Le souhait ツン編10
――遅い。
遅いな。もう朝の五時だと言うのに、由梨は一向に起きてこない。
早朝のリビングに、スズメたちのちゅんちゅにんぐ(chunchuning)が響いている。
椅子に座りなおす。
まったく、どうしたことだ。もう食器も並べてあるのに。
このまま起きてこなかったら、おにいちゃん餓死する事必死。
おにいちゃん餓死。
そのニュースは瞬く間に全米に広がり、人々を震撼させた。
無理も無い。その手口は、二年前にノースカロライナで起きたあの悪夢のような事件と酷似していたからだ。
二年前と同じ見出しが、新聞の紙面に躍る。
おにいちゃんおにいちゃん。何だいジュリー、こんな夜中に。おにいちゃんはどこにも行かないよね?はっはっは。
当たり前だろう。怖い夢でも見たのかい?だって、こわいんですもの。わかったわかった。愛しいお前を置いて行くものか。
さ、だから安心してもうお休み。うん。ああそうだ、あと、寝る前にちゃんとおヒゲを剃るんだよ。
ハロ「ってどっちも男かよ!!11!」
テーブルを叩いた衝撃に、食器たちが音を立てた。
朝から気持ちの悪い世界に㌧で行ってしまったぜ。
ハロ「ご飯マダー?」
箸でコップの淵を叩く。ちんちん。
ガチャ
ユリ「あ、おはよおにいちゃん・・・今日は早いね」
由梨が目をこすりながらリビングに到着した。
ハロ「何でお前、枕持ってきてるんだ?」
ユリ「えっ?・・・あっ!」
気付いて、猛スピードでリビングを去る由梨。
再び、箸でコップの淵を叩く。ちんちん。
愛妹が息を切らして戻ってきた。
ハロ「誰がボケろと言ったよ」
ユリ「ごめん・・・本当に寝惚けてた」
ハロ「今日は体育祭だと言うのにたるんでるぞ」
ユリ「ごめん」
ハロ「謝るな!」
ユリ「えっ!?ご、ごめん・・・あっ。あれ?なんて言えばいいんだろ」
一生懸命考え中のところ悪いが。
ハロ「ところで腹が減ったので早いところ朝食にして欲しい」
ユリ「そんなに気合入ってるんだったら、代わりに作ってくれてもいいのに・・・」
ぶつぶつ言いながら、由梨はキッチンに向かった。
ハロ「まあ本当は体育祭なんて楽しみじゃないんだけどな」
体位臭い。なんて如何わしい響き。
小学校の運動会なら人殺到だけど、今となっては人殺伐が関の山。
関の山。
どこの力士だろう。
それはそれとして、一般客の入場おkって事は、まず間違いなく雪花さんは来るだろうな。
渋沢さんは来るか・・・?もう何ヶ月も見てない気がするが。
一時滞在みたいな事言ってたし、おそらくもう帰ったんだろうな。
ハロ「あ、そうだ。元気の出そうなもの作ってくれよ」
ユリ「元気の出そうなもの?おにいちゃんの持ってる本に載ってたようなの?」
ハロ「そ・・・お前、いつの間に」
ユリ「あ、卵切らしてたかなー」
わざとらしく冷蔵庫を覗く由梨。
俺の持ってる本に載ってるような物?体育祭にどんな元気つけて行けって言うんだそれは。
家を出る。
ハロ「暑い・・・」
朝から蒸し暑い。これだから日本は。
体育祭が楽しみだったから朝早く起きたのではもちろんなく、況してや気合が入っていたわけでもない。
この暑さにやられ、寝苦しくて止むを得なく早く起きてしまったんだこれが。
どうよ、この日差し。
でも、日差しより君のほうが眩しいよ。
それって実際言われてみて嬉しいものなんだろうか。
じゃあ彼女見るときはサングラス掛けとけよとしか思わないんだが。相手は太陽だぞ?
