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379 :トライアングル☆ツンデレ・お嬢様よ何処へ行く(完結):2010/12/30(木) 00:27:29 ID:M6vEPiI1
 死んだな僕。後は最終確認だが、死ぬのはしょうがないとして・・ってしょうがなく無いけど、とにかくお嬢様が助からないと意味がない。犬死にはごめんだ。 
 山本さんが三十分後に通報してくれることに成ってるが、まだ五分ほどしか経過していない。

 僕は自分の右手のポケットに手を突っ込み携帯電話のボタンに手を掛ける。
 ちょっとでも力が加われば短縮ダイヤルが発信するとゆう寸法だ。
 ーーそう、110番さ。

 後は死後硬直か、撃たれた時のショックで上手く発信してくれるだろう。
 携帯電話からだと警察が逆探知してくれるか不安は有るけど、最近GPS機能付きの携帯電話からの通報では、概ねの通報場所を瞬時に把握出来るようになったって聞いたことあるし・・
 例え上手く行かなくても、僕を殺した後多分彼等は気付くはずだから、その時パニックになって時間稼ぎには成るはずだ。
 大丈夫。後は辞世の句でも残したい所だが、何分才能も時間も無いので次の機会にでも・・・

「ほ~う、以外と度胸があるなぁ。あまりブルってないようだ。ちょっと殺すのは惜しい気もするが・・まあ、しょうがねぇ。」

 誉めてくれてありがとさん。でも殺るなら早くやってくれ!ああ・・今から脳みそ撒き散らして死ぬのかーー痛いんだろうな。僕はギュッと目を瞑る。
 周囲の人間も顔を背けた。カチャっと撃鉄を起こす音が聞こえて・・

 ーー我が生涯に一片の悔い無し!?

 その時ドアの方からビューー!!と風を切る音が聞こえ、冷たい風が僕の顔に当たる。突風?僕が薄目を開けると・・

 まるで竜巻が通った後の倒壊した家屋のように、男達が床に転がっていた。
 アニキ分の顔を見ると口を開けて固まって動かなくなっている。
 こんなことが出来る人間は僕が知る限り唯一人。

 姉さんだ。アニキ分は気を取り直して僕の口から銃口を抜き取るが“遅い”とゆう声と共にビジネスフォンがうなりを上げて飛んでくる。
「あぐっ!」
 アニキ分の持っていた拳銃は遥か後方に飛ばされる。そして次の瞬間もう姉さんの姿は視界から消えていた。

「なんだ・・あの女は?人間か?それともサイボーグ?」
 サイボーグねぇ・・似たようなものだけど我が姉君です。
 アニキ分が驚いてると姉さんはもういつの間にか目の前にいる。その顔には薄笑いが浮かんで・・・これはやばい、完全にキレてるようだ。




380 :トライアングル☆ツンデレ ◆WXGiSVZK0w :2010/12/30(木) 00:30:35 ID:M6vEPiI1
「うら若き乙女を改造人間呼ばわりとは、失礼しちゃうわね。」
「ひっ!寄るな怪物!」

 姉さんが腕を掴んだと同時にアニキ分の身体は一メートル位空中に浮かぶと体が反転して頭から地面に落ちる。う、腕が逆方向に曲がっている。
 技が速過ぎてどう投げて、関節を決めたのかよく分からないが。

「うぎゃあーー!!い、いてぇ!!」

 男は転がってのたうち回るが、(骨折は間違いない)姉さんはその体を引きずり起こすと、首をグイッとねじ曲げる。わかりやすくフェースロックって言った方がいいか。

「ウチの身内を痛めつけて、弟を殺そうとしたんですもの。
 仕方ないわね。」
「た、助けてくれ!」
「クス、だーめ。」

 男は血の気が引いたように青ざめるが、姉さんは嬉々として首を更に深く捻る。やばい!

