MELTY BLOODのシステム

システム
弱、中、強威力の攻撃に対応したA、B、Cと「シールド」に対応したDの4つのボタンと8方向認識のキーを用いてプレイする。また、アーケード版Ver.Bからは操作の簡略化のために「クイックアクション」のEボタンが追加された。ここでは文面上の都合で各ボタンの略称と入力キー方向をテンキーに例えた数字で表記することとする(例:「真下、右斜め下、右、中攻撃」ならば「236+B」となる)。
マジックサーキット
他の対戦型格闘ゲームでいう「パワーゲージ」に相当するゲージ。上限は300.0%まであり、必殺技の強化版である「EXエッジ」や「超必殺技」に相当する「アークドライブ」に使用する他、「シールド(長押し)」や「強制開放」などに必要となる。他のゲームの「パワーゲージ」と違うところは、300.0%まで貯まり切ると「ゲージMAX」となり、ゲージが黄色くなって時間と共に減少していき、ゲージがなくなると200.0%のところから再び貯まっていくというサイクルを繰り返す点である。
「ゲージMAX」中はゲージのパーセンテージ表記の部分が、『Re・ACT』では“HEAT”、『Act Cadenza』では“MAX”の文字になり、「EXエッジ」など減少するゲージを一定量消費して使用できる他、「アークドライブ」をその時点にある全てのゲージを消費して使用することができる。通常の状態と違って、ゲージ消費行動を連続使用しても時間終了後に200.0%(「アークドライブ使用後」は100.0)残る点で、有利な状態である。
強制開放
地上に接地している状態でABCボタンを同時押しするか、キーを入れずにEボタンを押すことで発動する。その時点の条件によって移行する状態が異なる。発動した瞬間に相手を大きく壁際まで吹き飛ばす攻撃判定が発生するが、発動時の硬直も長めであるため、使用する機会を選ぶ必要性がある。
ゲージが通常の状態のときに、硬直状態でなければ「ヒート」状態に移行する。キャラクターが青いオーラを纏い、ゲージが青くなり、パーセンテージ表記が“HEAT”に変わる。この状態では「ゲージMAX」と同じ効果のほかに、画面上の黄色いライフゲージの隣にある赤い「ヴァイタルソース」の部分が行動可能時間中に黄色いライフゲージに変わっていく(カプコンの格闘ゲーム『ヴァンパイア』シリーズの「回復可能ゲージ」に近い)。ゲージがなくなると終了となり、「ゲージMAX」と違って、ゲージは0.0%からの貯め始めとなる。
「ゲージMAX」の状態で強制開放を行うと、「ブラッドヒート」状態となる。パーセンテージ表記が“BLOOD HEAT”となり、黄色いオーラを纏う。「ヒート」よりも遥かに早い「ヴァイタルソース」回復速度を持ち、「アークドライブ」がその強化版「アナザーアークドライブ」に変化したり、キャラクターごとの条件下で「EXシールド」を成功させると、隠し必殺技「ラストアーク」が発動する、「EXエッジ」使用時の減少幅が小さい、といった点で優遇がされている。しかし、「ゲージMAX」状態中に安全に強制開放する機会は少ない他、終了後のゲージは0.0%になってしまう。
キャラクターが地上にいながら、ダメージまたはガードしていて行動ができないときに強制開放をすると、攻撃判定だけを発生させて相手を吹き飛ばす「サーキットスパーク」になる。発動後、ゲージは0.0%に戻る上に、「ヒート」や「ブラッドヒート」と異なってヴァイタルソース回復効果がなく、使いどころを誤ると大幅に不利になる。ただし、うまく相手に当てることができれば相手の攻めから抜け出せるため、使用価値は十分にある。『GUILTY GEAR』シリーズの「青バースト」と似ている効果だが、地上にいるとき限定であることとゲージMAX中限定であることから、使いどころは「青バースト」に比べて少なく難しい。『Actress Again』では空中でも「サーキットスパーク」が使用可能となっているが、常時使えるわけではなく「ゲージMAX」時限定となっている(初期のバージョンでは「ブラッドヒート」中も含む)。
