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ツルとカメ-3

  • 作者 ロボ氏

 先日の事件から早一週間。折り目が付いていたのは誤解だということも分かってもらい、
いつもの日常に戻っていた。コイの巨乳にさえ視線を向けなければ何も問題は発生しない。
最近はツルの僕に対する態度も柔らかくなってきた気がするし、この七日間で乳に関する
質問責めにも耐えた甲斐があったというものだ。
「何をニヤニヤしてんの? ……気持ち悪い」
「気持ち悪いのは元からでしょ? 大方エロ本のことでも考えてるんじゃない?」
 酷い言い草だが、それは有り得ない。今まで隠し持っていた本やビデオ、DVDは存在を
隠蔽していたことを執拗に責められた後で完全に破棄された。バベルの如く積み上げられ
た戦友達が炎に包まれて天に昇っていく様は、悲しい程に美しかった。そして、煙を見て
急いで駆け付けてきた隣の家のお姉さんに堂々と『ゾロアスター教徒なのでキャンプファ
イヤーをしてるんです』と言い放つツルは、本当に恐ろしかった。
「どうしたの、カメ?」
「何でもない」
 僕は涙を拭って笑みを作り、水樹に振り向いた。男の涙は覚悟の印、振り向いては格が
落ちるというものだ。例えエログッズ禁止令が出されても、しょぼくれてはいけない。
「ところで、今日って転入生が来るらしいんだけど知ってた?」
 僕に気を遣ってくれたのか、水樹はそれ以上の追求はせずに話題を変えてくれた。因み
に転入生の話は初耳だ。この学校は生徒数が多い上に学力もピンキリと幅が広く、それに
比例するように転入生や転校生の数もそれなりになっている。だからそれ程珍しいもので
もないし、驚くようなことでもない。
「で、男? それとも、おん……男が良いなぁ!!」

 僕に向けられる二対の視線から目を反らしながら訊くと、水樹は軽く首を捻った。眉根
を寄せて下を向き、顎を人差し指で軽く叩く。考え事をするときの水樹の癖だが、転校生
の性別を思い出すだけでいいのに何故そんなにしているのだろう。
「どうした?」
「んー、名前じゃ男か女か分かんない。男っぽいけど、どっちもアリな感じだった」
 水樹は天井を見上げて吐息を一つ、もしかしたら悔しいのだろうか。僕は以前、水樹が
全校生徒の名前を覚えていると役に立つのか立たないのか分からない特技を自慢していた
ことを思い出した。僕には確認の仕様がないから本当のことかどうかは分からないけれど、
そんな水樹からしたら腹が立って仕方がないのだろう。人間、誰にでも譲れない物がある。
「見た目は?」
「多分、女の子だと思うんだけど。女装の可能性もあるし」
 ねぇよ、と言おうとしたが止めた。実際に女装をして登校するようなけったいな生徒が
そうそう居るとは思わないけれど、その極少数派の筈の人間が知り合いに数人居るので、
無闇に否定は出来なかった。水樹みたいな人間を親友に持っているだけで、その発言権は
限りなくゼロに近くなる。
「ツルはどっちだと思う?」
 とりあえずツルへと振ってみると、コイと顔を見合わせて、
「女じゃないの?」
「て言うか、常識で考えろっつの。アンタちんこだけじゃなく脳まで腐った?」
 普通に話題を振っただけでここまで酷い発言をするとは、コイ恐るべし。それに、僕の
ちんこは腐っていない。そのことは昨日の夜にツルの体で証明済みだ。そのことを言うと
ツルがキレる上にコイまで何かを言ってきそうなので、絶対に口にしないけれど。
「また妙なこと考えてる?」
「いや、安全について考えてた。最近は物騒だからね……主に打撃系が」