そんなくだらない事を考えながら、俺はいつもの道をゾンビのように歩いていた。
ツン「あ、ハロ。おはよう」
暑いな。容赦無い。
ツン「ちょっと!通り過ぎないでよ!」
ハロ「え?」
聞き覚えのある声。
ハロ「ああ、この匂いはツンか。おはよう」
ツン「何で判断してんのよあんたは!?///」
ハロ「にほひ・・・」
ツン「ああ、もう!シャキっとする!みっともないわよ?」
ツンにそう言われ、背筋を伸ばす。
両手を腰に当てて俺を見上げているツンの姿を確認。
ハロ「おはよう」
ツン「二回も言わなくていいのよ」
ハロ「今のは明日のぶんだ・・・ふぁ~あ・・・」
大きな欠伸をした。
ハロ「あれ?」
ツン「何よ?」
ハロ「ブルマ穿いてないな」
ツン「穿くわけないでしょ!?」
ハロ「あ、そうか。うちの学校はブルマじゃないんだった」
ツン「今時ブルマの学校ってあるの?しかも学院で」
ハロ「あるにはあるんだが・・・」
どこの世界にあるって言えばいいのか説明に困る。
ハロ「まあ、要するにお前のブルマ姿が見たいって事だ」
あれ?間違った。
ツン「バカ!」
スネを蹴られる。
ハロ「てんめぇ俺の黄金(24金)の右足になんて事を!」
思わずうずくまる俺。
ツン「ふん!私は悪くないんだからね!」
そっぽを向くツン。
顔を上げると、ツンの脚が眼前にあった。
ハロ「こ、これはマジでやばい・・・」
ツン「そんなわけないでしょ」
こんな近くで脚を見るのは久しぶりだな。
ハロ「・・・」
ツン「ちょっとハロ、だいじょう――!!///」
ツンが振り返り、俺の愚行がばれちゃった。
ガッ
ハロ「モルスァ!!」
学院に到着する。
見れば、既に朝練に励んでいる生徒も多いようだ。
ところで両スネが痛む。
教室に着き、とりあえず鞄を置く。
ハロ「で、ツンは朝練やるのか?」
ツン「ハロは?」
ハロ「俺?行く気無いなぁ」
椅子と引き、自分の席に座る。
ツン「そうなの?まあ私も朝練はしないけど」
ツンも座る。
ハロ「何だ、やる気の無いヤツだな」
ツン「あんたには言われたくない」
蕪「朝から、やる気の無いやつらだお」
毒「こんなやつらとは組めんな」
突如現れる二人。
ハロ「いや、お前ら種目違うだろ。しかも同じクラスだし」
蕪「特に智途様の身にかかる火の粉は漏れが排除せねばならんお」
蕪雲はテニスのラケットを取り出し、ガットの上でボールを転がしながら言った。
ツン「何?私の事?」
蕪「漏れたちとテニス勝負をして漏れたちが勝ったら棄権してもらうお」
毒「ダブルスでな」
ハロ「ダブルスって俺も含まれてるのか?俺テニスなんかやった事――」
ツン「うけて立とうじゃないの!」
工工エェ(;´Д`)ェエ工工!?
ハロ「いや俺はサッカーやりに来ただけで本当に何も知らねぇんだ!信じてくれ!あとバスケと」
毒「俺も卓球専門だけどな('A`)」
ハロ「じゃあ断れよダブルスやるの!」
ツン「コート空いてる?」
蕪「当然だお。決戦だお」
ハロ「でも、智途も不戦勝したところで喜ぶだろうか?」
しーん。と静まり返る。
蕪「こ、こここ細かい事気にするなお」
動揺してるな。
蕪「とにかく勝負するお。ヤイヤイ言うのはそれからで十分だお」
十分手遅れだと思うんだが。
テニスのラケットを借りさせてもらった。
ツンがこれがいいって言うから持ってみたが、何か違いがあるんだろうか?
ここは経験者の意見に従うのが一番だな。
俺は試合結果がどうであれツンや智途のミニスカ姿が見られればなんでもいいんだが・・・ん?
