アットウィキロゴ
 

ツルとカメ-21

  • 作者 ロボ氏

「あぁ、もう腹立つ!!」
 ここ数十分で何度目になるのだろうか、ツルは僕の脇腹を殴りながら叫んでいた。今回
のことに関しては、僕は悪くない。先程の電車の中でのことが原因だからだ。
 今日は修学旅行二日目、自主見学の予定なのだが、今は僕とツルの二人だけだ。本当は
皆と映画村に向かっていた筈なのだが、その途中の電車の中でツルが痴漢に襲われたのだ。
いつも通りに発車二分でダウンしてしまっていたツルだが、そんなヤバいときにパンツを
撫でられてブチ切れてしまったらしい。その感情は体調不良をものともせずに小さな体を
駆動させ、僕が気付いたときには力の限り痴漢、正確には痴女をパワーボムの餌食にして
いた。電車の床板を豪快に鳴らす程の威力は、寒気さえ感じた程だ。そんな傷害事件的な
ことをしでかしてしまって駅員さんに怒られている間に、他人のふりをしたコイ達に置い
てけぼりにされてしまい、更には急いで追い掛けたのだが道に迷ってしまったのだ。何を
隠そう、家の家計は酒には強いが地図に弱い。僕がそうであるように従姉妹であるツルも
勿論例外ではなく、二人仲良く馬鹿を見ているという状態だ。それもこれも、あの痴女が
原因だ。ということで一度は収まった溜飲が再び沸いてきたツルが僕を殴っているという
訳だ。まぁ、僕としてはツルと二人きりなので何の問題もない。
「しかしなぁ」
「何よ? あぁ腹立つな、もう」
 僕は腹が痛い。
「ツルの体型で欲情するなんて、やっぱ変態って全国に居るんだな」
 コイやセンスみたいなエロ肢体で興奮するならまだ分かるし、水樹も当然乳はないのが
何だか触りたくなる外見だ。寧ろ地元民と違って男だという予備知識が無い分、躊躇いが
存在しなくなるだろう。そんな美味そうな獲物が三人も居るというのに、どうして犯人は
ツルを狙ったのだろうか。何しろ美幼女だとはいえ、吐く寸前までいった顔は凶悪な獣の
ようで、表情といえば地獄の鬼も即時に土下座してしまう程のものだったのだ。尻を愛で
ようにも、これより酷いものはそう無かっただろう。正直、宇宙で一番ツルを愛している
と言っても過言ではないと自負している僕でもアウトだった。

「変わった奴も居たもんだ」
「カメを筆頭にね」
 心にもないことを言うなんて、ツルは相当参っているらしい。ここは僕が何とか元気に
しなければいけない場面だ。ここでのフォローが男を見せるチャンス、上手くいけば何か
ツルが感激して、更には愛の力で乳が膨らんだりするかもしれない。
 僕は考え抜き、そして結論した。
「ほら、おツルちゃん。これでもお食べ」
 そう言い、僕はツルに京都名物の『おたべ』を差し出した。完璧だ、何て隙の無い慰め
なんだろう。怒りを消すには笑いが一番だし、京都という土地のものをを上手く駄洒落に取
り込んでいる。これにより今は修学旅行中だということを思い出し、前向きになることが
出来るという寸法だ。それに、駄洒落だという部分も良いだろう。一気に気分を変えるの
ならば、難解なジョークよりもシンプルなものの方が良い。今のシリアスな場面ならば尚
のこと、不条理ともとれるインパクトの強い言葉の方がが良い。それだけでなく甘いもの
を摂取することによって脳や心がリラックスするし、笑ったことによって諺パワーで福が
来るかもしれないのだ。ここまで配慮されたものを瞬間的に思い付くなんて、僕は自分の
才能が恐ろしい。いや、ここまで引き出したツルとの愛の力だろうか。
 数秒。
 ツルは道端の排水溝に唾を吐き捨てると、横目で睨みつけてきた。昨日ホテルでは美味
そうに食っていた筈だったが、飽きたのだろうか。この抹茶味というのも悪いかもしれない。僕は和風のものが好きなの
で大丈夫だが、洋菓子派のツルからしたら気に入らない部分があったのだろうか。
 恨めし気にこちらを見ていたツルだったが、何だかんだ文句を言いながら僕からおたべ
を奪い取ると食べ始めた。噛む動作にも一々怨念が感じられることには、敢えて触れない
でおいた方が良いのだろう。流石にこれ以上の腹パンチは堪えるものがある。
「しかし本当に、ここどこよ? まさかこんな人の多い町中で遭難するとは思わなかった
わよ、疲れたしもう最悪。カメ、何とか出来ない? その無駄なエロパワーとか使って」

