『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』-2
第2話『新魔法幼女登場』
「あぁっ、キャロルちゃん!!」
薄暗い部屋の中央部、老人が叫んだ。
長く伸ばした白髪に、白いYシャツ、白衣を着ているせいか全体的に白い印象が強い。
しかし白のイメージを払拭してしまう程、老人の姿は異様だった。下半身は存在せずに、
代わりに下腹部から伸びたコードやチューブが大型の装置に繋がっている。左腕の肘から
先も肉体は存在せずに、無骨なデザインのマニュピレーターが生えていた。四肢の中でも
唯一破壊を逃れた右腕だが、それすらも大量の点滴チューブが繋がっていて痛ましい状態
になっていた。通常なら死んでもおかしくない状態、それでも生きているのは老人の強い
意思があるからだ。瞳が発する強い光が、それを物語っていた。
重音。
老人の眼前にあるモニターには、両断された機械人形の姿が映っていた。
「くそ、虎蔵め!! キャロルちゃんまで!!」
『『御安心下さい、Dr.ペド。次は、私達が行きます』』
コンマ一秒のタイムラグもなく、完全に重なった声が響く。その声に老人、Dr.ペドが
視線を向けると、フラフープを持った幼女が立っていた。一人分だった幼女の姿は瞬きを
した瞬間に二人分の影になり、再び瞬きをした直後には一人分に戻っている。
「そうだな、お前『達』なら安心だな。ローリーちゃんの、そして先程殺されてしまった
キャロルちゃんの仇を取ってくれ。あの憎き虎蔵を、血祭りにあげてやるのだ!!」
『『御任せ下さい、必ず御期待に沿ってみせます』』
幼女の姿が二人に増え、そしてゼロになった。
「見ておれ、虎蔵!! 貴様を年増の所へ送ってやるわ!!」
Dr.ペドの高笑いが、部屋の中に大きく響いた。
「これで良し、と」
変身を解除すると、虎蔵は吐息をした。幼女だった体が白色光に包まれ、もとの中年の
姿に戻る。黒いスーツに包まれた大柄な体には先程の面影は全く存在せず、顔に浮かんだ
苦い表情だけが僅かな名残を残している。正確に言うならば、幼女のときに虎蔵の表情を
浮かべているのだが。
短く刈り込んだ髪を掻き、虎蔵は足元に転がっている機械人形の残骸を見た。
「また随分とコアな奴が来たもんだな」
『そうですね』
つい十秒前まで戦っていたのは、おませ幼女型機械人形であるキャロルだった。数日前
に戦った多砲頭ふたなり型幼女機械人形であるローリーも厄介だったが、これは別の意味
で恐ろしい相手だった。過剰とも思える程に露出の多い衣服を身に付け、ことあるごとに
色気で油断をさせようとしてきたのだった。起伏の存在しない体型では無理があるのだが、
とても幼女とは思えない姿は鬼々迫るものがあったのだ。
「しかし、常識的に考えて効く筈無いだろうに」
『はい、実際悶えていたのはDr.ペドだけでしたしね』
戦闘中に聞こえてきた荒い吐息や奇声のせいで、非常に戦い辛いものがあった。それが
虎蔵が苦戦してしまった理由である。非処女を思わせる発言が端々に感じられたのも虎蔵
にとって厄介だった。娘のことを思い浮かべ、将来は処女を失うことを憂いて剣先がつい
鈍ってしまったのだった。虎蔵は誰よりも家族を愛し、目が濁る程の親馬鹿なのである。
「で、これを回収して帰れば良いんだな?」
『はい、お願いします』
数秒。
「どうした?」
『中年親父が真っ二つになった幼女を運ぶ、何て恐ろしい光景なのでしょう!!』
「やかましいわ!!」
リリィの叫びに苦い表情だったものを更に強くして、虎蔵はジャケットで残骸を包んで
