ツルとカメ-16
一人での登校なんて寂しいものだ。いつも隣に居てくれたツルが居ないというだけで、
何とも味気無いものになってしまう。今までは薔薇色に染まって見えていた通学路が灰色
に染まって見え、気分が悪くなってくる。いや、ここは心を前向きな方向に持っていく方
が良いだろう。灰色だから何だというのだ、大したことはない。ツルが最近よく着用して
いるパーカーだって灰色だ、そう思えばこの世界の色も悪くない。まるでツルに包まれて
いるようじゃないか、その光景を想像してテンションが上がってきた。もう辛くはない、
寝坊して日直のツルに置いていかれたことも気にならなくなった。
「それに、寝坊した理由は分かるだろう、君」
『分からんのう』
誰も居ない空間に語りかけたつもりだったが、何故か答えが返ってきた。だがそれも今
の僕にとっては些細な問題だ、きっと世界が僕に答えの提示を求めているのだと解釈する。
僕は声が聞こえてきた方向に向かってポーズをキめた。
「昨日はツルと四回戦までいった上、愛用のツルボイス目覚ましの声を何度も聞いてたら
こんな時間になってしまったんだ。全く、時間というものは残酷だね?」
数秒。
今度は何の反応も返ってこなかった。当然だ、世界や時間も反省して言葉が出てこない
のだろう。僕も同じ立場だったならば、反省と感動でぐうの音も出てこなくなる。しかし
世界レベルで感動を与えることが出来るなんて、ツルの可愛さはどこまで凄いのだろうか。
『のう、兄さん』
「何だ?」
『お主、馬鹿じゃろう』
何て失礼なのだろう。いや、これは寧ろ世界中の幸福を一点に集めてしまっている僕に
嫉妬しているのか。それならば構わない、どんどん嫉み妬んでくれれば良い。それで済む
のならば安いものだ、甘んじて罰を受けようじゃないか。そして傷付いた僕をツルが癒す、
正に幸福の無限ループだ。こんな発見をしてしまえる自分が時々怖い。
『ところでの』
「何だ?」
折角盛り上がってきたところだったのに水を差すなんて、無粋にも程がある。
『助けてくれんかの、今にも死にそうじゃ』
「おい、大丈夫か!?」
声のした方へと駆けてゆく。僕がつい先程まで会話していた相手は世界の大いなる意志
などではなく、今にも死にそうな誰かだったらしい。何てことだ、あまりにも呑気な声を
出していたものだからすっかり気が付かなかった。このまま放置して人死にを出してしま
ったら、ツルに顔を合わせることが出来ない。
だが逆に考えたら、
「僕達は更に激ラヴに!!」
『後で何でもするから頼む、マジでヤバいんじゃ!!』
声に急かされる。成程、救出時間が短ければ短い程に得点が高いのか。しかも基本的に
得点が高ければ高い程に景品が豪華になるのが、人間社会のルールだ。つまり、今すぐに
でも見付けることが出来たならば、それはもういやらしいツルを拝めるということになる。
人の命を救うというのだから、平凡代表人間である僕などでは到底想像もつかないような
半端じゃないエロさのツルが待っている筈だ。
「たまらん!!」
『早くせい!!』
いかん、難しいことを考えていたせいで少し時間を食ってしまった。だが、それにより
やる気が急激に増したのも事実。相手が誰かは分からないが、加速する。
「うわ、危ね」
それが悪かったのか、普段なら絶対に嵌らないであろう排水溝に足を取られそうになる。
間一髪でそれを避け、バランスを取りながら周囲を見回した。声はこの辺りから聞こえて
きた、近くに居るのは間違いない筈だ。だが人影一つ見当たらない、どういうことだろう。
『お主、儂を殺す気か? 踏まれるとこじゃったぞ!!』
声のした方向に顔を向けた。
「どこだ?」
『下じゃ、下じゃ。ここに居る』