 甘いものを食べたというのに、回復するどころか一層やさぐれているような気がする。
ツルは溜息を吐きながら石垣に寄りかかると、目を眇めて空を見上げた。曇一つ無い空は、
順調に行っていたなら、さぞ綺麗なものに見えただろう。しかし今の精神状態で見ると、
かなり馬鹿にされているように思える。
「馬鹿みたい。ね、カメ。せっかく京都まで来たのに何も見れないで、更には遭難とか」
「おたべ食っただろ」
 逆に言えば、それくらいしかしていないけれど。
 だがツボに填ったのか、ツルはおかしそうに肩を揺らして僕の顔を見つめてきた。
「何か、逆にそっちの方が私達らしいね」
 そうかもしれない。
 電子音。
「誰だ?」
『いつまで待たせるつもりよ、この遅漏。脳年齢に体が追い付いてきたとか? そのまま
老化現象進みまくって衰弱死すれば? 二酸化炭素の排出量が減るし』
 そこまで一気に巻くし立てられ、何故か一方的に電話を切られた。コイの方からかけて
きたというのに、この理不尽な対応にはどうしたら良いのだろうか。意味がさっぱり分か
らず、不思議そうに視線を向けてくるツルに対して首を振った。こればかりは、僕も説明
の仕様がない。しかし、今更過ぎるが携帯を使うべきだった。僕とは正反対で、一度見た
だけで場所などをある程度理解することが出来るセンスならば助けてくれるだろう。日本
文化を学べると言って楽しそうに地図とパンフレットを見ていた彼女なら、少しくらいは
道を外れていてもフォローしてくれるに違いない。
 メモリからセンスの番号を呼び出し、発信する。こちらからの連絡を待っていたのか、
僅か3コールで繋がった。すぐに彼女独特の発音の日本語が聞こえてくる。
「おぅ、ワシだワシだ。そう、お前のグランパじゃわい」
『……切っても良いデスか?』
 何て酷い娘だ。
「待ちなさい、道に迷ったんだ。ちょっと助けてくれ」
『タクシー乗ってこいよ、俺らもそうだったし』
 畜生、だから駅の近くに居なかったのか。

 十数分。
「待たせたな……ツル、吐くなよ?」
 今日二度目の乗り物酔いにふらつくツルを支えながら映画村に入ると、着物を着た皆が
出迎えてくれた。和服は基本的に乳がでかい人には向いていない筈なのだが、何故かコイ
もセンスも普通に似合っている。巨乳和服も中々エロい感じで良いものだ、谷間が見えず
とも充分に見て楽しめる。当然のように水樹は女ものの着物を着ているが、何の違和感も
無い。と言うか、四人の中で一番似合っている。乳が無いからということもあるが、水樹
の家は女形をやっているので慣れているからというのもあるだろう。そもそも、こいつが
女装をしているのも家の仕事が原因だ。家業は兄に任せる予定らしいが、それでも女装を
続けているのは元来真面目な性格だからだろう。
 そして一番面白いのは、
「おぃ、何だよそのバテレンは?」
 一真の格好だ。
 不良じみた顔付きのせいで今にも人に斬りかかろうとしている浪人風になっているし、
何よりこんな場所でも外さない十字架のせいでキリシタンのように見える。総合的に見て
みると、今にも島原の乱に参加しそうなヤバい外見になっているのだ。一真も自分で気に
なっていたらしく、こちらを一度睨み付けるとそっぽを向いた。
「カメ、言っちゃ駄目だよ。さっきも散々言われてたんだから」
 やはり皆そう思ったらしい。何気に全員口が悪いから、傷付いていたのかもしれない。
「すまん」
「気にするな、この十字架は俺の誇りだ。それより早く着替えてこいよ」
 そうしよう。
 数分。
「恐ろしい程似合わないな、お前は」
 侍風の衣装に着替えて皆に見せると、一真がぼそりと呟いた。自分でも似合っていない
のはよく分かっている、姿見の前に立ったときにそれは確認した。似合っているかどうか
という話だったら、まだ一真の面白い組み合わせの方が本物らしいだろう。しかし他人に
言われるのは、分かっていてもかなり傷付く。皆にバテレン呼ばわりされた一真も、多分
こんな気持ちだったのだろう。さっき笑ったことを深く反省した。

