書名

スキャンダルの世界史

書誌情報

  • 出版社(叢書・シリーズ名)
    • 文藝春秋
  • 発行年月日
    • 2009年11月25日
  • 版型 造本データ ページ数
    • 四六判 上製 557ページ
  • 定価
    • 3200円
  • 装丁
    • 関口聖司
    • カバー:1962年5月19日、マディソン・スクエア・ガーデンで開かれたケネディ大統領の誕生祝賀会にて「ハッピー・バースデイ」を歌うマリリン・モンロー
    • (C)Photofest / アフロ(表1)
    • (C)Gamma / Eyedea / アフロ(表4)

異版

目次

  • プロローグ スキャンダルの仕掛け 14
  • 第一部 古代ギリシア 神々を笑って
      • ギュゲスと魔法の指輪 31
      • 神々もころぶ 34
      • 喜劇とスキャンダル 39
      • ヘルメス像スキャンダルの真相 44
  • 第二部 ローマ スキャンダルの饗宴
      • スキャンダルがローマをつくった 57
      • カトーと名声 63
      • アフリカ汚職事件 69
      • カティリーナの陰謀 72
      • ローマ皇帝のスキャンダル・悪女たち 78
      • カリグラからネロまで 82
  • 第三部 中世 キリスト教とスキャンダル
      • 中世のスキャンダル 97
      • シャルルマーニュの尻軽娘たち 101
      • カノッサの屈辱 105
      • 十字軍スキャンダル 112
      • テンプル騎士団事件 121
      • ジャンヌ・ダルク裁判 129
      • リチャード三世の悪名 138
  • 第四部 ルネサンス 個性的な人間たち
      • ルネサンスとユマニスム 145
      • メディチ家の盛衰 148
      • サヴォナローラ現象 152
      • ボルジア家の悪徳 158
      • チェンチ家の悲劇 166
      • ジョルダーノ・ブルーノ裁判 171
      • カラヴァッジョの罪 174
      • ヘンリー八世と六人の妻 176
      • エリザベスの処女伝説 182
      • カトリーヌ・ド・メディシス 190
      • ルイ十四世と毒殺ネットワーク 194
  • 第五部 十八世紀 スキャンダルの時代
      • おしゃべりな十八世紀 205
      • 南海のバブル 208
      • 地獄の火クラブ 214
      • とてつもないウィルクス 218
      • ヘンデルの『メサイア』、スキャンダルを救う 222
      • 『ファニー・ヒル』とわいせつと検閲 225
      • ジョージ三世のスキャンダル一家 229
      • 美女ありき エマ・ハミルトン 233
      • ルイ十五世の時代 237
      • 王の秘密 240
      • アベ・プレヴォの冒険 241
      • エオンは男か女か? 245
      • カザノヴァ回想録 253
      • マリー・アントワネットの首飾り事件 256
      • ミラボー 革命の伊達男 259
      • サド侯爵 性の革命家
  • 第六部 十九世紀 革命の嵐の後
      • 混乱からリフォームへ 267
      • 快楽王子ジョージ四世 269
      • アーロン・バーの血統 272
      • ナポレオンの二人の妃 278
      • キャロライン王妃問題 281
      • バイロン卿のスキャンダル遍歴 284
      • 洋梨とルイ・フィリップ王――ドーミエ風刺画事件 286
      • ジョルジュ・サンドの男装 289
      • ヴィクトリア女王のスキャンダル嫌い 293
      • エロスのカルト集団〝オナイダ〟 296
      • ナポレオン三世のノン・ストップ・カーニヴァル 299
      • マネのヌード・スキャンダル 303
      • アメリカン〝ボス〟トウィード 306
      • パナマ運河事件 309
      • 〝切り裂きジャック〟はスキャンダルか 311
      • オスカー・ワイルドの世紀末 314
      • ドレフュス事件 軍事スキャンダル 317
  • 第七部 二十世紀スキャンダルの時代
    • 第一章 一九〇〇年代
      • 二十世紀スキャンダル特急 323
      • シカゴの悪徳の噂 324
      • ニューヨーク社交界の殺人 327
      • シオドア・ルーズヴェルトの時代 329
      • マックレーカー(醜聞摘発者) 331
      • 『シスター・キャリー』のトラブル 333
      • エドワード朝の女の戦い 336
