ルーンプラーナ

何があっても忘れないでください。
こんな想いを繰り返してなお、
何もできなかった無念を、
彼らの思いをムダにしないために、
その全てを終わらすために、
僕たちは、
この石を作り出したことを。

フレイ「今のは、あの時の……?」

風幻竜のルーンは、
この森の奥をさまよっています。
セルフィアの土地を、
自らの存在でもって支え続けるために。
あなたは、
それを知ってどうするつもりですか?

・行こう
・先を急ごう
・いったん帰ろうかな……
(どれを選んでも変わらない)
 

___________
 
ネイティブドラゴンもまた、
1つの生命だと言うことは知っていますか?
命を持つ者は、
いつかはじまりの森へと還る。
そして数年後、または数十年後、
あるいは数百年後かに、
その役目は、
次の世代の竜へと引き継がれる。
人よりも遙かに長い時間を掛けて。
竜たちは年老い、巡り続けてきたのです。
まるで、
静かに世界を見守るように、
永遠をつかさどる風の神、
風幻竜セルザウィード。
かの神竜もまた、
その例外ではありませんでした。
しかし……。
とある世代に生まれた彼女は、
ひどく衰弱していました。
なぜなら、彼女の生まれた土地のルーンが
枯れ始めていたからです。
それを哀れに思った人間が、
自らの時間を差し出し、彼女を救いました。
彼女を救ったのは、
人の意志を利用してルーンを集める魔法。
意志を奪われた人間は、
年老いることもなく眠り続ける。
後の人はその魔法に
『エーテルリンク』という名前を付け、
その魔法により時間を凍らされた人を
『守り人』と呼びました。
時間を差し出した彼が、
最後に自らをそう称したように。
そして、それを叶えたのが、
僕たちアースマイトだったのです。
 
__________
 

『エーテルリンク』は
人とルーンを融合する魔法。
魔法にかけられた人間はルーンと融合し、
わずかに残った意志の力で、
きずなで結ばれた相手に力を与える。
僕たちアースマイトは、
土地にルーンを戻す方法を研究し続けました。
なぜなら、1人の人間の意志を利用しても、
神竜の寿命を支えることはできない。
意志もきずなも、時と共に変化するからです。
一所に留めておけないからこそ、
それは強く尊いものでした。
僕たちは他の解決策を探しました。
それが、
時間を差し出した彼の願いであり、
それを許した僕たちの
誓いでもあったからでした。
魔法を使ったアースマイトは年老い、
やがて、はじまりの森へと還りました。
しかし、彼の願いと研究は受け継がれ、
新たな魔法が生まれました。
それは、はじまりの森から、
望んだものを呼び寄せる魔法。
そして、
その魔法が完成する少し前に、
また1人の人間が、
守り人になったのでした。
その人間は、以前の彼と同じく
神竜と一番親しい人間でした。

________

はじまりの森から
望んだものを呼び寄せる魔法。
『ゲートリジェクト』と名付けられた
その魔法さえあれば、
はじまりの森へと還った存在を、
この世界に呼び戻すことができるはずでした。
しかし、それは魔法であり、
奇跡ではありません。
ゲートリジェクトで呼び寄せられるのは、
世の理に反しないものに限られていました。
即ち、天寿を全うしたものを
連れ戻すことはかなわず、
大きすぎるルーンは、
とても人には制御しきれませんでした。
この魔法では、
神竜を助けることはできない。
それを悟った僕たちは、
また別の方法を探し始めました。
『エーテルリンク』
この魔法を人以外にも使えれば、
ルーンの結晶を作れるかもしれない。
それがあれば、
守り人の代わりになるかもしれない。
ようやくその答えにたどり着いたとき。
1人の人間が僕たちの元にやってきました。
エーテルリンクを使ってほしいと。
ルーンの結晶を作るためではなく、
また、守るべき相手の、
大切な人を──
神竜の友人である彼を、
時の狭間に氷づけにするために。
 

_________

エーテルリンクは完成しました。
しかし、ルーンの結晶を作るためには、
膨大なルーンが必要でした。
それだけのルーンを集められる場所は、
『はじまりの森』しかありません。
僕たちは、
『はじまりの森』に向かう方法を探しました。
様々なところへ足を運び、
色々な人の話を聞いて、
ついに『はじまりの森』に続く
扉を見つけたのです。
扉を開くには、カギが必要でした。
それは、
この世の理をゆがめるほどの何か。
神竜の寿命をも引き延ばす、
『守り人』の存在に等しいもの。
まさしく、いま僕たちが
作り出そうとしているものでした。
しかし、僕たちの手元に、
それを証明する手立てはありません。
その時、僕たちの元に、
再び守り人の候補がやってきました。
しかし、皮肉なことに、
それが扉を開くカギになったのです。
そして、扉は開きました。
僕たちの魔法でルーンと同化した、
彼女の存在をその証明として。
______
ルーンの結晶化には、
長い長い時間が必要でした。
『はじまりの森』の中で、
繰り返し『エーテルリンク』を唱え続ける。
ただそれだけを、
世代をまたいで百年以上。
そして、ついに
それは完成したのです。
その石の名前は、
『ルーンスフィア』
エーテルリンクが完成した時から、
既に決まっていた名前でした。
目標をかなえた僕たちは、
国王にそれを報告しました。
もちろん、
風幻竜にこれを預ける許可を得るためです。
しかし、その報告が終わった後、
僕たちはようやく気が付きました。
『ルーンスフィア』という存在の
恐ろしさに。
それは、この世界では作り出せないほど、
大きな力を秘めた石でした。
世界を作りかえることすらできるもの。
もしもこれを悪用されたら──
力の悪用を恐れた僕たちは、
はじまりの森への扉を再び閉じました。
そして、一刻も早く、
『ルーンスフィア』を届けることにしたのです。
僕は飛行船に乗り込み、
セルフィアの町へと急ぎました。
そして───
男『僕は風幻竜を救うために研究を続けてきたアースマイトのまつえい。』
男『そして、ついに完成したルーンスフィアを、風幻竜に届けるはずだった。』
男『でも、僕は結局、ルーンスフィアを届けることはできなかった。』
男『その石を。』
男『はるか過去から託されてきた、その意志を。』
男『けれど……。』
男『全てを忘れてしまっても、僕はいま、ここに立っている。』
男『今度は、彼女の友人として。』
男『今度こそ、彼女を助けるために。』
うん・行こう・成功させよう
▼うん
▼行こう
男『……ありがとう。』
▼成功させよう
男『神竜を助ける方法は、あなたもよく知っているはずです。』
男『同じ方法で作られたネイティブドラゴンと戦った記憶があるでしょう?』
男『彼らが不完全だったのは、そこに彼らの意志が存在しなかったから。』
男『でも、ここには全てがそろっている。』
男『依り代となる彼女の体の一部も。』
男『秘術を唱えられるアースマイトも。』
男『その秘術を操ることに長けた、ある一族のまつえいの記憶も。』
男『そして。』
男『彼女の代わりにこの大地を支える、過去から未来に託されたその意志も。』
男『だから────』