「それにしても、昔の日本は凄いデス。建物も不思議で、それに密集してて活気がアって」
「楽しいか?」
「はい、とても。向こうに居た頃から、ここには是非来たいと思ってマシた。田舎だった
ので、こんな風に独特の文化を知る場所も少なくて、だから嬉しいデスよ」
 やはり日本慣れているように見えても、センスは外人だということか。通行人を見ては
驚き、水樹に色々と尋ねている。無邪気というか素朴と表現するのか、久し振りにセンス
のそんな場面を見たが可愛いと思う。外見は年相応以上だが、表情はまるで幼い子供だ。
好奇心に身を任せて楽しそうにしているのを見ると、素直な良い娘だと思う。
 それにしても、ツルはまだだろうか。僕より早く衣装を選んですぐに着替えに行った筈
なのだが、やけに時間がかかっているようだ。元々着替えがあまり早い方ではないけれど、
それでもここまでかかるのは不自然だ。もしかして、何かあったのだろうか。
「おまたせ」
 建物の陰に隠れるようにして、こそこそとツルが顔を見せた。しかし肝心の着物を見せ
ようとせず、こちらを伺うようにその場を動かないでいる。恥ずかしいのだろうが、ここ
ではそんなに臆することも無いと思うのだが、どうしたことだろうか。
「早く来いよ。僕はツルの着物姿が楽しみで来たようなもんなんだ」
「笑わない?」
 何を笑うことがあるのだろうか。ツルの着物姿だ、愛しく思うことはあっても小馬鹿に
する要素などがある筈もない。それなのにツルときたら、睨むようにこちらをじっと見て
いるだけで、一歩も動く様子がない。どうしても見られたくないらしい。
「ツル、僕や一真より酷いものは無いだろ。だから怖がるな」
「笑わないでね、絶対よ?」
 頷くと、漸くツルが出てきた。あまりの似合いっぷりに、一瞬驚いてしまった。凹凸の
無い体型なので不自然な部分は欠片も無いし、寧ろ僕の中では水樹を抜いて一番になった。
気恥ずかしさの為か赤くなっている顔を袖口で隠しているのも奥ゆかしく、一歩踏み出す
度に僅かに覗くふくらはぎなどはもう、堪らないものがある。しかもどこかで見たような、
そんな懐かしい雰囲気まで漂わせているのだ。日本人の遺伝子は、確かに僕の中にある。

「呪われそうだな、おぃ」
「そうね、髪とか伸びそう」
 そりゃ生きているんだから、髪くらい伸びるだろう。しかしそうか、どこかで見たこと
があると思っていたら、婆さんの家にあった市松人形によく似ている。どんな仕組みなの
か髪が伸びる不思議なもので、幼い頃はよく床屋さんごっこに使っていたものだ。どれ程
カットしても翌日には戻っていたので、気に入っていた記憶がある。あれは僕が小学校を
卒業した年に四隅に塩を盛った倉の中にしまわれたが、どれ程伸びているか気になった。
今度婆さんの家に行ったら、また見てみたいと思う。
「子連れ狼みたいデスね」
 恥ずかしがって僕の背後に隠れた隠れていたツルが、身を小さく震わせた。大五郎とは
性別が逆だが着物のせいか妙に幼く見えるツルと、逆に妙に老けて見える僕の組み合わせ
では、そう見えるかもしれない。最近時代劇にハマったらしいセンスから見れば、素直に
頭に浮かんできたのだろう。因みに侍で思い出したのだが、センスは空手だけでなく剣道
と弓道の黒帯も持っており、近中遠距離全てに対応出来るオールレンジな武闘派らしい。
アメリカ産のくせに、やたら日本人じみている武闘派も居たものだ。
「子連れ狼」
 確認するように呟き、服を握る力が強くなった。
 不味い。
「子供で結構よ、この巨乳!!」
 これは、泣く。
 慰めようと思ったが、当のツルは駆け出していた。僕も慌てて追い掛ける。
「来ないでよ変態、幼い子供を追っかけやがってこの馬鹿!」
 畜生、無駄に足が早い上に妙な暴言まで吐きやがる。だが僕は変態ではないし、ツルも
子供ではないので構わずに追い掛けた。僕は男の子だ、こんなときくらいは意地を張って
も良いだろう。ツルは女の子だし、恋人である僕が慰めなければいけない。いや、性別や
恋人がどうのこうのではなく、僕が純粋に側に居てやりたいと思う。

