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4スレ121

  • 作者 4スレ121氏

 突然弁当を渡された伊藤 幸也(いとう こうや 通称 糸コンニャク)は困っていた。
 それもこれも、弁当の渡され方が渡されだったからじゃないのか。と、思う。
 その渡され方とは、面倒なので箇条書きで書くと。

  • いきなり目の前に現れる
  • 頬を朱に染められる
  • つられて伊藤も頬を染める
  • 「っつつつっ…作りすぎちゃったから、どっどうせ食べないともったいないしっ、あげるっ」と言われて渡される
  • さらに顔を朱に染める
  • 伊藤もさらに朱に染まる
  • 彼女は逃げるように走り去っていく

 と、それが今の現状だ。
 俺がどんな状況下考えてみよう。今の状況は、一緒に食べようとしていた友人二人がにたにたしている。ただそれ
だけだ。はっきり言って気持ち悪いからやめろ、こっち見るな。
 気を取り直して伊藤はもう一度考え直す。
 考え直すと、ただ単に俺は昼休み、弁当を食べようとしただけだった。ただ、それだけだ。
 それを、いきなり彼女が来て、弁当を渡した。そういうことだ。
 伊藤は、それでまずは一つ納得。
 彼女とは別に彼氏彼女の関係でもなんでもなく、席が隣同士の人ってだけである。強いて言うと、彼女がそれなり
にかわいいと言うだけ。
 彼女の名前は…たしか、ワタナベ トキ(漢字は知らない)だったと思う。
 ここで伊藤はひと段落つける。しかし、これでは弁当を渡した理由が分からない。
 俺にこの弁当を渡して何がしたかったんだ?俺に、この弁当を渡して何がしたかったんだ?
 そんな事はいくら考えても分からないわけで、その考えも「飯食おうぜ」と、友人の一言で片付けられることとな
った。
 弁当をあけると、実は空で、中身に紙切れが入っていた。
 その紙切れには“ドキドキした?したとしたら、してんじゃネーヨバーカwww”と書かれていた。
 俺、これ結構ショックなんだけど…
 そんな事は無く、弁当の中には500円が入っていた。遠足かここは。
 そんな事は無く、チックタックと聞こえるから、気になってあけるとバーンと、爆発した。
 そんな事は無く、と続けるといつまでも続きそうだから自粛します。すみません。
 とりあえず弁当をあけると普通に弁当だった。紙切れでもなく、遠足でもなく、爆弾でもなく、作者の自粛の言葉
でもなく、普通に普通の弁当だった。
 もう少し詳しく言えば、少し少なめのご飯に、玉子焼き。から揚げと野菜。あとは漬物とかコロッケとか、普通の
弁当の中に入っているものだった。

「それ貰ったときどんな気分だった?」

 伊藤が貰った弁当を美味しそうだなと思って眺めていると、不意に声がかかった。
 友人二人のうちの一人、武田 修平だ。

「いや、あっけにとられたよ。普通、いきなり渡されたらあっけにとられるだろ?」

 そういうと、とりあえず眺めていた弁当を机に置いた。
 事実、伊藤は弁当を貰ってから、数秒ほどあっけにとられていた。それから、顔が赤くなったのだ。
 その赤さは、真っ赤と言う表現が似合うほどに真っ赤になっていた。まるで、林檎や苺のように。

「実はコンニャク、嬉しかったんじゃね?いや、嬉しいだろ」

 もう一人の、木村 光がすでに席に座り、弁当を食べながら言った。
 こいつは妙に人の心が分かり、考えていることを当てられてしまう。だから、俺はあまり考えていることを顔には
出さないようにしている。しかし、やっぱり分かってしまう。これは結構俺にとっては悔しい。

「あぁ、嬉しいさ。嬉しくない訳が無かろう。なんたってあんな美人に弁当を貰えたんだ」

 と、伊藤は否定することなく答えた。否定しても、木村にかかればすぐにばれてしまうからだ。そして、ばれたら
それを武田がさらにからかう。
 そんな循環にならないように、伊藤は素直に言った。

「コンニャク、口元緩んでるよ」

 うるさいぞ、武田。それくらい俺にもわかってる。嬉しいときは口元が緩むもんなんだよ。
 お前らもそんな感じで渡されてみろ。俺と同じようになるだろうから。
 と、伊藤は口には出さずに思ってみる。口に出すとそれをまたからかわれそうだ。

「でもさ、俺はそうならない自身はあるぜ。もしも、告白だったとしても」

 でも、やっぱり木村には分かってしまうみたいだ。
 俺の考えていたこと、顔に出ていたのか?
 弁当を食べてみると、それはかなり美味かった。
 語彙の少なさのせいで月並みな表現になるが、ご飯はふっくらとしていて、から揚げはジューシーだ。コロッケも
さくっとしていて、付け合せの漬物が程よい塩気だった。
 とりあえず、伊藤を満足させるには、とても十分な美味しさだった。

「ごちそうさま」

 弁当を片付けて、弁当包みに直して伊藤は言った。礼儀は大事だ。
 逆に言えば、礼儀のない人は嫌いだ。

「食べ終わるの遅いのな」

 木村が言った。
 他の二人はもう食べ終わって、すでに弁当を片付け終わっていた。
 そして、伊藤が食べ終わるのを見ていた。
 やめろ。こっちを見るな。気持ち悪い。

「あたりまえだろ。二人分の弁当を食べたんだからな」

 結局、伊藤は自分の作った弁当と、ワタナベの作った弁当の両方を食べた。一人で二つの弁当は多い気がするが、
育ち盛りの高校生なので良いということにしよう。

「腹、壊れないの?そんなに食べて」

 武田が訊いてきた。一瞬、伊藤は心配してくれているのか?と思ったが、別にそうではなかった。ただ、気になっ
ただけのようだ。
 それに、伊藤からしても別に男から心配されても特に嬉しいとは思わないだろう。

「弁当、美味かったのか?」

 木村が俺も食べたかったぜと言わんばかりに訊いてきた。
 だから、こう返してあげた。

「ああ、とっても美味かったよ。しかし、残念だな。光るに渡す弁当はあいにくもう無くてな。本当に残念だな」

 皮肉たっぷり、憎たらし気に言ってあげた。ざまみろ。

「ああ、俺も食べてみたかったぜ。恨めしいぜ。末代まで呪うぞ」

 それはやめて欲しいな
 まぁ、弁当が美味かったし腹いっぱい食べれたから良しとしよう。
 ワタナベさんは俺に弁当を作って何がしたかったんだろうな。それだけは謎だ。
 その後の話はまた別の話しと言うことで。

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最終更新:2007年08月04日 17:17