書名

陰謀と幻想の大アジア

書誌情報

  • 出版社(叢書・シリーズ名)
    • 平凡社
  • 発行年月日
    • 2005年9月14日
  • 版型 造本データ ページ数
    • 四六判 上製 299ページ
  • 定価
    • 2000円
  • 装丁
    • 間村俊一
    • カヴァー・表紙・扉図版:『復刻版「FRONT」』(平凡社)より

目次

  • プロローグ 歴史的想像力としての陰謀 7
  • 第一章 満州国 15
    • 「フグ計画」――満州にユダヤ人の国を 16
    • シベリア出兵――日本における反ユダヤ主義の出発点 21
    • 石原莞爾の満蒙占領論から独立論への転向 26
    • 満州にイスラエルを――極東ユダヤ人大会 30
    • 幻想の「満州」建国に動員された「陰謀の日本史」 35
  • 第二章 ウラル・アルタイ民族 41
    • 〈ウラル・アルタイ〉の現在 42
    • 〈大東亜共栄圏〉に重なる「ウラル・アルタイ=ツラン民族圏 45
    • 〈ツラン〉のベルトでつながるハンガリーと日本 48
    • 日本主義の枠を超えるツラニズム 53
    • 第二次大戦後、封印されたツラニズムの夢 57
    • 中央アジアに生きつづけるツラニズム 63
  • 第三章 日本人・日本語の起源 67
    • 不可思議な『日本語の起源』 68
    • 「日本語系統論」四つの説 73
    • 戦後の言語学に欠けている歴史的パースペクティヴ 77
    • 日本語と朝鮮語の歴史的つながりに関する新たな研究 80
    • 縄文語・高句麗語の研究と歴史的想像力の再構築 87
  • 第四章 騎馬民族説 95
    • 主観的な思いつきによる「騎馬民族説」 96
    • 江上波夫説への評価と反論 101
    • 佐原真の批判『騎馬民族は来なかった』 107
    • 戦前の満州で発想された「騎馬民族説」 110
    • 戦後を駆け抜けた〈満州〉の亡霊の騎士(ゴースト・ライダース) 115
  • 第五章 大アジア主義 119
    • アジア主義・馬賊・大陸浪人 120
    • 内田良平の「アジア連邦」構想 125
    • 「大高句麗国」論と、出口王仁三郎の大陸への夢 130
    • 軍部主導の「満州国」建設計画と昭和神聖会 133
    • 孫文の「大アジア主義」 136
    • 大亜細亜協会・東亜連盟協会・大日本興亜同盟 139
    • 幻の和平工作「繆斌工作」 143
  • 第六章 ユダヤと反ユダヤ 147
    • 四天王延孝の反ユダヤ主義 148
    • ナチズムと癒着した反ユダヤ主義 153
    • 日本中心の「日本・ユダヤ同祖論」 155
    • 「竹内文献」と「シオンの議定書」の不可解なアマルガム 158
    • 三笠宮のオリエント考古学研究 165
    • 世界紅卍字会と、出口王仁三郎の世界宗教連合会 168
  • 第七章 回教コネクション 173
    • 大川周明・井筒俊彦のイスラム思想研究 174
    • 近代日本とイスラムの関係 177
    • 在日外人ムスリムからの働きかけ 181
    • 来日したイスラム教徒の日本への期待 185
    • 在日トルコ・イスラム界の分裂と東京モスクの落成 188
    • 軍部と右翼に乗っ取られたイスラム運動 193
  • 第八章 モンゴル 199
    • 西北研究所と西北事情研究所 200
    • 日本帝国主義に守られた学術調査 204
    • モンゴルをめぐる日本とソ連の攻防 209
    • 徳王が追い求めた大モンゴルの夢 212
    • 自らの歴史に目覚めたモンゴル 218
    • 梅棹忠夫・江上波夫のモンゴル体験 223
  • 第九章 シルクロード 227
    • 〈シルクロード〉のロマンと陰謀 228
    • 中央アジアの支配権をめぐる英露の戦い 230
    • 探検家ヘディンのナチスへの傾斜 234
    • 大谷探検隊からシルクロード工作まで 237
    • ドイツ・アメリカ・日本のチベット探検の狙い 242
    • 日本のシルクロード学者に欠ける世界史的視点 249
  • 第十章 大東亜共栄圏 253
    • 南進論への転換と〈大東亜共栄圏〉の登場 254
    • 東亜協同体論と東亜連盟論 258
    • 陸軍、海軍それぞれの南進論 262
    • 転向をくり返した平野義太郎と太平洋協会 266
    • 自らの戦時について語らない、戦後の歴史家たち 270
    • 大東亜戦争下の南方における謀略工作 272
    • 戦時において、人間は敵対するだけでなく、人間的な絆もできる 275
  • エピローグ 279
  • あとがき 284
  • 参考文献 288
  • 索引 299

あとがきより

主な初出

書き下ろし

補記

最終更新:2007年02月01日 02:01
添付ファイル