マイアニメ > 1981年11月号


SF・スーパーギャグコミックアニメだっちゃ!


島津冴子:
私もとっても焼きもち焼きなのネ。ラムちゃんにはない魅力で迫ろうと思ってるけど、何かいいことないかしら…。でも、ラムちゃんにあたるより、男性にあたるほうが簡単かな!?

古川登志夫:
ぼくはふだんでもすごくお行儀が良くてマジメです。子供のころから内向的で自閉的な子供だったな。これからはあたるみたいに生きてみようかな。忍ちゃんとラムちゃんどつらもいいな…へへへ。

永井一郎:
ぼくは「うる星やつら」のオジャマ虫。動くお地蔵さんだと思ってる。昔は街にいましたよね。今はいないね…どこへ行ったんだろう!

平野文:
あたるくんのどこがいいかって!?私の星にはこういうタイプいないのよ!私の婚約者は意地汚いからイヤなの…星の男にはアキアキしてるの。あたるくんなら浮気しないでもいられそう!

緒方賢一:
わが息子なれどアホなのか、どうしようもないのか、いまだによくわからんなあ。やはり対話が必要かな……一度とことん話し合わねばいかんな!

佐久間なつみ:
あたるがああなのは、お父さんと私の組み合わせが悪かったのかしら…。お見合い結婚だったのが失敗かしら。

●全員一丸となりラムちゃん語に挑戦!!


SFギャグメルヘンの代表作といわれるのが、「ドラえもん」や「Drスランプ」だが、この「うる星やつら」は、それらを超えようという野心作だ。
その秘密が『ラムちゃん語』にかくされている。
前後の脈絡を無視し台詞やシーン。
笑いが過激的で瞬間的でパワフルなスピード感にあふれ、全宇宙的に広がっていくのだ、なぜか。
ワープ思考をアニメ的に表現しようというのだが、『異次元間瞬間移動語』を自由に繰るのは至難のワザだ。
いま、スタッフ、キャスト全員一丸となってラムちゃん語』の猛特訓中!

●油っこい画面にあふれるスピード感!!


テレビでは原作を半分に濃縮して十五分間ずつの二話分をまとめて放映する。
そのためにシナリオや演出の段階で、アクションの前後を描写することでスピード感あふれる手法で作ろうとしている。
それを、スタジオぴえろの油っこい絵にドッキングさせようというのだ。

スタッフの意気込みに応えようと声優さんのアフレコも過熱ぎみにスタート延長につぐ延長で、去る九月十九日の放映開始記念パーティも一時間遅れで開かれるありさまだった。
稀代の浮気男・諸星あたるを演ずる古川登志夫さんも、自身のイメージとは違うキャラクターだと弁解しながらも、二人の美女に囲まれて早くもワープ気味なのだ。

早くもラムちゃん旋風襲来の予感が!!


●第一話「うわさのラムちゃんだっちゃ!」
●第二話「町に石油の雨が降る」
「ウチと鬼ごっこするっちゃ」と突然空から降りてきた鬼形インベーダーラムのかわいさに、諸星あたるの理性は完全にぶっとんだ。だが、この勝負には地球の未来がかかっていた。なんとこの鬼娘は地球侵略にやってきたのだ。(第一話)

見事、ラムをつかまえて地球を救ったあたるだが、不運の星はあたるにつきまとった。ラムに一目ぼれした級友たちが、ラムを呼び返せと迫ってきたのだ。だが、もう一度会ったら、今度は確実にラムの婿にされる。前回ひょんなことから、ひよんなことになったあたるにとってまさにラムは鬼門。しかし、ラムを想う連中の決意は固い。やがて、上空に奇妙なUFOが現れた。ラムちゃん!(第二話)

第三話「宇宙郵便テンちゃん到着」
第四話「ペンギンつばめ大あばれ」
すっかり押しかけ女房になって諸星家に納まったラムに、ある日、雷とともに小包が届いた。中身は鬼つ子のテンちゃん。ラムのいとこである。ところが、この鬼っ子、カワイ子ぶりっ子の食わせ者。口から火を吐くパワフル坊や。あたるがラムの旦那と知って、ジェラシーの炎を燃やし始めた。(第三話)

あたるのいる所、事件が起こる。突然、ペンギンがあたるの教室に出現!あっという間に大混乱。もとはといえば、ラムにもらったお菓子をテンちゃんがツバメにやったことが事件の発端。このペンギンはツバメだったのだ?!?!責任を感じたテンちゃんのとった処置は、地球の常識をはるかに越えたまさにすさまじいものだった。(第四話)

原作者からのメッセージ!!


高橋留美子:
 53年9月から、週刊少年サンデーに連載されている「うる星やつら」は、現在も人気ナンバーワンの作品である。
 アニメ化にあたって「原作のテンポを失わず、原作を超える作品にして欲しいですね」評される彼女の世界がどう変わるだろう。

放送開始記念パーティーも盛大!

初回のアフレコ後、関係者一同がパーティーに参加して気勢をあげる。

主題歌は松谷祐子!!

松谷祐子:
「うる星やつら」の主題歌を歌うのは、松谷裕子。ジャズダンスが趣味というクリスタルギャル。劇団「メイフラワー」「芸能座」「東京ボードビルショー」等で演劇を学び、歌に!好きなアーティストは、エリス・レジスティービー・ワンダーRCサクセシコンという彼女。「うる星やつら」というニューウェーブギャグ満載のアニメにぴったしマッチしてるんじゃないかな。
レコードはキャニオンレコードより10月21日発売。たのしみだな!

