ツルとカメ-32
電子音。
目覚ましにしている携帯のアラームを切って画面を見ると、朝の六時。今日の食事当番
はツルだが、どうしようかと考える。昨日はツルの半マグロっぷりも絶好調だったので、
ついテンションが上がりすぎて久し振りに尻の穴でしてしまった。そのせいか僕もツルも
疲れまくって、服を着ることすらせずに寝てしまったのだ。その疲れかまだ残っているの
だろうか、全裸のツルが僕の隣で天使のように安らかな表情を浮かべて眠っている。鼻に
抜けるような寝息も可愛いらしくて、起こす気もなくなってきた。しかし、実に可愛い。
寝癖で少し跳ねた髪を手櫛で直してやりながら、剥き出しになっている乳を見る。
「大きくならねぇなぁ」
僕はあまり気にしないが、ツル本人が気にしているし協力しよう。
掌で擦って、固くなってきた乳首を指先で転がしてやる。
「寝ている者に悪戯するのは感心せんのう」
「いつから見てた? それに悪戯しゃなくてパワーアップ手続きだ」
目を向けると、久し振りに幼女モードのミチルが居た。幼女だが辛うじて視認可能な程
の乳があり、ツルよりは若干スタイルが良く見える。逆に言えば高校生にもなって幼女に
負けているとかスタイルという言葉とは無縁の存在だとか、酷く悲惨なことになるのだが
それは言わない方が良いだろう。人を傷付けるのは、真の愛ではない。
それにしても普段から寝てばかりの癖に早起きだったり、本当に年寄りだ。ロリババァ
と言えばロマンがあって素敵な感じがするが、僕としては少々気不味い感じのものがある。
それと何故か全裸なので、早く服を着てほしい。幼児体型なので目に毒ということはない
けれど、全裸の幼女が家の中をウロウロするのは精神的に良ろしくない。ツルはこれでも
高校二年生、フレッシュバディの十七歳なのでセーフだ。
それで思い出したが、ツルをどうしようか。
数秒。
僕はストーブのスイッチを入れると、服を着た。朝食くらいなら大した手間ではないし、
少しくらい当番がずれても問題ないだろう。確か昨日の鍋の残りがあった筈だから、その
汁でも使って適当に炒め物でも作ろうか。
不意に、気が付いた。
昨日の鍋を美味い美味いと食っていたが、スッポン鍋だった。あれのお陰で超ハッスル
出来たのは良いが、気になることがある。親戚が切り分けて送ってきたものだったので何
の肉かは言ってなかったが、ミチルは大丈夫なのだろうか。
「なぁ、ミチル。昨日の鍋、何の肉だか知ってるか?」
「ん? そういえば。やけに美味かったが、何の肉じゃ?」
「スッポンだ」
途端に、ミチルの顔が青ざめた。僕もツルもそうだが、自分の好みに合う料理を作って
いるので普段の食卓は魚と野菜が中心だ。うちの高校に入る前は亀の姿が基本だったので、
食事がいつもペットフードだったことも関係しているだろう。ミチルは珍しく食卓に出た
肉ばかりを食っていたが、それが亀の肉だと聞いたら驚きも大きいだろう。中腰の不思議
な姿勢をしてアワワアワワと言いながら挙動を不審に、こちらを泣きそうな目で見て、
「と、共食いをさせたのか!!」
嫌な表現を聞いてしまった。これから同胞のエキスがたっぷり溶け出したスープを使い
朝食を作ると言ったら、こいつはどうなってしまうのだろうか。
「安心しろ」
僕は笑みを浮かべ、
「今頃はきっと、モツの中でしっかりと吸収されて身の一部になっているだろうよ」
「モツとか食材的な言い方をするな馬鹿者ぉ!!」
殴られた。
飯を食って部屋に戻ると、着信があった。履歴を見てみればエニシ先生からだが、何か
あったのだろうかと首を捻る。たまに掛けてくるが、エロいことが例外として少しあり、殆んどはアズサ先生絡みだ。
『もしもし、カメ君?』
「お断りです」
困った様子だったが、僕は遠慮なく通話を切った。
電子音、再びエニシ先生からだ。
