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突貫

  • 作者 79氏

二月十四日。
それは、みどりの日。(違
500億円もの経済効果が予想されるこの日は、様々な思いが各々の中で渦巻く。
なのだが、ギャルゲーの主人公並みに恋愛に疎いハロはそんな事気にしていなかったわけで。
いつもどおり、教室で蕪雲と雑談している。
ハロ「最近『俺的には』とか『私的には』って中国人並に何でも『的』をつける風潮があるじゃん」
蕪「中国語とは違うお」
蕪雲はハロがチョコレートをもらいにくいようにワザと側に居る事に気付かない。
ハロ「まあ何にせよ」
蕪「それがどうかしたかお?」
ハロ「もう『比較的~』とか、何と比較して物しゃべってるのか分からんだろ」
蕪「それは別に」
ハロ「だから、言葉を省略してもわかりやすい『比較的』の例文を考えた」
蕪「どんなのだお?」
ハロ「『"比較的"小さい』」
蕪「・・・・・・」
ハロ「・・・・・・」
蕪「なぜだか震えが止まらないお」
ハロ「これ程強烈な『比較的』は俺は聞いたことが無い」
蕪「比較しないで欲しいお」

一方。
ツン「(どうしよう、帰りに渡そうかな)」
ツンは、この日のためにちゃんと用意してきたらしい。
ツン「(直接・・・?嫌。照れくさいし)」
それよりも。
ツン「(何であいつ今日に限ってハロの側から離れないのよ!?それで『ハロと一緒に帰るお』とか言い出したら許さない!)」

チト「(・・・こんなもの、どうするんだ。今になって後悔してきた)」
昨日の自分に小一時間問い詰めたい。
チト「(大体、ハロは少なくとも月岡からもらうことだし、私のが月岡に見つかったらどうするんだ)」
ため息をつく。
チト「義理、ということにすればいいか・・・」
それはそれで納得いかないのは、なぜだろうか。

し「一応、先輩二人にはあげないと」
蕪雲先輩はキモイけど一応先輩だし。ハロ先輩には・・・
し「勘違いされたら困るな~・・・なんて」
ユリ「何に?」
はっ!そのぃもぅとがボクの隣の席に居たんだった。
し「大丈夫。そこまで自意識過剰じゃないから」
ユリ「?」
し「ユリちゃんは誰かにあげる予定とか」
ユリ「うーん・・・」
し「あ!考えてる考えてる」
ユリ「いいじゃん別に考えてもはさ!」