「姉さん!僕は生きてるし、お嬢様も無事だ。これ以上は殺しちゃうよ!」

 僕は姉さんの肩を掴んで必死に止める。  
 すると後方から一人のチンピラが恐る恐る姉さんに話しかける。

「あんた、もしかして鬼百合の斎藤裕美さん・・」
「ん?まあ確かに昔はそう呼ばれてたけど・・あんた誰?」
「俺です。ケンです。」
「ケン?もしかして切り裂きケン?」
「はい!お久しぶりです。」

 姉さんとチンピラの会話を聞いて姉さんの腕の中でアニキ分が苦しそうに呻く。

「なんだ・・ケン・・この化け物・・・お前の知り合いか?」
「この女・・いや、この御方は不良狩りと称して解体したヤンキーの数は数百人。
 合気道の日本チャンピオンで警察庁にも一目置かれている鬼百合こと斎藤裕美さんっすよ。確か組のブラックリストにも乗ってたはずですが・・」

 まあ、我が姉君ながら恐ろしい。姉さんが本気になれば、組の一つぐらいは潰せるだろう。

「説明ご苦労さん。所でユウ君が泣いて頼むから、このまま無事二人を返してくれるなら見逃してあげてもいいんだけど・・
 それともあくまでも殺るとゆうなら、このまま全員解体してあげる♪」

 姉さんは涼しい顔でサラッと恐ろしい事を言う。しかしその効果は絶大でチンピラは全員土下座してアニキ分の命乞いをしている。

「す、すまねぇー。
 あんたの身内と分かってたら絶対手は出さなかった。後生だから命だけは助けてくれ、いや助けてくださいーー」

 アニキ分も涙を流し完全に降伏状態だ。 
 姉さんはつまらなそうな顔でアニキ分の首から手を離す。




381 :トライアングル☆ツンデレ ◆WXGiSVZK0w :2010/12/30(木) 00:34:04 ID:M6vEPiI1
「あ~あ、せっかく思う存分人を解体出来ると想ったのにぃい~~」

 姉さん・・あんたって人は・・・
 ヤクザ達は全員固まって土下座したままだ。

「ユウ君お嬢ちゃんは任せるわ・・早く外にでるわよ!」

 姉さんの言葉にハッと思い出してお嬢様の拘束を解く。するとお嬢様は僕の首に飛びつくと子供のように泣き出す。

「ふぇっ、うえー・・っ・・ぇっ、うえーっ・・ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい・・・」

 ずっと僕の首にしがみつき泣きながらごめんなさいを繰り返すのみだ。仕方がないから頭を撫でて、笑いかけた。
 ひっく、と泣きすぎてしゃっくりが止まらないらしい。息苦しいだろうに、それでも離れようとしない。しゃっくりが収まるようにと背中をさする。
 “立てるか?”と声を掛けると、なんとか立ち上がろうとするが、膝がガクガクしてどうやら無理らしい。

「ユウ君!お嬢ちゃんはあんたがおんぶしなさい。」
「分かったよ・・姉さん。」

 姉さんに言われて“ほら”と背中を差し出すと素直に僕の首に手を回してきた。
 いつもこうなら可愛いのに・・
 よっこらしょ。けっこう軽いな。まるで手の掛かる妹みたいだ。・・妹?彼女が?ふと可笑しさがこみ上げてくる。
 僕は階段を慎重にゆっくり降りながら今日一日の無事を感謝してこの場所を後にした。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆



382 :トライアングル☆ツンデレ ◆WXGiSVZK0w :2010/12/30(木) 00:39:02 ID:M6vEPiI1
 ユミから連絡が有った。

「あーージェイク。
 私、裕美だけど。
 お嬢ちゃんがヤクザの事務所に拉致されて、ユウ君が助けに行ったみたいなんだよね。」
「え!?どうゆうことですか・・・」
「詳しい経緯はよく分かんない。
 私迎えに行って来るね。」
「ちょっとユミ!バカなことは・・
 プッーーツーツー」

 電話が切られてしまった。相変わらずユミはミステリーだ・・
 それはともかくお嬢様がヤクザに拉致!?急いで助けに行かなければ・・場所は分かっている。わたしは車を急発進した。

 こうゆう時大使館の車は便利だ
。信号を三つ程無視させてもらう。

 ・・・お嬢様どうか無事で居て下さい。 
 命に代えても必ずわたしが助けて見せます!

