Le souhaitハロ覚醒編1
ユリ「・・・ちゃん、おにいちゃん!」
ハロ「え?」
ユリ「『え?』じゃないでしょ?」
ハロ「ああ、勉強教えてたんだっけ」
ユリ「そんな事まで忘れないでよ」
呆れる由梨。
ハロ「で、何かわからないところでもあったか?」
ユリ「んとね、大したことじゃないんだけどね・・・」
日本史の資料集の一節を俺に指差して見せた。
ユリ「『若年寄』って若いの?」
ハロ「・・・は?」
呆れる俺。
ハロ「そんなの役職の名前なんだから、若いのも居るだろ?『年寄』ってのは老中の事だし」
ユリ「なんで『老』って着けるのかな?おじいさんでもないのに」
ハロ「って言うか、お前ヴァカだろ?」
ユリ「む。何が!」
ハロ「歴史なんて暗記なんだからそういうこと考えなくていいの。語呂合わせでもして」
ユリ「でも、こういう考えを巡らす姿勢は大切だと思うよ!」
ハロ「熾惺?」
ユリ「姿勢」
ハロ「『しせい』って繰り返して言ってみろ。十回くらい」
ユリ「?しせいしせいしせいしせいせー・・・おにいちゃんのバカ!///」
ちく
ハロ「いってえ!シャーペンで刺すな!」
ユリ「もういいもん!一人でやるから!おにいちゃんはあっち行って」
ハロ「はいはい・・・」
退去命令が出たので、由梨の部屋を出ようと振り返る。
ユリ「あ・・・」
ハロ「ん?」
ユリ「えと、・・・おやすみ」
ハロ「ああ、お休み。あまり根詰めないで早く寝ろよ」
ユリ「うん」
俺は由梨の部屋を出た。
俺の部屋はすぐ隣だ。
すぐ傍には俺の部屋のドアがあるが――
俺は暗い廊下に立ち尽くしていた。
窓から月光が差し込み、廊下を照らしている。
夏真っ盛りとは言え、今夜は涼しい。今日はよく眠れそうだ。
寝れば、明日になる。
だが今の俺には、今日が過ぎ去る事が無性に勿体無く感じられた。
だから、こうやって立ち尽くして暗闇を見つめる。今の状態を見つめている。
明日が来るのが嫌なのは、今が幸せだからなんだろうか?
最近、そういうことをよく考える。
…最近、気持ちの悪い夢を見てきたから。
まるで誰かに見せられてるかのような夢だ。
夢の続きなんて、そう見ることは無いだろう。なのに、何日にも渡って俺の夢は続いていた。
さながらデモンストレーションであるかのように俺に見せつける。
夢が現実に近付いているのがわかる。
夢の始まりは秋だったから。
ハロ「おはよう」
翌朝の登校中、俺はいつもの角でツンの姿を肉眼で補足、先手を打った。
ツン「おはよ」
ツンが挨拶を返す。
振り返るそのツインテールを束ねるリボンがいつもと違うのに気付いた。
しかし何となく受け流した。
ツン「珍しいわね。あんたから声掛けてくるなんて」
俺たちは歩き出す。
ハロ「そうか?」
ツン「だってあんた、最近いつもこの世の終わりみたいな顔してとぼとぼ歩いてきたじゃない」
ハロ「んな昔の俺みたいな事は・・・」
ツン「低気あ・・・低血圧だから、って言いわけするけど本当は」
ハロ「低気圧?」
ツン「うっさいわね!///話の途中よ!」
コホン、と咳払いするツン。
ツン「本当は、嫌な夢をずっと見てるんでしょ?」
ハロ「なんで知ってんだ!?」
ツン「自分で話してたけど・・・」
ハロ「なんてことだ・・・あまり余計な事をしゃべらぬよう、きちんと注意せねば」
ツン「今日は元気のようね」
ふ、と微笑するツン。
ハロ「?何だその草花を愛でるような母性に満ちた笑いは?」
ツン「私だって、あんたが落ち込んでる姿なんて見たくないから」
