競走馬(サラブレット)とは
サラブレッド(Thoroughbred)とは、「完全に品種改良されたもの」という意味です。人を乗せて速く走ることのみを目的とし、品種改良を行い、人工的に作られた競走用の馬です。
現在でも、競馬で勝つことのみを目的として日々交配と淘汰とが繰り返されいます。サラブレッドは人が創り出した最高の芸術品とも言われています。
サラブレッドと認められるためには色々な規定をクリアしていなければなりません。例えば「人工授精など人為的な方法による受精は認められておらず、自然交配でなければならない」「両親がサラブレッドでなければならない(サラブレッド系種に8代連続サラブレッドを掛け合わせたものはサラブレッドと認められる場合がある)」などです。
血統の良い馬や優秀な成績を残した馬は億単位の価格で取引されることもあります。主な生産国はアメリカ、オーストラリア、アイルランド、日本等であり、世界では毎年11万頭ほどが生産されているそうです。
17世紀のイギリスで、在来の牝馬と中東のアラブ馬を交配し、優秀な牡馬を種馬としてさらに交配を重ねました。アラブ馬との混血によって優れた競走能力を引き出し、その能力を固定するために血統を絞り、この品種改良を何度も繰り返してサラブレッドが誕生しました。実際は多くのアラブ馬との交配が試みられたのですが、長い年月のうちに淘汰され、3頭の血統のみが現在に続いています。
これが「三大根幹馬」「三大始祖」と呼ばれる、「ダーレーアラビアン(Darley Arabian)」、「ゴドルフィンアラビアン(Godolphin Arabian)」、「バイアリーターク(Byerley Turk)」です。全てのサラブレッドは、血統さかのぼれば必ずこの3頭のうちのどれかに辿り着きます。(ダーレーアラビアンが大半です。)
1791年以降からは血統登録が行なわれており、全てのサラブレッドは血統書がついていますです。
小さい頭、細く長い脚、発達した胸や腰の筋肉が身体的特徴です。速く走ることには向いていますが、神経質で怪我もしやすいデリケートな面があります。
細い脚は「ガラスの脚」と呼ばれ、速過ぎるスピードは骨折などのリスクになります。競走中に怪我をする場合も多く、治らない怪我と診断されれば「予後不良」で安楽死処分されます。ただ1本の脚の治療が長引くと、他の3本の脚に負担がかかり、蹄が腐敗する蹄葉炎という病気が発症したり、苦しんで死に至ることになります。
また、サラブレッドを生み出すといっても、牝馬は1年に1頭ずつしか仔を産めません。一方、種牡馬は1年で100頭以上の仔を出す馬もいます。有力な種牡馬の血は競走馬体系全体に影響を及ぼします。このことから、競走馬の血統は、主に父系によって系統分けされています。それでも父系が優秀でも母系が悪ければ優秀な仔は生まれにくいものです。
父に関してはほとんどの場合、GI実績などは申し分ないことが多いです。ですので、「良血馬」というものは、母や兄弟が良績を残している馬のことを言います。