持ち上げる。今が上着が必要な時期で良かったと、虎蔵は心の底から思った。言われたの
が原因ではないが、流石に自分でも犯罪に近い光景だと自覚はしていた。自分が厳つい顔
だというのは、長年鏡を見てきた虎蔵自身が一番分かっている。
早く帰りたいと思っていた虎蔵は、だから気付くことが出来なかった。少し離れたビル
の屋上、そこに彼を見下ろしている小さな影が存在することに。
「魔法、幼女」
人影は小さく呟くと、一瞬で姿を消した。
「解析は終わったのか?」
「はい」
携帯用の通信機で娘の画像を見ていた虎蔵は、扉が開く音に振り返った。ヘドロのよう
に濁りきっていた瞳には一瞬で光が宿り、鋭い表情をして手渡された資料に目を向ける。
「『DragneelSystem』、やっぱり『N.E.E.T.』の遺物か」
「はい、『D3.』で間違いありません」
思っていたよりも面倒だな、と呟き煙草の火を乱暴に揉み消した。
虎蔵は所属こそ捜査課の人間となっているのだが、その戦闘力の高さから特例として、
度々殲滅課の仕事を手伝うことがあった。先程発言した『N.E.E.T.』というのは、管理局
史上でも三本の指に入る程の大戦闘を行った相手だ。正式名称は『Nobady.Emy.Endless.
Town.(姿無き友の終わり無き街)』、独自の兵器を開発していた機械人形の研究所である。
そこで作られていた『D3』、『Dragneel.Danceing.Doll.(竜舞人形)』は未完成ながらも
単体で一個中隊に相当する戦闘能力を持っていた、その上今はもうシステムを完成させて
いる筈である。そのようなものを出されて、余裕など持てる筈が無かった。彼女達の手で
大勢の仲間が殺された記憶は、妻の死と同等の重さで虎蔵の
心に焼き付いている。
「反則だろうが」
「それは、こっちも同じですけどね。『暴君』の体ですし」
「それだがな」
新しい煙草を引き抜きながら、それでリリィの顔を差した。リリィはうっとおしそうに
払い除けるが、虎蔵は構わずに口にくわえて火を点ける。娘の前では絶対に吸わないが、
虎蔵は基本的にはヘビースモーカーだった。
「変身した姿がよ、幼女ってのは何なんだ? 『暴君』ったって、今はもう三十過ぎだろ。
不老化をされちゃいるが、記憶が正しけりゃ姿は二十四で固定の筈だろ?」
「無茶言ったら駄目よ」
先程リリィが出てきた研究室から、長身の人影が出てきた。スーツの上に白衣姿という
ミスマッチな姿が特徴的な研究課の課長、速見・薫だ。外見こそ女性だが、性別は男性と
いう面倒な性格の三十五歳である。少し困った表情をしながら腕を組み、しなを作ると薫
は虎蔵を見て溜息を吐いた。憂いを帯びた瞳は、変身用の腕輪に向けられている。
「『暴君』ちゃんの資料は、3000人虐殺事件のときから極秘扱いなのよ。今の姿のだって
無理矢理な交渉の末にに軍部のデータベースから分けて貰ったものなんだからね」
それより、と前置きをして、
「虎蔵ちゃん、変身の台詞は決めてあるの?」
「要らねぇだろ」
一言で切り捨てられ、薫は身悶えをした。性同一障害だけでなく被虐趣味もあるという
性格を思い出し、虎蔵は一歩引いて距離を取った。悪い人間だとは思わないが、個人的に
苦手だった。最近は少なくなってきているが、以前は殆んど毎日のように夕食に誘われて
いたことを思い出し、体が拒絶反応を示している。
「大変だな、お前も。こんなのが上司で」
「ヘドロさんの正確に比べたら、まだマシです」
同情しているのに、返ってくる反応がこれなのだ。
「変身で思い出したが、これの調整は完璧なのか?」