「EXエッジ」がどれも優れた効果を持つこのゲームでは「マジックサーキット」を攻撃に使うか、「ヒート」による回復効果に回すかというゲージ配分の戦略が駆け引きの中に組み込まれている。
ビートエッジ
“弱→中→強”の順番ならば、動作の終わり際の隙を無視(キャンセル)して攻撃が繋がるという、通常技による連続攻撃のシステムで、『ヴァンパイア』シリーズの「チェーンコンボ」に近い。ただし、このゲームの場合は「強→弱」といった逆の方向へもキャンセルが利くという特徴がある。これを「リバースビート」と言い、その際には威力減少補正が乗算式に加わるため、同じ弱と強の連携でも「リバースビート」させると威力が下がる性質を持つ。これによりコンボを容易に繰り出せる点で優遇しているが、リバースビートを多く含むコンボや、弱攻撃に繋ぐことによる隙の減少を冷遇する措置が取られている。
シールド
Dボタンを押すとキャラクターが白い発光体を掲げる動作をとり、相手の攻撃を防ぐことができる。これを「シールド」という。ガードと違い削りダメージがなくなる他、シールドが成功した場合ゲージが5%増加し、必殺技もしくは連続でシールドなどの行動でキャンセルすることができる(ただし通常技ではキャンセルできず、普通にキャンセルしなかった場合は相手からの反撃が確定する確率が高い)。また、相手の攻撃が来るタイミングにあわせて発動すると「EXシールド」となる。キャンセルしない場合の硬直は同じだが、EXシールドの場合は通常技キャンセルも可能になるため、タイミングを合わせるのは難しいが、成功した場合ノーマルと比べて反撃に回るのが楽になる。スタイルによってはゲージを消費することでシールド展開時間を少しの間延長することができる。
相手の攻撃を受け止めなかった場合は隙が生じ、成功/失敗を問わずガードゲージの耐久力が減少するため、使用には注意が必要である。
他に、「214+D」のコマンドで発動できる「シールドバンカー」が存在し、発動直後の一瞬に「シールド」の効果があり、その後専用攻撃を行う。また、ガード中にゲージを50.0%消費して「214+D」のコマンドで発動できる「ガードキャンセルシールドバンカー」もあり、ほとんどの確率でガード中からバンカー専用攻撃での反撃が可能になる。ガードキャンセルシールドバンカーをさらにキャンセルすることも可能であったが、タイミングはシビアであり、また『Actress Again』では削除された。
上級者同士の戦いでは相手の攻撃を予測して「シールド」で防ぎ、反撃するシーンが多く見られる。
このほか、シールド成功時に「236+D」のコマンドで発動する固有技「シールドカウンター」も存在する。『Re・ACT』で追加されたシステムであったが、『Act Cadenza』では削除されており、『Re・ACT』においても『FinalTuned』への移行と同時に削除されている。最新作『Actress Again』では後述のフルムーンスタイル、およびハーフムーンスタイルで再び使用可能になっている(操作方法はスタイルにより異なる)。
ガードブレイク
『Actress Again』から導入されたシステム。
攻撃のガードで体力ゲージ下の青いゲージ(ガードゲージ)が減少してゆき、ゲージがゼロになると発生、ガードしていた側のガードが強制的に解除され、長い隙を晒してしまう。「避け」や「シールド」を使用するとガードゲージの色が「青→黄→赤」と変化し、ゲージの減少幅が大きくなっていく。減少後、ガードしない時間に比例して回復してゆく。『ストリートファイターZERO』シリーズなどと同様の待ち防止のシステムと言えるが、むしろゲージが尽きる寸前における攻防に際しての駆け引きを楽しむギミックの一つと言える。
スタイル
『Actress Again』から導入されたシステム。プレイヤーは以下の3つのスタイルから一つを選択することとなる。スタイルごとに性能が異なり、各種打撃技の繋がりや従来とは異なる変更点が導入されている。
スタイルは画面上のキャラクターバストアップの下にあるマークで確認できる。
クレセントムーンスタイル