 嘘は言っていないのにツルが、何故かコイまでもが冷たい視線を向けてくる。こいつら
は普段の僕の言動をどんな風に見ているのか気になったけれども、敢えて訊かないことに
した。今までの経験が、その藪には蛇が潜んでいると告げている。
 なんとなく気不味くなり、水樹の方を見るとまだ唸っていた。このままにしておくのが
こいつにとっては一番幸せなのかもしれない、あと数分もしない内に答えは分かる。
 電子音。
 HRの予鈴が鳴り、担任のアズサ先生が入ってくる。いつもより少し早いのは、転入生が
居るからなのだろう。先生は教壇に立つと、特徴である切れ長の目で教室内を軽く一瞥、
それだけで全ての生徒が席に着いた。パンツスーツに冷たい美貌、短めの黒髪がいかにも
厳しそうな外見をしているが実際はそれ程でもない。それでも言うことを聞いてしまうの
は、独特の雰囲気のせいなのだろう。
 皆が静まったのを確認すると、アズサ先生は咳払いを一つ。
「皆に嬉しいお知らせだ。もう知っている者も居るかもしれないが今日からクラスメイト
が一人増える。センス、入ってこい」
 教室に入ってきたのは、女子だった。
 綺麗なロングの金髪を翻して教壇に登り、空色の瞳で教室の中を見渡すと、
「父の仕事の都合でアメリカから来た、センストファー・F・J・ハートスミスでス。まだ
日本の文化に慣れていないので皆に迷惑をかけるかもしれませんが、精一杯頑張りマスの
でので宜しくお願いしまス」
 薄い唇から流れてくるのは流暢な日本語、だが外見はまごうことなく異国の地から来た
ことを如実に物語っていた。アメリカの視点で考えればそれ程高くないのだろうが、日本
の見方をすれば特別小柄な訳ではない。すらりとした手足は長く、白い肌はきめ細かい。

 そして何よりも目を引くのは大きく隆起した制服の胸部。豊かな二つの膨らみはアメリカン
サイズ、遺伝子と食文化が作り上げた奇跡がそこにあった。
「皆、彼女が困っていたら助けてあげるように」
「お願いしマス」
 彼女が浮かべた笑みにクラスの皆が応える。
「それと、カメ」
 アズサ先生は僕を睨みつけるように見ると、スーツを良い音で鳴らしながら指差し、
「何も知らないからって、センスに妙なことをするなよ?」
「あの人は妙なことをするんでスカ?」
「しねぇよ!!」
 初対面なのにも関わらず、蔑んだ視線で指差してくるのはどうかと思う。アズサ先生の
言葉はもう慣れてしまっているから我慢できるとしても、正直このメリケンガールは失礼
すぎると思う。
「それに、僕がいつ妙なことをしたんですか? なぁ、皆!?」
 クラスの皆を見ると、何故か全員が気不味そうな表情をして目を反らした。最後の砦、
水樹にも視線を向けるが、乾いた笑い声と共にそっぽを向かれた。常識的な行動しかして
いない筈なのに、何だろう。この疎外感は。
「そんな訳だ、クロ確定。民主主義は素晴らしいな」
「最後のチャンスを下さい!!」
 アズサ先生は腕を組むと黙り込み、視線を伏せた。
 数秒。
 僕の目を覗き込みながら元々鋭かった目を更に細め、
「巨乳は好きか?」
「そりゃもうガッツリと!!」
 思わず条件反射で答えてしまったが、言ってから後悔をした。センスは乳を隠すように
両腕で自分の体を抱き、顔を赤らめ、目尻に涙を浮かべながら何やら英語でマシンガンの
ように言葉を放ってきている。幾つか聞き覚えのある単語が耳に入り、それが罵倒のスラ
ングだと分かった。一歩後退しているのは怯えの現れなのだろうか。それにしても、巨乳
好き発言だけでここまで言われてしまう僕は何なのだろう。