「はい、時間の制限は消えました。後はヘドロさんの領分です」
それを聞いて、少し安堵する。魔法幼女になるに辺り、一番の心配はその部分だった。
ローリーとの戦闘もキャロルとの戦闘も、全てが時間制限との戦いだった。性能に問題は
無かったのだが、いかんせん3分というのは短く思えた。キャロルがローリーより戦闘力
が高かったことで分かる通り、確実に敵の強さや完成度が上がってきている。それに対抗
する為には虎蔵の努力は勿論のこと、魔法幼女の変身システム自体にも大分頼らなければ
いけない状態だ。腹は立つが、その部分では協力しなければいけない。
「なのに、こいつときたら。せめて、もう少し素直ならな」
「私は素直ですよ、自分の気持ちに」
虎蔵は随分と嫌な素直もあったものだ、と思いながらリリィを見た。薫も素直と言える
のだが、それは敢えて視界の中に入れないでおく。変態を相手に出来る程、虎蔵の許容量
は多くない。今とてリリィとDr.ペドの板挟みで精一杯な状況なのだ。これ以上の問題事
は、正直持ち込んでほしくなかった。
「憎まれ口も程々にな。せっかく顔が良いんだ、性格悪いと台無しだぞ?」
だからせめて駄目元で言ってみたが、虎蔵の予想外の反応が返ってきた。リリィは頬を
赤く染めると、視線を下に向けた。何やら小さく呟きながらふらふらと体を揺らし始める。
普段の強気な態度は消え去っており、もし虎蔵が顔を覗き込んだならば嬉しそうに緩んで
いる表情を見ることが出来ただろう。
だが、虎蔵は誰よりも家族を愛する男だ。
「リリィちゃん、大変ね」
誰にも聞こえないように呟いた薫の言葉が示す通り、虎蔵はリリィの突然の変化にも気
を留めることもなく、資料に目を通すのを再会していた。既に虎蔵の思考の中はDr.ペド
を倒すことに満たされており、鈍感、と呟いた薫の声も聞き流してしまう。
「何で、毎回毎回!!」
「どうした?」
「何でもありません!!」
突然の叫びに少し驚いたが、いつものことだと思い、虎蔵は腕時計に目を向けた。
「そうか。さて、真面目な話は終わりだ。残業頑張るぞ、と」「あの!!」
リリィは伸びをする虎蔵のジャケットを軽く摘み、
「その、虎蔵さん。今晩一緒に食事でも」
直後。
警報が鳴り響く。
虎蔵が音の方向に視線を向けると、電光掲示板には『D3.』の出現を示す文字が流れて
いた。キャロルの出現から僅か数時間程しか経っていないにも関わらず現れたことに驚き
ながらも、すぐに思考を切り替えて戦闘用のものにする。
「すまんリリィ、話は後にしてくれ!!」
呆然としている少女に背を向けて、虎蔵は駆け出した。
交差点、人々が逃げ惑う中心に人形は居た。外見にして齢は五つ程の、今までの二体と
比べても更に幼いものだ。手に持っているのは直径が1.5m程のフラフープ、それを縦横
無尽に投げ飛ばし周囲のビルを破壊していた。
『そぉれ!!』
身の捻りを使った高速の激輪は、一際高いビルを破壊し、
「ひっ」
逃げ遅れた主婦の上に、瓦礫が落下する。
誰もが見ても助けることは不可能だと思う状況、しかし諦めない物が居た。
彼は、腕輪を起動させる。
『FullmetalTiger:Enter;(魔法幼女起動)』
中年だった姿は幼女へと変わり、身に纏っていたものもグレイのスーツから、シンプル
な白いノースリーブのワンピースへと変化する。続いてピンク色の装甲が空中に展開し、
空間に響く音を鳴らして合致する。
まぎれもない、魔法幼女の姿がそこにあった。
先程よりも姿は小さくなったが、速度は飛躍的に増している。長い金髪を追い抜く風に
翻らせて、虎蔵は主婦に降る瓦礫に向かって跳躍した。空から飛来する鳥型サポートメカ