従来のシリーズの性能を踏襲したスタイル。マークは三日月。
必殺技の変更は少なく、「リバースビート」が有効、ダッシュ距離を初めとした機動力が高いなど、それまでのシリーズのノウハウを使って楽しめる仕様となっている。
しかし、新システム導入にあたり、各種通常技の接触範囲が狭くなっている。そのため、前バージョンでは安定して決まっていたコンボが不確定になったり、ガードゲージ減少量が少ないため「ガードブレイク」が他のスタイルよりも狙いにくいなど、ある程度のデメリットも備えているが、基本的にはニュートラルな中級者向けスタイルである。
フルムーンスタイル
ラッシュ力よりも立ち回りの幅の広さに重きを置いたスタイル。マークは満月。
最大の魅力は、プレイヤーの任意で「マジックサーキットゲージ」を溜められ、能動的に「BLOOD HEAT」を狙いにいけたり、「強制開放」後の攻勢維持もしやすいといった、他のスタイルにはない堅実味で、微調整程度にとどまった前シリーズよりもより大胆な変更がされている。
反面、「リバースビート」が削除されているのが大きなマイナス点と言える。各種攻撃技の改定によってコンボの面は改善されているものの、“抜けづらいラッシュをガードさせて、そこから緩急をつけてラッシュから逃げようとする相手を捕らえる”という攻めを成立させづらくなっている点が大きなデメリット。マジックサーキットMAX時しか強制解放できないが、回復が一瞬で済むため他のスタイルに劣ることはない。普通に解放すると「BLOOD HEAT」状態、攻撃中に解放すると「HEAT」状態になる。トータルで戦い方をマネージする必要がある上級者向けスタイルである。
ハーフムーンスタイル
さまざまな操作が簡略化されたスタイル。マークは半月。
クレセント、フルムーンの両性質を併せ持ち、リバースビートが可能、なおかつ独自の技も存在するなど、単なる中間に収まらない独自性を有する。
また、「ゲージMAX」になると特定動作抜きで自動的に「HEAT」となり、全自動で「ヴァイタルソース」部分の体力が「BLOOD HEAT」以上の速さで回復する。Version.Aでは回復速度が大幅に低下した。「HEAT」時に攻撃を受けると自動で「サーキットスパーク」が発動するという部分が大きな簡略部分となる。
システムの特性上、ゲージが溜まった状態でダメージを受けると「サーキットスパーク」が発動するため「サーキットスパーク」後の隙を狙われやすく、任意で「強制開放」できないため体力回復の機会を逃しやすく、ここぞというときに体力の回復ができないなどの大きなデメリットを内包しているため、スタイル特性の利点だけを活かして戦うわけには行かないというのが難点といえる。その代わり、強制開放のタイミングを伺う必要がないなど、基本的には初心者からでも扱いやすいスタイルである。なお「アナザーアークドライブ」と「ラストアーク」は発動できない。シールドは持続不能であるが、シールド成功時は自動的に反撃が発動するため、シールドからの切り返しが簡単にできる。
イクリプススタイル
ボス専用スタイルでマークはなし(月が見えない)。
システムはクレセントムーンスタイルに近く、「マジックサーキットゲージ」が自動で増える。
PS2版『Actress Again』のボスラッシュモードに登場する敵は一部を除いて全てこのスタイルとなっており、過去作でボスとして登場したものと性能が一緒になっている。プレイヤーが使用できるのは逆にイクリプススタイルしか持たないアルクェイド(姫)のみ。
元々はプレイヤーが使用可能なスタイルのひとつとして考案されたものの、開発段階で没になったということがボスラッシュモードのストーリーで明かされている。
Ver1.07でリーズバイフェのみ追加されたシナリオで1戦だけこのスタイルで戦えるところがある。上記の要素に加え、移動速度の増加やスーパーアーマーなどやりたい放題になっている。

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最終更新:2012年01月29日 14:43