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318 :トライアングル☆ツンデレ ◆WXGiSVZK0w :2010/12/16(木) 19:29:14 ID:HXA+J/4v
~三年後斎藤家邸宅庭~
「「ふっ・・・・・・ふっ・・・・・・」」
 無言の二つの短い呼吸音が場の空気を支配する。
 今対峙している相手に僕は一度も勝てた事がない・・しかし焦ったら此方の負けだ
「はっ!」
 風切り音と共に右の掌底が胸元に襲いかかってくる・・チャンスだ!相手の片腕を取り、肘と手首の関節を相手の後ろの方へと折りたたむようにして倒す
僕の得意技小手返しを出す時だ。
「甘い!」
 僕が身体事体重移動をして相手の右手を取ろうとした時サッと対象の腕が後方へ流れ・・と同時に右足に鈍い痛みがはしる!
 どうやら右の下段蹴りを喰らった様だ
「わ、わわ・・フェイント!?ずるい!」
 え?何をしてるかって?今庭で姉さんと合気術の稽古中・・・で僕は何時も姉さんにはケチョン、ケチョンにやられている訳だ。
 案の定右下段蹴りでバランスを崩された後ヨロヨロとしている僕の左肩を姉さんが軽く払うと・・・
 ズデーン!!と見事にすっころんだ。
「いてて・・・」
 僕が目を開けると・・・・・・
「チェックメイト!」
 姉さんの手刀が目の前で止まる。
 今日も負けか!僕斎藤裕一郎は産まれてこの方一度も姉斎藤裕美に勝てた事が無い・・・姉さんは花の女子大生で長い黒髪をなびかせる近所でも評判の美人との事だが
今は色気の方には興味が無いらしい・・
 あ、でも僕が小学校から今通ってる高校迄人並みに過ごせるのは姉さんのお陰かも、お袋は僕が物心つく頃には居なかったし
親父は外務省の官僚で海外を飛び回ってるせいかめったに家に帰って来ないし姉さんに世話に成りっぱなしの僕としては頭が上がらない存在なのだ。
「ユウ君、意図が見え見え!それじゃあ手の早い相手には通用しないわよ」
 しかしナァ、姉さんが言いたい事は分かるんだが・・・僕が難しい顔をしていたら
「あ~~!その顔は納得してないなぁ~」
 姉さんは両頬をプクーッと膨らませてそう言うと僕に一本の木刀を投げてよこす。
「何?姉さん」
 僕が訝しげに姉さんの方を見ると姉さんはとんでも無いことを言い出す。
「それで打ち掛かってきなさい!」
「何を言ってるんだよ!防具を着けないと大怪我するよ!」



319 :トライアングル☆ツンデレ ◆WXGiSVZK0w :2010/12/16(木) 19:31:41 ID:HXA+J/4v
「あのね・・・私ユウ君に怪我させられる程落ちぶれて居無いわよ!」
 こうなったら姉さんは梃子でも動かない
「どうせ僕が断ったら晩飯抜きとか言うんだろう・・・」
「御名答!」
 ったく!晩飯抜きはごめんだ!姉さんたらニコニコして本当に格闘オタク何だから・・・
「分かったよ・・・」
 僕は大きい溜め息を一つ吐いて木刀を持ち正眼に構える・・・こうゆう時は逆に下手に躊躇すると相手に怪我を負わせる事に成る。
「はあぁ~!」
 気合いを入れてピタリと中段に狙いを定める・・姉さんも真剣な顔だ。
「おりゃあぁ~!!」
 僕が気合い一閃一気に踏み込みとスーッと視界から姉さんが消えた。 
「え!?」
 何と姉さんはしゃがむと同時に回転して片足を伸ばし、僕の足元をなぎ払う!別名水面蹴りを放った。 
「わ、わわ~! まさかその手で来るとは!」
 姉さんは遠心力を利用してそのままクルッと起き上がると身体が流れバランスを崩した僕の手を払い木刀を弾き肘と手首の関節を決め後ろの方へと体重を掛ける・・・