は一瞬で背部装甲にジョイントし、吹き出した白光が純白の翼を作り出す。
「喰らえ、ガラクタめ!!」
腰部に取り付けられたステッキを握ると、虎蔵はブレードを伸ばした。
斬る。
単分子ブレード、切断部の厚さが分子数個分という極限まで薄い刃は、コンクリートの
巨大な破片を容易く切り裂いた。反す刀から連続の斬撃に繋げ、破片は小石程の大きさに
まで分解される。止めとばかりに撃ち込まれたパンツァーファウストが、主婦に降り掛る
筈だった瓦礫を完全に吹き飛ばした。
「ありがとう、ございます」
突然出現した魔法幼女の姿に面食らいながらも主婦は礼を言うが、虎蔵が軽く手を降る
仕草に合わせて逃げ出した。少し離れた場所で再びお辞儀をする主婦に虎蔵はシニカルな
笑みを向け、そしてフラフープを持った機械人形に睨みの視線を送る。
と、突然ポップな音楽が鳴りだした。
『幼女を守り、ペドを討つ。貴方のハートを一刀両断、『マジカル☆ヘドロ』只今見参!!』
名乗りを挙げたが、勿論虎蔵が言ったのではない。左右肩部の装甲に付けられた特殊な
スピーカーによる音声だ。声質は虎蔵も聞き慣れたもの、最近は毎日のように聞いている
リリィのものだった。背後から悶えるカマ野郎の声が聞こえてくるが、恐らく彼の支持で
言ったものだろう。スパナでシメることが出来るものがビスだけではないと教えてやろう、
と虎蔵は決意した。スパナは気に入らない奴をシメる、手頃な武器だ。
「楽しみにしてろ」
『うふふ』
虎蔵の呟きに、不気味な声が返ってきた。
『あの、そろそろ良いですか?』
「来い」
『Enemy:Lock;』
『DragneelSystem:Enter;』
『ミリア・タリア行きます!!』
叫び、ミリア・タリアと名乗った機械人形は身を捻り、フラフープを投げてきた。虎蔵
は笑みを見せ、低空の姿勢で疾走する。スラスターの推進力によって亞音速に一瞬で達し、
コンマ数秒で斬撃の間合いに入った。
後は、ブレードを振り上げるだけだ。
「あっけねぇな」
『『それは、どうでしょう?』』
ステッキを振った直後、声が二つにぶれて、
「な!?」
刃は空を切る。
理由は単純で、標的がずれたからだ。
右にでも左にでもなく、左右に同時に。
虎蔵の視点では消えたように見えたが、離れた場所で見ることが出来たならば、変化を
確認することが出来た。しかし虎蔵には、出来なかった。寧ろ虎蔵だったからこそ起きた
ような現象だ。正しくは、魔法幼女の姿だったからだ。
視界というものは、速度が上がるにつれて狭まってゆく。元々小さな体である故に広く
ないものだったが、それは亞音速に達していることにより、まるで針の穴のようなものに
なっていた。その視界の中では、僅かに動いただけでも死角になってしまうのだ。
だから、虎蔵は気付けなかった。
『『いきますよ』』
ミリア・タリアが分身して、左右に位置取ったことに。
衝撃。
左右から同時に拳を降り下ろされ、勢い良くアスファルトに叩き付けられた。幼女の体
は移動の速度を殺しきれずに、火花と土煙を放ちながら路面を滑ってゆく。
『『あっけないのは、どちらでしょう?』』
数秒遅れてブーメランのように戻ってきたフラフープをキャッチし、ミリア・タリアは
ステレオで言い放つ。そして二人で持ったフラフープを中心に左右対照な姿勢で、奇妙な
ポーズを取った。どうやら彼女達独特の決めポーズらしい。
『どうだね、虎蔵君!? この電磁双娘型幼女ロボ、ミリア・タリアちゃんの手に掛れば、
君などはまるで幼女だ。いや、今は元々幼女の姿だがね? 本当、双娘は素晴らしい!!
