茶色い声援

茶色い声援 

 作詞・作曲 YOTARO.OGUMA.IVICA.HACHIYA
 Produced by K.WAKABAYASHI 

2007年春合宿。最終日のシングル。25期で、『光速の寄せ』の異名を持つ男、ハティーヤ。迎え撃つは、31期で、『豪腕主務』の異名を持ち、岩崎に負けない『澄んだ眼』をしている男、ジャパン。この夢のような好カードの試合前のアップ中にそれは起こった。

ストロークを終え、ボレストのアップにとりかかる二人。ジャパンがストローク、ハティーヤがボレーをし始めたとき。

「ナイスショットで〜す!」 「ナーイスキャッチで〜す!」

突如、後方からハティーヤに降り注がれる、まるで25期まさみと27期のなおこのかけ声を足して2で割ったかのような、新鮮な声。

声の主は、ハティーヤのボレーの後ろでボールキーパーとして待ち構えていた、『阿佐ヶ谷の星』こと、31期のW林かなこさん(通称わかかな)。

その、現役時代ですら体験したことのない、2女からの予期せぬ『黄色い声援』に、逆に動揺したハティーヤさん。突然バキりだす。しかしなぜかニヤニヤしている。どうやら嬉しいようだ。

そんな、精神状態を乱したハティーヤに対し、田中が発した言葉。

「おー、俺たちで茶色い声援を送るっしょ。」

聞きなれない単語。しかし、一瞬でそれを理解したおぐゆうと福嶋は、即座に呼応し、3人でハティーヤをコート外から取り囲むようにポジり、声援とも罵声ともとれる、ドスの聞いたかけ声を蜂谷に浴びせる。

そんな光景を目の当たりにした、純粋無垢なわかかなさん。たまらず、

「ちゃ、ちゃんと応援しましょう!」

と、我々を諭すように言う。

しかし、そんな状況をよそに、みるみる調子を上げていくハティーヤ。パトリック・ラフターの全盛期を彷彿とさせるボレーを決めだす。

そして、ハティーヤの口から出た言葉…

「あ〜、やっぱり茶色い声援の方が気持ちいい〜」

どうやら我々25期クラスは、黄色い声援よりも茶色い声援の方が心地良いようである。

                                〜 完 〜

最終更新:2007年09月21日 19:33