 よし、ビルが見えて来た。ここの三階との話だが・・
 車を建物の前に停めて乱暴にドアを閉めて降りると、車体の陰で拳銃の銃弾の数を確認する。六発。後は入り口の見張りの数を確認。え!一人・・・しかも女性?

「ジェイクさんですか・・・」 

 見張り?の女性はニコヤカにこちらの方に手を振っている。まあ、ヤクザでは無いだろう。

「アナタは・・・」
「私は裕美先輩の後輩で山本といいますぅ。」
「ユミの?状況は?」
「あ・・・今先輩が事務所に入った所ですぅ。」
「分かった。・・ヤマモトはココで待っていてくれ。わたしが必ず全員助け出す。」
 意を決してビルの入り口に向かってダッシュしようとすると、ヤマモトが背広の袖を引っ張る。

「あ・・・待って下さい。
 先輩が迎えに行ってるから大丈夫ですよ。ジェイクさんが行ったら足手まといに成りますぅ。」
「いや、いくらユミが強くても女性独りでヤクザに適うわけは無い。」
「アハハ・・先輩は並の人間では無いですよ。人間凶器です。この間も路上で酔っ払って暴れ出したプロレスラーを一撃で取り押さえましたしぃ。」

 はあ・・緊張感の無い女の子だ。
 確か日本語で天然と言うのか、しかしこのままってわけにも・・・
 わたしとヤマモトが入り口で押し問答をしていると、階段からユミが降りてきて、ニコヤカにこちらの方に向かって手を上げている。

「ヤッホー!ヤマモっちゃん!ジェイク!」
「わーい♪流石先輩ですぅ何人壊したんですか?」
「はあ?ヤマモっちゃん、私は範馬勇次郎じゃ無いんだから」
「史上最強の生物ですぅ♪」




383 :トライアングル☆ツンデレ ◆WXGiSVZK0w :2010/12/30(木) 00:41:37 ID:M6vEPiI1
 ユミとヤマモトの緊張感の無いやりとりを聞きながら、わたしはユミに近づく。

「ユミ!無事か・・お嬢様は?そしてユウイチローは?何処に・・」

 わたしの問にユミは笑顔で親指を後ろに向ける。するとお嬢様を背負ったユウイチローがゆっくりとした足取りで降りてきた。

「お、お嬢様・・よくぞご無事で。
 さあ、早く車に。」 
「やあ・・ジェイク。」
「ユウイチローも無事で良かった。」 

 お嬢様は泣きはらした顔をしているが、どうやら身体の方は何ともないようだ。

「お嬢様念のために病気まで車で送ります。お乗り下さい。」

 わたしは車のドアを開けてお嬢様を待っが、一向にユウイチローの背中からおりる様子が無い。

「お嬢さんは恐怖で立てなく成っちゃったんだよ。」
「そうでしたか・・
 それは気づきませんで・・・
 ユウイチローわたしが車まで背負って行きましょう。」
「・・・・・・」 

 しかしお嬢様はユウイチローの背中に顔を埋めて動こうとしない。ユウイチローも困った顔をしている。

「さあ、お嬢様」
「どうしたんだい?」
「・・・・・・」

 何を言ってもお嬢様は答えない。仕方がないのでお嬢様の手をユウイチローの首から外そうとするが、更に力を入れてユウイチローにしがみつく始末だ。

「ふーーう・・ユウ君は前からだけど、ジェイクも相当鈍感ね。」
「乙女心が分かって無いですぅ。」
「はあ?姉さん何を・・・」
「うるさーい!つべこべ言わずお嬢ちゃんを家まで背負って帰る!」
「わわ!姉さん・・家まで何キロ有ると・・・」
「やかましーーい!」

 ユウイチローはユミに尻を蹴り飛ばされて、ブツブツ言いながら、お嬢様を背負って家路へ向かった。

「・・・(成る程。そうゆうことか)」
「ジェイクどうしたの?」
「どうしたんですか?」
「いや・・お嬢様には十年前に飛行機事故で奥様と一緒に亡くなられたレイノルズ様とゆうお兄様が居られたのですが・・
 子供の頃お嬢様はレイノルズ様から一時も離れないお子さんでした。
 特にレイノルズ様の背中が一番のお気に入りでああやって何時間でもおんぶをせがんだものでした。」
「ふーーん」
「ブラコンお嬢様ですか・・」
「ブ、ブラコンって・・・」