ハロ「そうか」
やけに素直に語るな。
きっと、それはもう地獄に片足突っ込んだような顔してたんだな、俺。
ハロ「朝から暑いな」
ツン「そうね。・・・さ、さっきのは別に・・・」
ハロ「ん?」
ツン「な、なんでもないわよ!」
そろそろリボンに気付いてあげようか。
ツン「でも、夢の話もちょっと聞いてみたかったかな」
ハロ「あんま面白くないぞ」
ツン「でも夢に私が出てくるんでしょ?」
ハロ「けっこうたくさん出てくるけどな」
ツン「そうだわ。そう言ってたわね」
やや落胆したようだ。
ハロ「ところでバイザウェイ、リボン変えたのか?」
ツン「よくわかったわね。鈍感なハロの事だから気付かれないうちに一日終わっちゃうんじゃないかと」
ハロ「そんなに前のリボンが汚くなったのか?」
ツン「違うわよ!気分を変えてみただけ!もう、せっかくいい感じだったのに台無しじゃない」
ハロ「謝ろう」
熱線放つ朝日の中を歩く。
ハロ「リボンを変えたから夢を見なかったんだろうか?」
ツン「ハロは関係無いじゃない」
ハロ「・・・だよな」
ツン「それにしても暑いわね・・・」
ハロ「だよな。脱ぐか」
ツン「嫌」
ハロ「俺も」
熾惺学院の空中庭園。
相変わらずクーラーが利いていて涼しい。
蕪「今すぐ五億円手に入るのとエロゲの主人公になれるのどっちがいいお?」
毒「五億円じゃ比べ物にならんな。よって後者」
蕪「漏れもフラグ立てられなくてバッド直行でも後者」
毒「そうなると曖昧だな。さして今と変わらん」
あいつら朝早いな。
ハロ「お前ら朝っぱらから何を時間の無駄遣いしてんだ」
蕪「平成の異端児キタ――(゚∀゚)――!!」
ハロ「誰が異端だww」
毒「エロゲの主人公張りに朝っぱらから女侍らしてるようなやつは異端」
ツン「あんたも彼女作ればいいじゃない」
それを簡単に言うなよツン。
蕪「ハロと漏れたちとは何か違うお。ヒエラルヒーが凄いお」
毒「『選択肢までスキップ』したら人生終わるもんな俺たち('A`)」
急に暗い雰囲気になったな。
し「楽しそうですね」
ハロ「あ、しのたん&由梨」
ユリ「何してたの?」
ハロ「いや、こいつらが五億円と――」
毒「五億円と愛する人、どちらを取るかと言う話です」
ツン「は?」
蕪「どっくんは『五億円じゃ比べ物にならんな。よって後者』と高らかに宣言したお」
何だこのチームワーク?いつの間に出来上がったんだ?
ユリ「へー・・・じゃあ毒男先輩の彼女さんは幸せ者ですね」
あ、毒男凍った。
こらこら、ツンもしのたも笑わない。
ユリ「え?私何か変な事言った?」
由梨がまごまごして言う。
し「くくっ・・・言ってないですよ全然」
ユリ「??」
由梨に悪気が無いのが厳しいな。
毒「マスター、会計を」
蕪「50ドルになりますお」
毒「高いな・・・酔いを醒ますには丁度いいぜ」
毒男はとぼとぼと去っていった。
ツン「なんだかかわいそうね」
ハロ「こうして毒男はまた一つ強くなっていくのでした」
ユリ「私のせいなの?」
し「まあ100%由梨ちゃんのせいですけど」
ユリ「やっぱり!?どうしよう謝らなきゃ!」
ハロ「あ、由梨!」
由梨は毒男の後を追って行った。
ハロ「これでフラグが立ちやしないかと兄」
蕪「無理だお」
し「蕪雲先輩、どっちの味方なんですか?」
全く、この集団と言うのはまとまりがあるんだか無いんだか・・・。
でもこんな日常もくだらないけどそれなりに楽しくて幸せだと思う。
…『日常』って、どこと比べた話なんだ?
