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352 :トライアングル☆ツンデレ お嬢様よ何処へ行く②:2010/12/23(木) 00:30:27 ID:vnvOyHdO
 街中をあてもなくトボトボと歩く・・・
「どうしてこんなコトに成っちゃたんだろう。」 
 自己嫌悪で涙が出てくる。
 別に日本人に反感が有る訳でもない。
 逆に最初は極力仲良くしたいと思っていた。
 只この国でワタシは独りだ。髪の色も、肌の色も、言葉も全く違う・・・
 こうして歩いていてもみんなワタシを振り返りジロジロ見る。
 小さい子供が“お母さん外人だよ”って指をさす。
 まるで珍獣扱いだわ・・自虐的な気分になる。
 この異文化の中、気を張ってないと自分のアイデンティティが崩壊すると思ったのだ。実は日本に来てからあまり眠れてない。
 斎藤裕一郎に頬を張られて教室を飛び出した後、先ずは空港に行く事を考えた。
 しかしその為にはパスポートを取りに斎藤家に行かなければ成らない。
 今は斎藤家の人間ともジェイクと会うのもちょっと気不味い。
 それにこのままイギリスに帰るのも逃げるようで癪に障るが、事後処理した後はおそらく帰国とゆうことになるだろう。
 辺りを見回すと、何時の間にか小さい公園に着いていた。
 疲れたのでベンチの方に行きゆっくり腰掛けると、手が左頬に自然と行く。
 人に叩かれたのはいつ以来だろう。
 お母様とレイ兄さんが航空機事故で亡くなってから、お父様もワタシを叱らなくなった。
 厳しかったけど暖かったお母様・・・そして強く優しかった最愛のレイ兄さん・・
 想えばレイ兄さんが亡くなってから、ワタシは常に独りだったのかも知れない。何せ小さい頃は兄さんこそが世界の全てだったのだから。
 左頬をさすってると何故かレイ兄さんと斎藤裕一郎の顔がオーバーラップする。
「(バカな! 兄さんと斎藤裕一郎では何もかも違うのに。)」 
 ワタシは苦笑いを作り、空を見上げる。
 今日は気候も良いし、公園は人もまばらで少しは落ち着く。
「なんか疲れちゃった。」
 ふと、独り言が自然と漏れる。
 これからどうしょう。そんな事をかんがえていると自然と瞼が重くなる。
 何もかも忘れたい。
 そう思うワタシが深い眠りの誘惑に勝てるわけは無い。
 次第と意識が闇に沈んでいく感じが、心地良く成るのだった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆  
 放課後腐れ縁の早紀とナツと一緒に繁華街に向かってぶらぶら歩いている。
 しかし、全く以ってあの金髪外人女は不愉快だ。今日は隣に居る早紀の金髪まで忌々しく思える。



353 :トライアングル☆ツンデレ ◆WXGiSVZK0w :2010/12/23(木) 00:33:59 ID:vnvOyHdO
「ねぇ。彩どうしたのさっきから黙っちゃって?今日はケンさんの事務所にいくんでしょ?」
 後ろからパイナップルヘアーのナツが話しかけてくる。
「あ、あぁ・・・」
 あたしは気の無い返事を返すだけだ。
 ケンさんとは一個上で本名が伊野波謙という。元暴走族のリーダーで、直ぐナイフを抜く所から切り裂きケンと呼ばれてた男だ。
 一昨年迄傷害事件を起こして少年鑑別所に入ってたが、去年この町に戻って来て地元の暴力団事務所に出入りしている。
 切れると手が付けられない程狂暴だけど、エッチが上手いしカモに成りそうなオヤジを紹介してくれてあたし等を儲けさせてくれるので、深い付き合いをさせてもらっている。
 「ちょっと!ケンさん最近正式に組員に上がったらしいよぉ~  
 お祝いしなくっちゃ!」
 脳天気に早紀がはしゃぐ、すると隣のナツがあたしをチラ見して・・
「あやぁあ~ まだあの外人の事気にしてんの~ どうせ強制送還よ強制送還!」
 パイナップルヘアーを揺らしながら、たしなめる・・・
 確かにそうかも知れないが、あたしはああ言う純粋培養のお嬢様は人種を問わず生理的に嫌悪感が湧く。
 あたしが暫く思考を漂わせていると、前から見知った顔が歩いてくる。
 あの赤毛は秋月舞だ。
「紅毛の舞さん今日も喧嘩上等ですかぁ~」
 早紀が囃し立てる。
「そんなにピリピリしてたら男が近寄りませんわよ・・・キャハハハハ」
 ナツも馬鹿笑いをして秋月をからかうように挑発すると、紅毛はこちらを一瞥して・・・
「ウゼェーんだよ・・あたしに話しかけるな!ビッチが・・」
 秋月が低い声で唸る。 
 すると早紀が眉を寄せて・・
「この紅毛なまいきぃい~!」
 独特の語尾を伸ばす話し方で絡むと、秋月は足を止めてこちらを睨み付けてきた。
 奥底から心底煩わしい気持ちがこみ上げてくる。 「早紀、ナツ、今はこんなのに関わってるヒマはないでしょ」 
 あたしが二人に早口で呟くと
「くろかわぁあ~そりゃあ、お互い様だわ」
 ニヤリと奴が笑う
 あたしは秋月を無視してその場を足早に立ち去った。
 ナツと早紀が“ほっといて良いの”
 とあたしの方に顔を向けてくるのを・・・
「良いんだよ!」
 強い口調で吐き捨てる。
 今はあんな喧嘩馬鹿に関わってる暇は無いんだ!
 今は・・・・・・