 そして問題はもう一つ。
 殺気を感じて後ろに振り向いてみれば、あからさまに不機嫌そうなツルの顔があった。
怒っているという気持ちを前面に出しながらも笑みを浮かべる、という器用な真似をしな
がら僕の顔を睨みつけている。目が合うとツルは口の端を歪め、
「良かったわね、アンタの大好きな金髪巨乳外人よ? 貧乳のあたしなんかは無視して、
せいぜい仲良くしなさいな」
 言い終えたあと、鼻を慣らしてそっぽを向いた。いかにも僕のことなんかどうでも良い
とか、気にしていないという表情や態度だけれども、それが意思と裏腹な行動だというの
が前進から発せられる威圧感で痛い程に伝わってくる。軟化したと思っていた態度も、今
や昔と同じ状態に逆戻だ。
 何とも居心地が悪い。
 前門の虎、後門の狼とは正にこのことだろう。
 しかしアズサ先生はそんな僕の様子を構うことなく、
「取り敢えずあそこ、そう一番窓側の最後尾だ。そこに座れ」
 指示した場所は僕の二つ後ろ、つまりツルの後ろの席になる。センスは素直に頷くと、
それに反比例するような速度でゆっくりと歩き始めた。特に深い理由はなく、なんとなく
歩くセンスを眺めていると、
「デ・レ・デ・レ……すんなァ」
 言葉と共に頭に衝撃が来た。



 体がゆっくりと揺すられる感触で、目が覚めた。
「夢オチか?」
「やっと起きたと思ったら、何いきなり奇天烈発言してんの? 保健室じゃなくて病院の
方が良かった?」
 薄く目を開き、聞き慣れた声のする方向に視線を向けるとコイの顔がある。いつものよ
うに眉間に皺を寄せ、蔑んだ表情で見てくるのが寝起きには辛い。せっかく可愛いい顔を
しているのだから、もっと笑えば良いと思う。
「悪かったわね、ツルじゃなくて」
「いや、別に」
 僕が黙っていたのは寝起きだったからだが、それをどう勘違いしたのか憎々しそうな声
を投げ掛けてきた。意味が分からず黙っていると、今度は舌打ちを一つ。自己判断で機嫌
が悪くなっていくのは構わないけれど、それをぶつけないでほしいと思う。
「何でここに?」
「私だって好きで居るんじゃないわよ。ツルにぶん殴られてアンタが気絶したから担いで
きたの、保健委員だし。全く、最悪よ」
「悪うござんしたね」
 何故こんなにも悪態を尽かれなければいけないのだろうか、そんな気分が自然に言葉に
なり、口から溢れて出てきた。ツルだったらこれ程ではないし、仲良く話でも出来るのに
、と思うと溜息が出る。気を失う前以上に、空気が重い。
「……悪かったわね、こんな女で」
 表情に表れていたのかと思いコイを見るが、僕の顔など見ずに物鬱気な表情で床を向い
ていて、そこにはいつもの覇気がない。ツルもそうだが僕の周囲の女は落差が激しすぎる。
「そろそろ帰る、保健の先生には宜しく言っといて」
 その何故か沈んだ表情のまま立ち上がると、僕に背を向けた。
「まぁ待て、悩みがあるんなら聞いてやる」
 数秒。
 コイは振り向かず、呟くような声で、
「カメ。アンタさ、ツルとヤった?」
 これは、正直に言っても良いのだろうか。

「取り敢えず、こっちを向け。話はそれからだ」
 誤魔化しているな、と思いながら声をかける。
「うん……ってアンタ何立ててんのよ!!」
 急に雰囲気が変わり、何事かと思ってコイの視線を辿る。その先にあったのは、元気な
状態の僕のシンボル。僕の意見など無視して我が儘に自己主張をしているそれは、ズボン
にテントを作り上げていた。
「待て!! これはさっき起きたばかりだからで、別にやらしいことは関係ない!!」
 叩き潰すように落とされた踵をギリギリのところで受け止める。危ないところだった、
短い人生を共に歩んできた相棒をこんなところで失ってしまう訳にはいかない。この先、
一緒に居ることが出来なくなったら僕はどうして良いのか分からない。
 しかしコイは尚も踵を押し込み、
「起きたら立つって、ンな訳ないでしょ!? 」
「ンな訳あるんだよ!! 授業で習わなかったのか?」
「え、嘘?」
 足の力が弱まってきた。後は、使いたくなかったが最終手段。
「水色!」
 最初は訳が分からないという表情をしていたが、数秒後、言葉の意味が分かるとコイは
スカートを押さえながらしゃがみ込んだ。顔を赤く染めたまま、低くなった目線でこちら
を睨みつけてくる。
「で、どうすんの、それ?」
 どうするもこうするも。
「出さないと、戻らないんでしょ?」
 そんなことはない、数分もすれば元に戻る。もし出さないでいると立ち続けるなら天国
かもしれないと思ったが、すぐにその考えを捨てた。大きいのは嬉しいけれども変態的で
恥ずかしいし、何よりも長い時間そんな状態でいると腐るという話を聞いたことがある。
比喩ではない腐れちんこには絶対なりたくない。
「私が、やってあげよっか?」
 は?
 驚いてコイを見ると、さっき以上に顔を赤く染めていた。
「で、するのしないのどっち?」

