書名
江戸星月夜
書誌情報
- 出版社(叢書・シリーズ名)
- 発行年月日
- 版型 造本データ ページ数
- 定価
- 装丁
- ミルキィ・イソベ
- 装画:鈴木春信「夜雨神詣美人」(東京国立博物館所蔵)
目次
- 異国の王女 9
- 蜆取り 20
- 遊女の妻 31
- 幽霊の敵討 42
- 火附盗賊改 53
- 三味線芸者 64
- 髪結 75
- 妖怪画家 86
- 荷い風呂 97
- 足洗い男 108
- はしご売 119
- 山師 130
- 歌道師範 141
- 町医師 152
- ふとんかぶり 163
- 紙屑買 174
- 大工と猫 185
- 針金売 195
- 陸尺 206
- 心太売 217
- 親孝行 228
- 菊作り 239
- あとがき 251
あとがきより
私はもともと、西欧のモダン都市を調べていたのであるが、しだいに東京を調べるようになり、さらにさかのぼって江戸をのぞくようになったのであった。江戸の日記や随筆を読んでいるうちに、そこにほんの数行ちらりと触れられている出来事が想像力をかきたてるようになった。特に興味があったのは、江戸の人々の芸や技であった。不思議な技術を持って江戸のあちこちに出没してくる人がいる。彼らはほとんど歴史には姿をあらわさず、一瞬通りすぎるだけだ。そんな見えない人々、地下の人々について書いてみたい、というのが最初のモチーフである。
『
江戸ふしぎ草子』ではフィクションとノンフィクションのあいまいな境界を狙ってみた。うれしいことに、鈴鹿市のユニークな文学賞であった斎藤緑雨賞を受けることができた。
私の仕事の中でも、一番風変わりで、冒険でもあるこの物語にずっと舞台を与えてくれた『花椿』の編集部に感謝を捧げる。そして『江戸ふしぎ草子』につづいて、河出書房新社の田中優子さんに本をまとめていただいた。
主な初出
『花椿』
補記
最終更新:2007年02月01日 02:10