ツルとカメ-45
「おはよ……どうしたの?」
開口一番、挨拶を途中で止めると水樹は眉根を寄せて僕を見た。次に僕の隣、目を細め
ムッツリとしているツルを見て、その次には疲れたような顔をしている一真を見た。
そう、空気が重いのだ、それも半端じゃなく。
「ツル」
「何よ?」
短く、しかし機嫌が悪いのが分かりすぎる程に表に出ている声を出して、舌打ちを一つ。
こんなに苛々としているツルも久しぶりだ。普段のような愛らしさは欠片も残っておらず、
ジョークの一つでもかましたら即座に殴られそうな、まるで付き合う以前のような状態に
なっている。どうして今のような状態になったのか、理由はよく分かる。だからと言って
どうこう出来るような問題でもないので、こうした膠着が続いている訳だ。
要は、嫉妬なのだ。
付き合い始めの頃から、その嫉妬深さには気付いていた。エロ本などは片っ端から燃やされ、買うのも禁止されていた。
他の女の子の乳を揉めば殴られたし、尻を愛でれば罵倒をされた。恐ろしいことに、一度
ならずチンコを切られそうになったこともあるのだ。それだけ嫉妬深さと独占欲の強さに
定評のあるツルだ、今朝からのことには、さぞやヤキモキしていただろう。僕も油断して
いたことは否めないが、まさかこんなことになるとは思っていなかったのだ。
鞄の中を見ると、そこには大量のチョコ。
貰えたとしてもツルからのものや、コイなどいつもの面子からのものばかりだと思って
いたのだが、その予想は大きく外れた。朝はまず郵便受けにチョコ、その時点ではツルは何も言わなかった。物好きな人
も居たものね、一番の物好きはツルだろう、なんて素敵な会話をしていた。帰宅してきた
ミチルが僕にチョコを渡しても、複雑そうな顔をしたものの大きな反応を見せなかった。
だが話はここで終わらない。登校中に見知らぬ生徒から渡され、下駄箱や机の中に入って
いたチョコを鞄に納め、教室にまで渡しに来てくれた人からのチョコを受け取っていると
次第にツルは苛々し始めた。
怒りが決定的なものになったのは、水樹が来る直前に渡されたものだ。
殆んどの人に対して平等に接する主義のツルだが、水と油と言うか、どうしてもソリが
合わないらしい人が何人が居る。ホウ先輩とチーちゃんだ。
ホウ先輩が来たときには睨み合い、チーちゃんが来たときには聞いている僕が泣きたく
なる程に辛辣な言葉が飛び交う悪口合戦になった。一真が疲れて机に突っ伏しているのは
その為である。妹と一緒に教室に入るや否や修羅場が発生したのだから、それはもう酷い
気分になっただろう。僕もまさか、チーちゃんがあそこまで黒化をするとは思わなかった。
そして怒りは冷めやらぬまま、現状に続いているのだ。
どうしようか。
考えていると、また一人教室に人が入ってきた。
「……ツル、何でそんな朝から怒ってんの? そこの腐れチンコが何か犯罪行為した?」
朝から随分と失礼な言葉を吐きながらコイは鞄に手を突っ込み、
「はいチョコ。どうせツル以外から貰ってないだろうし、憐れだから恵んであげる」
丁寧にラッピングされた手作りらしきチョコを僕に渡し、コイはさっさと席に向かう。
きっと気付かなかっただろう、ツルがまるで地獄の鬼のように険しい表情を浮かべていた
ことに。照れ隠しにキツいことなど言っていたが、頬など真っ赤に染まっていて、まるで
隠れていなかったことに。それが親友の怒りの火に、ガソリンをぶっかけていたことに。
「ツル?」
舌打ち。
今度は言葉すら返ってこない。
「あの、ツルさん?」
「何よ、私は今、とっても忙しいの。暇なんだったら私なんかを相手にするより、チョコ
をくれた他の娘達に構って貰えば良いじゃない。沢山居るから相手には困らないでしょ?」
そう言ってツルは唇の端を吊り上げ、冷たい目線を投げつけてくる。侮蔑という感情を
多分に含んだそれは、ふンと鼻を鳴らしたことで余計に強いものになった。
「ツル」
「うっさいバカ」
来た、これだ。
一番恐れていたことが来た。
