ツルとカメ-29
『カメよ、ちっと聞いてくれんかの』
「何だ?」
『やらかした☆』
またか、と思う。
ミチルが何か問題を起こしたのは今回が初めてではない、数は多くないものの魔法暴走
の常習犯と言っても過言ではない程だ。最近の大きなものだとフタナリ暴走が思い浮かび、
家庭の中では細かな暴走がたまに起きる。特に印象に強く残っているのはミチルを拾って
きた次の日の朝のもので、若さの象徴である僕バベルがぐったりしていた事件だ。ツルは
丁度良いなんてことを言っていたが、僕は心から肝を冷やしてしまった。若い男ならば、
誰でもこの恐慌に陥ることだろう。毎朝の恒例行事が突然消失してしまうのだ、機能不全
だと思ってしまい、更には男としての人生観も変わってくる。しかも傷はいつまでも心に
残ってしまうのだ。誇張表現でも何でもない、現に僕は何ヵ月も前の事件のことなのに、
未だに毎朝怯えながら自分の股間チェックをしているのだ。
しかし、今度は何をしたんだろうか。またフタナリかと思ったがクラスの皆にも異常は
見られないし、二度ネタというものは絶対に起こらないと考えれば更にその線は消える。
「どうしたの?」
「いや、ミチルがまたやらかしたらしい」
僕以外で唯一ミチルが魔法を使えることを知っているツルは、複雑そうな表情を浮かべ
窓の外を見た。センスにされたことを思い出しているのかもしれない。僕から見たら楽園
のような気がしたが、それは当事者ではなかったからだろうか。水樹とプレイした後で我
に帰った僕が苦悩したように、ツルはツルで地獄を味わったのだろう。僕はフタナリ状態
のセンスを見てみたかったが、逆にツルは暫くセンスと目を合わせられなかった程だ。
これ以上の追求は酷だと思い、改めて教室の中を見る。
「皆無事だな」
『この教室の中はな』
中は、という言葉で気が付いたが、一真がまだ登校してきていない。つい先週の金曜日
までは選管の仕事で忙しかったらしく教室に居ることが少なかったので慣れていたけれど、
もう生徒会の選挙は終わったのだ。土日の間に集計も済ませている筈だし、後は結果報告
を待つだけの状態になっている。だから遅れてきたりするのはおかしいし、ヤンキー野郎
なのは外見だけなのでサボりをするのは無いと思う。病気かもしれないとも思ったが特に
そんな連絡は貰ってないし、最初の停学以外は無遅刻無欠席を貫いている程の男だ。それ
はサボり以上に無いだろうと結論して、他の可能性を考える。
上手く考えがまとまらないのでツルのストッキング着用済み脚でも眺めようかと思って
いると、教室の扉がいきなり開いた。アズサ先生がもう来たのかと視線を向けてみれば、
見慣れない少女が立っていた。
腰まで届く程の長い茶髪、目付きは苛々としているときのツルと同じくらい悪い。制服
を着崩していて、胸元では十字架が輝いている。誰の目から見てもヤンキーそのものだが、
何故か僕はそう思えなかった。それに初対面の筈なのに、どこかで会ったことがある気が
する。だが思い出せない、この綺麗な乳のラインは覚えていても良さそうなものなのに。
どこで会ったのだろうか、乳でも揉めば思い出せるか。いや、それは流石に失礼か。もし
本当に初対面だったら、それこそ僕は変態決定だ。
「うっす」
そんなことを考えている間に苛々とした表情で教室に入ると、彼女は堂々と一真の席に
座り込んだ。腕を組んで黙り込み、真っ直ぐ黒板を睨んでいる。
「あの、そこは違う人の席デスよ?」
クラスメイトと話をしていたセンスが近寄るが、彼女が軽く睨んだだけで会話が終了。
良い乳ヤンキーガールは再び黙り込むが、なんとなく彼女が誰か誰か予想がついてきた。
確証は無いが、長年見てきた人物にそっくりだ。
「おはよう、一真」
「おう」
やっぱり一真だった。ミチルが何かやらかした、というのは一真のことだったか。だが
水樹といい一真といい、何故こうも僕の周囲の野郎が女体化をしてしまうのだろうか。
「え!? 本当に一真!? どっから見ても女の子……」
「お前にだきゃ言われたかねぇよ、水樹」
