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繋がり

  • 作者 604氏

 6月10日。
 俺たちは電車に乗っていた。
 他の乗客はほとんどいないようなローカル線だ。
「いよいよだね」
「あぁ。やっとだ」
 ボックス席に対面になるように座る。
 けど、俺たちの相手の顔ではなく顔は窓の外に広がる海に向けられていた。
 3年前の今日。
 ある一人の人物が交通事故で亡くなった。
 俺とナノの誕生に立ちあった医師であり、その後も色々と助けてくれた人だった。
 身寄りのない医師は事故後、親戚の家のお墓に入れられた。
 だが、その場所は病院の関係者も医師の知り合いも知らなかった。
「よく調べられたね」
「ん。ちょっとな。日暮の知り合いにそういうことが得意そうな人がいてさ」
「そっか」
 今日はお互いに口数が少ない。
「・・・ねぇ・・・本当に私でいいの?」
「当たり前だろ」
 俺たちを乗せているローカル線は1時間に1本。しかも、昼間の4本しか走らない。
 墓参りして居る間にその時間は過ぎてしまうはずだ。
「・・・公人」
「心配するな」
「だ、だれが心配なんて・・・そりゃ、痛いかなとか・・・公人が気持ちよくなかったらとか・・・色々あるけど」
 ナノの隣りに座り代えて、その頭を抱き寄せる。
 墓参りは二人で外泊する親へのイイワケ。
 今から行く先の小さな旅館に泊まることがすでに決定している。
 そして、それは二人の関係のステップアップを意味していた。
「優しくする」
「・・・うぅ・・・私もする・・・優しく」
「そこで対抗意識燃やしてどうするんだよ」
「だって・・・私だけしてもらうなんて・・・贅沢だよ・・・公人にも気持ちよくなってもらいたいし」
 お互いに顔を合わせ、口づけを交わす。
 今日は医師の命日。そして、明日は・・・俺たち二人の誕生日。
「よかったね。お墓が綺麗に手入れされてて」
「あぁ。親戚の人が結構来てくれてるんだな」
 それっきり部屋には沈黙が訪れる。
 山の中にある温泉。交通手段が少なくまさに隠れ宿と言うに相応しい場所。
 客が少ない割には綺麗で温泉も広く、各室にある小さな露天風呂。
 ここの女将さんも、晩御飯を片付けたあとは一切立ち寄らない。
 布団も律儀に二組が並んでくっついている。
「温泉にもう一回入ってくるね」
「あのさ」
「・・・なに?」
「ここの露天に・・・一緒に」
 俺はナノの顔を見ないように、横に向けたまま言う。
 見ないようにと言うよりも、見られないように。多分、俺の顔・・・真っ赤だから。
「・・・エッチなことしない?」
「わかんない」
 沈黙。
 しまった。ここは『しないよ』が正しい答えか!?
 てか、風呂ではしちゃだめなんだ。って。俺の馬鹿!!
「はぁ。ホント馬鹿正直なんだから・・・じゃあ、先に入ってて」
「お、おう・・・じゃあ、先に失礼」
 俺は脱衣所に駆け込んで服を脱ぐ。
 そして、そのままの勢いで露天風呂に。
 体は先に洗ったほうがいいかな・・・あ、でも後で・・・いや、でもナノだしなぁ。
 軽く流す程度でいいか。
「ふぃ・・・いい湯だなぁ」
 俺は手ぬぐいを頭の上に置いて湯船につかる。
 はっ。ちょっと親父くさいか。
 えっと。他には別に変なところないよな。んとんと。
「なに挙動不審なまねしてるのよ」
 背後から声が。
 ナノ。いつの間に入ってきたんだ。
「ちょっと。後ろ・・・向いててよ」
「うん」
 お湯の流れる音。
 ナノが体にお湯をかけてるんだよな。
 やっぱ、タオルを体に巻いてるのかな。ちょっと、振り向けば確認できるんだけど。
「ナ」
「こっち見るなって言ったよね」
「はい」
 なんか、ものすごい怒気を感じるんですが。
「ふぅ」
 ナノが湯船に入る。
「いいよ。こっち向いて」
「お、おう」
 確かにそこにナノは居た。
 視線を下げる。
 はっ!?
