競馬の歴史はとても古く、人と馬が共存して暮らすようになってからとほぼ同じくらいの歴史があります。家畜として馬が飼われるようになったのは紀元前3000年頃と言われています。
古代ローマ帝国では貴族が所有している馬を走らせて速さを競うという競技がすでに確立されていて、それがギャンブルの対象になっていたという記録があるそうです。
古代ローマの頃に行われていた競馬というのは、当時の戦車を引きながら馬が速さを競ったというスタイルだったそうです。
その後、中世ヨーロッパでは貴族が所有する馬を競馬場という施設で走らせるという競技が人気を博しました。特にイギリスでは盛んで、貴族にとっての たしなみのようになります。諸外国ではほとんど行われていませんが、馬にまたがって人間が競技するポロというスポーツがイギリスだけで盛んなのも、競馬が 関係しているそうです。
1540年、イギリスに世界最初の競馬場「チェスター競馬場」が建設されたことが、公式なルールに基づいて行なわれる、「近代競馬」の発祥とされています。
イギリスから始まった競馬は大英帝国の広がりとともに世界各国で広まり、それぞれの場所で盛んに行われるようになりました。
1700年頃には、競走馬の品種改良の経てサラブレッドが誕生すると、フランスやカナダにも伝播し、1752年にはアイルランドで初めての障害レースが行なわれました。
現在でも旧大英帝国だった場所には競馬の文化がしっかりと根づいています。オーストラリア、香港、シンガポールなどはその中でも代表格と言えます。
一方、日本最古の競馬の記録は701年(大宝元年)までさかのぼります。日本古来の競馬は「くらべうま」などと呼ばれ、元々は宮中の儀式や神社の祭礼などの神事として行なわれ、2頭の馬を直線の馬場で走らせるものでした。
ギャンブル性のある洋式競馬は、鎖国が解かれてから1860年、横浜に設けられた外国人居留地内で初めて行なわれました。
866年には幕府が横濱競馬場(根岸競馬場)を建設しました。その後、各地に広まっていきましたが、治外法権に守られた居留 地競馬に対し、日本人の競馬では馬券の発売は禁止されていました。この時期の競馬において競走馬として用いられたウマは主に日本の在来種およびその雑種で した。。その後、紆余曲折を経て大正12年に競馬法が制定され、公認競馬団体に限り馬券発売が可能になりました。
昭和11年に日本競馬会が創設され、競馬場などを財産は日本競馬会が所有することになりました。
また、畜産組合や馬匹改良増殖を目的とした団体によって開催された地方競馬は、太平洋戦争中に軍馬育成や軍費調達を目的として馬券の販売が認められ、戦後は地方公共団体の財源不足を補うことを目的
として盛んに開催されました。昭和23年に制定された競馬法により、都道府県及び市町村主催で競馬が実施されることになり、現在の地方競馬の形に整えられました。