二つのロリマンコの他にも、ロリマンコによるサンドイッチ素股ということも出来るのだ
からね!! これなら、どんな巨大マグナムでもバッチコーイだよ!?』
狂ってやがる、と呟き虎蔵は立ち上がった。しかし体には力が無く、足腰はふらついて
いた。瞳には唯一、強い戦いの意思が輝いているものの、口から溢れてくる吐息は荒く、
思うように動けないことを物語っていた。当然だ、音速に近い速度で身を削ってしまった
のだ、現在立っていることだけでも奇跡のようなものだろう。
『ほう、まだ生きていたのかね? ミリア・タリアちゃん、止めを差してあげなさい!!』
『『了解です、Dr.ペド』』
フラフープの周囲に電気の火花が散り、輪に囲まれた面が歪曲する。
『『E.Down:Fire;(電竜砲発射!!)』』
面を虎蔵に向けると、赤く染まったレーザーが放たれた。
地面を燃やし、大気を焦がし、空間を焼いて進む超熱量の閃光が襲いかかる。
『TigerWall:Open;(虎壁展開)』
間一髪というところでリリィの声と共に防御光壁が表れたが、状況が良くなった訳では
なかった。このシールドも耐久性が無限ではないし、ミリア・タリアを倒す決定的な手段
が思い付いていないのだ。このまま進めばジリ貧で、いつかは破られてしまう。
『『しつこいですね、これならどうですか?』』
『『T.E.Down:Enter;(双頭電竜砲発射!!)』』
分身したフラフープを持った片方が、虎蔵を挟む位置に立つ。放たれるのは、左右同時
からの熱線砲撃だ。単純に倍になった攻撃力で責められ、シールドが少しずつ削られる。
僅かだが、漏れてきたレーザーが装甲を確実に焼いていた。
どうすれば良い。
虎蔵は考える。
『ヘドロさん、大丈夫ですか?』
「馬鹿にすんな、俺のご先祖様は三匹の虎を相手に勝ったんだ。その血を受け継いでいる
俺が、たかが幼女のナリした変態人形に負けるかよ」
口からの強がりだ、実際には勝算が見えてこない。
虎蔵は、考える。
せめて、左右に攻撃出来れば。
「見ていられないな」
不意に聞こえてきた声に、虎蔵は耳を疑った。声は魔法幼女の姿をしたものと同じだが、
自分は何も言っていない。それに、この声は空から聞こえてきた。
「こんなのに手間取るなんて」
直後、左右の機械人形に白銀杭が突き立った。
何が起こったのか、誰が何をしたのか、虎蔵は視覚で理解する。
「魔法幼女だと!?」
声の聞こえてきた方向、ビルを背にして小柄な少女が、いや魔法幼女が飛んでいた。
薄い青色にも見える程の白銀、虎蔵が最初に浮かんだ印象はそれだった。長くたなびく
白銀の髪に、白銀の装甲。肌も白く、装甲内部の黒いワンピースとアルビノらしい赤い瞳
が異彩を放っている。幼女と言うよりも、魔物のようなイメージだ。
そして何よりも目を引くのが、左右の肘から先を包むものだ。幅は50cm、長さが1m程
の巨大なガントレット。その両手の先端に展開した巨大な砲門の周囲は、砲撃の余剰熱量
で大気が揺らめいていた。それがミリア・タリアを穿った白銀杭の威力を物語る。
『何てことだ!! ミリア・タリアちゃんまでも!! 儂の幼女ハーレムの夢がぁ!!』
Dr.ペドの叫びを無視し、虎蔵は白銀の魔法幼女を見た。
「お前は」
「貴方には、関係の無いことだ」
つまらなそうに虎蔵を一蔑すると、彼女は背を向けて飛び去った。魔法幼女の機動力で
進む彼女は、瞬きをするよりも早く消えてゆく。跡には、体を貫かれたミリア・タリアと
虎蔵の姿があるだけだ。
『畜生!! ミリア・タリアちゃんは、幻のロリパイズリも可能だったのに!!』
空気を全く読まないDr.ペドの叫びに隠れるように、
『まさか、そんな筈は。私は昔、確かに』
リリィの呟く声が、風に流れていった。
最終更新:2007年08月04日 17:14