歩いて、見て、書いて
楽屋裏のことは私事であり、語るのは恥ずかしいし、一般の読者には興味がないだろうと、私はこれまで〈私〉について語ることを控えてきた。しかし、私の本が書かれたいきさつを知りたいという人が入るなら、それについて、恥も含めて語ることを惜しまないようにしよう、と思うようになった。
この本もまた、百冊の本をふりかえれ、とすすめてくれた右文書院の青柳さんとの出会いによって生まれた。そしてグレゴリ青山さんが楽しい絵を添えてくれたのも、うれしかった。