 女性二人の突っ込みにわたしはタジタジになる。日本の女性は強い!いや日本人に限ったことでは無いか。




384 :トライアングル☆ツンデレ ◆WXGiSVZK0w :2010/12/30(木) 00:44:12 ID:M6vEPiI1
「ブラコンだけならまだ良いけどね。」
「え!何か言いましたかユミ?」
「何でも無いわよ。
 さあ、私達も帰りましょう。」

 何か昔のことを懐かしく思い出す日に成ったな。わたしも帰ることにするか・・・
「お二人とも家まで送りますよ。」
「わーい♪リムジンですぅ」
「・・・・・・」
「ジェイクどうしたの?」
「いや、何でも・・さあ、レディお二人のご乗車。心より歓迎いたします。」

 ユウイチローお嬢様は頼みましたよ。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 真っ赤な炎のような夕日が僕達二人を赤く照らしていた。小さい頃を思い出して懐かしい気持ちになる。疲れてたはずだが何故か足取りも軽い。

「ねぇ・・ユウ、今更何だけどユウって呼んで良い。」
「え!?あ、良いよ・・お嬢様。」
「ありがとう・・ファム・・ワタシのことはファムって呼んで。」
「ファム?」
「そう・・ユウはあの時ワタシのことを家族と言った。」
「うん。」
「家族はワタシをファムって呼ぶのよ。」
「分かったよ・・ファム。」
「だ・・・・・・き。」
「おい、ファム何か言ったか?」
「・・・・・・」

 後ろを振り返るとファムは寝息を立てて眠っている。ふ・・可愛いじゃん。それに金髪から甘くかぐわしい臭いがして、柔らかなモノが二つ当たっている。こいつ結構胸が大きいな。
 うおっほん!今は色気より早く家に帰らなければ。しかし今日は長い一日だった。
 ーーん・・・あれは・・・!?

「ま、舞・・・」 

 今日最後の試練?か前から舞が歩いてくる。真っ赤な夕日を浴びた彼女の赤い髪の毛は紅蓮の炎のように染まっていた。



385 :トライアングル☆ツンデレ ◆WXGiSVZK0w :2010/12/30(木) 00:50:01 ID:M6vEPiI1
 舞は僕に視線を合わさず厳しい表情で通り過ぎる。何事も無く終わったと想われたが、後ろから彼女の声がする。

「斎藤裕一郎・・その女は何だ。」

 舞はこちらを振り返らず、後ろ姿のままだ。しかし舞が僕に話しかけるなんて何年振りだろう。

「この子はファム。
 家でホームステイをしているんだ。」
「あ~あ、例の黒河達と揉めたイギリスの留学生か・・」
「そうだ。」
「それで、その様子では・・
 お前はその子を助けたってわけか?」
「まあ色々・・・・」
「アハハハハハハハハハハハ・・」

 突然舞が狂ったように笑い出した。

「何が可笑しい」

 舞は僕の声を聞くと、表情を一変させていきなり近寄ってくると、憎悪がこもる目で僕を睨みつけて、胸倉を掴んでくる。

「止めろ舞!ファムが起きる。」
「ふん、あんたはいつもそうさ。
 人の気持ちも気づかずに善意の押し売りばかりをする。」
「舞・・僕は・・・」

 舞はわざと自分の頬の傷を僕に見せつけるように近づける。

「この傷も!あたしの家族も!・・壊したのは全部お前だ!」
「・・・・・・舞」
「心配しなくても何もしないさ・・あたしもこれ以上疫病神につきまとわれたく無いからね。」

 舞は僕から手を離すと、踵を返し足早に去って行く。その後ろ姿は何故かどこか寂しそうに思えた。
 舞・・・僕は・・・・・・

「ユウ・・・・・・」

 ファム?・・・寝言か・・そうだった。今は僕のことより彼女のことだったな。
 帰ろう僕達の家に・・・

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トライアングル☆ツンデレ・お嬢様よ何処へ行く(完結)終了

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最終更新:2011年01月04日 18:43