1日目
2日目
アーサー「残念ですが、 馬はあつかっていませんね。」
フォルテ「そうですか……。」
アーサー「どうして馬をお探しなんですか?」
フォルテ「それは……。」
フォルテ「やはり騎士には、 馬が必要ではないかと思いまして。」
クローリカ「もしかして、 『馬上の騎士』の話ですか?」
フォルテ「う……。 な、なぜそれを……。」
アーサー「ああ、そのお話なら、 私も
キール君から聞きましたよ。」
アーサー「あばれる象の前から、 子供を助け出したとか。」
クローリカ「たしかに、 カッコイイですよね~。」
フォルテ「…………。 ……やはり馬か。」
アーサー「『馬上の騎士』の話、
キール君から聞きましたか?」
アーサー「なんでも、あばれる象の前から、 子供を助け出したとか。」
キール「馬にまたがって、 さっそうと現れる騎士。」
キール「……カッコイイなあ。」
3日目
アーサー「とにかく、 乗れる動物が必要ということですね。」
フォルテ「はい。」
クローリカ「それなら、 カブトムシなんてどうですか?」
フォルテ「背中がすべりそうなので、 ちょっと……。」
アーサー「では、 バッファモーなんてどうです?」
フォルテ「それならまだ大丈夫ですね。」
アーサー「ええ。 かわいいですよね。」
フォルテ「しかし、牛だとちょっと、 機動力に問題がありそうです。」
アーサー「ゆっくりなところが、 かわいいですからね。」
クローリカ「とりあえず、バドさんのところに 行ってみたらどうでしょう~?」
アーサー「ああ、なるほど。」
フォルテ「どうしてそこで、 バドさんの名前が……?」
アーサー「新しい商売のために、
モンスターを集めてるそうです。」
フォルテ「え……?」
アーサー「バドさんが、
モンスターを集めてるそうです。」
アーサー「新しい商売のためと聞きましたが、 何をするつもりなんでしょう。」
アーサー「鍛冶屋さんに行けば、 なにか分かるかも知れませんね。」
バド「どうどうどう……。」
バド「よーしよしよし。 いい子だナー。」
バド「ああ、レスト(フレイ)。 ちょっと通してくれナー。」
バド「おー、どうどうどう。 よーしよし、いいコだナー。」
キール「あ、レストくん(フレイさん)。」
キール「お姉ちゃんここに来てない?」
主人公「僕(私)が来たときには バドしかいなかったけど……。」
キール「そっか。」
キール「おもしろい本を見つけたから、 見せてあげようと思ったのに……。」
主人公「おもしろい本?」
キール「ほら、この本。 伝説の騎士さんの話なんだけど、」
キール「カッコイイんだよねー。」
キール「ほら、特にココ!」
キール「『馬に乗れないものは騎士ではない』 って決めゼリフ。」
主人公「そのセリフって……。」
キール「お姉ちゃんにも、 早く読ませてあげたいのに……。」
キール「とりあえず、 他を当たってみるよ。」
主人公「あれ?」
主人公「これは……バドさんの書き置きかな?」
新しい商売の準備をしていますので、 ご用のかたはお城へどうゾー。
バド「それじゃあ、 準備はいいかナー?」
フォルテ「いつでも来い!」
主人公「なにやってるんですか?」
ビシュナル「あ、 姫。」
クローリカ「見ての通り、 馬の代わりを探すらしいですよ~。」
バド「じゃあまず、 コイツからだナー。」
フォルテ「ふ、フカフカで、 モフモフですね……。」
フォルテ「……かわいい。」
バド「
フォルテってば、 意外とおとめチックだよナー。」
フォルテ「う、うるさい!」
バド「じゃあ、 次はコイツでどうダー?」
バド「いい感じカ?」
フォルテ「いや……。」
フォルテ「って、きゃっ……ぬ、ヌルヌルして、 う、動くな……!!」
バド「うーン、じゃあ次。」
バド「助けたカメに乗せてもらいましター。」
フォルテ「そ、そうなんですか? ……記憶にないな。」
バド「バカだなア。 ウソに決まってるじゃなイ。」
フォルテ「き、貴様、 たばかったな……!」
バド「じゃ、次ナー。」
フォルテ「……おい。 さすがにこれはないだろう。」
バド「えー、 似合ってるけどナー。」
フォルテ「似合ってたまるかあ!?」
バド「ムー。」
バド「じゃあいいヨ。 他のお客さん探すからさア。」
フォルテ「いい大人が、 すぐにいじけるな!」
バド「いいから、 はやく降りてくださイー。」
フォルテ「く……。」
クローリカ「なんだか、 大変なことになりましたね~。」
ビシュナル「なにのんきなこと言ってるんですか! 僕たちも早く追いかけましょう!」
キール「みんな、どうしたの? こんなところで――」
弟には……指一本触れさせんっ!