ウ「今日、何かあるのかな?・・・あー、雪解けてきたね」
?「シャラクセエ」
俺の名は毒男。孤独な 旅人 さ。
毒「母親からもチョコをもらえない俺。今年もわかってるさ鬱山車脳」
同じクラスのハロ。
きゃつはギャルゲーの主人公並に恋愛に疎くて月岡さんの好意にも気付いていない様子。
漏れだったら気付いてやれるのに、勿体無い事しやがる。全く。
なんかよく知らんけど、最近は女同士でチョコを交換するみたいで。
なんとけしからん。背徳的な。漏れにくれ。
毒「なんて言えるわけも無く・・・」
鬱だ。早く明日になれ。
ツン「ちょっと」
あ?ん?俺か?
毒「('A`)?」
ツン「お願いがあるんだけど」
どうせ、蕪雲を何とかしろ、の類だろ。知ってるぜ。
ツン「あのあれを退かしてくれない?」
ホラ見ろ。
毒「どうせ暇だしな。ヨッコイセ」
なんて、キモイ台詞吐いてみる。
席を立ち、最近話さなくなったハロの元へ。
毒「('A`)?」
見慣れぬ腐女子の姿が。
し「はい先輩、チョコ。ついでに蕪雲先輩にも」
ハロ「あ?ああ、今日あれだっけ。そういえば」
蕪「誤解しても」
し「したら訴えますよ。では、ボクは忙しいので」
毒「(目の前でよくも堂々と。でもまあ、あれは社交事例みたいなものだし価値は)」
ツン「ちょっと!あんたのせいで先越されたじゃない!」
毒「オレノセイカヨ('A`;)」
わかった。今行くよ。
毒「やあ」
ハロ「お、毒男じゃないか。最近見かけなかったけど元気だったか?」
蕪「同じクラスジャマイカ」
何を話そう。
毒「どうしたらチョコもらえるのか教えてくださいおながいします」
とっさに出た言葉は本心だた。
蕪「漏れに聞くのかお?」
ハロ「教えてやれwwww」
どうせハロに聞いても分からないから。
っていうかまず蕪雲をハロから離さないといかん。漏れは与えられた仕事はこなす男だ。
毒「こっちで」
蕪「ここでいいお」
毒「いやソウイウワケニハイカナイ」
蕪「漏れもそういうわけには」
ハロ「なんだいあんたたち、喧嘩なら表でやんな!」
何だよさっさと来いやVipperのくせしてチョコもらいやがってウツダ氏脳。
そうだ!('A`)ピコーン
毒「ヒソヒソ・・・」
蕪「ま、まじかお!?」
ハロ「なんだったんだあいつら・・・」
今ひどいわかめを見た。
(わけわかんない→わけわかめ→わかめ)
ツン「は、ハロ!」
ハロ「ん?」
ツン「今日、今日はあの、あれだけど・・・あまり期待しないでよね」
ハロ「ああ、今日はバンアレン帯だっけか」
ツン「そ、そう。だから・・・///」
ツンは照れくさいのか、なかなか背後に隠し持っているカカオを差し出さない。
―選択肢―
[ア「何か隠しているのか?」
 「はよアナル見せい(`・ω・´)」

ハロ「何隠してんだ?」
ツン「えっ――」
キーン!コーン!!カーン!!!コーン!!!
ツン「あ、授業始まっちゃうから後で!」
ツンはさっと自分の席に戻っていった。
ハロ「・・・・・・」
手にしっかりとチョコが握られていたのを見たが見なかったことにしよう。
あんなにしっかり持ってたら熱変形する。

蕪「マジかお」
毒「もてないやつほどこういうのに詳しくなるから困る」
蕪「しかしいくらなんでも危険じゃないかお?」
毒「濃度は市販のものの十倍・・・十倍太陽○。ちょうどいいモルモットガイル」
蕪「でも漏れは正直三次には興味無いから別に」
毒「そこでこの写真ですよ」
蕪「・・・な、なんだってー!!!」
毒「俺にだって・・・わからないことぐらい、ある・・・」
蕪「釣りですか?・・・いや、漏れらVipperには関係ないことだお・・・!ゆ、ゆるせんお・・・!ハロの人気に嫉妬」
毒「この写真はあげよう。そしてハロに復讐するんだ」
蕪「任せるお!」
って言っても正直、復讐とかじゃなくて薬試したいだけだけどな。
成功したら彼女に使うのだ。
……。
彼女いねえorz

ツン「じゃ、・・・はい、これ」
ハロ「どうも」
ツン「ど、どうせあんたはもうチョコもらってるし、いい気になってんでしょ?」
ハロ「んなこと無いぞ。うれしい」
ツン「・・・・・・///」
ツンは顔を背けてしまった。
ハロ「(しのたのくれたやつ、やけにデカいな・・・)」
二つあると、いい。
ツン「あ、それと――」
蕪「ハロォォォォォ!!」
ハロ「何だ!?」
いきなり蕪雲が教室に飛び込んできました。つづく。