「何ですか? またアズサ先生が振られたんですか?」
乾いた笑い声が聞こえてくる。その背後では酔っているらしいアズサ先生のうめく声、
今回もまた荒れているらしい。円さんといいアズサ先生といい、何故僕の周囲に居る大人
の女性はこんなにも荒れるのだろうか。エニシ先生は違うが、この人はこの人で色々問題
があるし、何だか悲しくなってしまう。それに限ったことではなく、考えてみれば周囲の
人間は全員問題アリだ。ツルのことは悪く言いたくないが、暴力と幼児体型もコレはコレ
で世間的にはアレだろう。唯一まともなのは僕だけということか。
「悲しい話ですね」
『? そうね、もう何度もだし。そろそろ本格的に』
「心のケア、ですね。良い病院はありますか?」
『そこまでじゃないわよ?』
本人は気付かないものだ、と思いながら何度も頷く。
今はまだ風呂に入っていないから、後一時間くらいで向かいますと話したとき、階段を
上る音が聞こえてきた。湯船に入らずシャワーだけ浴びるとツルが言っていたが、思って
いたよりも早かった。これは表面積が小さいからだろうか、主に乳や尻の。
「カメ、上がったから入っても……あ、ごめん。電話中か」
ツルの声が聞こえてきた途端、アズサ先生の泣き声が大きくなった。フラれ奉行、いや
フラれ将軍のアズサ先生からしてみれば、ラブ度が高いカップルの声は猛毒のようだった
のかもしれない。受話器から漏れてくる奇声にツルは苦笑いを浮かべ、足音を忍ばせつつ
そっと僕の部屋から離れてゆく。パタリと自分の部屋のドアを閉めると後は静か、アズサ
そんなに一気したらまたゲロ吐くわよ、とあまり聞きたくなかったエニシ先生の心配の声
が向こうの惨状を伝えてきた。数秒後には部屋を駆ける音が聞こえてきて、あぁ、この人
はまた吐いてしまったのか、と何だか物悲しい気分になってくる。
「エニシ先生、大丈夫ですか?」
聞こえてくるのは、喉から何かが溢れ出すグロい音。続いて水に液体状の何かが落ちる
音で、アズサ先生が大丈夫ではないことが分かる。アパートの一室に妙齢の女性が二人と
いう状態なのに、色気も何も有ったもんじゃない。
「カメか……うぉぇ」
今のうぉぇは聞かなかったことにしよう、皆も忘れよう。これは僕との約束だ。
「アズサ先生、パンツは何色ですか?」
いかん、間違った。ついいつものノリで訊いてしまったが、丁寧にも水色という答えが
返ってきた。毎回の蔑み発言も無しに答えてくるなんて、かなり参っているらしい。酒の
力とは恐ろしいものだ、と改めて思う。何せセンスを逆レイパーにしてしまうし、水樹と
マグナムプレイをさせてしまうくらいだからな。
「あんまり飲んじゃ駄目ですよ」
「これが飲まずにいられるか、馬鹿。あんな、あんな、もう、男なんて」
そこで泣き出してしまったので、再びエニシ先生代わった。アズサ先生は泣きとゲロを
繰り返しているらしく、もう会話が不可能な状態だ。いつものクールな様子は欠片もなく、
ひたすら童女のようにわめいている。恐らく僕とエニシ先生しか知らないであろう、その
姿は、離れている場所であるのに手を差し延べたくなってしまう。
「ちょっと、洒落になってないですね」
「そうなのよ、出来れば早く来て頂戴」
「あ、じゃあシャワー浴びたらすく行きます」
一晩経っているので流石にが少しくらいは落ちているものの、それでもまだセックスした
後の匂いが残っている。そんなものをプンプンさせて行ったら、どんな状態になるのかは
大体予想がつく。それはもう、酷いことになるだろう。
電話を切ると、急いで風呂場に向かった。
うろ覚えな住所を辿ってアズサ先生のアパートまで到着した頃には、電話を終えてから
30分近く経過していた。これでも早めに頑張ったつもりだったが、このドアの向こうでは
地獄が更にパワーアップしていることだろう。人は一定のラインを越えてしまうと歯止め