「あたしは良いの、家業関係だから!!」
水樹の場合はそれだけではない気がするが、今はそれどころではないだろう。
「一真、僕の話を聞いてくれ」
「あ? 乳は揉ませねぇぞ?」
残念だが、それは後でしっかりと話し合おう。
「これはミチルの仕業なんだ、って言っても事故だけど」
今まで言うきっかけが掴めなかったが、もしかしたら今が一番のチャンスかもしれない。
人間状態のミチルを周囲に馴染ませるのは難しいと思っていたが、良い機会だろう。流石
に会話の相手が僕とツルだけ、しかも周囲に他人が居るときには話せないのは可哀想だと
思っていたので、一真には悪いが、これはこれで丁度良い。
僕は胸ポケットからミチルを取り出すと、床にそっと置く。
「ミチル、頼む」
『うむ』
一拍。
『トータス☆ロータス☆ピタゴラス!! ザ・人間モード!!』
直後、ミチルの体が光に包まれて人間サイズにまで巨大化。光が弾けると、エロい体型
の美女が現れる。艶めく髪は足首まで続き、それに包まれた見事な曲線の体はえも言えぬ
色気をかもし出している。細められた目が印象的な顔立ちは、並の男が相手ならば一瞬で
陥落させてしまうだろう。何度も見ている僕ですら、見慣れることが出来ない。
「え!? 何やったのよ腐れちんこ」
「ついにカメさんの変態パワーがペットにも」
「なに、なんなの!?」
「凄ぇ乳だなオイ!!」
皆が騒ぐ中、ミチルは軽く吐息する。
「ま、こういうことじゃ。すまんの、一真とやら。儂がそれの原因じゃ」
「じゃあわたしがフタナったのもミチルさんが原因デスか?」
頷くミチルに、水樹とセンスは頭を垂れた。被害者であるコイやツルも忘れたいような
感じだったが、一番気にしていたのは本人達だったらしい。辛さのあまり膝から崩れ落ち
てしまう人間など、生まれて初めて見た。それ程に落胆していたということだろう。
それに対し一真はどうしているのかと視線を向けると、黙って腕を組んだままだった。
変身した直後こそ驚いていたものの、もう順応してしまったらしい。昔からこいつは臨機
応変に対処出来るタイプだったのだが、それは科学的に有り得ない存在のミチルに対して
も有効らしい。それともう一つ気が付いたことは、ノーブラだということだ。腕を組んで
いるせいで乳を寄せる状態になっており、男だった頃と変わらずボタンを三番目まで外し
ているので谷間が見えて、結果的に幸せな光景となっている。中身が一真だと頭の中では
分かっているのに、特殊な吸引力が僕の目を引き付けて離さない。
「何見てんのよ」
ツルに尻を蹴られて、僕は漸く我に帰った。
「そう言えば、いつ戻るんだ?」
ミチルは首を少し傾げ、おもむろに一真に唇を重ねた。一真の顔が一瞬で赤く染まるが
構わずに続け、やがて荒い吐息と舌が絡む生々しい音が聞こえてくる。とろけた一真の瞳
といい互いに押し合って潰れている乳といい、自分の正気を疑いたくなる程にインパクト
が強い光景だ。こいつらは教室のど真ん中で何をしているのだろうか。
一真が腰砕けになりそうになったとき、やっとミチルは唇を離した。名残惜しそうに糸
を引く唾液を真紅の舌で舐めとると、こちらに視線を向けた。
「多分、一日で戻る」
それが分かったのは良いが、わざわざディープキスまでする必要があったのだろうか。
一真は先程の余韻が抜けていないのか、荒く息を吐きながら椅子の背もたれに体を預け、
虚ろな目をして天井を見上げていた。悲惨と言うか無惨と言うか、これで体が精液にでも
まみれていたならばレイプをされた後にでも見えるだろう。実際には絶対しない性格だが、
男だったときはレイプでも強盗でも何でもやりそうな外見だったのに、今は真逆だ。
「おい、大丈夫か?」
「死にそうだ、ヤバい、お前のペットはエロすぎる」
僕もそう思う、何せ精液で不思議パワーを補充する変態亀だ。力の源がエロいものなの
だから、行動や外見もそれはそれはエロいものになるだろう。全く、エロいことで生きて
エロいまま死ぬなんて羨ましい生物だ、全くけしからん。
「カメ、俺はもう駄目だ」
駄目人間なのは僕も分かっている。