―前回までのあらすじ―
しのたを漢字で書くと篠田・・・!つまり、
『しのた』は苗字だったんだよ!!
(ry

ツン「な、何よ突然!?」
蕪「・・・あるあるwwww」
ハロ「ねーよ。何がだよ」
蕪雲は静かに立ち上がり、ぽんぽんと服をはたいた。
蕪「アフリカではよくあること」
ハロ「ねーよww」
ツン「で、何なの?なんかもう台無し・・・」
蕪「あえて言おう。ハロ君、君は今日、気兼ねなく腐女子どもからチョコをもらうといいお」
ハロ「そんなのお前に言われなくても」
ツンの視線に気付く。
ハロ「ああ、もう荷物がいっぱいで持って帰るの無理ぽ」
蕪「消費すればいいお」
ツン「何なの?絶対なんか企んでる。元から変だけど今日は絶望的に変」
ハロ「うーん・・・わかめ」
ツン「わかめね」
蕪「ダブルわかめとは卑劣な」
罠でも仕掛ける気か?うらみ買ったっけ俺?

蕪「あのチョコをハロが食べない筈無いお」
毒「ご苦労」
蕪「あとは、どうすればいいお?」
毒「大人しく待つ」
蕪「ツンデレ」
毒「零時になると」
蕪「時は」
毒「う ご き 出 す」
('A`)シリトリヤルッテイッテナイジャン(^ω^#)半角読みにくいお

放課後にはラスト一時限あるんだよな。しかも数学。
腹減ったな。
こういうのって、今食っていいものなのか?
堂々と広げちゃ流石にあれだよな。きっとツン怒るぞ。
しのたの異様にデカいし。何故?
ツンから渡された包みを少し開けて中を覗き込む。
あ、一口サイズのが何個も。それでいいのかツンよ。
不満は無いけど。
数個口にしてから授業に臨む。食べているのを誰かに見られたような様子は無い、と思う。

放課後。
ハロ「ぐ、あがあ・・・」
ツンの奴、何入れやがったんだ!?っていうか何考えてんだ・・・!
俺の主砲は臨戦態勢から警戒を解こうとしない。
弛緩していた頃が懐かしく感じられるほどに。なんか腹痛のとき普段のなんとも無い状態に憧れるような。
って言うか授業終わったのに席立てねぇじゃえか。これはマジで小一時間問い詰めてやる。
蕪「どうしたお?」
ハロ「蕪雲・・・!まさかお前が・・・!」
蕪「勘違いしないで欲しいお。首謀者は漏れじゃないお。ハロも最近まで忘れていたあの人だお?」
ハロ「・・・毒男か」
蕪「Σ(^ω^;)その条件で絞り込んだら一人になることに今気付いた!」
ハロ「いつ治まるんだ」
蕪「漏れはなんも知らんお!」
蕪雲は教室から飛び出していった。
ハロ「(・・・全滅した・・・)」
ツン「ハロ?お腹でも痛いの?うずくまってないで帰―」
そ、その声は。駄目だ。俺に近づくな。
っていうかここ学校・・・!
ハロ「お前は何にも悪くない!悪いのは毒男・・・!あいつが全ての」
と、虚空を指差す。
ツン「?・・・あっ!ハロ!?」
ふ、今時『あ、UFO!』並の手に引っかかるとはバカなヤシよ。
俺はツンのその隙を見て教室を飛び出した。
廊下には人がまばらだった。ど、どこか・・・トイレは遠いし。
こ、ここ使ってないよな!
俺は暗い部屋に入り込んで、そこにあった階段を勢いで登った。
ハロ「ぶはっ!何だここ!?」
ここは・・・そうだ、確かいつもは鍵がかかっている・・・第二資料室。
開かずの間だったから俺を含めてほとんどの人は入ったことが無い謎の部屋だ。
この機会に入れるとは思いもしなかったわけで。
ハロ「(戸を閉めないと・・・)」
開けっ放しで入ってきてしまった。誰か不審がって入ってくるかも。
もし仮に鍵を掛けられてもあの大きめの窓から逃げられそうだ。
階段を下りる。
チト「あ」
な、なんですってー!!
チト「ちょ、ちょっと待て!?ハロじゃないか!?」
俺は一目散に階段を駆け上がり、窓から廊下に出んとす。
何でチトが・・・!って、あっちも同じ事考えてるよな。
チト「チョコを・・・!」
そんなもんこりごりです。
窓の鍵は固く、なかなか開かない。
チト「何で逃げるんだ・・・?」
ハロ「い、今は、精神的に不安定だと考えてくれ。後で。後でな」
お願いだから近づかないで&気付かないでくれ。
ぎゅ・・・
っとチトが不意に背後から抱きついてきた。
ハロ「――!!」
や、やめて!赤ちゃんできちゃう!(謎
天高く頭を持ち上げる根っこ。誰が面を上げいと言ったこのうつけ者めが!!
ハロ「はぁ・・・ぅ・・・く・・・///」
チト「は、ハロ?なんで今日はそんなに・・・」
ガ、チャン!
窓の鍵が音を立てて開いた。
ハロ「ごめん!」
俺はチトの一瞬の隙を見計らって逃げ出した。
抜刀のまま廊下に出る。やっぱり人は居ない。
今が放課後って言うのが不幸中の幸い。
ハロ「はぁ・・・」
チト、ごめん。
チョコももらってやれなかった。
…きっと、昨日から用意してきたんだろうな。
あんまり、そういうやつじゃないのにな。
そう思ってるんだから、少しは静まれ。
森の中通って帰ろう。捕まるから。
ハロ「本当、許せねぇあいつら」