が効かなくなり、エントロピーの増大が飛躍的に増すものだ。流石に人死には出ていない
だろうが、何だか嫌な雰囲気がぷんぷんとこちらにまで漂ってきている。
意を決してチャイムを押すと、どこかやつれた顔のエニシ先生がドアを開いた。いつも
向けてくるエロい雰囲気は無く、甘い香水の匂いの代わりに酒と煙草の匂いがする。確か
エニシ先生は煙草を吸わない筈だから、こんなに染み付くまでアズサ先生が吸っていたの
だろう。実際肩越しに部屋の中を覗いてみると、昔映画で見たロンドンの街のように煙が
立ち込めていた。推理もののドラマに出てくるような大型の灰皿には吸い殻が山のように
盛られていて、以前来たときよりも遥かに暗黒指数が高いのが分かる。
アズサ先生はと言えばトイレのドアも開きっぱなし、独身女感が丸出しの黒ジャージ姿
で便器にもたれかかりながら、虚ろな瞳で恨み言のようなものをブツブツと呟いていた。
視線が向いた方向には誰も居ない筈だが何故か何度も頷きを返していて、傍目から見れば
恐ろしいものがある。ビールまで勧めて、一体どこの誰と会話をしているのだろうか。
「ごめんね、急に呼び出して」
「気にせんで下さい」
申し訳なさそうに頭を下げるエニシ先生に笑みを返して部屋に上がり、吐きそうなのか
便器に顔を埋めたアズサ先生の背中を擦ってやる。手指にはブラ紐の感触は感じられず、
ノーブラだということが胸をときめかせるが、いかんせん今のアズサ先生は人としてやや
脱線状態である。戻すまでは楽しむも何も無いだろう。学校ではきちんと櫛を通してある
髪も何箇所か跳ねているので、今朝ツルにしてやったように整える。
「はい、アズサ先生。まずは水を飲んで下さい」
「うぁ、カメ、居たのか」
漸く僕の存在に気付いたらしく、こちらに顔を向けてくる。言葉では表現し辛い表情を
浮かべて、眼鏡のレンズの向こうにある瞳は涙で潤み、鼻をグスグスとすする姿はまるで
迷子の幼女のようだった。年が年なだけに、物凄い違和感がある。
エニシ先生に渡された水を一気して、僕にすがり付き、
「男なんて、男なんて皆馬鹿ばっかりだぁ!!」
何てことだろう、ツルが選んでくれた新品のシャツで思いきり鼻をかまれてしまった。
男が憎いのは分かったが、こんな仕打ちは酷すぎる。エニシ先生が慌てて引き剥がしたが
これは手遅れだ。ツルの愛が込められたシャツには、新大陸を示す汚い地図が出来ていた。
「ごめんね、後でクリーニング代をちゃんと出すから……アズサが」
「意外と冷静ですね」
そうでもないわよ、と言う笑みは引き攣ったもの。部屋の一角を指差し、僕もそちらに
目を向けると同じ被害にあったセーターが見えた。Tシャツ姿は珍しいと思ったが、単に
セーターを着ていられなくて脱いだだけだったらしい。そのお陰で黒いブラが透けて見え、
幸せな気分になる。赤ブラも良いが、やはりエロい人には黒ブラが一番だ。
「カメ、私を見ろ」
そちらに気を取られていたのが悪かったのか、不満気な表情のアズサ先生に押し倒され
てしまった。マウントポジションを取ると、また泣き出しながら瓶で焼酎を煽る。これは
二重の意味で不味い、センスにやられたようなエロプレイや顔面殴打、滝リバースまで、
どんなことをされても逃げられない。それ程重くないが、退けるのも難しい。尻の柔らか
弾力が腹に当たるのが、せめてもの救いだろうか。
「ンな訳ねぇ!!」
「うぅ、カメ、カメ」
泣きながら、アズサ先生は経緯を話してきた。
いつまでも僕に頼るのは悪いし、そもそも僕にはツルが居るので迷惑にならないように
昨日お見合いをしてきたものの、散々な結果だったらしい。相手の男は余程のヘタレ野郎
だったらしく、いつもの黒スーツ姿のアズサ先生を見るなり土下座して勘弁して下さいと