 暫く歩くと小さい公園が見えてきた。
 ここからケンさんの事務所迄は直ぐそこだ。



354 :トライアングル☆ツンデレ ◆WXGiSVZK0w :2010/12/23(木) 00:36:47 ID:vnvOyHdO
 ここからケンさんの事務所迄は直ぐそこだ。
 公園の中を通って行くと近道なので何時もそうしている。
 平日の午後四時だが人もまばらでジョギングしている奴とかニ~三人位だ。
 丁度公園の真ん中頃を通ったとき・・・
「あれって彩のクラスの例の留学生じゃない。」
 ナツがベンチの方を指差す。
「学校バックレて昼寝かよ。   
 良いご身分だねぇ~」
 早紀が皮肉たっぷりと肩をすくめながら言う。
 “有ること”を思いついてナツと早紀の方に顔を向け・・・
「ちょっと、あの金髪外人の所に行くよ・・・」
 あたしが低い声で呟いて、歩行速度を上げてベンチの方に向かうと。
「ちょっと彩! どうしたのぉお~」 
 ナツと早紀はそう言いながら慌ててついてきた。

 ベンチの前に着くとスヤスヤと気持ちよさそうに寝ている金髪外人女を見つけた。
「この金髪叩き起こしてやろうか!」
「ば~か!あんたも金髪じゃない。」
 早紀が絡んで、ナツが皮肉を言う何時もの掛け合いが始まった。

 あたしは黒い感情が吹き出してきて、なぜか顔に笑みが自然と浮かぶ。
「まあまあ、可愛い顔で眠ってるじゃないか・・起こすのは可哀想だよ。
 代わりと言っては何だが、あたし達で楽しい所に連れて行って上げようじゃないか。」
 あたしの歪んだ笑みに、黒い感情を察したのか
「ま、まさか事務所に連れて行くわけぇ~」
「そ、それヤバいよ彩。」
 二人は諫めようとするが・・・
「何言ってんの・・ 今日本では毎年十万人が行方不明に成ってるんだよ。
 それにこの外人、金持ちのお嬢様らしいじゃないか・・
 上手くすればケンさんが幹部に成れるかもしれないし・・」
 あたしの提案にびびったのか。
「でも彩、人が見ているよぉ・・・」 
 早紀がジョギングしている女を指差す。 
それを見て
「何見てんだよ!このクソがぁああ~!!」
 あたしが怒鳴りつけると、チラ見していたジョガーは慌てて何処かへ行ってしまった。
「ほら、見てごらんこんなもんだよ。 
 今のご時世他人にはみんな無関心なのさ。
 それにあたし等にも美味しい話がもらえるかもってもんだし」
 あたしの言葉に戸惑ってた二人も
「「そ、そうだね。」」
 と同意した。
 ズタズタにしてやるよ!お嬢様・・・
 さあ、パーティーの始まりだ。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