320 :トライアングル☆ツンデレ ◆WXGiSVZK0w :2010/12/16(木) 19:36:16 ID:HXA+J/4v
「うわ~!?」
 後は姉さんの小手返しが決まるのみだ!僕はもんどり打って倒れた・・・・・・
「良いユウ君、手の早い相手には下半身を崩してそれから責める、それが鉄則よ」
「わ、分かったよ・・・姉さん」
 関節を決められ無様に倒されてる僕の上で姉さんは柔らかい表情で呟く
「でも、あの泣き虫ユウ君がここまで逞しく成るとはねぇ~」
 姉さんは僕の頭を撫でながら微笑む
「今のユウ君なら、あの子を守ることを出来るかもね」
「ね、姉さん・・・」
 その時ーーーパチパチパチパチーー母屋の方から拍手の音が聞こえてきた。
「いやぁ~さすが裕美! 見事な技だ」
 縁側の方から聞き慣れた声がするので振り向いてみると・・・ 
「お、親父!」
「お、お父さん!」
 そこには久し振りに見る我が家の父親の姿があった。
 しかもどうやら客と一緒らしい・・一人、いや二人か・・・庭から縁側迄の距離はそうは無いのだが親父の横に居るのはブラウンの髪の毛の白人・・
年は二十代後半から三十代前半位だろうか?身長は180を超えたガッチリとした体格をした逞しい男だ・・それから後ろにもう一人居るような気もするが、
どちらにしても親父が連れてる処からすると外国の大使館関係者か、官僚か・・・
「姉さん、親父の奴久し振りに帰って来たと思ったら、また客を連れて来ているよ」
「しょうがないでしょ!親の商売が外務省なんだから!」
 親父は社交的なのか、よく外国の政府関係者を家に連れてくる。
 僕が愚痴をこぼしても姉さんは親父の性分が分かっているのか諦め顔だ
 仕方無い・・・挨拶を済ませたら、とっとと退散する事にしょう。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆  思い立ったら吉日では無いが、僕は姉さんを追い抜いて駆け足で親父達の前に向かった。
 後ろで姉さんが「もう!ユウ君たら・・・」
 と言ってる声は聞こえないふりをして・・・
 僕は白人男性の前まで来ると深々とお辞儀をして大きな声で挨拶をする。
「はじめまして斎藤勝正の長男の裕一郎といいます!」
 え!?何故外国人に日本語で挨拶をするのかって?
 それは単純な事、大体日本人の家に遊びに来る程の関係者は殆ど親日家で言葉が喋れるモノだ、仮に喋れないにしても好感は持ってくれるし早めに退散出来るとゆう
寸法だ。
「・・・・・・・」 



321 :トライアングル☆ツンデレ ◆WXGiSVZK0w :2010/12/16(木) 19:38:03 ID:HXA+J/4v
 あれ!?反応が無い・・恐る恐る顔を上げて見ると白人男性は困った顔をしているーー親父の方も同様だ、ん?どうゆう事だ?
「いや、わたしはイギリス大使館付けのSPでして・・・」
「 は・・・SP・・・!?」 
 横で親父が困惑した顔でボリボリと頭を掻きながらポッリと漏らす。
「裕一郎・・ゲストはSPのジェイク君の後ろだ・・・」
 後ろってーー改めて見てみると・・・そこにはおとぎの国から来たような金髪の美少女が居た。
 う~~んそれにしても可愛い!金色のウェーブの掛かった髪がなびく、真っ白な肌と宝石の様な碧瞳と真っ赤な形の良い唇・・まるでお伽話のお姫様そのものだ。
 とボンヤリと僕が思考を漂わせてると少女は腕を組みをして険しい顔をして口を開く・・・
「イギリスのレコンキスタ候爵の長女のファティマ・F・レコンキスタよ・・・
今日から世話になるから特別にワタシの事は“ファティマお嬢様”と呼ばせてあげるわ」
 わ~~キッーー!! 何このお嬢様ふんぞり返ってるし・・それにしても日本語上手いな・・・後世話になるとは?
 僕が怪訝そうにしていると親父が目を宙に泳がせながら語り始めた。
「実はなこのファティマお嬢さんはな・・・今回T大理工学部のノーベル賞を取った鈴木教授に教えを受けたくて留学しに来た」
「留学って・・・」
「いや、受験まで我が家にホームステイをする事に成った・・・ちなみに裕一郎、お前と同じ学年だ」
 えーー!!嘘だろう・・まだ一年以上有るじゃないかーー僕が親父に抗議をしょうとすると後ろから来た姉さんが目を輝かせながら・・・
「キャーー!可愛いーー!お人形さんみたいーー!キャ!!ーキャーー!!!」
 姉さんはいきなりお嬢様に飛び付いた
「この金色の髪の毛本物ーー!!あ~それと関節が柔らかそう・・二重関節かしら?」
 ・・・姉さんはお嬢様をギュッと抱き締めてベタベタと触りだした、姉さんは元々相手が大統領でも仮に宇宙人でも態度を変えない人だが。
 最初は耐えていたお嬢様だが徐々にその白い肌が真っ赤に染まっていき・・・
「離せ!このジャップが!イエローモンキーがワタシに馴れ馴れしく触るんじゃ無いわよ!半径二メートル以内から離れなさい!」
 と暴れ出した・・・しかしこのお嬢様口が悪いなぁ~だが姉さんはお嬢様を完全に無視して抱きついたまま腕を曲げたり延ばしたりしている。