謝ってきたそうだ。確かにアズサ先生は目付きも鋭く冷たい感じがするが、本当は温かい
人だと僕は知っている。
だが第一印象というものは強いものだし、たかだか数時間で人の根っこを知ることなど
到底無理な話である。その誤解が原因で二人はギクシャクし、またぶっきらぼうなアズサ
先生の言動もあって碌に会話すらままならず、気不味いままお見合いは終わってしまった
らしい。聞けば聞く程に不憫な話だと思う。
「忘れましょうよ、そんなこと。エニシ先生もそう思うで……何で外に出る準備してるん
ですか!? まさかこの酔っ払いを僕一人に任せるつもりですか!?」
「違うわよ。二人きりの方が良いと思って」
それと、と舌なめずりを一つ。
「エロいことをしても良いけど、あたしの分のザー汁残しておいてね?」
「出てけ!!」
頷くと、ひらひらと手を振りながら部屋を出ていってしまった。勢いに任せて出てけと
言ってしまったが、まさか本当に出ていくなんて思わなかったのだ。何だかんだ言っても
残ってくれると思っていたのに、何て人だガッデム。
エニシ先生の消えた方向を見ていると、頬が冷たい両手で挟まれた。強制的に向かされ
たのはアズサ先生の顔、こちらを睨む切れ長の目がある。瞳の奥に満ちているのは怒りと、
それから寂しさの感情。月夜の下で凍えている、一本の枯れ木のような色だ。
「やっぱり、カメしか居ないんだ。こんな年増は嫌だろうが、良かったら側に」
「年増じゃ、ないですよ。アズサ先生は充分に魅力的です」
口説いているみたいだな、と思いながら、でも、と前置きして、
「最後まで一緒は無理です、僕にはツルが居ますから。ですが応援してます。後になって、
フラなきゃ良かったって後悔するくらいに、アズサ先生が幸せになるまで応援します」
ツルには悪いと思ったが、僕の方からアズサ先生に口付ける。酸味のある妙な味がした
けれど、気にしない。ただアズサ先生に喜んでほしいと、それだけを考えて何度も唇に唇
を重ね、舌と舌とを絡ませてゆく。ジャージのジッパーを下ろすとゆっくりと脱がせて、
なるべく丁寧に下のTシャツを捲り上げる。
「綺麗ですね」
決して胸は大きくはないが、まるで芸術品のような美しさがある。アルコールの影響で
うっすらと桃色に染まった肌もスレンダーながらも女性のラインを描いた体も、そこから
下に続くしなやかな脚も、どれもこれもが綺麗だと思う。どちらかと言えば触るよりも、
寧ろずっと眺めていたいような光景だ。つい先程までゲロを吐いたり泣いたりしていたと
思えないような、一種の完成美とでも言うようなものに感じる。
アズサ先生の体を抱えるとベッドまで運び、そっと横たえた。そっちの方が楽だろうし、
言ったらアレだが床は空き缶や空き瓶などで酷い状態になっているので、ぶつかったりと
色々マズいのだ。僕のそんな考えとは関係無しに、アズサ先生は安らかな表情を浮かべて
いた。布団の冷たさが、酔って火照った体に気持ち良いらしい。
甘えるように伸びてきた手を掴みながら、もう片方の手を股間に滑り込ませた。耳たぶ
を甘噛みしながら、ゆっくりとほぐすようにして割れ目をなぞる。小刻みに手を揺らして
入口を擦り、時間をかけて穴の中へと指を侵入させる。ざらついた内部の壁を指先で軽く
ひっかきながら胸を吸い、あまり体に刺激を与えないようにして濡らす。こんな酔いどれ
状態で激しく体を動かせば、また吐いてしまうだろう。センスとの初体験のときに、行為
の後で吐かれたことからの教訓だ。嘔吐リミッターが解除されている今のアズサ先生なら
尚のこと吐きやすくなっているだろう。それ自体は問題無いが、この雰囲気で吐かれると
非常に困るものがある。
ある程度指が入ったことを感触で確認すると、広げるようにして指先を回す。蜜が絡み
付いてきたところで引き抜いて、汗ばんだ体を舌でなぞる。唇を耳たぶに戻して軽く噛み、
