北東部にある港町では夏祭りが開催されていた。
港町から目と鼻の先にある浜辺には、
賑やかな町と月が微光を照らしていた。
その浜辺に町の賑やかな雰囲気とは裏腹に
陰鬱な表情を浮かべる青年が独り座り込んでいた。
俺はどうしたらいいんだろう。
青年は将来についての二者択一に苦悩していた。
この国では水球が盛んで、プロリーグも存在する。
そのリーグ内でも強豪と名高いチームが、
ロスクイーンシティに本拠地を置いていた。
青年は幼少よりそのチームで活躍することを夢見て、
現在では練習生として、チームの練習にも参加することができた。
このまま順調にいけば俺もプロの水球選手に、そしてロスクイーンのチームに在籍できる。
だが、俺には迷いが生じていた。
親父は地元でも名の知れている漁師なんだけど、
昔気質というか何も伝えようとはしないが、
わかる、俺に後を継いで欲しいのだと。
水球の道を選ぶか漁師としての道を選ぶか
二者択一、嗚呼、二者択一
話は変わるけどさ、あの・・恥ずかしいんだけど、
俺には好きな子もいてさ、
港町でダイニングバーを経営しているミミって女の子なんだけど、
俺がロスクイーンに移ったら、ミミとも会い辛くなるだろうな、なんて。
この港町に残るか、ロスクイーンシティに移るか。
二者択一、嗚呼、二者択一
「あ、こんなところにいたのか。そろそろ花火の打上の時間だぞ。峠にでも行って観ようぜ」
「ああ。」
どちらにしろ近いうちに決めなきゃね。
最終更新:2009年07月06日 22:13