馬鹿馬鹿しい。考えるのはやめだ。
そう言いつつも、休み時間に考え事をしながら廊下をどことも言わず徘徊していた。
東「江口?」
ハロ「はい?」
あれ、振り返ったのに誰も居ない。
東「わざとらしく視線を明後日に向けるでない!」
視線を落とすと東雲てんてーが居た。
ハロ「すいません、ちょっと見えにくくて」
東「江口にとって私はその程度のものか?」
ハロ「ええ、まあ」
東「で、ここで何をしておるのじゃ」
ハロ「ここ、って?」
職員トイレの前のようだ。
東「鳩が豆鉄砲を食ったような顔しとるのう」
ハロ「すんません」
東「また考え事をしながら歩いておったのだろう」
ハロ「御言葉のとおりで」
てんてーが歩き出す。
東「何をしておるか、授業に間に合わぬぞ?さっさと来やれ」
と、扇子でちょいちょいと手(?)招きする。
ハロ「ああ、はい」
東「何か悩みでもあるんじゃろ?」
唐突にてんてーが尋ねてきた。
ハロ「悩みなんかなくても考え事しながら徘徊する癖があるんですよ」
東「そうか。それならば治さねばならぬのう」
ハロ「はい」
少しの間、沈黙があった。
東「遠慮しないで話せ」
ハロ「・・・・・・」
なんだか、今日はいやに積極的だな。
まあ今日は悪夢にうなされる事もなかったし、話してもいいか。
[アエロい話に持ち込んで逃げる
正直に夢のことを話す
あ、間違えた。ロード希望。
ハロ「いや俺の息子のかたt・・・いやあの」
東「なんじゃと?」
ハロ「今日は一段と暑いですね」
やばいどっちにしても中途半端。
東「ま、まあ無理に言わんでもいい」
うまく逃げ切れたようだ。
ほとんど言ってしまったような気がするけど。日本人なら推測できるレベルまで。
俺本当は形とかで悩んでませんからね?
しかし心なしかてんてーが頬を染めていたような。
ハロ「背が低いと大変でしょう、てんてー」
東「嘆いてもどうにもならんじゃろ?」
ハロ「アスファルトの照り返しとか凄くないですか?着物で登校して」
東「車で来るから問題無い」
ハロ「牛車じゃないんですか?」
東「そんなわけなかろう!私をなんだと思っておる!」
ハロ「てんてー」
昼休み。
俺は意味もなく図書館にやってきてカサブ夕を歌っていた。
最近意味の無い行動が多すぎるな、俺。
椅子を傾け、天井を見上げる。
しかしこの歌、THEサンクチュアリ百式-Ver2.01-部のテーマソングだけに俺たちにぴったりな歌だな。
なげやりに前向きにって感じが。
ドラムスが毒男だったよな。あいつ部員じゃないのによく手伝ってくれたよ。
あいついろんな技術はあるのにモテないんだな。
存在感さえあればモテると思うんだ。嫌われないタイプだし。
好かれもしないが。
ハロ「おぉとなに・・・」
チト「ハロ」
ハロ「何?」
チト「静かにしろ」
しまった ここはとしょかんだった!
ハロ「ごめん」
チト「暑くなってきたからって熱くなるなよ」
ハロ「おお、うまい!」
チト「うるさい・・・///」
満更でもなさそうじゃないか。
周りを見渡す。
勉強してるやつ、調べ物してるやつ、読書してるやつ・・・。
気付けば、俺の周りにはちゃんと時が流れている。
ハロ「なあ」
チト「どうした?」
ハロ「一日五時間寝てるやつと一日九時間寝てるやつじゃ、後者が損してるかな?」
チト「どうだろうな」
智途は本を置く。
チト「それこそ一概には言えないな。人とその状況によって価値が違うものだから」
チト&ハロ「お前はどうだ?」
何故か言葉が重なる。
面白くないような顔で睨みあう。
ハロ「俺は、起きていたい」
チト「私はどちらでも無いな・・・」
智途は本を起こし、再び読書を始めた。
時間って難しいな。
一秒って一体なんなんだろう。
セシウム133の基底状態の二超微細順位間の遷移によって発する光の振動周期の9192631770倍の時間?