 それなのに、
「このスプリンターめ」
 同じ帰宅部のくせに、この差は何なのだろう。着物に下駄というハンデをものともせず、
草履の僕よりも格段に早い速度で走っている。おまけ何分も全力疾走しているせいで息が
切れて、本当に変質者から逃げ惑う幼女の構図になってきた。
「止まれコラァ!!」
「止まらないわよ馬鹿ァ!!」
 こちらを振り向いて叫んだのが悪かった。ツルは石に跌くと、まるでミサイルのように
水平に飛んだ。猫科の獣のように空中で身を捻って着地したが、今度はバランスを崩して
尻餅をつく。情けない話だが、そこで漸く僕は追い付いた。
「何で来るのよ、馬鹿みたい」
「馬鹿で結構だ。僕は馬鹿でもツルの彼氏たからな」
「うっさい馬鹿」
 言いながら立ち上がろうとするが、再びバランスを崩して僕の胸に倒れ込んだ。足元を
見ればお約束のように鼻緒が切れている、これでは歩けないだろう。
 僕はツルを抱き抱えると、近くの茶屋に入った。もがくようにツルは暴れたがこの程度
のことは日常茶飯事だ、上手くいなしながら個室に入ると畳敷きの床に放り投げた。店員
のお姉さんに適当に注文をすると、改めてツルに向き直る。
「ツル、あれはセンスが悪いけどな、ツルもキレ過ぎだ。今は取り敢えず頭を冷やして、
それからちゃんとしような。分かったか、返事は?」
 小さく答えると、ツルは上目遣いでこちらを見上げてきた。
「カメって、たまに超真面目よね」
 失礼な、僕はいつでも激しく真面目だ。
 運ばれてきたモナカを食べつつツルを見ていると、帯がほどけかけているのに気付いた。
先程転んだときにやったのだろうか。ツルは気付かない様子でヨウカンをちまちまやって
いるが、このままではいけないだろう。仲直りなのだから身なりをきちんとしておいた方
が良いし、そちらの方が後で遊ぶ分に問題も少なくなる。しかしこれをきちんと直すには、
一旦ほどかなければいけない。これをどう切り出すべきか。

「なぁ、ツル」
「何よ?」
 焙じ茶をすすりながら、睨むようにこちらを見てくる。
「帯グルをやろう」
 素直に言うよりも、少し遊び心を加えた方が安心出来るだろう。後は元気になったツル
の帯を僕がほどけば完璧だ。そして半裸姿を堪能し、最後は笑いながら着衣を正せば良い。
迷子になったときのフォローといい、今日の僕は本当に冴えている。
「……良いよ」
 暫く悩んでいた様子だったが、ツルは躊躇いながらも頷いた。僕はテーブルを隅の方に
寄せると、立ち上がったツルの帯の端を引っ張りだす。そして迷うことなく、勢い良く帯
を引いた。後は慣性に任せ、ツルの体が回るだけだ。
「どうしたの?」
 動かない。
 やけに素直だと思っていたが、体は正反対。力の限り抵抗している足元から視線を上げ
ると、悪どい笑みを浮かべているツルの顔があった。どうやら簡単に回させてくれる気は
全く無いらしい。ここまで来て、なんというどんでん返しだろうか。
 だが帯グル遊びは僕が密かに憧れていたものの一つだし、諦める訳にはいかない。ツル
がこんな態度を取るというのなら、僕も目標達成の為に頑張らせてもらおう。
 僕は右手を帯から離すと、それを襟の合わせ目に突っ込んだ。着物なので着けていない
だろうと思っていたのだが、残念なことに指先にブラが当たった。パンツを穿いていたの
は運んだときに確認していたのだが、まさかこっちもだとは思わなかった。しかし小さく
とも乳は乳、胸が特に弱いツルなので仕方がないかもしれない。擦れると痛かったりする
のは僕には分からない感覚だが、夏にぼやいていたのをよく覚えている。熱くてうっとい
のをとるか、擦れて痛いのをとるのか、真剣に悩んでいたツルは可愛かった。そんな姿を
思い出しながらブラの中にまで指を潜り込ませて、先端を指先で刺激する。ツルはつまむ
よりも擦る方が感じるらしいので、こねるようにして転がした。

