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【進め!番長グループシークレット部隊!】


希望崎学園図書室、第三書架の奥深く。
奥深く過ぎて古い照明の点検が行き届いておらず、外壁に面していないので日の光も届かない。
結果、むやみに薄暗い。まさに魔窟と言った趣の一角である。
その片隅。申し訳程度に用意された読書机と安っぽい椅子が置かれている。
そして、そこに彼女達はいた。

「……私達以外の連中は、能力を暴かれたようね」
そう言いながら、操り人形の手板(コントローラーとも言う、操り人形の操作器具だ)を両手に持ち、くいくいと動かしている少女。
落ち着いた色の衣服に身を包み、長い黒髪を背中まで伸ばしている。
彼女の名は、操裏くくり

「ふん。あいつらは俺達の中じゃ一番目から五番目にシークレット力が小さかったからな。残念だけど、当然さ」
そうこぼしながら腕組みをしている少年。詰襟の制服を軽く崩して着込み、腰には片手剣を装備している。
ちなみに、シークレット力は「しーくれっとぢから」と発音する。
彼の名は、情熱 大炎上

「まったく、こんな序盤で能力をばらされてしまうなんて、私達の面汚しですわね」
そうつぶやいて、読んでいた分厚い本をパタンと閉じた少女。他の二人よりは学年が上らしく、大人びた雰囲気をかもし出している。
軽くウェーブのかかった長髪をセミロングにし、身を包むのは制服。肩にはショールをかけている。
彼女の名は、冬頭美麗

以上三名。彼女らこそ、番長グループの秘密兵器。
その名もシークレット部隊である!(どーん!)

「……」「……」「……」

……?
シークレット部隊である!(どーん!)

「まあ、その、ね」「ぶっちゃけた話、なあ」「煽ってくれるのは悪い気分ではないのですけれども」

え、何この空気。
な、ナレーション担当に落ち度でも!?

「いえ。やりたいことはわかるの」「盛り上げてくれてありがたいんだぜ?」「でも、ですわねぇ」

三人は口々に言うと、さらにそろってため息をつき、最後に声をそろえて言った。

「「「早く能力情報公開したい……」」」

えー!?
そ、それは困るよ! 君達の能力の強さの一端は間違いなくその「秘密にしてる」って事自体にあるんだから!
そのアドバンテージを捨てちゃってどうしようってのさ!

「最初は楽しかったのよ。くくく私達には秘密兵器があるのよ、って」
「で、さ。秘密にしてるだろ? そうするとちらほら出てくるんだよ。あいつは魔人じゃなくてただ思わせぶりなだけの一般人じゃないかとか言う奴が」
「あれ、地味に傷つくんですわよね……特に、私達は秘密能力を除けば完全に一般人並かそれ以下ですから」

そう言ってため息をつく3人。ひ、否定はできないけど……。

「それで、この秘密を共有できる仲間が欲しい、って意気込んでこういう秘密基地ごっこを始めたはいい物の」
「最初に8人いたのがまずかったよなー。能力公開された5人、ぱったりこなくなっちまって」
「置いていかれた感爆発ですわよね……」

ため息がさらに重く! で、でも! それならダンゲロス本戦で暴れてやればいいんじゃないの?

「……それこそ、最初はそう思ったわ」
「でも、さ。今回のダンゲロス、本戦に報道規制(※)がかかるんだよ」
「私たちのかっこいい能力を見せ付ける場面が報道されないとか、がっかりですわ」

(※)SS、画像支援受付が本戦開始前段階で打ち切られることを指す。

き、君達は能力を隠したいのか隠したくないのかどっちなんだい!?

「「「両方」」」

欲張り……!


という訳で、シークレット部隊の皆さんも色々大変みたいなんだ。
この記録をごらんの皆さん、本戦での彼らの活躍を楽しみにしててくださいモン!
……って、あ、最後に口癖出ちゃったモン。

【進め! 番長グループシークレット部隊!】終わり
最終更新:2015年03月23日 20:42