…夢の中で時間を計ったことなんて無いよな。
要らないから。
真っ黒な、ドーム型の天井。
青白い人工的な光が辺りを照らしている。
無機質なその部屋に、二人の人物が居る。
?「そろそろ、ヤツを『あげる』のか?エルナ」
エルナと呼ばれた女性が答える。
エル「あなたも暇でしょう?ベルゼット」
ベル「暇だ。俺様すごく暇。さっさとはじめようぜ?」
エル「そのバイキン○ンみたいな下品な話し方、どうも聞き慣れないわ」
ベル「・・・お前は興味の無い男にはとことん冷たいのな」
エル「私は元々冷たいけど?」
ベル「うぜえ。んで、いつ『あげる』んだ?」
エル「次回よ」
ベル「『次回』?なんだそりゃ」
黒い台から飛び降りる。
エルナは引き出しから書類を一枚取り出し、ベルゼットに渡した。
ベル「・・・要するに、具体的な日にちは決まってないわけだ」
エル「でも、近い将来、って事」
ベル「くっだらねーオイ俺様はそんな事聞きにここに来たのかよ?」
エル「私にキレないでくれる?」
?「やれやれ、穏便じゃないわね」
暗闇の中、どこからか女性が現れた。
?「僕たちも混ぜてくれないかな?」
エル「帰れ乳牛」
ベル「帰れ抜作」
乳牛と呼ばれた女性は言う。
?「乳牛とは酷いなー。私にはリュシルって名前が」
?「へえ・・・ハルを『あげる』ことにしたんだね」
ベル「さすがルシフ。聞いちゃいねえ」
ルシ「さて、ハルの手札は何枚あるのかな?彼によって何枚のカードが切られるのか・・・楽しみだね」
リュ「ハルちゃんの人と人を結びつける能力って凄いのよね」
エル「それだけに一人には慣れてない、ただの寂しがり屋」
ベル「これ以上あいつに拘束されるのは御免だ。決着つけてやるぜ」
闇夜の会合に、暫し静寂が訪れる。
これで終わりになるのだという感慨は、彼らにとってどんな思いなのだろうか。
リュ「ハルちゃん・・・」
リュシルが沈黙を破る。
リュ「おっぱいで擦ってあげたいな・・・」
ほう、とため息をつく。
ベル「俺はあのツンデレを頂きたい」
エル「それは最後になるわよ」
ルシ「僕はどうでもいいけどね。カードには興味無いし」
エル「大体、リュシルあなた話題逸らしたって自覚ある?」
リュ「そんな怖い顔しないでよお。エルナちゃんだって何かしたいでしょ?」
エル「そりゃ片っ端から拘束して拷問して抜き殺したいけど今はそれどころじゃ」
ベル「最低だなこの女」
ルシ「旺盛だね」
空が黄色に染まり、山吹色の雲が渦巻いている。
?「ほへー・・・なんかありそう」
てくてく。
?「はわっ!?」
段差を転がり落ちる。
?「いったぁ~、もう、ここどこぉ~!?」
空は答えてくれない。
?「・・・ふえ・・・」
目に涙が浮かぶ。
が、首を振って振り払う。
?「もうちょっと、がんばろ!」
ハロ「・・・う~ん」
見なくなったと思ったら、またあの夢か。
俺がどうとか言ってたな。
『あげる』・・・よくわからない言葉だ。
ageんなボケって思ったけど意味が違うらしい。
キーンコーンカーンコーン
ん、いつのチャイムだ?