ハロ「何だ毒男」
毒「由梨ちゃんは何の種目に出るの?」
ハロ「なんだ。お前が把握してないとは珍しいな」
毒「うっかりしてたんだ。テニスかどうかだけでいいんだ」
ハロ「おぬしもエロよのう」
毒「いやいや。で、どうなん?」
ハロ「そりゃお前の思っているとおり、もちろん・・・」
毒「(*'A`)!」
ハロ「卓球だ」
毒男、全く機能せず。
俺よりも機能してないんじゃないか?何回ツンに怒鳴られたかわからん。
よって、俺たちのほうが優勢。
1セットとって40-0だ。
ハロ「ツンもなかなかやるな」
ツン「あんたが下手なだけよ。ちゃんと集中して」
はいはい。
ハロ「ん?」
智途が駆け寄ってきた。
チト「練習に使いたいんだが、何分ぐらいで空きそうだ?」
ハロ「ツン。後何分くらいで勝負つきそう?」
ツン「五分あれば十分よ」
チト「フ、強気だな。じゃあそれを信じて待ってるとしよ――」
ティュィー(瞬間移動の音)
蕪「いいですとも!空けますとも!」
ツン「何よ!まだ勝負はついてないでしょ!?」
蕪「やっぱやめるお。こんな卑怯な真似しても智途様は喜ばんお」
それ、俺がさっき言ったよな。
ハロ「だってさ。お開きだ、ツン」
ツン「納得いかない!」
チト「なんだかよくわからんが、せっかく空けてもらったんだ。始めよう、しのた」
し「あ、はい!」
毒男も、あんなに落ち込む事は無いだろうに・・・。
ハロ「(パスキタ――(゚∀゚)――!!)」
俺へのパスじゃないけどな!
「あっ!」
ウェヘヘ左ウィングの俺にボール取らせたらどーなるか分かっちゃってんのかよチミ。
俺ゴールに向かって一直線栄光の架け橋へとぉー!!
って何だ何故かゴール前に敵さんいっぱい!?何気に足速えよこいつら!
迫るゴール。後ろからさっき抜いたやつが来てるのも感じる!
どーするよ俺。どーすんの!
?「HEY」
ハロ「!」
味方の右ウィングが上がってきている。
あ!君は南極からの留学生ルドルフ・エン・ダンス君!
ハロ「ルドルフ!頼んだ!」
俺はルドルフに最後の希望を託した。
ルド「おk・・・FIRE!!」
ルドルフのオーバーヘッドキックが、ゴールネットを揺らした。
ピーッ(SE:ホイッスルの音)
「キャー!」
ハロ「ルドルフ。別にキャプテン○みたいな事しなくても入ったぞあれは」
ルド「何。女子たちも見に来てるからパフォーマンスしますよ」
ハロ「なるほど。向こうに居た時もそうやって女を釣ってたわけだ」
ルド「ニホンゴ ワカリマセン」
またそれぞれのポジションへと散っていく。
ハロ「かなり日本語よくわかってるじゃないか」
ピーッ(SE:ホイッスルの音)
テニス、どうなってるかな。このあとバスケなんだよな・・・。
クラスでは目立ってない俺。
しかしこの体育祭と、そしてその後の文化祭で、俺を見直すやつが大勢居る筈だ!
まずは、この卓球の種目で何気なく優勝をもらって行って、それをプレリュードとさせてもらおうか。
卓球だけはスポーツで唯一自身のある競技なのさ。
それにしても対戦相手、遅いな。
決勝でこれとは情けない。
これまで由梨ちゃんと当たる事はなかった。可哀想に、どこかのクラスに負けてしまったんだろう。
ならば俺が優勝商品を持って由梨ちゃんにプレゼントしに行くだけさ。
何。優勝なんて俺には必要の無いものさ。
必要なのは君のえが
し「由梨ちゃん、急いで!」
毒「('A`)?」
ユリ「ま、待ってよしのたん」
ああ、そうか。しのたが決勝の相手ね。
ユリ「しのたんは出ないんだから、私より先に来ても意味ないでしょ?」
だが我が野望を邪魔立てする気であれば・・・え?
毒「え、決勝の相手って・・・」
ユリ「あ、あれ?毒男先輩?卓球強いんですね」
毒「ええ、まあ・・・(*'A`)ホワワ」
ユリ「じゃ、時間も押してるみたいなんで」
毒「え?」
俺の優勝は?
由梨ちゃんの笑顔は?
