隣の客は良く柿食う客だ

隣の客はよく柿を食う客だった。ひたすらに食べていた。彼は柿を食う為だけに、柿は彼に食われる為だけに存在している。そんなように思われて仕方がなかった。なぜ柿を食うのか何度か尋ねたい衝動に駆られたが、私はその完璧な関係性に、純粋な客観で関わりたかった。隣の客は、よく柿を食う客だった。

基本情報

  • テンプレ名:「隣の客は良く柿食う客だ」
  • テンプレジャンル:B,D,F

概要・使い方

「隣の客は良く柿食う客だった」から想起されるストーリーの考案

流行った時期

2011年6月~

元ネタ

知名度の高い早口言葉のひとつ。

上記以外の使用例

隣の客はよく柿食う客だった。前の客も、後ろの客も。そして僕も――この星の全ての人間が、柿を食べていた。あるとき僕の頭にひとつの疑念が浮かんだ。「なあ、俺たちはどうして」 間髪入れずに隣の客が呟く。「考えるな。疑った瞬間、俺たちは終わりだ」 70億人の柿の咀嚼音が、惑星に木霊した。

隣の客は良く柿食う客だった。好きだった女から振られ、立ち入ったバー。浴びるように飲む私を、静かに柿など食べながら見つめる少女。なんで、声なんてかけてしまったんだろう。惹かれてしまうのは分かっていた。そしてそれが叶わないという事も。甘ったるくて、でも少し苦い。柿みたいな、恋だった。

隣の客はよく柿食う客だった。 「お一ついかがですか」 顔に垂らしたヴェールの向こうから聞こえる艶やかな声。差し出された柿を受け取りかじってみる。甘みと、君を連れ去る儚い想像が口に広がった。 名前も顔も身の程も知らない、名乗ることすら叶わぬ恋。甘みは渋みに変わり、僕は顔をしかめた。


その他

最終更新:2012年07月24日 22:24
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