「ちょ、駄目」
 脱力した瞬間を見計らい再び帯を引くと、今度は片手だというのに簡単に回った。回転
に合わせて裾や綺麗な黒髪が翻り、実に愛らしい。胸への刺激だけでなく三拌器官の弱さ
もあり、完全にほどけると床に倒れ込む。締めていた帯が無くなったせいで前面がはだけ、
薄い胸や黄緑色の下着が視界に入り込んでくる。肩で息をしながら潤んだ瞳で見つめられ、
僕は思わずツルの上に覆い被さった。唇を合わせると、途切れ途切れな息が熱く喉を焼く。
「……頭冷やすのに、もう少し時間が必要みたい。だから、ね」
 それ以上の言葉はいらない。
「着物って、普通は下着付けないんだよね?」
 それに応えるようにもう一度唇を重ね、舌を割り込ませ、絡み合わせる。手指を腰骨の
辺りで滑らせ、擽るように動かしながら背骨のラインに合わせて上へと這わせていった。
やがてホックに辿り着く。視線で許可を貰って、ホックを外してブラをずり上げた。体は
もう反応していて、既に先端は固く立っている。いつもならば胸をいじるところだが今は
平日の真っ昼間な上に、部屋は茶屋の個室だ。あまり大きな声を出すのは不味いので、唇
を重ねて背中を撫でた。胸程ではないが、敏感なツルは背中でも充分に反応してくれる。
首筋に舌を移動させようと思ったが、少し考えて止めた。夜はホテルの大浴場に入るので、
クラスメイトに見られるかもしれない。そうなったら恥ずかしがり屋のツルは困るだろう。
その代わりに普段よりも強く舌を絡め、口内を貪っていく。
「何か、いつもと、違う」
「ほら、場所が場所だし」
 それでも止められない僕は馬鹿だろうか、いや違う。これは僕の責任だが、この行為は
ツルへの愛があってこそのものだ。はだけた和服がエロ過ぎるからとか、そんなやましい
考えは半分程しかない。僕は残りの半分を重視するタイプなので大丈夫だろう。

 エロさ関係のマイノリティ意見を自覚して、背骨に指を走らせる。突然の刺激の変化に
ブリッジ状態になり、そこで胸が擦れたのかツルは高い声を出した。慌てて唇を重ねて声
がこれ以上漏れないようにするが、スイッチが入ったらしいツルはいつもの半マグロ状態
と違い積極的に体を押し付けてくる。綿のざらついた生地が気持ち良いのか胸を押し当て、
まるでマーキングでもするかのように執拗に体を擦っている。普段のものも悪くはないが、
これはこれで艶めかしい感じで堪らない。先程のように背中に指を走らせ、肋骨を通って
腹まで動かす。臍の周囲に円を描くようにすると、大きく体を震わせた。
 不意に、太股に濡れた感触が着た。視線を向けてみれば、ツルが股を僕の太股に擦って
いる。クロッチ付きだが、それをも越して滲み出ている密が袴に薄い染みを作っていた。
幸いなことに袴の色が濃いのでよく見ないと分からないが、耳を澄ませれば独特の粘着質
な水音が聞こえてくる。太股を離して指先を股間の布に押し当てると、一気に滲んだ愛液
が指先に絡み付いてきた。文化祭のときに気付いたが、ツルは特殊な状況では愛液の量が
普段よりも多くなるらしい。更に指で擦ったせいか、どんどん量が増してくる。
「ねぇ、着物には、下着、付けないん、でしょ?」
 耳元で囁かれ、我慢のリミッターが壊れてしまった。
 下着を取り去ると、僕は固くなった暴れん棒将軍閣下を割れ目に押し当てた。密の量が
多いせいか、普段と違い僅かに力を入れただけで根元まで飲み込まれる。それに押し出さ
れるように潤沢な愛液が溢れ出して、綬絆の上に水溜まりを作った。防水性が高いらしく、
下に染みずに広がっていく。それを見て、僕は少し安堵した。

 そして遠慮なく腰を動かし始める。
 一突きする度に小さな体は揺れ、目尻に大粒の涙を浮かべて悶えている。僕は口の端を
伝う唾液を舌で拭うと、そのまま上へと滑らせて涙を舐め取った。舌を顔から離すとツル
は首を引き寄せ、舌を伸ばして唇を舐めてくる。そのまま口の中へと侵入してきた舌は、
先程の涙を味わおうとしているように口内全てを舐め取ってくる。僕の溢れてくる唾液を
舌で絡め取ると、喉を大きく鳴らして飲み込んだ。その間もツルは僕に体を擦り付けるの
を忘れずに、寧ろより激しく腰を動かしていた。
 奥まで竿をねじ込むと、達したらしく締め付けが強くなった。その刺激で、僕も一番奥
の部分で精液を放出する。貪欲に動く膣内のひだが、残った全ての液を絞り出してくる。
割れ目から引き抜くと、鈍い音をたてながら大量の白濁した液が溢れ落ちてきた。普段と
違う場所で興奮していたのは、僕も同じだったらしい。
「頭、冷えたか?」
「……うん、ごめん」
 ハンカチで割れ目を拭きつつ、僕は隅に置いた帯を見た。
 ふと、疑問が沸く。
「ツル、自分で帯結んだよな?」
 ツルは首を降った。
 どうすれば良いのだろう、僕は帯の着付けなど出来はしないのに。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2007年08月04日 11:35