「失礼なこと考えるんじゃねぇよ。……後は、頼んだ」
そのまま一真は気絶したが、もうすぐHRだ。放っておく訳にもいかない。
「僕は乳を揉……心臓マッサージをするから、水樹はベロチ……人口呼吸を頼む」
「カメ、本音が見えすぎよ」
流石はツルだ、こんなときにも冷静だなんて僕には真似出来ない。可愛い奴だ。
「でも、カメ」
「早くしろ!! 緊急事態だぞ!?」
ぐずる水樹に怒鳴り、僕は一真の乳を揉む。これは素晴らしい、今まで数々の乳を揉み
続けてきたつもりだったが、形といい張りといい柔らかさといい、全てが完璧だ。間違い
なく人生でもベスト3に入る。生で揉んでいる訳ではないので断言は出来ないが、究極の
乳かもしれない。黄金比なんて次元ではない、完全な美の一端がここには存在した。
早く、生き返ってくれ。
「やはり、生で行くべきか」
「カメさん、本音と建前が逆デスよ?」
いかん、間違えた。
「ん?」
僕の処置が適切だったのもあったのだろうが、残念なことに一真が目を覚まし、続いて
顔面に重いストレートを打ち込まれた。ボクシングを中学までしていただけあって、脳に
強く響いてくる。ボクサーの拳は凶器というのは、嘘ではなかった。
「な、何揉んでやがる!!」
「乳」
「そんな問題じゃねぇ!!」
「何をしてるんだ? そして、その女子は誰だ? また犯罪か?」
鋭い目を向けながら教室に入ってきたアズサ先生を、僕は必死に説得した。
「今日は帰りたくねぇなぁ」
色々と厄介なことがありながらもやっと放課後になり、一息吐いたところで一真が突然
妙なことを言い出した。いや、妙なことではないかもしれないが、今のガールスタイルで
言われると不思議な感じがする。何だか、こう、胸に込み上げてくるものがある。
「どうした? そんなに視姦すんな馬鹿」
「すまん、つい良い乳があったから。それよりも、何で帰りたくないんだ?」
「気不味い」
机に突っ伏すと、こちらも気が滅入ってしまいそうな程に大きな溜息を吐いた。一真の
家族が気不味いなんて珍しいこともあるものだ。母さんはキリスト教徒らしい優しそうな
イメージだったし、親父さんも穏やかそうな人だったように記憶している。チーちゃんも
一真に似て口は悪いものの、基本的には素直な良い娘だ。悪い部分など無いだろう。それ
に机に乳を押し付けて潰している光景の方がよほど気不味いと思うんだが。
「朝さ、俺が女になってたら誰も目を合わせてくれなかった。会話どころか、挨拶すらも
無かったんだよ。チーも何だか汚れたものを見る目で見てきてよ」
確かにそれは気不味いだろう。
「ツル、泊めてやろう。どうせ1日だけだし」
同意を求めると少し考えたように黙り、続いてコイの方を見た。コイは一真の方を見て
何度か頷き、続いてツルを見て頷いた。これで大体何を考えているのか分かるからツルと
コイは恐ろしい、そしてそれが分かる自分も少し嫌だ。
「良いわよ。ただ、私はコイの家に泊まるけど」
「何でだよ?」
「いや、そんなウッフンアハハな野郎は見たくないし」
僕だって、ウッフンアハハボインボインな野郎と二人きりは嫌だ。
「良いから早く帰ろうぜ、肩が凝ったから休みたい」
言葉にツルが反応した。
「センスもコイも、よくこんな重いモン付けて生活出来るな」
視線を下に向けて、拳を震わせ、
「私だって」
一拍。
「私だって、好きで貧乳やってる訳じゃないのよ馬鹿!!」
叫び、殴りかかる。
思えばツルの視線は一日中一真の乳に向かっていたような気がする。移動の度に揺れて、
走れば凄いことになって、昼休みに弁当を食っているときも机の上に乗っていた。一真は
気が緩むと前傾姿勢になるので谷間がはっきりと見えて、それはそれは幸せだったものだ。
特に谷間で光る十字架が微妙なエロスを作り出し、張り付けになっているキリストの笑み
も何故か変態親父のそれに見えた。半裸で刑を受けているマッチョがこれ程に羨ましいと
思ったことはない。聖人と言われているが、寧ろ性人といった風情だった。
「危ねぇじゃねぇか馬鹿!!」
拳を避けた際にまた揺れた乳を見て、悔しそうにツルは歯噛みする。これ以上続ければ
