病院1F
ドルチェ「あ、レスト。」
ドルチェ「…………。そうね。ちょうどいいわ。」
レスト「え?」
ドルチェ「ちょっと部屋に来て。あんたに手伝わせてあげる。」
レスト「あ、ちょっと……。」
ドルチェ「…………。」
ドルチェ「これは違うわね。」
ドルチェ「……これも違う。」
レスト「ねえ、
ドルチェ……。」
ドルチェ「ちょっと。動かないで。」
レスト「あ、はい。」
ドルチェ「…………。」
ドルチェ「……うん。この服は悪くないわね。」
レスト「あの、
ドルチェさん。」
ドルチェ「なに?」
レスト「その、いま選んでるのって、ピコの服なんですよね?」
ドルチェ「そうよ。」
レスト「それならですね、僕より、
コハクとかに頼んだ方がいいかと……。」
ドルチェ「……
コハクだと、ちょろちょろ動き回ってモデルにならないでしょ。」
レスト「じゃあ、シャオさんとかさ。喜んで引き受けてくれると思うよ?」
ドルチェ「あいつは……いつもいそがしそうだし……。」
レスト「それなら、
クローリカとかは?大人しいっていうか、寝てるだろうし。」
ドルチェ「…………。」
レスト「な、なに?」
ドルチェ「よくもまあ、ポンポンと女の子の名前ばかり……。」
レスト「それはみんな仲が良いから……、って、なんでちょっと怒ってるの!?」
ドルチェ「……別に。」
レスト「???」
レスト「とにかく、僕じゃなくてもいいんじゃない?」
ドルチェ「まあ、そうなんだけど。」
レスト「じゃあ――」
ドルチェ「……あんたがいないと、面白くないじゃない……。」
レスト「え?」
ドルチェ「とにかく。」
ドルチェ「あんたは、わたしのことだけ見てればいいのよ。」
レスト「? モデルなんだから、見るのは
ドルチェの方だよね?」
ドルチェ「あ……っ!」
ピコ『ルーちゃーーーん!いま帰りましたわ~~~っ!』
ピコ『あらレストさん。なんですの、その格好?』
レスト「いや、その、これは……。」
ピコ『……女装趣味ですか。まあ、意外と似合ってますわよ』
レスト「そうじゃなくて!?」
レスト「ちょ、
ドルチェもなんとか言ってよ!」
ドルチェ「あ……。えっと……。」
ピコ『ていうかルーちゃん!お顔が真っ赤じゃないですの!!』
ドルチェ「!?」
ピコ『どうしましたの!?熱でもございますの!?』
ドルチェ「ち、ちが……。これは……。」
レスト「本当だ!ちょっと、おでこかして!」
ドルチェ「~~~~っ!」
レスト「ちょ、すごい熱だよ!」
ピコ『すぐにベッドに寝かせますの!さあ!!』
レスト「そ、そうだね!」
ドルチェ「だ、だから……。」
レスト「もう!そんな体で意地張ったらダメだよ!」
レスト「君が倒れたら、僕もすごく心配するんだからね!」
ドルチェ「…………。」
ドルチェ「………………はい。」
レスト「よろしい。」
レスト「それじゃあ、しばらくは安静にね。」
ドルチェ「…………。」
ピコ『女装でお説教はどうかと思いますの……』
レスト「
ドルチェ。ベッドに寝てないと……。」
ドルチェ「も、もう大丈夫だから。」
レスト「でも……。」
ドルチェ「ちがうのよ。あれは、熱じゃなくて……。」
ドルチェ「…………。」
最終更新:2021年12月17日 10:58