「濁り湯?」
「アンタ。今頃気づいたの?てか、自分で入っててなんで気づかないの?」
 ごもっとも。
 あ~。ヤバイ。マジで脳がオーバーヒートしててどっか抜けてる。
「もう・・・前に私が風邪で倒れたときはあんなに紳士的だったのに」
「うぅ」
「エロ親父」
 反論出来ない。
 旅館に着てから・・・というか、晩御飯を食べたあたりから無性に性欲というかナノを抱きたくて仕方がない。
「・・・入れすぎたかな」
「は?」
「なんでもないなんでもない。こっちの話」
 俺の気持ちが高ぶり始めたのは晩御飯を食べてから。
 晩御飯?
「一服盛った?」
「え?あ、ううん。なんのこと?」
 はぁ。そう言うことか。
 となれば、ここで・・・いやいや。そうすると計画が。
「す~は~・・・す~は~」
「どうしたの深呼吸なんかして」
「お前が言うか?」
「・・・どうぞ続けて」
 よし。冷静になってきたぞ。さて。最後の仕上げた。
「後ろ向いてろ」
「へ?」
 俺は湯船から上がって、桶に水をためる。
 そして、それを頭から一気に。
「ちょ、何してんの!!」
「ふ、ふぃぃ・・・・・・・・けど、頭、覚めた」
 俺は震えながらお湯につかりなおす。
 さすがに梅雨前の気温で水を被るのは無茶だったか。
「・・・何してんのよ」
「いや。頭が朦朧としててさ。どうも、自分の意思とは関係なくナノを襲っちゃいそうで。戒めてみた」
「でも。それは・・・気づいてるんでしょ?」
「何の事だ?俺は・・・俺の意思で・・・お前を抱きたい。衝動とかじゃなくて・・・もっとちゃんと」
 俺はナノに背を向ける。
「だから・・・今回の旅行に誘ったんだし」
「・・・ごめん」
 ナノが俺の背にくっつく。
「馬鹿・・・だったね私」
「いいよ。何を心配してるのかわからないけど・・・さ」
「うん。私もね・・・公人に抱いて欲しい。けど、前の風邪の時みたく、じらされちゃ嫌だったから」
「お前は、俺の意思とは関係なく、俺に抱かれて嬉しいのか?」
「・・・あ・・・そっか・・・はは・・・取り返しの付かないこと・・・になるところだったね」
 ナノの腕が俺の前に回って。ぎゅっと抱きしめられる。
 あれ。この感触。
「ナノ」
「ん?」
「タオルとか巻いてないの?」
「うん。でも、なんで」
 なんでって。背中に胸の感触だけじゃなくて、突起の感触も感じられるんですけど。
 あ~もう。衝動で抱かないって言ってるんだから・・・生殺しか。おい。
「あ・・・綺麗な月」
 その言葉に俺も顔を上げる。
 さっきまで曇ってたのに、今は雲ひとつ無い綺麗な月が俺たちを照らしていた。
「公人」
 ナノが俺の横に回ってきて俺の顔を見る。
「好き」
 俺たちは自然な形でキスをした。
「・・・今日は・・・して・・・くれるよね」
 ナノの顔が真っ赤になる。
 俺は答える代わりにもう一度キスをする。
 ゆっくりと舌を進入させ、ナノの舌と絡めあう。
「んっ・・・くちゅ・・・はぁ・・・んむ」
 お互いの唾液と唾液が交わり、クチャクチャと音を立てる。
「・・・はぁ・・・きみ・・・ひと・・・好き」
「俺も・・・愛してる」
 今、ナノは何も身に付けずに布団のうえに仰向けになっている。
「電気消して・・・」
「消すと。綺麗なナノの体が見えない」
「ゃ・・・ぁっ」
 俺はナノの上に覆いかぶさるように横になり、胸を隠している両手を取る。
「綺麗だよ」
「・・・嬉しい・・・あん」
 首筋に舌をあて、そのまま胸へと降ろす。
 ナノの胸は柔らかかくて、とても甘い味がした。
「公人。好き・・・大好き・・・もう・・・離れたくない」
「離さない。絶対に」