ハロ「ぐ・・・ぁ・・・」
遅効性か、あれ!?今が、ピークだといいんだが・・・!!
ちょっと度し難い。
最悪の場合死に至るくらいのあれだぞこれはもう。じゃなきゃ膝突いたりしないもん僕。
何見たらこんなになるんだよ!?
森の中・・・だけど、野外でしたくないぞいくらなんでも!
森の動物たちが見てる。多分。
もう少しで森抜けるけど、抜けてもそこから50mは公道だ。
それも長く感じてしまう。治まるまで待つのか?日が暮れちまう。
本当に、日も暮れてきたし。
ハロ「・・・いこう」
いやイかないけど。
男子50m全力疾走キープ竿スタンディング(世界新)が始まろうとしている。
俺は決意を固め、森を出る道に歩み始めた。

ハロ「はぁ・・・やっと・・・神社、だ・・・」
ここからは人目につきやすい。比較的。
…ん?神社?
何か忘れているような。
ウ「あー!」
('Д`;)ソレダ!
そうだ。ウィッシュが居たんだ。
とは言え、振り向けない。
ウ「ハロじゃない?」
このままでは、死を待つばかり。どうすれば・・・!
ウ「もう、知ってるよ?」
は?
ウ「友達に毒を盛られたんでしょ?」
ハロ「何で知ってんだ」
ウ「え!?えー・・・そりゃ私も一応は、あの、ほら、そういう願いが届いて」
ハロ「・・・・・・」
で、俺はどうすれば。痛いもはや痛い。
ウ「中、入って?」
ウィッシュの微笑が見えた気がした。
ウ「うーわー、これどっから・・・えー・・・?///」
流石にここには人が居ないが・・・こんなところでヤって大丈夫なのか。バチが当たっても俺は知らない。
ウィッシュはしばらく眺めた後、おもむろに俺の怒りの槍に触れた。
ハロ「う!あっ・・・///」
あまりの敏感さに一瞬驚かれたようだ。
ウ「・・・へへー。苦しい?」
ハロ「・・・はやく抜けやヴォケ」
突っ込むぞ。
持ち上げて突っ込むぞ。この流れならやれる。
ウ「・・・治まんなきゃ動けないくせに」
ハロ「はいはい分かったすんません早く」
ぎゅ・・・
っと俺の突起を握るウィッシュ。
俺はなんとか声を抑えた。
ハロ「が・・・あっ・・・///」
だが、上下させらるとともうどうにもならなかった。
あああ頭がおかしくなりそうなくらいだ。
ウ「最初・・・時の・・・ンジって・・・?」
な、何言ってるのかさっぱり聞き取れない。
?何驚いてるんだ?
あれ俺、腰動かしてた?
んなバカな。入れてもないのに――!
ハロ「あっ・・・あぅあっ・・・///」
天井が霞む。焦点が全然合わない。
出、出る?
ハロ「――くぁっ・・・」
ウ「わっ!」
どうやら俺は果ててしまったらしい。ようやくウィッシュの声も聞こえた。
ウ「うわ、ちょ、・・・!」
猛攻に苦戦し先端を手のひらで覆うウィッシュ。