フレイ「……行こう。」
フレイ「全ての意志を託された、アースマイトとして。」
フレイ「彼女の友人として。」
フレイ「セルザを助けるために。」
フレイ「全ては、私の中にある!」

________
フレイ「セルザ……。」
フレイ「……感じるよ。」
フレイ「セルザ。そこにいるんだよね?」
セルザウィード「………。」
セルザウィード「……なぜ来たのじゃ。」
フレイ「セルザ……!」
フレイ「………。」
フレイ「決まってるじゃん。」
セルザに会いに来たんだ・セルザを助けに来たんだ
▼セルザに会いに来たんだ・セルザを助けに来たんだ
セルザウィード「………。」
セルザウィード「……帰れ。」
セルザウィード「わらわはそんなこと、望んでおらぬ。」
フレイ「………。」
フレイ「……本当にそう思ってるの?」
セルザウィード「………。」
フレイ「もうセルザがギセイにならなくても大丈夫なんだ。」
フレイ「ここにルーンスフィアがあるから。」
フレイ「君を助けるために、たくさんの人が、これを作り出したんだ。」
フレイ「だから───」
セルザウィード「ならぬ!」
フレイ「どうして……。」
セルザウィード「………。」
セルザウィード「そちはアースマイトの秘術で、わらわを蘇らせるつもりじゃろう。」
セルザウィード「わらわのこの膨大なルーンを、その依り代に融合してな。」
セルザウィード「過去のアースマイトたちが、何年もかけて行ったその秘術、」
セルザウィード「そち一人の力で実現できるものか。」
セルザウィード「……そちの体が持つわけがない。」
フレイ「………。」
セルザウィード「……わらわは……。」
セルザウィード「わらわはもう……誰も失いたくない……。」
フレイ「ねえ、セルザ。」
フレイ「君と話したいことがあるんだ。」
フレイ「まだまだ、たくさん。」
フレイ「くだらないことから大切なことまで。」
フレイ「君に伝えてないことが、たくさん。」
フレイ「たくさんあるんだ。」
セルザウィード「………。」
フレイ「私だけじゃないよ。」
フレイ「町のみんながセルザに会いたがってる。」
フレイ「会って、話したいことが、たくさんあるんだ。」
セルザウィード「……っ。」
フレイ「セルザはどう?」
フレイ「もう、セルフィアの町には戻りたくないの?」
セルザウィード「………ちがう……。」
フレイ「あの町で、私たちと一緒に暮らしたくないの?」
セルザウィード「ちがうっっ!」
セルザウィード「……わらわだって……。」
セルザウィード「わらわだって、かなうならばそうしたい……!」
セルザウィード「そちと一緒に……!」
セルザウィード「ずっと一緒に、あの町で暮らしたいに決まっておる!!」
フレイ「それなら。」
フレイ「私はセルザを助けるよ。」
フレイ「今の私には、君を助ける力がある。」
フレイ「過去の守り人たちが、」
フレイ「アースマイトたちが残してくれた力が。」
フレイ「町の人たちから託された気持ちが。」
フレイ「君のくれた全てが──」
フレイ「私の中にあるんだ。」
フレイ「だから───」
フレイ「失わせないよ。」
フレイ「君の友人も、君自身も。」
フレイ「そして、私自身も。」
フレイ「君と一緒に、君が大切だって思う全てを、」
フレイ「守りきってみせる。」
フレイ「それが私たちの願い───」
フレイ「過去の意志が集まって生まれた、」
フレイ「奇跡なんだ!!」
フレイ「───エーテルリンク!!」
フレイ「セルザ……?」
フレイ「セルザ!」
フレイ「セルザっ!!」
フレイ「どうして……。」
フレイ「ルーンスフィアもあるのに、なんで……!」
フレイ「ねえ、ウソだよね……。」
フレイ「セルザ……。」
フレイ「ねえ……!」
フレイ「……返事をしてよ………。」
フレイ「セルザっっ!!!」
フレイ「そんな………。」
▼ルーンスフィアを調べる
ルーンスフィアはただ静かな光をたたえている。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2017年03月17日 11:51
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。