ガタガタガタ・・・
席を立つ音。
も、もしかして放課後か!?
俺、そんなに寝てたのか!うわーやっちまったな。今からでも起きるべきか!?
ツン「ちょっと、起きなさいよ!」
ツンが体をゆすってくる。
よし、これを機に起きよう。
ハロ「ハイみんな、おはよー」
ツン「何くだらないことやってるのよ。ヤバいわよあんた」
俺の武田○也のモノマネがくだらないだと!?いや、それよりも・・・
ハロ「俺はそんなにヤバかねーよ!」
そりゃエロゲーに手を染めてしまった事はすいませんだけどさ。
さっきに気付いて正面を見ると、てんてーがずんずんと俺に向かって直進してきている。
てんてーとは言えその滲み出る憎悪は俺の目を逸らさせんとするほどである。
ツン「わ、私先帰るから!」
ツンが席を立つ。
ハロ「え?」
蕪「漏れも無い用事を思い出したお」
毒「さらばノシ」
ハロ「え?え?」
続々と教室を去るクラスメートたち。
俺には何がなんだかわからなくて――そしてやがて、説教の会場が出来上がった。
一対一なので極めて回避が難しいこの状況。
ハロ「ども」
東「『ども』では無い!!」
扇子で脳天に会心の一撃!
ハロ「Ouch!」
東「自分が何をしたのかわかってないだろう!?」
ハロ「・・・かなり」
東「ハロは国語の成績がいいじゃろ?それで今日は難しい特別なテストを江口含む精鋭数人が別室で受け、
その実力を偉い先生方に報告すると言う旨を予め伝えていたであろう!」
ハロ「あ」
東「江口がすっぽかしたせいで私は酷い折檻を食うたぞ!」
ハロ「あー・・・」
東「隣の席の月岡も『何しても起きなかった』と言うし、はあ・・・」
ハロ「そのテスト、今受けられないですかね?」
寝起きなのでこんな事も言える。
東「意味無いぞ!」
ハロ「はあ・・・」
ついてないな。
こっちはほぼ強制的に夢を見せられていたと言うのに。
東「・・・どうしたんじゃ?目に見えて元気が無いのう」
ハロ「悩み、聞いてくれましたよね。ちょっと話していいですか?」
俺は、夢の事を話した。
東「にわかには信じがたいのう」
机を挟んで向かい合わせに座る。
ハロ「やっぱり、そうですか。まあ本気で信じてくれたのもツンや智途ぐらいだし」
東「しかし、それも何か運命的なものを感じるのう。きっと江口は何か特別な存在なのじゃ」
ハロ「飴玉のCMですか?」
東「・・・真面目に聞いてやっておるのじゃぞ」
ハロ「すいません」
東「では、か、形で悩んでると言うのは嘘じゃな?///」
ハロ「はい嘘です」
よく確認してくれた。
聞くのが恥ずかしかったのか、てんてーは視線を伏せる。
二人しか居ない教室に沈黙が流れる。
ハロ「いやそんなに赤くなられても・・・」
こっちまで恥ずかしくなる。
…つん。
ハロ「!」
てんてーが足でズボンの上から例の息子を触ってきた。
ハロ「あ、いや、てんてー!触診はいいですって!大丈夫ですから!そこんとこ!」
東「でも大きくなってきよる」
ハロ「そ、それは・・・」
足だから・・・って何を言わすんだ。元々居ない俺のファンが減る。頼むぜ。
東「具合が悪いとは言え、今日の江口には仕置きが必要じゃ」
てんてーは足を離した。
ハロ「正直、背徳感しかないですけど・・・」
これ以上罪を重ねるな俺。
東「嫌か?」
ハロ「全然。あ、いや・・・」
てんてーはそれを聞くと、机の下に潜り込んだ。
ぎゅっ
ハロ「てっ、てんて・・・!」
てんてーは竿を手のひらでぎゅっと包み込んだ。
東「ほう、なかなか立派なものを持っておるのう・・・///」