俺は何もできずにうつろな視線を床に落としていた。
少し耳鳴りがする。
ウ「もう、ぬるぬる・・・///」
悪に染まっていない左手のほうで顔を拭き始めている。
が、当然取れるわけもなく。
その様子を見ていて俺は、また、やりたくなった。
と思ったら、無意識にウィッシュを押し倒していた。
ウ「え、え?終わったんじゃないの?」
ハロ「あんなもん、普通のセクロスでも終わったうちに入らんぞ」
今考えうる最高に考えられた台詞が口から出たと思った。
たびたび意識、というか自分の意志を失う。
気がつくと、事は進んでいて。
気がつこうと思わないと、やれるところまで勝手にやってしまうだろう。
気がつくと、俺はウィッシュの服を脱がし終わっていた。
ハロ「(巫女さん属性は失われた)」
と一瞬思ったが、俺の目にはもう入口しか見えなかった。
俺は自分の意志で、思いっきりそれを突き刺してやった。
ウ「ああああぅあ!ちょ・・・と!あくっ・・・///」
ひたすら腰を振っていた。
もう感覚神経が全部底に集まって言ってしまっていて、体全体がそれになった感じ・・・。
ウ「うううう、く・・・でか、い・・・!」
そういうことを言うもんじゃない。
ハロ「はぁ、は・・・」
き、きつい。
これはワザとなんですか?知らないけどものすごい摩擦がぐじゃぐじゃとくぁwせdrftgyふじこklp;
気持ちいい。
ハロ「うぁ・・・出そう、もう出す」
ウ「え・・・。え?」
もう止まるわけないじゃないか。
ウ「はあっ、あ・・・///」
返事は来ない。まぁ何といおうともう無駄だが・・・っ!
ウ「ああっ!ぁあくぅぅううー・・・・・・///!」
ハロ「ぅぁ、は、・・・かっ///」
な、長い。まだ出すのか?俺?ああ、でも、もっと・・・出る。
ウ「あん・・・うぅっ///」
身をよじらせるウィッシュ。見ていてとてもかわいい。
ちょうど止まった頃、ウィッシュが俺の視線に気付いて軽く睨み返した。
そのにらみが何であったのかよくわからないが、また疼きだしたので一回突いてみた。
ウ「!」
気持ちよかったのでもう一回突いた。あとは、その繰り返しで・・・。
俺はウィッシュを軽く抱き上げ、向かい合って突いた。
ウィッシュも俺の背中に手をまわし、しがみついた。
そしてまた軽く押し倒した。
ウ「ん、んんー///!」
ウィッシュの手には力が入ったり抜けたり。
でも俺の動作は変わらない。ただ深くつながってみたり、擦られながら少し引いたり。
自動的に動く俺の体を、小さい体で受け止めてくれている。
俺はまた、中に出した。
そして何度となくキスをした。
時間の感覚がなくなるほど、全身の感覚がなくなるほど・・・。
そして俺はいつしか気を失ってしまっていた。