下、と言われても足元には排水溝があるだけだ。幅が20cm程、深さも同じくらいのそこ
は例え赤ん坊だろうと体は収まらないだろう。そもそも、そんな気配自体がない。
『ここじゃと言うとろうに、お主の目は節穴か?』
しゃがみ込んで排水溝の中を注意深く見ると、僅かに動くものがあった。小さな亀が足
をばたつかせて、起き上がろうと必死にもがいている。まさか、僕に語りかけてきたのは
こいつだろうか。いや、そんな筈はない。あまりにも非現実的な自分の考えに思わず苦笑
を漏らしそうになった。亀にテレパシーなど使える筈もないし、そもそも下等生物が人間
と同じ思考を出来る筈がない。動きが可愛らしいのでもう少し見ていたかったが、今は人
を助ける方が先だ。僕は立ち上がると、再び周囲を見回した。
『こりゃ、早く助けんか。何故見捨てようとする』
やはり、さっきの亀なのだろうか。
「つかぬ事をお聞きしますが」
何故か敬語を使ってしまった。
「貴方は亀ですか?」
『儂が亀以外のものに見えたのならば大したもんじゃ、一度脳を調べて貰った方が良い』
随分な言い草だが、僕は正常な人間だ。だとしたら今まで話をしていた相手は今も醜く
もがいている哀れな亀だということになる。しゃがみ込み亀を拾って道路に出してやると、
お礼でもするように頭を軽く上下に動かした。
『ふぅ、助かったわい。少年、礼を言う』
「どう致しまして」
亀にお礼を言われた人間なんて、僕か浦島太郎ぐらいのものだろう。
『さて、礼は何が良いかのう?』
最初に言われたことだが、亀が語りかけてくるという珍事のお陰ですっかり忘れていた。
しかし何かお礼をすると言われても、亀に何が出来るのだろうか。それに元々お礼なんて
期待してのことではなかったし、僕は首を振った。
『お主、なかなか良い奴じゃのう。だがこのままでは儂の気が収まらん、これから用事が
無いんじゃったら暫く共に着けてくれんかの? そのとき、礼をする』
「いや、これから学校があるし」
『おぉ、寺子屋か。ならば尚更じゃ。読み書き算盤、何でも出来るぞ?』
亀のくせに随分と芸達者な奴だ。
数秒考えて、吐息する。
そしてティッシュで亀の体を拭ってやると、そいつを胸ポケットに入れた。
『すまんの。儂ももう少し早く歩けたら良いんじゃが、亀は足が遅いものと昔から決って
おるでの。ところでお主、名前は何と言う? いつまでもお主じゃ他人狭義じゃろ』
「皆にはカメって呼ばれてる」
『奇遇じゃのう、儂もよくそう呼ばれる』
それは当然だと思う。
『だがそれじゃ味気無いでの、好きに呼んどくれ』
僕は少し考え、
「ミチルなんてどうだろう」
するとミチルは嬉しそうに首を上下させた。
こいつは意外と話が上手く、話をしながら歩いているとあっという間に学校に着いた。
「おはよ、カメ……アンタまたしょうもないことをして。マスコットのつもり? その亀
が可哀想でしょうが、さっさと元居た場所に戻してきなさいよ」
会うなりコイはいつもの如く失礼な言葉を吐いてくるが、僕は安心していた。前回僕が
クッキーを食べて倒れたことを気にしていたみたいだったが、今やすっかり元の状態に
戻っている。これで僕も何の心配もなくツルとイチャ付けるというものだ。
「あ、亀さんデス、可愛い。言っておきますケド、カメさんのことではないデスよ?」
笑顔で失礼なことを言う娘だ。自覚はないのだろうが、素直にそう言われるとなかなか
キツいものがある。別に可愛いと思われたい訳ではないが、さりげない棘が痛い。
遊ぶように手指の先をミチルの顔に近付けていたセンスだったが、拒否するように顔を
背けられると複雑そうな顔をした。話上手だったので愛想が良いと思っていたが、こいつ
にも好き嫌いというものはあるらしい。
「ところで、どこで拾ってきたんデスか?」