毒「・・・(計算中、計算中、計算中、計算中)」
もうだめぽ
ようやくテニスコートにたどり着く。
ハロ「はぁ、はぁ・・・」
くっそ、サッカーもバスケも負けちまった!
ルドルフが『係の仕事ありマース』とか言って抜けちまうから悪いんだぞ全く。
あー、釈然としねえ!
おっと、テニステニス・・・。
ハロ「あ、ツン!」
決勝戦には間に合ったようだ。
ツンが決勝まで進んだと言うことを噂で聞いて半信半疑だったが、どうやら本当らしい。
ツン「何よ?もうちょっとで始まるんだからあまり話しかけないでよね」
チト「ハロに八つ当たりしなくてもいいだろう」
智途もユニフォーム姿で・・・あ?
決勝って、この二人?
ツン「・・・何?智途には関係無いじゃない」
チト「無いが、八つ当たりされるほうも気分のいいものでは無いだろう」
ハロ「いや、俺は別に」
ツン「八つ当たり八つ当たりってしつこいわね。これは真剣勝負なんだから」
チト「ハロ、気を悪くしないでくれ。月岡も気が立ってたんだ」
ハロ「あ、ああ」
ツン「・・・いい度胸じゃない」
おお。ツンから怒りのオーラが!
ルド「ハイハーイ!stopネー!あとはテニスで戦おう!」
ハロ「お前ここの審判だったのか」
なら俺でも最優先だな。
ツン「決着をつけてやるわ!」
チト「面白い」
両方とも凄い闘気だ。例えるならドラゴニック(ry
蕪「智途様がんがれー!」
毒男が居ないな。あいつ決勝まで行ったんだ。
ツン「行くわよ!」
パコン!
サーブ速っ!こりゃかなり本気だな。
パコン!
でも智途も難なく打ち返す。もしかして、最終的にはボールから火が出るくらいにまでなるんじゃないか?
ルド「うーん、どうやら彼女たちは君を賭けて戦ってるみたいだね」
ハロ「?何でわかるんだ?」
ルド「よく耳を澄ましてごらんよ」
…。
ツン「いい加減・・・諦めなさいよ!」
チト「諦め・・・切れるかっ!」
ツン「ずっと・・・一緒なんだから!」
チト「これでも結構・・・一途なんだぞ!」
ハロ「・・・あいつら」
ルド「聞いてて恥ずかしいよ」
ハロ「なるほど。向こうに居た時もそうやって」
ルド「ボンゴ ワカリマセン」
俺だってわかんねえよサンスクリット語なんか。
まあ歓声のほうが大きい。聞き取れるやつはそう居ないだろうな。
現に蕪雲も聞き取れてないみたいだし。
ハロ「あっ!」
ツンがネットした。
ツン「あー!もう!」
それでも随分打ち合ってたよな。俺から見ればかなり凄いが。
ツン「まだまだ行くわよ!」
チト「来い!」
番長同士の喧嘩みたいに最後は穏やかに終わるんだろうか?かなり居づらい。
ドドドドドドドドドドドド
智途 1 15-0 1 ツン
ハロ「このゲームはニセット先取で勝ちが決まる。そろそろ決まるぞ・・・」
と、言ってもデュースでしばらく続くだろうが・・・。
ユリ「おにいちゃんおにいちゃん!」
ハロ「どうした?」
ユリ「あのね、私ね、卓球で優勝したの!」
ハロ「ああ・・・は!?!!???優勝!!??!?!1?」
ユリ「うん!」
え?と言うことは毒男は?
辺りを見回すが、その姿は無い。
ユリ「褒めて!」
犬か。
ハロ「すごいすごい。よしよし」
頭を撫でてやる。
ユリ「えへへー」
みんなが居る手前、あんまり愛溢れるスキンシップはできないのは勘弁してくれ。
ハロ「こっちはこんなにも平和なのにな」
ドドドドドドドドドドドド
ツン「し、しぶといわね・・・」
チト「そ、そっちこそ・・・」
あ、またデュース。
ハロ「そう言えば今日、理緒が居ませんが」
東「輝青院は欠席じゃと連絡があった」
ハロ「てんてー、いつの間に」
東「で、これはどうなれば勝ちなのじゃ?ちと教えてくれんかのう」
ハロ「・・・はい」
し「うーん、なかなか決まりませんね。女の意地、ってやつなのでしょうか・・・」
ユリ「しのたんしのたん!」
し「・・・何ですか?」
ユリ「あのね、おにいちゃんに」
し「褒められたんですね?さっきも聞きましたよ」
ユリ「案外簡単に勝っちゃったのにね」
し「それもそうですね。毒男先輩、ボクの目から見ても下手でしたし」
なんであんなにギクシャクしていたんでしょう?