残酷ショウになると思い、僕は一真の背を押して教室から逃げ出した。
もう夜も遅くなり、そろそろ寝るかといった時間。漫画を置いた一真がこちらを向いた。
代えの服が無いのでまだ制服姿なのだが、寝巻きの相談か何かだろうか。
「そうだ、ちょっと試したいんだがよ」
「何だ? オナニーなら僕の居ない場所でやれ」
「それは朝に試した、凄かったぞ?」
凄かったのか、是非見てみたかった。ヤンキーな外見とはいえ、中々美形の女の子だ。
普段とのギャップもあるだろうし、激しく乱れたとなれば見事な光景になったに違いない。
野郎な中身は一先ず置いておくとしても、強気な少女がシーツの海で淫らに舞い泳ぐ姿は
半端じゃなく胸が震えてくる。想像だけで白飯が丼3杯はいけるだろう。
「お、分かったか。お前の考えてる通りだ」
視線が向けられた先は盛り上がった股間部分、一真を相手に興奮してしまったことで、
自己嫌悪で首を吊りたくなった。仮にも水樹が相手なら社会視点的ルールでセーフ判定を
貰えたのだろうが、一真が相手では一発アウトではないだろうか。いや、体は完全に女性
だからセーフなのだろうか。いかん、この問題は難しすぎる。
「そしてお前は何をしてやがる」
「あ? ちょっと一発やらせろ」
随分とストレートな誘い方もあったものだ。そりゃ一真は僕の体を見慣れているのかも
しれないが、こちらは未だに女一真の体に慣れてはいないのだ。
「良いじゃねぇか、あと幾らもしない内に戻るんだからよ。ま、生徒会長当選のご褒美の
ようなもんだ。考えるのが嫌なら、今はそう思っとけ」
言いながら手慣れた様子で僕のものを取り出すと、胸のボタンを外して挟み込んできた。
生で見て、直に触れば他のものとの違いははっきりと分かる。他の部分はどうなのかまだ
分からないが、胸だけで見たら今までで最高の評価だった。朝に判断したことはどうやら
間違っていなかったらしい。しかも元が男というだけあり、ツボをしっかりと心得ている。
比べるのは少し申し訳ないが、ツル達とは段違いの上手さだ。これに勝てるのテクを持つ
のははエニシ先生くらいだろう。しかし聖職者なのにこれよりも上手いなんて、つくづく
恐ろしい人だ。あの人はどこで学んだのだろうか。
「どうだ?」
「何て言うか、上手いな」
ふと思い付いた。
「口でしてみてくれ」
「馬鹿野郎、俺の中身は男だぞ?」
なるほど、うっかり忘れそうになっていたが当然かもしれない。体が男の状態のときも
口は付いているのだし、変なトラウマを抱えてしまうかもしれない。それに後悔もある。
失言してしまったせいで元の一真の姿がうっかり脳裏に浮かんで、ちんこが萎えてしまい
そうになった。言わなければ良かったと思ったことは滅多に無いが、これは不味い。
こいつは野郎ではない、かなり男っぽい女だと自分に言い聞かせて、一真を見る。違う、
こいつは一真ではない。真子ちゃん、そう、マコちゃんなのだ。ヤンキーっぽい外見だが
根は真面目で、言動は荒っぽいが意外と面倒見の良い、男勝りだが優しい、そしてエロい
女の子なのだ。そう脳内補正をかけると、股間のものは再び元気になってきた。
「萎えたり元気になったり、忙しいちんこだな」
言って一真は吐息する、竿に当たる息が何とも擽ったい。
「しょうがねぇな、一回きりだぞ?」
直後、先程よりも強い快感が背中を走り抜けた。
一真が竿を、苦しそうな表情でくわえている。髪がうっとおしかったのだろうか、多分
無意識の内での行動なのだろうが、髪を掻き上げる仕草が女性の色気を出していた。
気持ち良かったのだが、それは僅か数秒で終わってしまった。一真は竿を口から抜くと
口の周りを乱暴に拭い、唾液が着いたドラ息子を睨み付ける。
「こりゃ無理だ、顎が疲れる。無駄にでかいし、女はよくこんなもん出来んなオイ」
だから、女は、とか言わないでほしい。再び萎えかけてきたので、心の中で何度もマコ
ちゃんという言葉を叫ぶ。一体、僕は何をしているのだろうか。辛い現実が嫌になる。
「さて、入れるか。結構濡れてるし大丈夫だろ」