ツルの態度は大きく三段階に分かれる。嫉妬、怒り、そして脛ねだ。今の段階、つまり
脛ねまで来たら機嫌を直して貰うのは難しい。何をしても罵倒され、殴られ、拒絶され、
弾かれる。取り付く島が無いという訳ではないのが、その残酷さに輪をかけていた。
しかも悪いこととは連続で続くもの。
「おはようございマス」
にこにこと笑みを浮かべ、センスが教室に入ってきた。センス自体は悪くないのだが、
今は何ともタイミングが悪い。しかも、只でさえそうなのに、悲しいことにセンスは僕の
脳内巨乳四天王の一人なのだ。おっぱい蟻地獄のツルにとって、それは存在自体が敵。
そんなセンスが鞄の中から取り出したのは、やはりと言うかチョコの包みらしきもの。いつも通りの優しい笑顔を浮かべ、
それを僕の方へと差し出してきた。
「カメさん、日本式バレンタインはアメリカとは逆なんデスね」
今日は、せめて今くらいはアメリカ式でやってほしかった。
ツルは虚ろな目で立ち上がり、
「おっぱい」
手を伸ばした先は豊かに実った二つの果実。
「センスのことだから、おっぱいの谷間からチョコを出すと思っていたわ。それとも何?
チョコがおっぱいの形をしているのかしら、この米国産の巨乳ビッチ!!」
いかん、とうとうツルがブッ壊れた。
奇声をあげながら、ツルはセンスの乳を揉んで揉んで揉みしだく。涙目で必死に抵抗を
しているが基本のスペックが違うし、僕と違ってツルに打撃を与えられることも憚られる
らしく、それは地獄のような光景になっていた。こんな汚れた二人を見るのは辛いらしく
コイは視線を携帯の方へと向けているし、一真達はわざとらしく連れション宣言して教室
から出ていった。ミチルが起きていれば物理的な意味では何とかなったかもしれないが、
疲れているらしく朝食を食った後から僕のポケットの中で睡眠中だ。
「おい、そろそろ止めろって」
「うっさい、元はと言えばカメが悪いんでしょ?」
「ヨゴレは嫌デスよぉ!!」
「夏のビキニ辺りから定着してるんだし、フタナリのときは元気だったんだから今更よ!!」
そんなことは大きな声で言ってほしくなかった。
そのままツルの手がスカートの中まで伸びて、センスの頬がぴくりと動いた辺りで僕は
無理矢理に引き剥がした。これ以上は見ていられない、と言うか、倫理的にも視覚的にも
完全にアウトだ。ここは聖なる教室、乳を突発的に揉んだりなどのエロ行為をしても良い
場所ではない。もっと節度を持って、清く正しく生活をすることを心掛けるべきだ。
「カメにだけは言われたくないわよ!?」
「落ち着けツル、心拍数が普段の三倍だ」
乳を撫でれば心臓が酷く脈打っているのが分かる。これはいけない、すぐにでも対策を
たてなければ。対策を立てるには、現状を正確に把握することが肝要だ。だから僕は制服
の中へと手を滑り込ませ、正確にツルの脈を計り、正確に乳を擦り、正確に頷き、
「ツル、怒るのは良くない」
正確にアドバイスをした。
「ふざけないで」
「ごめんなさい」
思わず土下座、今日のパンツは黄色か。
「……馬鹿にしてるの?」
それは違う。
「まぁ、つまらない話はここまでにして。ツル、大事なことを忘れてる」
一拍。
「僕はまだ、ツルからチョコを貰ってない。なのに嫉妬して苛々して暴れて乳を揉むのは
筋違いだろ。勿論嫉妬してくれるのは嬉しい、その分僕のことが好きだってことだろうし、
僕も何だか我慢ならなくなって寧ろ揉むのは僕のチンコ辺りを激しく情熱的に、どうだ!?」
無言で股間に蹴りを入れられた。
「あ、足コキは」
「もう一発要る?」
要らねぇ。
地獄のような痛みを堪えながら立ち上がると、頭二つ分以上低い位置にある髪に手指を
通してゆく。すぐに掴んで離されようとするが、構わずに何度も。嫌そうな顔をしたまま
だが漸く抵抗が無くなったところで僕はその掌を引っ込めた。あ、と少し寂しそうな声が
漏れるのを愛しく思いながら、ゆっくりと体を抱き締める。
「なぁ、幾ら怒っても構わないからさ。まずは僕にチョコをくれないか?」