椅子に座ってるので離れることもできず、ただ下に見えるてんてーの行為を見守るしかなかった。
てんてーは恍惚とした表情でそれをしばらく眺めた後、それを擦り始めた。
ハロ「あっ、ちょ・・・てんて、やめ・・・!」
東「『てんてー』と呼ぶなと言っておるに・・・ひどく興奮しておるな?これを見ればわかるぞ?」
ハロ「せ、せん・・・!」
背もたれがストッパーになり、腰を引きたいのに引くこともできない。
完全に固定されながら、俺はてんてーの手で責められ続ける。
東「んん?何か汁がでてきておるぞ?」
てんてーはそう言いながら、我慢汁を人差し指で塗り広げる。
ハロ「う・・・!」
東「江口ぃ、遠慮する事はないぞ?」
亀頭を人差し指で撫でながら、さらに手コキを続ける。
その速度は徐々に早まり、そろそろ堪えられなくなりそうだ。
東「ほれ、イってたもれ!」
ハロ「だ、駄目、顔に、かかる・・・!」
手の動きは興奮に合わせてますます早まり、頭が真っ白になってくる。
が、我慢できない・・・!
ハロ「う、あ・・・」
俺はてんてーの手コキによって、あっという間に抜かれてしまった。
ペニスはびゅくびゅくと脈打ち、てんてーと汚していってしまう。
東「ひゃ・・・!///」
『ひゃ』?
東「案外あっさりとイったわりには、派手な射精じゃのう」
てんてーはどろどろになった両の手を眺めて言った。
俺は未だ何があったのかよくわからなくて何も言えなかった。
東「どうじゃった?普段子ども扱いしておった『てんてー』のこれは」
といって動作をして見せる。
そして、精液に汚れたてんてーの顔があった。
ハロ「・・・エロいです」
東「ふん。そもそも江口の素行が悪いからいけないのじゃぞ?ほれ、といれっとぺーぱー持ってこい」
ハロ「拭かないで?」
東「ぽけっとてぃっしゅでも使うがよかろ?」
くっそ・・・てんてーにまで抜かれてしまうのか俺は・・・。
正直、背徳感しかない。いや敗北感脱力感絶望感いろいろ。
ハロ「その技術は一体どこで」
東「腋でもよいぞ」
ハロ「足は?」
東「足?それはいささかつらいものがあるのう」
大体てんてーに踏まれたくないからいいけど、それでも足に反応してた俺。
むしろ聞くなよ俺。
しかもお互いに話し逸らしあってるしな。
ハロ「でもあの夢は俺を放してくれないみたいです」
もう少しで・・・何か変わる気がするけど。
東「ならば起きている時間を存分に使えばよい」
ハロ「でも今日みたいな事があったら」
東「心配はいらん。事情がわかれば江口に無理な負担はかけん」
ハロ「・・・ありがとうございます」
東「よい、よい」
てんてーは扇子をひらひらと振ってみせる。
東「時間と言うものはな、江口」
ハロ「はい」
東「自分が何を為すかによって、いくらでも変える事ができるものなんじゃ」
ハロ「変える?」
東「無駄な時間さえ作らなければ、その時間は何時間分もの価値がある」
ハロ「無駄な時間を作らないのは難しいですよ」
東「ふふ・・・」
ハロ「?」
東「見た感じ、江口は無駄な時間を過ごしたことはなさそうじゃが?」
ハロ「なんでですか?」
東「江口の周りにはいつも人がいっぱいじゃ。以上」
てんてーはそう言って、さっさと職員室へ向かって行った。
さっきまで手でしてくれていたとは思えない。いや別に。
みんな真面目にてんてーの言う事聞くから、それだけ接点が少ないのかも。
不良と教師が和解するみたいなドラマが今。いや待て。
人がいっぱい、か・・・。
夢を見ている時間って、無駄じゃないんだ。
最終更新:2007年08月03日 23:48