一真はスカートを捲り上げて何度か股間を指でいじり、パンツを脱ぎ捨てた。僕も軽く
指でなぞって確認したが、それなりに濡れている。個人差もあるのだろうが太股の付け根
まで愛液で光っているし、多分大丈夫だろう。
仰向けで寝そべった一真の割れ目に先端を当て、そこで少し気になった。
「処女か?」
水樹は後ろの穴を貫通していたからかフタナリになったときは前も処女ではなかったが、
一真がそうなっているとは思えない。それに幾ら何でも、幼馴染みの男二人が尻穴を自己
開発しているというのは勘弁してほしかった。
果たして、一真は首を縦に振る。
「ま、大丈夫だろ。痛みにゃ強いし」
元気に笑う一真を信じて、僕は腰を押し進める。処女ならではの強い抵抗感があったが、
一気に奥まで貫いた。痛い時間はなるべく短い方が良いだろう。
「ば、馬鹿野郎。いてぇじゃねぇか!!」
かなり辛かったらしく、目尻には涙が浮かんでいた。何度も僕を殴ってくるが、それで
僕の体が揺れる度に眉を寄せて苦しんでいる。自業自得なのだが、潤んだ瞳で恨めしそう
にこちらを睨みつけてきた。野郎状態のときとは違い、何だか可愛いらしい。
「動くぞ」
「ま、待ちやがれ」
苦しいのは早めに終わらせた方が良いだろうと思い、腰を前後に動かし始める。痛みが
少ないようにゆっくりと引き抜き、長い時間をかけて奥まで進む。まるで喘息患者のよう
に不規則なリズムで吐息しながら、一真は必死にしがみついてきた。たまに眉根を寄せて
胸の中で暴れ、その揺れの痛みで苦しんでは僕を弱い力で殴ってくる。
そうして動かしていると、変化のある部分に気が付いた。
一ヶ所だけ擦ると声が変わる部分があり、試しにそこを連続で責めると甘い声が漏れて
くる。どうやら奥の少し手前が弱いらしく、深く差し込んだまま腰を揺すると抱きついて
くる力が強くなる。表情や声で判断する限り、それなりに気持ち良くなっているらしい。
痛みはまだ引いていないようだが、仕方のないことだ。
「凄ぇな、女って。こんなこと平気でやるんだろ?」
平気かどうかは分からないが、どうだろうか。残念なことに、僕の周囲には判断基準と
なるような普通の女の子はツルくらいしか居ない。コイは逆レイパーだし、センスは普通
と言って良いか微妙な状況だったし、アズサ先生はエニシ先生が初めてだったらしいし、
チーちゃんは初体験は後ろの穴だったし、ミチルのことはよく分からない。そもそも膜が
あったのだろうか。それにホウ先輩に至っては初めてが尻の穴だっただけではなく、特殊
な性癖のせいで僕の言葉責めに対して喜んでいた。水樹は、これはカウントしても良いの
だろうか。つくづく普通ではない人ばかりだ。唯一普通だった気がするツルを思い浮かべ
てみるが、体型が少々普通から外れていることに気が付いた。つまり、僕の場合は全員が
アウト状態。それは一真も含めてだ。
「嫌になるな」
「やっぱ女は、大変なんだな」
勘違いしているのだろうが正すのは止めた、正確に言えば訂正したくなかった。
それに、もう軽口が叩ける状態ではなくなってきている。処女の締まりと素晴らしい乳
に見合う名器は、すぐにでも出してしまいそうな程に気持ち良かった。一般では、これを
数の子天井と言うのだったか。中の粒がカリ首を擦る度に、いつまでも動かしていたいと
思う程に強い快楽を与えてくる。だが、それは精液を出させる凶器でもあった。
「すまん、出すぞ」
「中って、大丈夫なのか?」
「多分大丈夫だ」
それに、中で出したい。
「もう、無理だ」
出して、引き抜く。初めての証である血と精液が混ざり、桃色の液体となって溢れ出す。
完璧な体型と相混じって、それは一種の芸術作品のように見えた。中身は一真だが。
一段落を終え、ふと思い出した。セックスを始める前に何か、一真が聞き捨てならない
ことを言っていたような気がする。かなり重要なことだ。
「生徒会長が、何だって?」
「おう、当選おめでとさん」
生徒会長。
嬉しい知らせだが、こんな肝心なことはもっと早めに言ってほしかった。
最終更新:2007年08月04日 17:20