我ながらキザだと思いながら顎を抓んで視線を上げさせ、涙で潤んだ瞳と目を合わせた。
小さく瞬きする仕草が何とも可愛く、再び辛抱堪らなくなり、このまま早退けでもして
一緒に家で過ごそうかと思ったが我慢する。僕は全校生徒の模範たる生徒会長だ、そんな
ヤンキーなことをしていては他の者に示しがつかなくなる。その代わり素晴らしい理性を
持った僕へのご褒美という意味も込めて抱く力を強くした。後は、そうだ、匂いを嗅ぐの
くらいならセーフだろうか。いや、剥かなければお触りもセーフか。
「カメ?」
パンツの中に手を突っ込むのは。
「ちょっと」
いかん、公然プレイを決め込むところだった。
「その、離してくれないとチョコが取り出せないんだけど」
それは更に駄目だ、慌ててツルを離して愛しのチョコを待ち構える。
「ちょっと待っててね、今出すから」
さて、ツルは僕にどんなチョコを用意してくれたのだろうか。スタンダードな超巨大型
ハートチョコか、それともおっぱい型のチョコか、股間型の素敵タイプか。意表をついて
僕のフィギュアチョコか、逆に1/1スケールのツルフィギュアチョコか。もしそうなら
とても楽しみだ、全身を余すところなく舐めたりなどして楽しみたい。勿論下品な勘違い
をしてはいけない。噛んだら痛そうだし、巨大なサイズになるから溶かして摂取するのが
最適だという判断からだ。色も気になる。もし忠実に再現するならホワイトチョコだろう、
乳首と股間は苺チョコを使っているか。フタナリ魔改造をしてあるのも捨てがたい、乳首
やチンコの先端からホワイトチョコが出てくれば尚楽しい。しかしツルのホワイトチョコというのは実にいやらしい。
そうワクワクしていると、不意にツルの表情が変わってきた。最初は首を傾げて、次に
疑問のようなものが浮かんで何かを思い出すように視線を上に向け、最後に何故か申し訳
なさそうな顔になった。諦めずに鞄の中をあさっているものの、なんとなく予想がつく。
ツルは上目遣いで見上げてくると、
「ごめん、家に忘れてきた」
溜息を吐く。
電子音。
「ほら、皆席に着け。それとカメ、これは秘密の話だがチョコを渡したいから職員室まで
取りに来い。それと明日辺り飲むぞ、予定を空けておけ」
何か色々とマズいカミングアウトをアズサ先生がした直後、
「カメの馬鹿あぁァッ!!!!」
ツルが爆発した。
◇ ◇ ◇
「ただいま!!」
学校が終わってから爆チャリを漕いで約五分、こんなにも運動をしたのは久し振りだ。
まさか自分でもこれ程のタイムを出せるとは思わなかったが、これも愛の力だろう。
「さぁ、ツル!! ギブミーチョッコレイ!!」
「はいはい」
溜息を吐きながら冷蔵庫に向かう姿も可愛い。特に左右に揺れる小さな尻や、綺麗な線
を描く膝の裏や足首など見ていて全く飽きがこない程だ。見返り美人という言葉があるが、
これはツルの為に作られた言葉なのではないかと思う。前面を見ると乳の辺りが悲しい女、
というハンディキャップを乗り越えてしまう魔力めいたものがある。
「はい、あったわよ」
「ツル、もう一度後ろを向いてくれないか?」
「何で?」
不思議そうな表情を浮かべるツルに頷きを一つ、
「後姿の方がエロ……痛ぇ!!」
ぶん投げられたチョコが顔面にヒットした。確かに歩いて渡すよりも早い、流石はツル、
見事な判断だ。出来るなら手渡しの方が良かったが、性急に運ぶ姿勢を僕は評価したい。
だから僕は性急に箱を破り、それにかぶりついた。
「不思議な味だが、美味い!!」
これはどう表現したら良いのか。やけに塩味が濃く、そしてスパイシーな感じがする。
色も黄色が混ざった茶色で、例えるのならカレールーのようだ。成程、他人との差を明確
にする為に敢えて妙にするなんて、何といじらしいのだろうか。パッケージにまで注意を
払っていて、織濱食品の定番カレールー『英国インド激甘』にそっくりだ。
「ごめん、ちょっとした嫌がらせだったんだけど。カメ、肝臓悪くするわよ?」
本物か!?