322 :トライアングル☆ツンデレ ◆WXGiSVZK0w :2010/12/16(木) 19:43:06 ID:HXA+J/4v
 何でそんな事をしてるかって?多分関節の可動範囲を計ってるんでしょう・・フィギュアフアン?違う違う!どうしたら関節を決められるか考えているんだよ
 何せ姉さんの基準は全て格闘技だから・・・中学や高校の頃実戦練習と称して周りの不良共の関節を決めまくって近隣に悪名が轟いてたし、お陰でミスコンで優勝出来
る程の美人なのに男っ気ゼロだもんな・・・おっと、そうそう早く止めなきゃ
「ブルシット!ファッキンジャップ!ウ~ウ~!!」
 お嬢様は唸りながら赤鬼の様な形相で肩を震わせ両手の握り拳に満面の力を込めてスラング言葉丸出しにして完全に頭に血が上って怒り狂っている。 
 それにしても親父の奴は相変わらずこうゆう揉め事の時は頼りに成らない!知らん顔をしてやがって・・・
 あ~!?お嬢様・・・姉さんに噛みつこうとしている!マジかよ・・・歯全部折られるぞ~
 僕が姉さんを止めようとした時お嬢様の隣で困った顔してたジェイクがたまりかねて口を挟む。
「何をしている・・お嬢様が嫌がってるだろう」
 と姉さんの肩に手を掛けた・・一瞬姉さんと姉さんに噛みつこうとしていたお嬢様の動きが止まった!
 よし、今だ!と僕が姉さんを羽交い締めしょうとすると・・・
「あら、こっちの男(ひと)の方が筋力有りそ~う」
 と嬉々とした顔でジェイクに飛び付き腕を取ったりしている。
「ユウ君、お人形さんの相手は任せるわ~部屋は離れを使ってもらってぇ~」
「誰が!お人形さんだ!この、イエローメスゴリラ!」
 姉さんは新しい対象に興味が移ったのか喜色満面の顔でこちらの方はアウト・オブ眼中だ。
 やっと解放されたお嬢様はギャーギャーと英語と日本語のチャンポンの罵倒言葉で喚きながら碧目をひんむいて、まだ全身を真っ赤にして肩で息をしていた。
 親父の方を見ると・・・
「裕美の言うとおりで良い・・・裕一郎、部屋に案内してあげなさい、わたしも今日は早く帰るから・・」
 と言うや否やそそくさと退散して行ったーーもう、帰って来るな!糞親父が!
 後ろでジェイクの悲鳴が聞こえた様な気がしたが無視をした。
 合掌ーーチーン・・・・・・・・・・・お嬢様の荷物を持ちながら離れに案内しょうと廊下を歩いていると



323 :トライアングル☆ツンデレ ◆WXGiSVZK0w :2010/12/16(木) 19:50:02 ID:HXA+J/4v
「やはり、ジャップの家ってウサギ小屋って本当だわ」
 って呟くから、我が家はこれでも近隣では一番大きな屋敷だし、そんなに狭くないぞ!と思って訪ねたらお嬢様の屋敷は四千坪だと・・・絶句だ
  それと・・・もう一言
「ワタシの許可が無ければ半径二メートル以内に入ってこないこと!」
 って言うもんだから
「どうでも良いけど僕以外にジャップって言ったら駄目だぜ」
 と言ったら
「ジャップにジャップって言って何が悪いのよ!」
 何て怒り出す
「姉さんは僕には止められないよ!」
 って忠告してあげたら
「あのイエローメスゴリラはワタシに近付けないでちょうだい!」
 と言った後「・・・でも、あなたの忠告は一応聞いといてあげるわ!」
 だって・・・ 
 彼女は僕と同じ高二だとの事だがT大の理工ってかなり難しい筈だし・・イギリス人でしかも女子で理工学部って珍しいな・・・って聞いたら
「ウルサいわねぇ~~余計な詮索はしないで!少なくては猿よりは頭がいいわよ!」
 って憎まれ口を叩くものだから、もう黙ってた・・・一応初来日だし、まだ不安なんだろう、馴れたらマシになるさ!と楽観視していたんだが、
これが波乱万丈の日々の始まりに成るとはこの時想像もつかなかった・・・
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
トライアングル☆ツンデレ・ブロンドの侵略者編ーー終了

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最終更新:2011年01月04日 18:38