走る看板


イベント関係者 ドルチェ、ピコ、ジョーンズ、ナンシー、キール、フォルテ、シャオパイリンファ
 ポコリーヌマーガレット、アーサー、ダグ、ディラス

ジョーンズ「ドルチェは、まだ少し戸惑っているみたいですね。」
ジョーンズ「現実をどう受け入れたらいいのか、町の人とどう接したらいいのか。」
ジョーンズ「でも、大丈夫です。」
ジョーンズ「彼女の優しさは、きっと町の人にも伝わりますから。」

ナンシー「ルーちゃんには、白のワンピース。」
ナンシー「ピコちゃんには……そうね、サロペットなんてどうかしら?」
ナンシー「もう、困っちゃうわね。いっぺんにかわいい娘が二人もできちゃって♪」

フォルテ「ドルチェさんとピコさん、あの洋館から来たと聞いたが……。」
フォルテ「……いや、だからなんだというのだ。騎士の私がこんなことでどうする。」
フォルテ「し、しかし……ううむ。」
主人公(なんだかすごく悩んでるみたいだ。)

リンファ「あのお屋敷から来た、えっと、ドルチェちゃんでしたか?」
リンファ「この前、少しお話ししたんですけど。」
リンファ「お仕事が忙しくなって、気がついたらいなくなっていました。」
リンファ「今度はもう少しお話しできるといいんですけど……。」

シャオパイ「ドルチェはどうも、甘えるのが苦手そうなタイプだな。」
シャオパイ「知らない町で暮らすというのは、意外と心細いものだが……。」
シャオパイ「ちょっと心配なようだ。」

キール「お姉ちゃん、ドルチェさんとピコさんのこと、ちょっと苦手みたい。」
キール「あ、でも、性格的にどうとか、そういうことじゃなくて。」
キール「ほら、お姉ちゃん、お化けとか苦手だから……。」

ドルチェ「どうかした?」
主人公「えっと、町のみんなとは、うまくやってるかなって……。」
ドルチェ「そうでもないわ。あんまり話もしてないし。」
ピコ『仕事をジャマしないようにとか、色々考えた結果ですわよね?』
ドルチェ「……中には、そういうのもあったかもね。」
ピコ『ルーちゃんは色々、気をつかいすぎですの』
ピコ『さて、このひねくれた性格をどう分かってもらうか……』

花屋前

エルミナータ「朝起きたら、もうこのラクガキがあったのよ。」
「ここのお花はいつもキレイよ」
フォルテ「ほめられてますね……。」
エルミナータ「まあね。」
フォルテ「犯人に心当たりは?」
コハク「たぶん、お化けのしわざかなー。」
フォルテ「おば……!?」
コハク「かんばんに、文字がうかんでいくのを見たの。」
フォルテ「…………。」
コハク「フォルテちゃん、大丈夫?顔が真っ青だよ?」
フォルテ「え、ええ。もちろん、何も問題はありません。」
フォルテ「ともかく、ラクガキの件はお任せを。必ずその人間をつかまえます。」
コハク「お化けだけどね?」
フォルテ「…………。」

 エルミナータ「壁にラクガキ。消えた犯人……。」
 エルミナータ「なぞのメッセージで花屋ブーム到来?それで得する人物といえば……。」
 エルミナータ「間違いない、犯人は花屋の店主よ!」
 エルミナータ「……あれ?」

 コハク「おうちのカベに、文字が浮かんでいったの。」
 コハク「エっちゃん、事件だって大喜びだったねえ。」

 フォルテ「幽霊などいない、幽霊などいない……。」
 主人公(足が震えてる……。)

飛行船乗り場前

旅の男「なんでお店の壁にラクガキがしてあるんだろう……。」
旅の女「あれね、幽霊の仕業みたいよ。」
旅の男「え?」
旅の女「不気味な洋館が建ってるじゃない?」
旅の女「あそこから助けられた子が町に住み着いてるんだって。」
旅の男「それって……。」

ドルチェ「疑われてるみたいね。」
ドルチェ「ま、仕方ないわ。全部本当のことだし。」
主人公「…………。」
ドルチェ「あんまり気をつかわないでくれる?もう子供じゃないんだから。」
主人公「うん……。」

