儚い魔術師
先に言おうこの世界には魔術が存在する。
魔術を極めるには人を殺さないといけない。
殺した人の魂が魔力を高めるからだ。
その頃の私はただひたすら魔術で相手を殺してきた。
その頃の私には時間がなかった。
十七歳になるまでに魔術を極めないと死ぬからだ。
極めないといけないというわけではないが、極めたときに初めて使えるとされている魔術でのみ私は病気を治せるという状況だった。
当然人を殺せばその家族などに恨まれる。
時には命を狙われることもある。
それでも自分は死にたくなかった。
だから人を殺しまくった。
時には国を滅ぼしたこともある。
そんなことをしているうちに国際指名手配までかけられた。
その魔術師の名は神原 輝。
日本人の男子高校生だ。
いや、高校生ではない。
高校は退学している。
まあ、どうでもいいことだ。
この物語は私神原 輝の高校時代の物語だ。