 見詰め合ってキスをする。
 同時にナノの胸の突起を指の腹でなぞる。
「ひゃんっっっっ」
 大きく上がる声を、無理矢理口を塞いで留める。
「んっ・・・くぅ・・・ふぅ」
 そのまま、ナノの体を舐めながらゆっくりと下がる。
 そして、指でいじっていた突起を口に含む。
「っぅ。ぁぁ・・・きみ・・・ひと。だ・・・んっっ」
 舌で転がし、甘噛みし、ゆっくりとナノの声を楽しむ。
「はぅ・・・ん・・・ぁふぅ・・・そこ・・・だけだと・・・切ないよ」
「どうして欲しい?」
「・・・んぅぅ・・・言わなきゃだめ?」
「ダメ」
 ナノの顔が真っ赤に染まる。
 漫画だとよくある展開だけど、実際にそれを俺が言うことになるとは。
「・・・さぁ。どうして欲しい?・・・・・・へっ?」
 ナノの腕に力が入ったかと思うと、一瞬のうちに俺とナノの位置が入れ替わる。
 トロンとした表情のままだが、ナノが俺のマウントポジションを取っているような状態だ。
「ナノ?」
「んふふ・・・私をいじめようとした罰」
 俺の腹の上に座ったまま、器用に俺に背を向けるように座りなおす。
「見せてね」
「ちょ、待て!」
 俺が止めるのもむなしく、はいていたトランクスを下ろされる。
「・・・なにこれ・・・この前より・・・大きい」
 俺のペニスに何か生暖かい感触が感じられる。
「それに、熱くて・・・ドクドクしてて・・・これが本当の形なんだ」
「うぅ」
「ねぇ。気持ちいいことしてあげるね」
 ナノはそう言うとずりすりと下がってくる。
 今は俺の胸の上に座っている。
「ナノ?」
「ふふ。いっきま~す」
「んぷっ」
 ナノが俺の顔の上に座る。
 丁度、口の位置にナノのヴァギナが。
「足でしてあげる」
 ペニスに固さと柔らかさを持った何かが当たる。
 それが不思議な動きでしごき始める。
「あ、あれ。結構・・・難しい」
 見えないが、ナノの言葉からさっするに、俺の顔を椅子として足の裏でペニスをしごいているようだ。
 とはいえ、動きが悪いせいかあまり気持ちよくない。
「むぅ。あ。そっか」
「んっ!?」
 片方の足の指が俺のペニスの先を刺激し始める。
 それは今までに感じた事のない感触と刺激で・・・やばい、気持ちがいい。
「気持ちいい?」
 俺は答える代わりに舌を動かす。
「ひゃっ」
 丁度舌を動かすと、ナノのヴァギナに吸い付くことが出来る。
「ゃ、だめ・・・今は・・・私が・・・する・・・んっっぅ」
 俺は両手でソコを広げ、満遍なく全体を舐める。
「そんな・・・こ・・・と、された・・・ら・・・はぁん」
 ナノの体が痙攣する。
 あ・・・痙攣した足が・・・俺のを適度に刺激して。
「やば・・・ナノ。どけ」
「ん!?息吹きかけちゃだめ・・・あ、あぁ・・・あぅぅぅぅっっ」
 ナノのヴァギナから大量の愛液が漏れるのと同時に、俺のペニスから精子が飛び出る。
 ナノはくたっとなり、俺の隣りに倒れこむ。
「はぁ・・・はぁ・・・」
「ナノ・・・お前、なんで」
「だって・・・気持ちよかったでしょ?」
 そりゃよかったけど。
「でも、あんな風に返されるとは思ってなかったなぁ」
「あのなぁ。マニアックすぎだ。やることが」
「そうなの?漫画に描いてあったから」
 何を読んでるんだこいつは。
 俺は備え付けの時計を見る。
 もうすぐ12時。
「ナノ」
「ん?」
「抱きしめていいか?」
「うん」
 俺はナノを力強く抱きしめキスをする。
 時計が12時をさす。
「んっ・・・誕生日。おめでとう」
「え?あ、もう日が変わったんだ・・・うん。ありがとう。公人もおめでとう」
「ありがと。記念の日の記念のキスだったな」
