書名
陰謀と幻想の大アジア
書誌情報
- 出版社(叢書・シリーズ名)
- 発行年月日
- 版型 造本データ ページ数
- 定価
- 装丁
- 間村俊一
- カヴァー・表紙・扉図版:『復刻版「FRONT」』(平凡社)より
目次
- プロローグ 歴史的想像力としての陰謀 7
- 第一章 満州国 15
- 「フグ計画」――満州にユダヤ人の国を 16
- シベリア出兵――日本における反ユダヤ主義の出発点 21
- 石原莞爾の満蒙占領論から独立論への転向 26
- 満州にイスラエルを――極東ユダヤ人大会 30
- 幻想の「満州」建国に動員された「陰謀の日本史」 35
- 第二章 ウラル・アルタイ民族 41
- 〈ウラル・アルタイ〉の現在 42
- 〈大東亜共栄圏〉に重なる「ウラル・アルタイ=ツラン民族圏 45
- 〈ツラン〉のベルトでつながるハンガリーと日本 48
- 日本主義の枠を超えるツラニズム 53
- 第二次大戦後、封印されたツラニズムの夢 57
- 中央アジアに生きつづけるツラニズム 63
- 第三章 日本人・日本語の起源 67
- 不可思議な『日本語の起源』 68
- 「日本語系統論」四つの説 73
- 戦後の言語学に欠けている歴史的パースペクティヴ 77
- 日本語と朝鮮語の歴史的つながりに関する新たな研究 80
- 縄文語・高句麗語の研究と歴史的想像力の再構築 87
- 第四章 騎馬民族説 95
- 主観的な思いつきによる「騎馬民族説」 96
- 江上波夫説への評価と反論 101
- 佐原真の批判『騎馬民族は来なかった』 107
- 戦前の満州で発想された「騎馬民族説」 110
- 戦後を駆け抜けた〈満州〉の亡霊の騎士(ゴースト・ライダース) 115
- 第五章 大アジア主義 119
- アジア主義・馬賊・大陸浪人 120
- 内田良平の「アジア連邦」構想 125
- 「大高句麗国」論と、出口王仁三郎の大陸への夢 130
- 軍部主導の「満州国」建設計画と昭和神聖会 133
- 孫文の「大アジア主義」 136
- 大亜細亜協会・東亜連盟協会・大日本興亜同盟 139
- 幻の和平工作「繆斌工作」 143
- 第六章 ユダヤと反ユダヤ 147
- 四天王延孝の反ユダヤ主義 148
- ナチズムと癒着した反ユダヤ主義 153
- 日本中心の「日本・ユダヤ同祖論」 155
- 「竹内文献」と「シオンの議定書」の不可解なアマルガム 158
- 三笠宮のオリエント考古学研究 165
- 世界紅卍字会と、出口王仁三郎の世界宗教連合会 168
- 第七章 回教コネクション 173
- 大川周明・井筒俊彦のイスラム思想研究 174
- 近代日本とイスラムの関係 177
- 在日外人ムスリムからの働きかけ 181
- 来日したイスラム教徒の日本への期待 185
- 在日トルコ・イスラム界の分裂と東京モスクの落成 188
- 軍部と右翼に乗っ取られたイスラム運動 193
- 第八章 モンゴル 199
- 西北研究所と西北事情研究所 200
- 日本帝国主義に守られた学術調査 204
- モンゴルをめぐる日本とソ連の攻防 209
- 徳王が追い求めた大モンゴルの夢 212
- 自らの歴史に目覚めたモンゴル 218
- 梅棹忠夫・江上波夫のモンゴル体験 223
- 第九章 シルクロード 227
- 〈シルクロード〉のロマンと陰謀 228
- 中央アジアの支配権をめぐる英露の戦い 230
- 探検家ヘディンのナチスへの傾斜 234
- 大谷探検隊からシルクロード工作まで 237
- ドイツ・アメリカ・日本のチベット探検の狙い 242
- 日本のシルクロード学者に欠ける世界史的視点 249
- 第十章 大東亜共栄圏 253
- 南進論への転換と〈大東亜共栄圏〉の登場 254
- 東亜協同体論と東亜連盟論 258
- 陸軍、海軍それぞれの南進論 262
- 転向をくり返した平野義太郎と太平洋協会 266
- 自らの戦時について語らない、戦後の歴史家たち 270
- 大東亜戦争下の南方における謀略工作 272
- 戦時において、人間は敵対するだけでなく、人間的な絆もできる 275
- エピローグ 279
- あとがき 284
- 参考文献 288
- 索引 299
あとがきより
主な初出
書き下ろし
補記
最終更新:2007年02月01日 02:01