し「でも、今はテニスを見ましょう。いいですね?」
ユリ「はぁい」
ご機嫌ですね・・・。
ハロ「あ」
チト「くっ!またデュースか・・・」
ルド「勝負あり。勝者月岡!」
チト「なっ!?」
ワアアアアア (安っぽいがSE:歓声)
ツン「やったわ!」
大きくガッツポーズをするツン。
し「智途先輩、数え間違えてました?」
チト「――・・・」
智途は硬直して言葉も出ないようだ。
蕪「えー、今回の件については私といたしましてもまことに」
チト「うるさい黙れ!」
蕪「あっ!智途様、流石の漏れも痛いお!痛いお!痛痛痛痛痛」
ぽんぽん。
肩を叩かれ、振り返る。
ルド「やあヒーロー。プリンセスがお待ちだよ」
ハロ「・・・うるせえな」
既に多くのクラスメイトに囲まれているツン。入る余地は無いようだ。
ハロ「そういうわけでさらば」
東「こりゃ。おぬしそれでも男か」
立ちはだかるてんてー。
ハロ「その証拠が見たいと言うのなら拒みはしませんが」
東「拒め!ああ、ほら行ってしまうぞ」
二人の試合が予想以上に長引いたため、閉会式はとことん簡易な形に切り替えられ、迅速に終了した。
ツン「なんか表彰も味気ない。明日とかにゆっくりやればいいのに」
着替える暇もなかったツンは、あの後に普通にてんてーから優勝トロフィーを手渡しされたのだった。
ハロ「体育祭関係者も冷や汗なほどの白熱振りだったぞ。いや、決着がついてよかった」
ツン「ふん・・・」
でも、雪花さんも渋沢さんも何で誰も来なかったんだろうな?忙しかったんだろうか。
そのままツンの家まで帰ってきた。
俺を待たせるのも嫌だし、何より面倒くさいと言うことで自宅で着替えると言い出したからだ。
俺はあつかましくもツンより先に座り、ソファーにもたれかかって寛いでいた。
ツン「で、本当はどっちに勝って欲しかった?」
ツンも俺のすぐ脇に座った。
ハロ「本当は、も何も・・・ツンに決まってるじゃないか」
ツン「本当?智途が勝ってたら智途にそう言うんじゃない?」
ハロ「いや、そんな事は」
ツン「智途ばっかり見てなかった?」
ハロ「や、それは無い。どっちも見てた」
だから今日はおなかいっぱいです。
ハロ「素直に喜べよ。優勝だぞ?優勝!」
ツン「じゃあ、もらってもいいのね?」
ハロ「?何を?」
ツン「優勝賞品」
ツンは座っている俺に跨るように座り俺と向き合うと、その顔を近づけてきた。
ハロ「え、俺?」
ツン「・・・何よ。当たり前じゃない。じゃなきゃあんなに頑張ってあげないんだから」
ハロ「そ、それはども・・・」
ツンはため息をついた。
ツン「あんたね、チラチラ見るならまだ可愛げがあって許せるんだけど、凝視するのはやめてくれない?」
確かに、俺は短いスカートからのびるツンの脚に目が釘付けだった。
ツン「しかも勃ってるのが当たってくるし・・・あっ!?」
俺はそのまま、ツンを抱きしめた。
ツン「や、やぁ、バカッ!何してるのよ!?///」
顔が丁度ツンの胸に埋まる。ツンに頭を押さえつけられるが、全然離れはしない。
ツン「ば、バカっ、変態・・・!///」
顔を離す。
ハロ「ブラが凄く邪魔」
ツン「あんたのズボンのほうが邪魔よ」
ハロ「邪魔って言われても脱いで外出たら捕ま」
ツンは腰を浮かせ、ズボンの上から指でそれを起こした。すると再び腰を下ろし、自らの股間を竿にあてがう。
そのまま擦り付けるようにして、上下運動を開始した。
ハロ「ぅ・・・」