ドルチェ「どうしたのよ――」

カンバン『気にしてくれてありがとう、って思ってますわよね』
ドルチェ「な……!」
ドルチェ「…………。」
ドルチェ「ピコ……!」

 マーガレット「ラクガキなんてダメだよね。」
 マーガレット「でも、ポコさんの料理、ほめてくれてるみたいだし、」
 マーガレット「私の演奏も気に入ってくれたみたいだけど……。」
 マーガレット「……私、怒っていいのかな?」

 ポコリーヌ「ワタシのお店の入り口にも、ラクガキがありマシタ。」
 ポコリーヌ「ワタシの料理が「おいしそう」と書いてあったので、」
 ポコリーヌ「つまり「食べてはいない」ということなのでショウ……。」

 ポコリーヌキッチン入り口「ここのお料理はいつもおいしそう。流れてる曲もステキ」

 小鈴入口「キレイで優しいおかみさんの旅館。娘さんは、がんばり屋さん」

 シャオパイ「ラクガキ、許せないぞ。」
 シャオパイ「とくに寝ている人間の顔になんて、言語道断だが。」
 シャオパイ「……分かるな?」

 リンファ「ウチの壁にもラクガキされちゃいました。」
 リンファ「でも、あんなにほめられちゃったら、悪い気はしませんね♪」

 アーサー「ラクガキの犯人は見つかったんですか?」
 アーサー「ユウレイの仕業だというウワサも、ちらほら聞こえてきますが……。」

広場

ビシュナル「例のラクガキ騒ぎで、町が大変なことになってますね……。」
クローリカ「…………。」
ビシュナル「あの、クローリカさん?」
クローリカ「え?ねむってなんていませんよ?」
ビシュナル「いや、そんなこと言ってませんけど……。」
ビシュナル「えっと、フォルテさんは知ってます?犯人は幽霊だって話。」
フォルテ「ゆうれい……?」
ビシュナル「ピコさんも疑われてるみたいですけど……。」
フォルテ「あ、ああ。あの半透明のかたですね。」
ビシュナル「ええと……まあ、そうですね。」
フォルテ「幽霊とは見えないものですから、あの人は幽霊ではありません。」
フォルテ「そもそも幽霊なんていうものは、恐怖の作り出した幻想で――」

フォルテ「…………。」

クローリカ「フォルテ?どうかされました?」
フォルテ「お、おばけ……。」

 ビシュナル「ここのところ、幽霊のウワサで持ちきりですね。」
 ビシュナル「フォルテさんまで、お化けを見たっていってますが……。」

 クローリカ「ビシュナルくんが、幽霊の話をしてる夢を見たんですよ~。」
 クローリカ「……あれ?これって夢でしたっけ?」

 フォルテ「幽霊などいない幽霊などいない幽霊などいない幽霊などいない……。」
 主人公(すごい震えてる……。)

メロディストリート

ダグ「雑貨屋のラクガキ、オマエがやったんじゃねえよナ?」
ディラス「…………。」
ディラス「……俺がお前なんかのために、ムダな労力を使うと思うか?」
ダぐ「ナ……!」
ダグ「……そ、そうだナ。オレもムダな体力つかっちまったゼ。」
ダグ「お前なんかに、話しかけちまってナ。」
ディラス「なにぃ……!」

ドルチェ「あんたたち、ジャマよ。ちわゲンカならよそでやって。」
ダグ・ディラス「あア!?」

ドルチェ「なによ。文句でもあるの?」
ディラス「……おい、そいつ……。」
ドルチェ「は?」

カンバン『うらやましいなあ。ケンカ友達』
カンバン『……とか思ってるでしょ?』
ドルチェ「…………。」
ドルチェ「……もう一度、死にたいのね。」
カンバン『……!?』

ダグ「あいつ、わりと面白いかもナ。」
ディラス「ああ……。」

 ダグ「ドルチェって、意外とおもしろいやつかもナ。」

 ディラス「走る看板か。」
 ディラス「……ばからしい光景だったな。」
 主人公(ちょっと楽しそう……?)