ツルが言いながら持ってきたのは巨大なハート型の茶色い固形物。
「はいこれ、あんまり自信無いけど」
表にホワイトチョコで『カメへ』とペイントされたそれは、食べなくても愛情たっぷり
だと分かる出来だ。受け取り、それを一口食べる。あまり甘い洋菓子が好きではない僕の
為だろう、ビター風味のチョコ味が口の中に広がった。
「美味い!!」
「本当に? 味見したときは、少し苦かったけど」
首を傾げるツルを抱き寄せ、唇を重ねてチョコを直接送り込む。数秒かけてそれを飲む
音を確認して顔を離し、視界に入り込んできたのは複雑そうな表情だった。
「苦しょっぱい」
「そりゃビターチョコとカレールーの味だからな」
言って僕はもう一口、だが中々カレーの味は消えてくれない。やけに後味がしつこく、
ミチルがそこが好きだと言うので買っているものだが、今回はそれが仇になってしまった。
「カメ、もう一口頂戴。味が消えないわ」
チョコを差し出したが、ツルは手に持った方を選ばずに直接唇を重ねてきた。歯を割り
舌を潜り込ませ、僕の口の中を味わうように丹念になぞり上げてくる。そうして口の中に
残っていた味が完全に消えたところで、漸くツルは距離を取った。唾液の橋が切れ、唇の
周りに付いたものを親指で拭いながら、
「マズ」
短く言って、だが指に付いた唾液を舐め取った。
「今日はやけに積極的だな?」
「別に、いつもと同じよ」
「何だ、てっきり独占欲が暴走したかと思って心踊ってたのに」
図星だったのだろう、そっぽを向いていたツルの顔が一気に耳まで赤く染まった。
「……文句あるの?」
朝から押さえていた理性が、ぷっつりと音をたてて切れた。
今度は僕の方から唇を重ねて、ソファに小さな体を押し倒す。新しく親父が送ってきた
三人座っても尚余裕のあるそれは、スプリングの音を軋ませながらも柔らかく僕とツルの
体を受け止めた。僅かな間舞い上がった黒髪が羽のようにゆっくりと降り、対照的な白い
クッションの上に広がってゆく。
僕はまたチョコをかじり、それを舌でツルの唇の間に押し込みながらシャツのボタンに
手をかけた。全てを外すのは僅か数秒、ブラも一瞬で外せば準備は完了だ。
寒さのせいか、それともキスが原因だったのか。僕はツルと重ねていた唇を下げると、
固くなり始めていた桃色の突起に舌を滑らせる。それだけで声が漏れてくるが、口に物を
入れているせいか少しくぐもったものだ。それもまた舌足らずな感じに聞こえて可愛い。
少しして物を噛む音が聞こえ、続いて胸の辺りが少しだけ動いた。
飲み込んだ、と理解して僕は愛撫を続行する。
胸を吸いながら太股の間に手を滑り込ませ、指をかけて下着を降ろしてゆく。急ぎ過ぎ
かもしれないが、これを汚す訳にはいかない。盗聴機のデータが正しいなら、これはつい
先日、ツルがかなり気に入って買ったものの筈だ。同じ黄色のものでもこのデザインのは
一週間前に確認したときは他に無かった筈だし、間違いないだろう。汚すのも駄目だが、
無くすのも良くない。しっかりとポケットにしまい込んで、改めて割れ目をなぞる。
そうしていると、不意にくしゃみを一つ。
「カメ、暖房、つけない? 少し、寒いん、だけど」
気が付かなかったが、確かにそうだ。只でさえツルは寒さに弱く、更に今は半裸の状態、
これでは風邪を引いてしまうかもしれない。おまけに変に悪い方向に悪化などでもしたら
将来的に僕の元気な子供を産んでもらえなくなるかもしれない。しかし、暖房をつけても