 そう言いながらもコイの手指は既にベルトを外し終え、パンツとズボンを掴んでいる。
僕が抵抗をしていなければ、今頃下半身は風を生で浴びていただろう。保健室で、と言う
か校内でそんなことをしたら本当に人間失格だ。いや、ツルとは一度しているけれども。
「痴女!」
「痴女じゃない!」
 コイのあまりの剣幕に負けて手を離してしまい、気合いの一言と共にスボンとパンツが
降ろされた。結果、僕のちんこが白日の元に晒されてしまう。
「凄い」
 凄くなくても良いから、早く手を離してください!! それと観察も止めてくれると嬉し
いです!! そして今見たものを忘れて下さいお願いします!!
 そんな僕の心の叫びも虚しく、コイは竿を握り、
「これから、どうすんの?」
 どうもすんな!!
「そう言えばアンタ、おっぱい好きだったよね?」
「まぁ、好きだけど」
 言うなり、コイは制服のボタンを外してブラをたくしあげた。正確な大きさは分からな
いが推定でEはあろうかという乳が溢れ、はずみで大きく扇情的に揺れ動く。非常に興味
深いが、しかし今はそんなことは問題ではない。
「何でこんな事すんだよ?」
「あのね、私、嫌な娘だよね?」
「いや、そうは思わん」
 僕に対しては辛く当たるときが多いが、基本は良い娘だ。
「でもね、それでも」
 言いたいことはなんとなく分かった。
 僕は吐息を一つ。
「好きにしろよ」
「うん」
 答えながら、コイは胸で挟んできた。ツルでは再現不可能なその感触は、不思議な圧力
で僕を刺激する。口とも膣とも違う、しっとりと濡れたスポンジのような感覚だ。ツルの
乳も柔らかかったが、これはそれ以上の柔らかさで圧迫をしてくる。
「気持ち良い?」
「気持ち良い」
 答えは不思議と、素直に出てきた。しかし、言葉が続かない。
「何か言ってよ」

 僕は少し考え、
「おぉっと、右の乳選手大活躍だぁ! しかし左の乳選手も負けてはいない! 更に口も
乱入してきて開場は大混乱! おっとここで乳がタッグを組んだ! 左右乳選手と口選手、
勝利の栄光はどちらに輝くのかァ!?」
「黙れ!!」
 竿を強く握られ、思わず言葉が止まった。それを確認するとコイは再び竿を挟み、胸を
上下に揺すり始めた。思わず声を漏らすと、追い撃ちをかけるように亀頭に舌をのばして
くる。鈴口を舌先でこじり、カリをなぞり、裏筋を唇で甘噛みしてきたりもする。先端と
竿、両方同時に責められ、限界が近くなってきた。
「出そうなの?」
 頷くと、コイは深く口に含んだ。そして今まで弱く揉んでいた胸にかける力を強めて、
これまで以上に圧迫してくる。亀頭全体から伝わってくる快感や、とろけそうな胸の感触
は、僕が我慢することを許さない。
「も、出る」
 直後。
 コイの口内に出してしまったが、それだけでは収まらない。咳き込んで口を離してしま
ったせいで、髪や顔、制服や胸までもを汚してしまった。
「あ、ビクビクしてる」
 出した直後は敏感になっているせいで、笑いながら胸で擦られると強烈な快感が背筋を
駆け抜けていく。それが面白いのか、漏れる声に合わせてコイはそれを数度繰り返す。
 その光景を見ながら、ふとあることに気が付いた。
「お前、レズじゃなかったんだな」
「当前でしょ、この腐れちんこ!!」

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最終更新:2007年08月04日 09:00