「もう、ホント、ロマンチストなのか馬鹿なのか・・・でも・・・そういうの私も好き」
 もう一度キス。
「ねぇ」
 ナノが俺の顔を見上げる。
 俺の方はすでに準備万端だ。
「いくぞ」
「うん」
 ナノの両脚を大きく開き、その間に体を滑り込ませる。
「少し我慢してくれよ」
 穴にペニスをあて、ゆっくりと腰に力を入れる。
「ん・・・ぐぅ」
 シーツを握り締め、歯を食いしばるナノ。
 相当な痛みのようだ。
「いいよ・・・奥まで・・・」
 さらに力をこめる。
 ゆっくりとだが確実に奥へ奥へと進む。
「くぁぁぅ」
「・・・ナノ」
「は・・・入った?」
 俺はうなずき抱きしめる。
 先ほどまで早鐘のようだったナノの心臓の鼓動が、段々と正常に戻ってくる。
「はぁ・・・落ち着いた・・・いいよ。動いて」
「でも」
「いいの。公人が気持ちよくなってくれるならそれで」
 俺はナノに気遣いながらゆっくりと抜く。
 動くたびに顔をゆがめるナノを見ると、少し心が痛い。
「気にしないで・・・へへ・・・次の時は・・・私も気持ちよくしてもらうからさ」
「わかった」
 ゆっくりとした動きで出し入れを繰り返す。
 愛液で少し動きがスムーズになるのと比例して、ナノの口から苦痛以外の声が漏れ始める。
「ゃ・・・んっ・・・あ・・・うそ。あん・・・ぃぃ」
 痛みが和らいだのか、麻痺したのか、それとも快楽がソレを勝ったのか。
 いずれにせよ、ナノは明らかに快楽を感じている。
「初めてなのに・・・痛いのに・・・んっ・・・気持ち・・・いい」
「ナノ。少し速く動くぞ」
「うん・・・ぁ。ぁ、ぁぁ、ゃぁ、はっ・・・ふぅ」
 ナノの腰を掴んで先ほどより腰を速く動かす。
「くっ」
「いいよ・・・だ・・・だして・・・大丈夫だから」
 俺は何も考える事が出来ずに、ナノの言われるまま奥まで突く。
 そこで俺はナノの中に精液を吐き出した。
 俺たちはつながったまま抱き合い、何も言わずにキスをした。
「うわ。すご」
 ナノが布団を見る。
 精液と血液の混ざったよくわからない色をしたモノが広がり染みになり始めていた。
「どうしよう?」
「とりあえず、拭けるだけはティッシュで拭いて・・・だな」
「だね」
 俺はナノを風呂で体を洗わせているうちに、布団を拭く。
 綺麗には取れないけど・・・まぁ、怒られないよな。旅館の人もわかってるだろうし。
「ふぅ。さっぱりした」
「さて。俺も入ってくるかな」
「ねぇ」
「ん?」
「すごかったよ。私の中から公人の精子がドロドロと」
「あ・・・あのさ。今日って大丈夫な日なのか?大丈夫だって言ってたけど」
「公人の子供を生む覚悟はあるよ」
 あっけらかんと言うナノに対し、俺は固まる。
「あ~。公人は無いの?そっか?・・・そうなんだ」
「いや。俺もナノとの間に子供は欲しいけど。けど、そうなると。えと、えと」
「あははは。ウソだって。まぁ、安全日って日が無いから絶対とは言えないけど、危険日ではないからさ」
「そうか。でも・・・ナノ」
「ん?」
「・・・可愛い子供つくろうな」
 俺の真剣な表情にナノが一気に真っ赤になる。
「ば、ばか言わないでよ・・・私と公人の子供だもん・・・絶対に・・・可愛いもん」
「だな。さて。一緒に風呂入らないか?」
 ナノは一瞬考えると俺に向かってニンマリとした表情を浮かべる。
「エッチなこと・・・しない?」
 つい数時間前にも交わされた同じ言葉。
 けど、今度は語尾のイントネーションが違っていた。

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最終更新:2007年08月03日 21:11