すぐに部屋が暖まる訳ではない。ならばどうすれば良いのか、答えは一瞬で思い浮んだ。
「安心しろ」
不思議そうな顔を浮かべたツルから一旦離れると、両足を閉じさせて抱え込んだ。僕は
ジッパーを下げて肉棒を取り出すと、その柔らかな太股の間に差し込んでゆく。いわゆる
素股というものだが、最初から激しいペースで抜き差しを繰り返す。こうすれば摩擦熱で
暖かくなる筈だ、特に水分が多く冷えやすい股間を中心としているので効果もかなり期待
出来るだろう。かなり冴えている僕の頭脳に驚きながらも、しかし否定意見が出てきた。
「そうか、これだけじゃ駄目だ!!」
「え?」
結論し、僕は目の前で揺れていた足の先端をくわえ込んだ。靴下越しではあるが丹念に
指の間までしゃぶり、足の裏やふくらはぎまでもをマッサージするように舌で押しながら
舐めてゆく。こうしたら、下半身の冷えは完全に防げるだろう。
ツルは血気盛んな癖に、末端冷え症だ。二月初めの頃に冷たい手指での手コキに興味が
湧いてを頼んでみたところ、酷く冷たいパンチを受けたので実証済みだ。
ついでにその後、節分のとき、ツルのお豆に手を出したところ『福は内、カメは外!!』
と閉め出されたのは素敵な思い出となっている。正に鬼だ、土下座して頼みまくり穿いて
もらった僕自作の虎柄パンツが異常に似合っていた訳である。因みにあれはデジカメ保存
済みで、来年のカレンダー作りの際にバレンタイン仕様のツルとどちらにしようか迷い、
「カメ、口から漏れてるわよ?」
「どっちが良い?」
「その前の部分に突っ込みなさいよ!!」
ツルからの要望があったので僕は足を割り開かせ、割れ目へと肉棒を埋めてゆく。冬の
寒さなど消し飛んでしまいそうな程にそこは熱く、溶けてしまいそうな錯覚に襲われる。
そのまま動かず体温を感じるのも良いが、腰が自然に動いた。引き抜くと蜜が冷えた部屋
の空気に冷やされて、そしてまた埋めると熱い肉の壁に包まれる。言葉で表すのは難しく、
だが不快な感じは全くしない。それどころか、平均よりも高いツルの体温がとても快い。
素股で充分な刺激を受けていた僕に、この感触と温度は気持ちが良すぎた。
「ツル、もう出そうだ」
「早く、ない?」
直接的な表現は傷付く。
「おね、がい。今日、は、外で」
「露出プレイか!?」
衝撃。
半マグロで喘ぎっ放しだというのに、相変わらずツルの打撃は強力だ。
「分かってる、冗談だ」
今日は危険な日だ。その辺りはもう完全に把握済みだし、だから暴発しても良いように
という理由もあって素股を選んだのだ。最近は素股が少なかった、という理由ではない。
もう我慢も出来そうになかったので、一気に全部引き抜いて、白く滑らかな腹の上へと
射精した。呼吸に合わせ上下に揺れる腹の中心部分、臍の辺りに少し溜ったときにツルが
呟いた『アツい』という言葉が何故か、やけに強く耳に入ってきた。
は、と息を吐きながらツルの隣に倒れ込み、
「ところでツル、ホワイトデーのお返しなんだが」
「精液でホワイトなんて言わないでよ? しかもクリスマスのときの二度ネタだし」
先に言われ、どう反応しようか迷っている内にツルの腹から先程僕が出したものが流れ
落ちててきた。新品のクッションに染みが広がるのをツルは嫌そうな目で見ながら吐息。
こっちを恨みがましい目で見上げながら髪を掻き上げて、
「クッションが良いな……冗談よ」
小さく笑い、
「期待してるから」
呟いて、うつ伏せになった。
最終更新:2007年08月04日 19:10