書名

陰謀の世界史 コンスピラシー・エイジを読む

書誌情報

  • 出版社(叢書・シリーズ名)
    • 文藝春秋
  • 発行年月日
    • 2002年7月30日
  • 版型 造本データ ページ数
    • 四六判 上製 558ページ
  • 定価
    • 3200円
  • 装丁
    • 坂田政則
    • 図版:精美堂
    • カバー写真:(C)E O Hoppe/corbis/amana images
    • 写真:ロイター=共同通信社、UPI・サン・毎日、WWP、文藝春秋写真部

異版

目次

  • プロローグ コンスピラシー・セオリー 7
  • フリーメーソン 現代に生きる謎の秘密結社 29
  • ユダヤ 八〇年代アメリカのカウンター・カルチャーとしてのユダヤ陰謀説 49
  • イリュミナティ イリュミナティ(=エンライトメント)は悪魔の知恵か!? 79
  • ロスチャイルド 世界を植民地化しようという野望!? 95
  • ロックフェラー 金融、政治、大学、マスメディア……全米を支配した陰謀財団!? 121
  • ルーズヴェルト パールハーバー、ニューディール政策はルーズヴェルトの大陰謀!? 139
  • 英国王室 世界政府計画を背後で操る英国王室!? 153
  • フェビアン協会 世界を帝国主義へと導いた知識人エリートを作り出した!? 171
  • 三百人委員会 世界を支配している三百人のエリートによる謎の組織 187
  • 外交問題評議会(CFR) 世界征服を企むCFRの一大成果は国際連合!? 205
  • 財団 免税財団は新世界秩序、三百人委員会、イリュミナティの手先!? 223
  • 銀行 〈連邦準備制度〉がなければ世界大戦は起こらなかった!? 249
  • アレン・ダレス CIAを牛耳って、冷戦という大陰謀を操ったダレス兄弟!? 273
  • CIA 九・一一の背後にあるアフガニスタンとドラッグとCIAの関係とは!? 295
  • ケネディ ケネディ暗殺にまつわる七つの陰謀のセオリー、真実はどこに!? 321
  • ニクソン ウォーターゲート事件の裏の裏とは!? 339
  • キッシンジャー イスラエルのレバノン侵攻を操ったのはキッシンジャー・アソシエイツ!? 353
  • レーガン 幻想と現実が混じったイラン・コントラ事件、スター・ウォーズ計画!? 369
  • ブッシュ 歴代米大統領の中で最も陰謀の多い男 383
  • クリントン クリントン・スキャンダルは英国王室の陰謀!? 397
  • KGB(ソ連情報部) ケネディ暗殺者オズワルドに関する六冊のファイル 409
  • MI5とMI6(英国情報部) 007から大学教授まで、エリート・スパイの裏切り!? 423
  • モサド(イスラエル情報部) エシュロン、プロミスはスパイ・マシーン・ネットワーク!? 437
  • ヴァチカン ナチス・マフィア・フリーメーソンと世界支配を計画!? 447
  • マフィア マフィアはなぜなくならないのか、養っているのは誰か!? 459
  • ハワード・ヒューズ ケネディのコネでヒューズ帝国乗っ取りを企てたオナシスの陰謀!? 471
  • マーチン・ルーサー・キング キング牧師を暗殺した第三の秘密情報機関!? 481
  • 超古代史 ニュー・エジプト学に秘められた反イスラム・反フェミニズムの陰謀!? 491
  • エイリアン・UFO ロズウェル事件でエイリアンの遺体は見つかったのか!? 505
  • ナチ・第四帝国 ナチ・コネクションは米国に引き継がれた!? 515
  • エピローグ 525
  • あとがき 533
  • 参考文献 537
  • 索引 558

あとがきより

きっかけはアメリカの大衆文化を調べていて、〈コンスピラシー〉(陰謀)ということばの氾濫におどろいたことであった。あれは□○×の陰謀だ、という考えを、コンスピラシー・セオリー(陰謀説、陰謀史観)というが、さまざまなセオリーが横行し、だれもがそこに参加できる。つまり、アメリカでは〈陰謀〉は大衆文化の現象となっているらしい。

〈陰謀〉を語るのに、私は二つの原則を考えてみた。第一、すべてはつながっている。第二、すべては今である。この二つの原則がないと陰謀史観は成り立たない。

この本を書いているうちに、〈陰謀〉のテーマが私のこれまでの仕事とつながっていることがわかってきた。十九世紀末のアール・ヌーヴォーをとりあげてから、私は、埋もれている、地下的な、もう一つのアートや文化の世界に興味を持ってきた。これまでの表のアート、表の文化から忘れられているものにひかれるのだ。

陰謀説には二つの面がある。裏話、ゴシップ、スキャンダルはだれでも好きだ。あの事件の真相は、実はこうだ、という話はみんな聞きたいと思い、だれでも自分でしゃべりたい。私も陰謀説が大好きなので、それについて書いてみたいと思った。

もう一つの面はパラノイアックなものである。自分は誰かに狙われている、操られているという被害妄想にとらわれるのである。

歴史に対して、〈私〉が決して中立でいられなくなることが、陰謀史観の特徴なのである。

埋もれた、地下の歴史を書きたいという私の願いが実現するように骨を折ってくれた門崎敬一さんの友情に感謝する。そして出版を引き受けてくれた文藝春秋の平尾隆弘さん、編集を担当してくれた田代安見子さん、どうもありがとう。

主な初出

書き下ろし

補記

最終更新:2007年02月15日 21:08
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