355 :トライアングル☆ツンデレ ◆WXGiSVZK0w :2010/12/23(木) 00:42:34 ID:vnvOyHdO
「・・・・・・って」
「だから・・・・・・」
 ・・・う、うん・・話し声?
 どのくらい眠ったのだろう?
 頭が重い。
 え!手が縛られてる。
 口の方も中に何か布のような物を押し込まれて、上から更にタオルで縛られてる。
 これって確か猿轡。(さるぐつわ)
 今居るのはソファーの上?薄目で辺りを見回すと、どうやら何処かの事務所のようだ。
 男が四~五人、女が二~三人、女はウチの学校の制服?
 まあ、監禁されている事には間違い無いらしい。
 とにかく先ずは状況確認からだ。目覚めた事は悟られないようにしなくては。

「ケンさん、この金髪外人どうするのぉ~」 
「ヘヘヘ・・どうするかな。
 ねぇ、アニキ」
「ふん・・・」
 今ワタシの目の前に居るのはアニキと呼ばれた背広の男、ケンと呼ばれている角刈りのアロハっぽいシャツを着た男、それから彩とゆう名前の女の三人だ。
 彩とゆう女は確か同じクラスに居た黒河か・・・
「ねぇケンさん、あたし的には焼きを入れたいんだけどね。」
「焼き!はっ!勿体ねぇ・・・
 彩、お前がこのお嬢さんと何があったのか知らないが、こんな綺麗な女を傷つけるなんて・・・」
 ケンとゆう男はワタシの身体を上から下まで舐めるように見ると、手を顔の方に伸ばしてくる。
「たまんね~なぁ」
 男はワタシの頬から顎のラインを二~三度撫でるとニヤニヤと笑う。
 気持ち悪い!鳥肌が立ってくる。
 更に顎から手が徐々に下りてきて胸の辺りまで手がくると、制服のリボンを指で弄ぶ。
 それからおもむろにポケットに手を入れてナイフを取り出すと、リボンに刃を軽く当てる。するとスパッとリボンの端が切り離された。
 強姦、殺害、最悪のシナリオが頭に浮かび、ガクガクと小刻みに揺れる膝の震えが抑えられなくなってくる。
「さ~て、こんな上玉は二度と味わえ無いかもしれないし・・」
 男の顔がワタシに近づいてくる。
 その時・・ガスッ!と鈍い音。アニキと呼ばれた男がケンの頭に拳骨を喰らわせた。
「いてっ!あ、アニキすいません!
 やっぱりアニキから先に・・・」
「バカやろう!ケンてめぇ、この金髪のお嬢さんをどうするつもりだ。」
「どうって・・姦った後風呂屋に沈め・・・」
「だからバカと言うんだ!」
「彩、このお嬢さん確かイギリスのお偉いさんの娘何だよな?」
「え!?ええ、そう聞いてるけど・・・」



356 :トライアングル☆ツンデレ ◆WXGiSVZK0w :2010/12/23(木) 00:45:13 ID:vnvOyHdO
「え!?ええ、そう聞いてるけど・・・」
「そんなお嬢さんを姦った後風呂屋に沈めたら、警視庁が組に殺到してくるだろう!」
 このアニキとゆう男、少しは冷静のようだ。
 もしかしたら助かるかも・・・ 
「アニキ・・じゃあ、この娘には手が出せねぇんですかい?」
「そうじゃねぇ・・・手順がいるとゆう事だ。」
「手順?」
「先ずはヘロインでこちらの言うとおりになる身体にした後、セックス漬けにする。 
 当然ビデオで撮影してケツの毛まで抑える事は必要だな。
 その後海外ルートで売るんだ!
 要人の令嬢なら五千で捌けるかもしれねぇ・・」
「五千って・・・」 
「五千万だ」
「「ご、ご、五千万~!!」」
 アニキと呼ばれた男は単純なチンピラと違って、より狡猾な頭脳の持ち主のようだ。
 ワタシの見通しが甘かった。やはりジャパニーズマフィア、最低最悪だ!薬漬けにされた上でどうやら海外に売り飛ばされるらしい。
「海外に売っちまぇば、警視庁は勿論CIAやイギリス情報部が出てきても、こちらには手が回らねえ」
「流石アニキ」
「(ふっ!さようなら金髪のお嬢様・・・   
 もうあたしと二度と会うことも無いだろうねぇ)」  
「よし!ヘロインを持って来い。」

 あぁ・・・誰か・・誰か助けて
 お父様・・ジェイク・・レイ兄さん・・
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆



トライアングル☆ツンデレ お嬢様よ何処へ行く②終了

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最終更新:2011年01月04日 18:41