――耳を突くような静寂。
溶けきらぬ氷に囲まれた神社の真っ暗な暗闇の中、俺はよくも目を覚ました。
ああ、ウィッシュ。
よく寝ている。
……。
そうだ。俺、帰らないと。
今、何時だ?
脱いであった俺の制服まで四足で歩く。
って言うか俺全裸だったのか。あのままだったら死んでたかも。寒くて。
携帯を取り出す。全裸で死んでたら洒落にならんぞ、と・・・。
……。21:48。九時か。
ハロ「行かなきゃ・・・」
俺は支度をして、神社を出た。
ハロ「ただいま・・・」
家に入るとすぐ、ユリがとてとてと寄ってきた。
ユリ「あ、おにいちゃん。はい、これ」
俺は頭をかきながらチョコを受け取った。
ユリ「随分遅かったね。っていうかおにいちゃん、手ぶら・・・?」
ハロ「・・・・・・」
ユリ「?どうしたのおにいちゃん」
ハロ「いや、お前じゃなくてよかったなって」
ユリ「は?」
そういい、ユリとすれ違って部屋に向かった。
そして、『ここじゃなくてよかった』と加えておく。

駄目だ。
まだ、頭がボーっとしている。
いや、していた。こんなところで何ボーっとしてる?
チトに謝りに行かないと。

行ってどうするんだ。
考えていない。
正直、まだ頭はボーっとしてるけど。
言ってどう伝えよう、と考えてなくても、俺の足はただ歩を進めている。
星空の下、残雪を踏みしめ。
どうしようか考えてないはずなのに、早くチトの家が見えないか、待ち遠しい。
誰も居ない。

チト「は・・・ハロ!」
ハロ「?」
チトの声、だ?
俺はすぐに前方に視線を戻させる。
ハロ「チト、なんでお前こんな道の真ん中に」
チト「・・・・・・」
考えもせずに質問をした。
チト「電話したけど、出なかった。今まで。そしたらさっき家族の人が連絡くれて」
ハロ「ああ、そりゃ・・・あん時はごめん。毒を盛られてたんだ」
チト「ど、毒!?」
ハロ「今もボーっとしてる」
のを薬のせいにするか、俺。
チト「だ、大丈夫なのか?大変だったんだな・・・」
ハロ「何、過ぎた事だ」
少し間があって、
チト「心が広いな」
と聞こえた。
チト「ハロが余りに遅いから、会ったら一言言ってやろうかと思っていた」
ハロ「言ってもいいぞ」
チト「言わない、と言ってる」
チトはそういって微笑み、空を見上げた。
ハロ「寒い。帰ろう」
チト「何だそれは!?全く、もう少し・・・。じゃあ、・・・チョコだ」
俺は何も言わずに受け取った。
チト「・・・じゃあ」
ハロ「ああ」
今日が二月十五日だなんて、誰が気にするんだ。
俺なんか特に、だ。いくら前日が大変だったからって。
もうあんな日は来ないで欲しいが。
ウ「・・・おはよ・・・」
ハロ「ああ、おはよう」
神社なんてものはほとんど屋外と変わらないほどの通気性だな。
ハロ「やっぱり朝は寒いな」
ウ「何で戻ってきたの?」
ハロ「え?」
ウ「わざわざ、ずっと居たみたいな振りしなくてもいいのに」
ハロ「・・・怖いな、お前は」
ウ「結び方違うし・・・」
ハロ「知るか」
ウ「あ、そういう夢を見ただけで、あてずっぽうだから」
ハロ「ああ、なんとなく分かる」
ウィッシュは問いかけた。
ウ「何で?」
ハロ「やっぱ無意識のときって、繕いきれない自分の癖って言うか・・・自分の行動を取るんだよね」
日が差して来た。
ウ「はいはい、早く学校行った。今から戻らないと月岡さんが家に来ちゃうよ」
ハロ「ああ」

その日の朝は比較的忙しくて。
まだ昨日が続いているようだった。

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最終更新:2007年08月03日 16:28