ツン「どう?邪魔でしょ?」
ハロ「わ、わかった。脱ぐから・・・!」
ツンはふふっと笑って、いったん体を離した。
俺が脱いでいるのを、ツンはソファーに座って背後から見守っている。
俺は、ツンが思っている以上に興奮していたのかもしれない。
ツン「じゃ、いつもみたいに足で・・・きゃっ!?」
俺はほとんど無意識のうちに、ツンをソファーに押し倒した。
首筋を舐めながら、手を回して服の上からブラを外しにかかる。
ツン「ゃ・・・あっ、ばかぁ・・・///」
うまくブラを外す事に成功した。服の間から手を差し入れ、やや強引にそれを取り除く。
ツン「いたっ・・・あ、あんたはね、賞品なんだから、大人しくしてなさいよ!」
俺に跨られながらも気丈な態度を取るその姿に、俺はますます興奮を覚えた。
短いスカートを手でめくり、股間に竿をあてがう。そしてそれをこすりつけた。
突き上げるたびに、亀頭にスカートが当たってくる。同時に手で胸の柔らかさも堪能する。
ツン「や、ゃめ・・・へんた・・・///」
ツンの目は次第に潤みはじめ、顔は赤く火照っていた。
ツン「あ・・・は、はろぉ・・・!///」
ツンはソファーを掴み、快楽に悶えている。
尤も、一番悶えているのは俺のほうで、正直もう出てしまいそうだった。
ハロ「は、はぁ、ツン・・・!」
動くたびにスカートがすりすりと亀頭を撫で、微妙な刺激を与えてくる。
もう限界だった。
情けなくも俺はツンのこの姿に心を奪われていた。
最初から。
ハロ「あ、もう、出・・・!」
ツン「――!あ、ぁ、あぁ・・・///」
俺はスカートの中に射精してしまった。
精液はどくどくと出ても、スカートに押し返されどろどろ流れ落ちてきた。
ツン「ぁ・・・う・・・///」
ツンは恍惚とした表情で天井を見上げている。
ハロ「はぁ、ご、ごめん・・・」
腰を引き、精液と欲望にまみれたペニスが姿を現し・・・どろりと糸を引いた。
ツン「ば・・・出しすぎよ・・・///」
ハロ「つい、興奮しすぎて」
ツン「『つい』ってあんたね」
俺は息を整えながら、少し反省した。
ツン「夢中になってくれたなら・・・」
ハロ「え?」
ツン「な、なんでもないわよ!さ、さっさと片付けるわよ、変態!///」
ハロ「あ、うん」
あれ?『変態』って否定すべきだったよな、今。
翌朝。
ハロ「あれ?」
ユリ「どうしたの?おにいちゃん」
ハロ「なんでトロフィーが家にあるんだ?」
トロフィーを手に取る。
ハロ「『優勝 種目:卓きゅ・・・」
ユリ「お・・・おにいちゃんの・・・」
恐る恐る振り返ると、涙目の由梨の姿があった。
ユリ「ばかあぁぁー!」
ハロ「あっ!?」
あ、朝飯が・・・。
由梨はキッチンを駆け出てしまった。
ハロ「はぁ」
やっちまったな。さて、どうやって慰めるか・・・。
そう言えば、由梨には優勝のご褒美あげてなかったな。
頭撫でた程度しかしてないし、直接本人に聞いてみようか?
コンコン・・・ガチャ。(SE:ドアをノックする音&開ける音)
ハロ「あ、あのさ、由梨。そう言えば、まだ優勝のご褒美あげてなかったよな?何がいい?」
ユリ「・・・」
ハロ「例えば、えーと・・・スキンシップとか。・・・由梨?」
ユリ「すー・・・すー・・・」
寝てやがる。
ハロ「仕方ないな。朝食でも作ってやるか」
昨日は俺も気が利かなかったし、これくらいで許してくれよ。
最終更新:2007年08月04日 08:55