「通学路で助けを求められた、まさか喋る亀が居るなんて思わなかったさ」
センスは笑みを浮かべて目を反らし、その視線の先に居たコイは顔の前で手を立て軽く
横に振った。言葉は無かったが、何が言いたいのかはなんとなく分かる。フォローを求め
ようと一真を見ると、水樹と何かアイコンタクトをしながらこめかみの辺りで人差し指を
回していた。水樹までもが、その失礼なジェスチャーに苦笑いで頷いている。どうやら、
何か誤解があったらしい。それはそうだ、僕だって実際に声をかけられるまではにわかに
信じられなかった話だ、気が触れたと思われても無理はないだろう。
だから僕はミチルの頭を軽く撫でて、
「ほら、ミチル。皆に挨拶しよう」
言ったが、反応が来ない。
「どうした? まさか具合いでも悪いのか?」
「悪いのはアンタの脳じゃないの?」
コイが失礼なことを言ってくるが、今は無視だ。
「私はカメの言うことを信じるわよ、カメはその亀と会話が出来たんでしょ?」
さすがはツルだ、僕のことをよく分かってくれている。普段の魔眼と見間違えんばかり
の凶悪な目付きも、今や母性の塊のように優しく弧を描いている。背後からは後光が見え、
心なしか乳も膨らんで見えてくる。いや、恐らく乳の方は勘違いだろうが。
軽やかな手付きでツルは僕の肩に手を置き、目線を合わせてきた。
「でもねカメ、驚かないで聞いてね。亀は絶対に喋らないのよ?」
「信じてねぇ!?」
「保険証ってどこにしまったっけ? て言うか、いつもの病院に精神科ってあったっけ?」
現在進行形でツルが一番酷い、あまりのショックで頭がおかしくなりそうだ。いや、頭
がどうとかそんなレベルじゃない、今にも死にそうだ。だがこのまま死んでいくのは絶対
に嫌だ、まだまだやり残したことが沢山ある。
それが叶わないというならば、
「せめてツルの乳の中で!!」
「それを言うなら胸の中ででしょ!! あ、こら、それは家に帰ってから」
家に帰れば尻を撫で放題だということか、それを聞いて生きる気力が再び沸いてきた。
今回はツル自ら許可も出してきたので、さぞや楽しいことになるだろう。何の咎めもなく
尻を撫で、食事をし、尻を愛で、テレビを見て、尻を揉み、二人で布団に入り、尻を撫で、
尻を慈しみ、尻をたっぷりと堪能する。成程、情けは人の為ならず、今朝の善行の見返り
はこれだったのか。やはり良いことはするものだ、命は大切だ。それにミチルには感謝を
しなければいけない、こんな素晴らしい機会が出来たのはミチルのお陰だ。
「後で高級な餌を買ってやろうな」
僕の話を聞いているのかいないのか、首を甲羅の中に引っ込めた。
楽しみなことがあると、時間が経つのがとても早く感じる。あっという間に一日を終え、
僕は気が付けばツルの部屋の中に居た。いやらしいことが目的なのではない、日直の仕事
で帰宅が少し遅れるツルの代わりに準備をしなければならないからだ。箪笥の一番下の段
を開くと、色とりどりの布が現れる。ツルの下着の数々だ。下着を吟味し、熟考に熟考を
重ねて、僕は数枚を手に取った。これは変態的理由からではなく、ツルの為だ。僕が存分
に尻をいじることは決定しているが、それで擦り切れたりほつれたりするとツルは困って
しまうだろう。僕としても、そんな傷んだ下着を穿かせて惨めな思いをさせたくはない。
『お主、何しとるんじゃ?』
「黙れ、今大事なところだ」
校舎に入ってからは一言も喋らなかったミチルが再び話しかけてくるが、今はそんなの
は対したことではない。パンツの耐久力を確かめる為に僕は頭に被り、軽く撫でた。本当
ならば実際のものと同じ条件でやるのがベストだが、僕が穿いたら変態確定してしまう。
しかしたゆんだ状態では確認の仕様もなく、言うなれば妥協策というものだ。
