書名
カリフォルニア・オデッセイ 4 癒しとカルトの大地 神秘のカリフォルニア
書誌情報
- 出版社(叢書・シリーズ名)
- 発行年月日
- 版型 造本データ ページ数
- 定価
- 装丁
目次
- はじめに 1
- プロローグ 神秘のカリフォルニア 11
- 第一章 サイキック・カリフォルニア
- なぜカリフォルニアか? 26
- 神智学の聖地 30
- ニューソート運動 40
- シスター・エメの奇蹟 48
- カリフォルニア・カルト史 54
- OTOカリフォルニア支部 68
- 第二章 魔術師のハリウッド
- ヴァレンチノ伝説 80
- ジョン・バリモアとアーユルヴェーダ 96
- ハリウッド・スタイルの生と死 99
- 霊的なスターたち 111
- ハリウッドの占星術師 116
- ファッションと占い 120
- ジェーン・マンスフィールドとサタン教会 123
- シャーリー・マクレーン 130
- ハリウッドのシャーマン 138
- 第三章 カルトのふるさと
- サイエントロジー 150
- ルシファー・ライジング 164
- ガイアナ黙示録 176
- 第四章 東洋の誘惑
- アジアの光 186
- ビートと禅 194
- クリストファー・イシャウッド 203
- ブルース・リーのタオ(道)213
- 第五章 ビッグ・サー
- カリフォルニア・エデン 222
- ヘンリー・ミラー 226
- ジェック・ケルアック 236
- その後のビッグ・サー 244
- カリフォルニアの温泉 252
- エスリン研究所 259
- エピローグ エデンの生と死 282
- おわりに 291
- 参考文献 295
あとがきより
この巻はシリーズの中の一つの難所であった。カリフォルニアは不思議な地である。原始の山と海、ネイティヴ・アメリカンの呪術世界から、現代の新興宗教にいたるまで神秘的な気がたちこめているのである。その神秘の〈気〉といったつかみどころのないものを、カリフォルニアのトポロジー、そして現代のカウンターカルチャー、ニューエイジなどの現象のうちに描きたいと思った。
この発想は、現代の健康や癒しブーム、ニューエイジ、カルトなどの見取図をつくろうとした『
世紀末シンドローム』(新曜社 一九九八)を書いているうちに湧いてきた。ニューエイジやカルトのルーツの多くがカリフォルニアにあるのに気づいたのである。
第一章「サイキック・カリフォルニア」では、なぜこの地に超能力者、占星術者、神秘主義者といったサイキックが多いのかを、歴史的にたどってみた。
第二章「魔術師のハリウッド」は、魔術師の巣窟ともいえるハリウッドをあつかう。
第三章「カルトのふるさと」は、カリフォルニアにはびこるカルト、新宗教に触れる。
第四章「東洋の誘惑」では、西洋のはずれ、東洋のはじまり、というカリフォルニアのトポロジーを論じる。
第五章「ビッグ・サー」は、西海岸の、サンフランシスコとロサンゼルスの中間にある〈ビッグ・サー〉を癒しの聖地として明らかにする。
エピローグの「エデンの生と死」は、カリフォルニア=西方浄土のまとめである。
四巻目ともなると、これまでの三刷で登場した人や事件が再登場、別の相を見せることが多くなってきて、全体のつながりが見えてきた。ハリウッドもブルース・リーも入るような精神文化史を書きたいという私の夢は、いくらか実現しつつある。
このシリーズを書くことが、私にはますます愉しいものとなってきた。それをずっと支えてくれる編集部の小川さんに感謝する。
主な初出
書き下ろし
補記
最終更新:2007年03月15日 20:45