 ドルチェ「どこに逃げた……?」

小鈴前

シャオパイ「お、ドルチェ。」
シャオパイ「そんなに急いでどうしたね?」
ドルチェ「はあ……は、走ってる……。」
シャオパイ「走ってるのは見ればわかるが。」
ドルチェ「ち、ちがう……。」
ドルチェ「走ってる……看板とか、みなかった……?」
シャオパイ「看板は動かずに立っているからこそ、きちんと役目を果たすものだが。」
ドルチェ「…………。」

シャオパイ「で、私は何を手伝えばいい?」
ドルチェ「は?別にたのんでないけど……。」
シャオパイ「うん。たのまれてはいないようだ。」
ドルチェ「…………。」
ドルチェ「……じゃあ、走ってる看板を追い回してくれる?」
ドルチェ「動かしてるのはピコだから、町の外には出ていけないはずよ。」
シャオパイ「どうしてだ?」
ドルチェ「一人で町から出たりしたら、成仏して消えちゃうから。」
シャオパイ「?」
ドルチェ「幽霊は、とりついたものから、あんまり離れられないのよ。」
ドルチェ「で、アイツはわたしにとりついてるわけ。」
シャオパイ「ああ、そういうことか。理解した。」
ドルチェ「あ、それと……。…………。」
シャオパイ「なんだ?」
ドルチェ「感謝はするわ。手伝ってくれること。」
シャオパイ「ふむ……。」
シャオパイ「あまり素直ではないようだ。」
ドルチェ「……大きなお世話よ。」

シャオパイ「ところで。」
シャオパイ「キミが探してるのは後ろのそれか?」
ドルチェ「え?」

カンバン『本当は素直になりたい』
カンバン『……とか思ってますけどなにか』
ドルチェ「…………コロス。」

シャオパイ「お?壁に文字が……。」

「これからも、ドルチェと仲良くしてあげてね」

 シャオパイ「いま、看板が走り去った後に、壁の文字が浮かんだように見えたが。」
 シャオパイ「……どういうことだ?」

病院前

主人公「フォルテさん?」

フォルテ「ああ、フレイさん――」
フォルテ「……ひっ!」

主人公「……ピコ?」
カンバン『違いますの』
主人公「…………。」
ドルチェ「見つけたわよ……。」

主人公「あ……。」
ドルチェ「もう逃がさないから。」

フォルテ「ええと……。」
『怒ってるルーちゃんもなかなかステキですわね』
フォルテ「ひ!?」

ピコ『何を驚いてますの?』
主人公「だ、だって、いま看板が向こうに行ったのに……。」
ピコ『ああ。あれは持ってた看板を、投げ捨てただけですわ』
ピコ『ルーちゃんったら、まんまと引っかかってくれちゃって……』
ドルチェ「ピコ……。どこに行ったの……?」

ドルチェ「あなたが消えちゃったら、わたし、わたし……。」
ピコ『ルーちゃん……!』
ピコ『安心してくださいまし!ピコはここにいますわーっ!』
ドルチェ「ピコ!」
ドルチェ「よかった……。」
ピコ『ああ、ルーちゃん!私も会いたかったですわ……!』
ドルチェ「……うん。」
ドルチェ「本当によかったわ。まんまと引っかかってくれて。」
ピコ『ぐげ……し、しまった……!いや、し、しまってま…す……!』
ドルチェ「安心しなさい。あんた、もう死んでるから。」
ピコ『う、うふ、うふふ……。なんだかお花畑が……』

 フォルテ「なんだかドルチェさんには、少し距離を感じていたのですが、」
 フォルテ「でも、今回のことで、少しそれがなくなった気がします。」
 主人公「あの二人を見れば、幽霊も怖くなくなりそうですよね。」
 フォルテ「いえ。それとこれとは、話が別だと思いますけど。」

 ドルチェ「とんだ恥をさらしたわ……。」
 ピコ『そんなことありませんわ。かわいかったでしょう?』
 >はい・ぜんぜん
 ▼はい
 ドルチェ「そう。死にたいのね。」
 ▼ぜんぜん
 ピコ『あら。死にたいんですの?』

翌日

ドルチェ「お店の壁にラクガキしたのも、あんただったのね。」
ピコ『はて?なんのことですの?』
ドルチェ「…………。」
ドルチェ「ねえ、ピコ。覚えてる?」
ドルチェ「パパやママと一緒になって、笑えない冗談でもりあがったあげく、」
ドルチェ「最後には知らんぷりしてた、あんたの顔。」
ピコ『は、はて、なんのことですの?』

ドルチェとシャオパイが近くにいる時

ドルチェ「そういえば、この前のラクガキ騒ぎのことだけど。」
ドルチェ「…………。」
シャオパイ「どうした?」
ドルチェ「……一応、ありがと。結局あんたの力は必要なかったけど。」
シャオパイ「うん。」
シャオパイ「やはり、素直ではないようだ。」
ドルチェ「……う、うるさいわね。」

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最終更新:2019年08月01日 00:13
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