『カメ、自分の姿を客観的に見てどう思っとる』
言われた通りに客観視したが、何もおかしなところはない。
「どこがおかしい?」
『……もう良い、お主に訊いた儂が悪かった。ちょっと儂を降ろしてくれんか』
言われた通りに床に降ろすと、その体が光に包まれた。目が眩む程の乳白色の光の塊は
一瞬で大きくなり、やがて光が霧散すると中からは人の姿が現れる。
「ふぅ、どうじゃ? なかなか良い体じゃろ?」
「お前、メスだったんだな」
「せめて人の姿のときは、女と言ってほしいのう」
女も何も。
体には何も身に纏っておらず、胸や股間が露になっている。腰まで届く長い黒髪は一点
の曇りもなく艶やかで、見ているだけで吸い込まれそうになってくる。切長の目は余裕と
自信を湛えて、僕を真っ直ぐに見つめてくる。
美しい、その一言しか思い浮かばないが、
「幼女じゃなぁ」
さすがにそれは言い過ぎだと思うが、ツルと同じレベルの体型だ。
「な、何じゃこれは!?」
慌てて自分の体をまさぐっているが、それで体型が変わる訳がない。先程の余裕は完全
に消え失せていて、今や申し訳なさそうな表情をしてうなだれている。
「すまんの」
ふと気が付いた。
「人の姿になれるなら、それで脱出すれば良かったんじゃないか?」
「馬鹿者、そんなことをしたら挽き肉になってしまうわい」
まぁ、よく考えるとそうかもしれない。
「さて、こんな姿で申し訳ないが礼でもするかの」
「その前に服を着ろ」
「構わん、睦事に服は要らんじゃろ」
待て、お礼とはつまり変形合体のことか!?
「要らん」
「遠慮するでない」
そう言われ、睨まれた瞬間体が動かなくなった。金縛りというやつだろうか、どんなに
体を動かそうとしても指先一つ動かすことが出来ない。
ミチルは僕の襟首を掴むと部屋を出て、強制的に部屋へと運んでゆく。そのまま体を
ぞんざいにベッドの上に投げると、ズボンのチャックを下ろしてきた。
「安心するが良い、伊達にお主の30倍は生きておらん。すぐに天国に連れていってやろう」
「このロリババァ!!」
「ふふ、今にそんなこと言えなくなるでの」
唇の端を曲げると、ミチルは僕の股間に吸い付いてきた。言うだけあって、エニシ先生
と同じくらいの技術で刺激を与えてくる。その小さな体からは想像も出来ないくらい深く
くわえこみ、全体を包むような舌遣いで僕のものを舐める。そうしたかと思えば急に引き
抜き、音をたてて吸いたててくる。薄いがとても柔らかい唇でカリの部分を擦りたてて、
裏筋を舌でえぐるように舐め、唇の先で先端をついばんできたりもする。多種多様な動き
に堪えられず、いつもならまだ我慢出来る筈のところで射精してしまった。
「はは、濃いのう」
わざとらしく喉を鳴らしながら精液を飲み込んでゆく、それに合わせて上下に動く喉が
とてもいやらしい。そしてこちらを見つめてくると、外見に似遣わしくないとろけた笑み
を浮かべた。口の端から垂れる白濁液を舌で舐めとり、再び音をたてて飲み込んでゆく。
そしてやけに赤く見える唇を三日月の形にして、僕の首筋に唇を這わせてきた。
「まだ、出せるじゃろう?」
耳元で囁き、僕の竿にしなやかな手指を絡ませると、固さを取り戻してきた。元の状態
どころか、先程よりも更に勢いが増している。今までは体質なのか少しの休憩時間が必要
だったのに、それが嘘だとでも言うようにいきり立っていた。出した直後で敏感になって
いるそこを弄びながら耳を甘噛みし、丹念に体を擦り付けてくる。
「気力も戻ったことだし、本当の姿を見せてやるかの。腰を抜かすでないぞ」
僕を見下ろすように膝立ちになると、ミチルの体が光に包まれた。一瞬後には、長身の
美女が現れる。顔には面影が残っているが、体は殆んど別人だ。平野のようだった双岳は
