ABSTRACT
CFに基づく情報推薦は、ユーザとアイテム間の評価データが非常に疎であるためにうまくいかないことがある。そこで本稿では信頼ネットワーク上でユーザ間の信頼を伝搬させ、従来のCFにおけるユーザ間の類似度として用いる。Epinion.comのデータセットを用いた実験では、信頼ネットワークを用いた情報推薦が有効であることが示された。
INTRODUCTION
情報推薦システムにはCF(Collaborative Filtering)が良く使われるが、多くのデータセットはユーザとアイテム間の評価データが非常に疎であるために、CFを基にした推薦システムはうまくいかないことがある。CFは自分と類似するユーザが高く評価したアイテムは自分も好む可能性が高いという考えに基づいているが、疎なデータのもとでは、そもそもユーザ間の類似度を測ることは難しい。
上記の問題を解決するために信頼ネットワークというものを利用する。信頼ネットワークとはユーザ間の信頼を表すネットワークで、ユーザがどのユーザを信頼しているかを明示的に表している。この信頼ネットワークから、ユーザ間の類似度ではなく、ユーザ間の信頼関係を求め、ユーザが信頼する他のユーザが高く評価するアイテムは好む可能性が高いという仮定を置く。
MOTIVATION
CFには二つの問題がある。一つはデータが疎であるためにユーザの類似度が計算できない、あるいは計算できても精度が低いという問題。もう一つは、推薦の精度を下げる攻撃が出来るという問題。あるユーザの評価パターンを完全にコピーした攻撃者がいたとすると、ユーザと攻撃者の間の類似度は最も高くなってしまう。そのため、今後攻撃者が高く評価したアイテムはユーザが好むと判断されてしまう。
OUR PROPOSAL: TRUST-AWARE RECOMMENDER SYSTEMS
Trust networks and trust metrics
信頼ネットワーク上では、それぞれのユーザ間の信頼関係を基に全体のユーザの信頼性を評価する。信頼性の評価方法はいくつかあるが、主要なものにはローカルな信頼性とグローバルな信頼性がある。ローカルな信頼性とは、あるユーザから見た主観的な信頼性であり、決まったユーザに対する信頼性はユーザごとに異なる。一方、グローバルな信頼性は全てのユーザから見た信頼性を平均するような評価方法であり、PageRankなどがそれに当たる。
Architecture of TaRS
提案手法であるTrust-aware Recommender Systemについて説明する。提案にシステムでは、信頼ネットワークを表す行列(N×N)と、ユーザからアイテムへの評価を表す行列(N×M)を入力とする。信頼ネットワークからはローカルな信頼性としてMoleTrustを採用し、グローバルな信頼性としてPageRankを採用した。評価行列からはピアソン相関係数を用いてユーザ間の類似度を算出する。評価の予測の部分に関しては次節で説明する。
Trust-aware Recommender Systemは、ユーザの評価傾向から類似度を測る手法より効果的にユーザ間の信頼性(類似度)を測ることが出来る。つまりコールドスタート問題を軽減している。また、ユーザの評価傾向を真似する攻撃者の影響も受けない(信頼されていなければ全く影響はないため)。
EMPIRICAL VALIDATION
提案システムの有効性を示すために
- 従来のCFのみを用いる手法
- 信頼ネットワークのみを用いる手法
- ローカルな信頼性
- グローバルな信頼性
- CFと信頼ネットワークの両方を用いる手法
の5つを比較する。
Epinions.com Dataset
Epinions.comとはユーザが商品(車、本、映画など)を評価できるシステム。さらに、ユーザは他のユーザをWeb of Trustに入れるか、Block listに入れることが出来る。Web of Trustに入れるのはそのユーザの評価が信頼できると感じた時。Block listに入れるのはそのユーザの評価が正しくないと感じた時。
Evaluation measures
Leave-one-outのMean Absolute Errorで評価する
最終更新:2011年08月02日 06:03