      • 裸足のイサドラ 338
      • 殺人鬼と無線通信――クリッペン事件 342
    • 第二章 一九一〇年代
      • タイタニックの陰謀 347
      • 人類の起源の偽造 ピルトダウン人 349
      • 『春の祭典』戦争 352
      • サンガー夫人――避妊は罪? 354
      • ラスプーチン ロシアの惨劇 356
      • 消えたロマノフ家 ロシア革命 360
      • 芸術の死、スキャンダルの生 362
    • 第三章 一九二〇年代
      • ハリウッドの笑いが止った日 366
      • デスモンド・テイラー殺人事件 370
      • 汚れたホワイトソックス 373
      • ハーディング大統領の不思議な死 375
      • ティーポット・ドーム・スキャンダル 378
      • 英国貴族の爵位売ります 381
      • サヴォイ・ホテルの出来事 383
      • サッコとヴァンゼッティ 387
    • 第四章 一九三〇年代
      • リンドバーグ 栄光から悲劇へ 392
      • スタヴィスキーの怪死 395
      • 悪名高きヒューイ・ロング 398
      • ボニーとクライド 俺たちに明日はない 402
      • 王冠を揺がす恋 シンプソン夫人 405
      • 火星人襲来 オーソン・ウェルズ演出 410
    • 第五章 一九四〇年代
      • 英国流ファシズム 414
      • ケニアのスキャンダル天国 418
      • トロツキー暗殺 421
      • ハリウッドの赤いブラックリスト 423
      • アルジャー・ヒスの偽証事件 426
      • エロール・フリンはスパイか? 428
    • 第六章 一九五〇年代
      • マッカーシーの台頭と転落 433
      • オッペンハイマー追放裁判 437
      • 男の酒池肉林『プレイボーイ』創刊 441
      • ラナ・ターナー ハリウッドの落日 443
      • マーガレット王女の冒険 447
      • クイズ・ショック 450
    • 第七章 一九六〇年代
      • ケネディの栄光と悲惨 455
      • マリリンよ、安らかに眠れ 459
      • プロヒューモ事件のドタバタ 461
      • モハメド・アリ タイトル剥奪 464
      • シャロン・テート殺人事件 466
      • チャパキディック事件のもみ消し 468
    • 第八章 一九七〇年代
      • ウォーターゲートをくぐって 473
      • プレスリー死す 476
      • セックス・ピストルズ 479
      • ジェレミー・ソープ事件 481
      • ハーヴェイ・ミルクのサンフランシスコ 484
      • ロックフェラーの情事 488
    • 第九章 一九八〇年代
      • ジョン・レノンとアメリカの狂気 492
      • レーガン大統領はスキャンダルに強い 494
      • デロリアンのハイスピード人生 496
      • クラウス・フォン・ビューローの疑惑 500
      • ロック・ハドソンの秘密の生活 502
    • 第十章 一九九〇年代・二十世紀末
      • ベルサーチとアメリカン・デカダンス 507
      • クリントンのセクハラ騒動 510
      • ダイアナの短い生涯 512
      • O・J・シンプソンの無罪 515
      • ウディ・アレンの重罪と軽罪 517
  • エピローグ 520
  • あとがき 523
  • 参考文献 526
  • 索引 557

あとがきより

私がスキャンダルに興味を持ったきっかけはケネス・アンガーの『ハリウッド・バビロン』と出会ったことであった。

これまで、コリン・ウィルソンやポリングなどによるスキャンダル集は書かれている。それは面白いスキャンダルのアンソロジーであるが、歴史として書かれたものではない。スキャンダルによって世界史を語ることができるだろうか。スキャンダルは人間の歴史とともにあるとしても、それぞれの時代の中で、歴史的に変化していくものとして語れるだろうか。私はそのことをやってみたいと思った。

今回の長旅の、私のぼろぼろで汚い旅日記の読みにくいノートをまとめてくれた編集者、丁寧に調べてくれた校正者の方たちどうもありがとう。そして人間の愚かしさと高貴さをたどったこの世界史を読んでくれる人が、大いに楽しんでくれることを願っている。

主な初出

書き下ろし

補記

最終更新:2010年01月03日 15:55
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