大きく張り出し、滑らかな曲線を描いて下へと続いてゆく。そこから到達した腰は細いが
痩せているという印象はない、女性特有の柔らかさを感じさせるラインで、その胸をより
強調するものとなっている。尻はふっくらとしていて、今までに見た誰よりも完璧な体で
あると思わされた。これ程に綺麗な体は、まさに人外のものだ。
「ふふ、どうじゃ?」
Yシャツの釦を外しながら、股間を竿に擦り付けてくる。完成された女性の体は先程の
子供の体とは比べ物にならない程に柔らかく、そして気持ちが良い。ミチルは全ての釦を
外すと僕の体を舐め、たっぷりの唾液を塗りたくってきた。そして自身の乳房を僕の胸に
当て、ゆっくりと体を動かし始める。唾液が潤滑油となって、ぬめる肌が今まで味わった
ことのない快楽を与えてきた。コイのものやセンスの乳も大きく柔らかかったが、ミチル
のこれはもはや別格としか言いようがない。
ミチル自身も気持ちが良いのか、荒くなった息が顔に当たり擽ったい。熱い吐息を送り
込むように唇が重ねられ、それを冷まそうかとでも言うように大量の唾液が流し込まれて
くる。続いて舌が差し込まれ、何か意思を持った別の生き物のように僕の舌に絡み付いて、
溶けるような快楽を与えてくる。口の隅々までねぶられ、僕はそれだけで二度目の射精を
してしまいそうになっていた。
「カメ、入れるぞ」
待て、と言う暇はない。
キスの間中ずっと割れ目をなぞっていた男根は既に愛液でべとべとに濡れており、股間
を当てがわれると力を込めるでもなく飲み込まれた。すんなり入ったというのにその膣内
は驚く程に窮屈で、それなのに狭い中で動くぬめりを帯びたひだがそれぞれ動いている。
只でさえ出しそうになっていた状態だ、ミチルが腰を使うまでもなく放出してしまいそう
になる。油断をしていたら、きっと今頃は二度目の射精をしてしまっていただろう。
「全部飲み込まれたな、動くぞ」
最初は遅く、だが徐々に動きを激しくして腰を前後に動かしてきた。抜き差しする上下
の動きではない、ひたすらに中の壁を擦る動きだ。その為に常に全体が包み込まれていて、
休む暇などなく快感を与えてくる。痛みすら感じる程の感覚に意識が朦朧とし、その中で
先端にこりこりとした感触を感じた。子宮口なのだろうか、それを擦る度にミチルは口の
端から唾液を垂らし、大きな声を出す。
「お主も、動いて、くれ」
覆い被さるように四這いになったミチルと唇を重ね、胸を吸いたて、それぞれの手で胸
と股間の肉芽をつねりあげる。少し強めに刺激を与えると、より激しく腰を動かし始めた。
「もう、駄目、じゃ」
今にも達しそうなのだろうか、膣壁が万力のような力で締め付けてきた。食い千切られ
そうな程の収縮の中、僕はこじるように先端を子宮口に当てて射精する。
「ふう、満足、したか?」
名残惜しそうにミチルの秘所は僕のものを緩やかに扱き続けているが、敏感になった今
のままでは危険なので引き抜いた。ミチルは肩で息をしながら僕の上から降りると、床に
座り込む。冷たい感触が気持ち良いのか、そのまま横になり僕を見上げてきた。
「のう、カメ。お主さえ良かったら、また……」
不意に、足音。
「ただいま。カメ、さっきからうるさいけどどうしたの?」
眉根を寄せながらツルが部屋に入ってくる。
「……カメ? 私、架空浮気も駄目って言ったわよね? なのに何でついさっき射精した
ような匂いなのかしら? 分かりやすく教えて頂戴?」
「ま、待て。これはミチルが……居ねぇ!? どこ行きやがった!?」
ツルに振り向けば、既に腕を高く上げて鞄を投げる姿勢に入っている。
「反省しなさい」
有り得ない風切り音をたてながら投げられた鞄が、僕の股間にぶち当たった。
最終更新:2007年08月04日 11:20