シティ感覚で男と女…

山本優:
原作がとても面白いんですよ。センスがいいね。アニメにするにあたっては、タイムリーだと思うんですよ。それにこれから先、こういう感覚のものをやっていきたいし、だから当たって欲しいんだよね。
構成的には、もう最初からスターキャラクターをバンバン出していきたいわけ。ラムちゃんはもちろん、人気のあるテンちゃんとかサクラとかね。面白いものを作ろうという気の時は、僕らも遊びとしてやっていかなきゃダメな部分があるんですよ。そのためにも彼らは重要なキャラクターです。ストーリーはある程度、原作をもとにして、ローテーションを組みながらオリジナルを入れるという形。
以前やった「ヤットデタマン」に比べるとこっちの方がセンス的に新しいですね。「ヤットデタマン」の方はメカの遊びと瞬発的なギャグがパターン化されたところが面白かったけど、「うる星やつら」の方は、男と女の関係をシティ感覚で描いているでしょう。そういう面白さっていうのが「うる星やつら」の一番の魅力じゃないかと思いますね。

宇宙感覚のラブコメディー


岡正:
今までにないアニメーションというのが、この「うる星やつら」で実現すると思います。まず主人公のラムというのがインベーダーなのに小妖精的なキャラクターでしょう。かわいくてお色気もあって、どこか憎めない。そんな主人公は恐らくアニメでも初めてなんじゃないかな。
その上、ストーリー展開のハチャメチャさ加減、超短絡的ギャグ、テンポの早さ、どれをとっても現代にマッチしてますよね。今はナンセンスとスピード感の受ける時代だからまさに時代の先端を行く作品だと思います。Drスランプ」で成功したSFメルヘンに、ちょっと味つけしたという感じです。そういう意味では、アニメの流れを変えるための実験作品とも言えますね。だから、テーマソングも従来のアニメソングの考え方とはまったく違うサウンドを取り入れてみたんです。
作品自体を一言で言ったら宇宙的規模の青春ラブコメデイーとでも言いましょうかとにかく、まったく新しいタイプのアニメだとは言えるでしょうね。

ギャグアニメってなに…!?


小山高男:
「あたるなんて、あんな奴のどこがいいんだよ。ああ、あたるばかりがナゼもてる。ナアーッ!」と嘆くのは埼玉のフツ夫君。十七歳の彼には、いまだにガールフレンドが一人もいない。  
諸星あたるは男の鑑である。
あのラムをして「ダーリン、もう夜は寒いっちゃ!うちがあっためてやるっちゃー」しのぶだって負けていない。「あたるくん、どんな妨害も愛の前には無力なのよ……」
彼の前に次々と現れ、なぜかあたるに科をつくって秋波を送るようになる美女群。おユキクラマ姫、弁天、鬼子、サクラ……。
さすがの火野正平もマッツァオ。あたるの前には西鶴が生み出した世之介しかいない。もしかしたら、あたるは世之介の生まれ変わりかもしれない。いや、あたるには色欲道に堕ちた霊が憑依しているのだ、きっと。
SFギャグといわれる「うる星やつら」には、心霊科学の世界が数多くとりあげられている。時間、空間を超えた異次元にワープしつつ、妖怪、カラス天狗、河童、守護神、憑依霊、そしてUFO等、その世界の存在が、あたるの日常生活にギャグメーカーとして違和感なく登場してくる面白さ。押し入れの長いトンネル(四次元の通路)を抜けると、そこは雪女の世界だった。SFギャグ、ワープギャグといわれるゆえんだ。
三十路に入った小生、あたるがうらやましいのよね……などと思いつつ、まてよ、身がもたんかも……てなこと考えながら、ひたすらあたるにヘンシンしきって、美女たちを楽しくもてあそんでいる。いやな性格だっちゃ。
ソバ屋のおじさんは、SFのことをタバコの銘柄と間違えていたが、店員のケンちゃんは「あたるがセックス・ファイターだからSFギャグっていうんじゃなかったの?」と、強烈なことをサラリと言った。
先行き不安、先立つ不孝、散々袋叩き、最悪不吉もSF、なんだかこれは錯乱坊が考えそうなフレーズ。番組がスタートするにあたって縁起でもないとプロデューサーにお叱りを受けそうなので、最後にヨイショして……。
サービス満点ファンタスティック・ギャグ、おまけに、燦然と輝く不滅のギャグ・アニメ「うる星やつら」に絶大なるご支援を!!

EpisodeSummaries:

うわさのラムちゃんだっちゃ!
土手の上を歩いて家に帰る途中の諸星あたるの顔に野球のボールが命中した。土手下では草野球をしており、そのホームランボールが当たったというわけ。倒れたあたるを見た旅の僧、錯乱坊が近づいて来てあたるの運の悪さを説く。あたるの顔には救いようのない悪い運があるというのだ。そんな錯乱坊の言葉など気にかけずに、あたるは家に向かって歩き出した。だが錯乱坊の言うことは、あながち嘘ではなかった。あたるが通るのを待ち受けていた黒塗りのリムジンもその一つだった。あたるは見ず知らずの男3人に無理に車の中に引きずり込まれ、誘かいされてしまったのだ!!
最終更新:2024年10月28日 14:53