曲庇
ハロ「世界がもし百人の村だったら・・・」
ツン「何よ、急に」
ハロ「バチカン市国民は一人もいません」
ツン「・・・そりゃ、小数点以下だけど・・・」
ハロ「しかし、もっと悲惨な事がある」
ツン「何よ?」
ハロ「国がひとつも無い」
ツン「くだらない」
ハロ「くだらないとは何事だ!昨日の夜ずっと考えてたんだぞ!」
ツン「ああ、そう、わかったわかった!ごめんなさい!」
ハロ「でも、世界が百人の村だったら怖いよな?」
ツン「『もし』って言ってるじゃない」
ハロ「百人の村だとしても、ツンは居てほしい」
ツン「そ、そんな口説き文句を昨日の夜から・・・お疲れお疲れ!」
ハロ「だから部屋の中に入れてください」
ツン「いい、セクハラは犯罪よ」
ハロ「手が触れただけだろ」
俺たちは勉強会なるものを開いていたのだ。実は。
ようやく部屋の中に入れてもらった。俺の部屋だが。
内側から鍵掛けられちゃしょうがないもんな。しかも冬だから洒落にならん。
低い机をはさみ、正座して向かい合う。
ハロ「セクハラって言うならツンのほうがよっぽど重罪だぞ」
ツン「は?」
ハロ「俺の寝込みを襲い足で竿を踏みつけてきたくせに」
ツン「(竿?)あ、あれは・・・///寝ぼけてて・・・」
ハロ「いや、故意のようなものを感じた」
ツン「言いがかりはやめてよね!誰が好き好んであんたの・・・!大体、後で私に頼んだくせに!」
ハロ「な、今はセクハラの話をしてるんだろ!」
ツン「じゃあ私もさっきのタッチには故意を感じた」
ハロ「『じゃあ』ってお前」
ツン「ああ、もういいから」
・・・・・・。
ハロ「あー、俺、なんかお菓子買ってくるよ」
ツン「(私も・・・)あ、うん」
バタン。
行っちゃった。
素直に一緒に行けばよかったなあ・・・、何か面白い本とかないかな。
えーと・・・。
背表紙をなぞる私の指が止まった。
ツン「こ、これ・・・」
エロ本・・・だよね。
ツン「せ、せめてもう少し隠しておくとかすればいいのに・・・///」
よくこんなのレジに持っていけるよね。ハロはスケベだってわかってはいたけど・・・。
私は、おもむろに・・・待った!
ツン「駄目よ。駄目。こんなの見てしまったら、ハロと同レベルだわ」
本を返そうとする・・・が、やっぱり気になる。
早く見ないとハロが帰って来ちゃう、いや、見る必要はないんだけど。
ツン「・・・・・・」
ヵ"チャ…
ツン「!!」
玄関の扉が開く音だ!ええと・・・どこからとったんだっけ?ここね!
とっとっとっと・・・ガチャ。
ハロ「お菓子におでん買ってきた」
ツン「ああ、そう・・・」
ハロ「?・・・今のは突っ込むところだけど」
ツン「ああ、いい加減面倒くさくて、よ」
ハロ「本当はちゃんとお菓子買ってきたんだけどな」
ツン「うん」
なんか様子が変だな・・・。
ん?あ、やべえ!エロ本むき出しじゃん!何とかして隠さないと・・・?
何で上下さかさま?・・・まさか・・・
五分ほど考えた結果、俺はひとつの仮説を立てた。
ツンがエロ本を発見してしまって、言い出しにくいのではないか。
さっきから言葉少なだし、火照ってるし、目を合わせようともしない。いつものことか?
しかし上下さかさまになってるという事は、きっと手に取ったのであろう。
表紙を見てすぐに戻したのかもしれない・・・もしかして、見た?
ハロ「な、なあツン。あれ・・・見てないよな?」
ツン「ヘ!?何?突然。何の話?映画?」
わかりやす過ぎて困る。ストレート過ぎて困るか。
ツンは何か言いかけるが・・・やめる。
目を伏せ、もじもじしている姿が・・・妙に可愛い。
俺は確信した。ツンは見てしまったのだ。聖書を。
いや、そんな事より可愛い。押し倒したい。さっきセクハラ禁止とか言われたのに。
押し倒したらセクハラを超えてるが。・・・ええい、じゃあそんなにもじもじするな、顔を赤らめるな!
ツン「は、ハロ?・・・あっ」
ドサ。
は。何をやってるんだ俺は。つい無意識のうちに。
悪魔が取り憑いてやったんだ、俺のせいじゃない。
跨り、両手でそれぞれの手を押さえていた。
ツン「・・・ぃゃ・・・やめて・・・///」
ツンは横を向いて、目を合わせようとしない。
ぐ、ぐぎぎぎぎぎぎぎぐぎぎ(必死に耐えている声(にならない声))。
右手がツンの左腕から離れ、胸のほうへと向かう。
ツン「あ・・・///」
や、やわらかい・・・///
じゃないよ、俺!さっきから理性を失い過ぎだ!気をしっかり持て!
ここで「もういいや」とか思っちまったら、後どうなるんだろうな・・・
と思いつつ、胸を堪能する俺の右手。
ツン「あ、ぃゃ・・・スケベ・・・///」
ツンは目を閉じて悶える。
ごがぎぐぐげぎぎぎぎげご(声に(ry
か、可愛い・・・///
ツン「ん・・・」
そのままキスを交わした。
俺は夢中でツンを貪る。
ツン「ん・・・ハロ・・・///」
だ か ら !
ハロ「ぬああ!」
グアッ、と立ち上がる。
ハロ「はぁ・・・はぁ・・・」
ツンは息を荒げ、とろんとした目で俺を見つめる。見つめるな。
ハロ「ゴメン、ゴメンな、ツン」
立ったまま立って謝るハロ。
ツン「・・・・・・うん」
ハロ「違う。違うんだ」
ツン「うん・・・わかってる」
世界がどうであっても、通じ合う思いはひとつだった。
私たちの世界には、言葉も要らない。
最終更新:2007年08月03日 16:20