首筋、鎖骨の辺りを繰り返し舐めあげてゆく。アズサ先生とは回数をこなしている訳では
ないので弱点は分からないが、この辺りの反応が良かったような気がした。
「や、そこは、駄目だ」
乳首を掌で転がしながら揉みほぐし、舐めていると反応が良くなった。酒が入っている
状態でも反応するということは、結構弱いらしい。何度も舐めて、擦っていると、細い体
が痙攣を始めた。下を碌に触っていないのに小さく達してしまったようで、一瞬だけ軽く
ブリッジ姿勢になると、僕の背を抱き締めながら崩れ落ちた。
何だか、可愛い。
十歳近くも年上の女性に使うのは間違っているかもしれないが、そう思った。潤んだ瞳
は無垢にこちらだけを見つめていて、今にも壊れてしまいそうな儚い表情は心を擽られる。
だが普段の強気で冷静な部分も見えて、その矛盾がアズサ先生を神秘的な雰囲気で彩って
いた。自分でも随分とおかしな表現だとは思うが、そうとしか言いようがないのだ。
簡潔に言えば、アズサ先生らしい。
他の皆が思っているようなアズサ先生らしさではないけれど、僕の中でのアズサ先生は
間違いなく今の姿だ。強くて弱くて、クールだけど暖かくて、しっかりしているけれど、
芯も通っているけれど、とても脆弱で壊れてしまいそうな年上の女性。
愛液が溢れ出る割れ目に唇を重ね、その隙間を埋めるように舌を入れる。感じるのは他
の誰でもないアズサ先生の味と、体に染み込んでいる煙草の匂いだ。贅肉の少ない細目の
太股や膝の裏まで舐めて、何度も舌を往復させてゆく。時折漏れる切なく押し殺した声が
性格を物語っていて、僕に向けられたストレートな感情に嬉しくなる。
「カメ、頼む。そろそろ入れてくれ」
頷き、肉棒の先端を熱くなっている割れ目に当てた。少し腰を進めるだけでとろけた蜜
が先端に絡み、垂れた愛液はシーツの上に染みを作る。その感覚に酔いしれながら、一気
に奥へと突っ込んだ。高い声を漏らしながらアズサ先生は身をのけぞらせて、小振りの胸
が静かに揺れる。シーツを掴む細い指が、とても色っぽい。
「アツいな、お前のは」
「そりゃ、偽物のちんこに比べたら温度あるでしょう」
言ってから少し失敗したかなと思ったが、それなりにウケたようだった。アズサ先生は
目を閉じて静かに笑い、軽く頭を掻いている。本人にとってはややブラックなネタだった
ので心配したが、懸念する程のことでもなかったようだ。シニカル過ぎる嫌いはあるが、
ツボにハマってしまったらしい。
「ほら、カメ。黙ってないで、そのアツいので掻き回してくれ」
あまり負担をかけないように、じっくりと、味わうように腰を動かす。いつから行為を
断っているのかは分からないが、あまりにもアブノーマルなのでエニシ先生とのセックス
はしてないらしい。したのも多分、僕との3Pのときくらいだろう。そのせいか全然使い
込まれた様子は無くて、まだ開通してから幾らも経っていないかのようにキツい。相性と
いうものもあるのだろうが、ツルとのときの方がしっくりくるくらいだった。だがこれも
これで悪くない、これも含めての個性だと思う。
「カメ、キスを、してくれ」
言われた通りに唇を乗せて、そのまま首筋などにもキスの雨を降らせてゆく。白い肌に
ピンク色のキスマークが幾つも付き、これが興奮を引き立たせる。
「うぁ、もう、出ます」
引き抜き、引き締まった腹の上に精液をぶちまけた。そのまま脱力をしてアズサ先生の
隣でうつ伏せになると、無造作に唇を重ねられる。セックスのときとは違いぶっきらぼう
な感じのものだが、アズサ先生らしく、どこか温かい。
「ありがとう、大分楽になった」
「どう致しまして」
向けられた笑顔を見て、
普段は人に見せない笑顔を見て、
いつまでも今のままでいれば良いのに、と思った。
最終更新:2007年08月04日 17:39