指で掬い、音をたてながら弄ぶ。手指を開き、細い橋を作ると口に
運び喉を鳴らして飲み込んでみせる。口の端から精液を溢しつつ眉根を寄せた笑みを僕に
向け、緩やかに上体を起こした。離れたことでお互いの股間を繋ぐ糸が出来るが、それは
シャワーによって簡単に切断される。
「いっぱい、出まシタね」
「……そうだな。何と言うか」
電子音。
「ただいま、雨に濡れて寒いのなんの。カメ、激甘ドリンク作ってよ」
ツルの声が聞こえ、僕は慌ててシャワーで股間を綺麗にすると玄関に向かった。
「……そんなずぶ濡れで、どうしたの?」
「雨に濡れて寒いのなんの」
「へぇ」
ツルは眉を寄せ、
「部屋着で?」
しまった。
後悔したときにはもう遅い、ツルの拳が飛んできた。
最終更新:2007年08月04日 10:56