フォルテ「ケガはないか、
キール。」
キール「う、うん。 大丈夫。」
フォルテ「そうか。」
フォルテ「……よかった……。 本当によかった……。」
キール「お姉ちゃん……。」
キール「やっぱり、馬に乗ってなくても、 騎士は騎士なんだね。」
フォルテ「え……?」
キール「最近、伝説の騎士について 書かれた本を読んでたんだ。」
キール「読み終わったらお姉ちゃんに 貸してあげようと思ってたんだけど。」
キール「その本の最後で、 伝説の騎士は気付くんだよね。」
馬に乗っているから、 騎士になれるわけではない。
守るべきものを見つけたとき、 人は誰でも騎士になれるのだ。
ビシュナル「あの、
セルザウィード様。」
ビシュナル「王国からの手紙の件ですが……。」
セルザ「『
フォルテが騎士としての役割を果たしているか確認したい』と。」
セルザ「かような話であったと記憶する。」
ビシュナル「はい。」
ビシュナル「問題があるようなら、代わりを立てる準備もあると。」
セルザ「『馬上の騎士』という本があろう。」
ビシュナル「あ、はい。とある騎士の伝説を、まとめた本ですね。」
セルザ「その中に、あばれる象の前から、子供を助け出したという話がある。」
セルザ「アレは馬にも乗っておらぬが、巨大なゾウをしりぞけてみせた。」
ビシュナル「
セルザウィード様、見ていらっしゃったんですか?」
セルザ「ま、まあな……。」
セルザ「なんにせよ、英雄をもこえる活躍ぞ。」
セルザ「いわんや、騎士の資質なぞ、今さらどうして疑問に感じよう。」
ビシュナル「……はい!では、そう伝えますね!」
ビシュナル「
クローリカさん、この手紙のこと すっかり忘れてたな……。」
『
フォルテが騎士としての役割を 果たしているか確認したい』
『資質に疑問があるならば、 いつでも代わりを立てる』
ビシュナル「……なんて。 何を今さらって思ったけど、」
ビシュナル「さっきの一件を相手に伝えれば、 それだけで十分だよね。」
ビシュナル「あばれるゾウの前から子供を助けた、 伝説の騎士。」
ビシュナル「
フォルテさんは、その騎士と、 おんなじ活躍をしたんだからさ。」
めずらしいところが見られました・かっこよかったですよ
▼めずらしいところが見られました
フォルテ「うぐ……。」
フォルテ「守るべきものを見つけたとき、 人は誰でも騎士になれる、か。」
フォルテ「まさかあの話が、 そんな形で終わっているとは……。」
フォルテ「あ、いえ、 違いますから!」
フォルテ「決して
キールが変な本を読んでないか 気になって勝手にチェックしたあげく、」
フォルテ「一人で思い悩んで馬探しを始めたとか そういうことではないですから!」
キール「馬に乗ってなくても、 騎士は騎士なんだよね。」
キール「本当は、ウブで恐がりで、 不器用で直情的でも。」
主人公(……悪気はないんだろうなあ。)
バド「
モンスターを集めて、 観光の目玉にしようと思ったけド、」
バド「やっぱり、
モンスターも自由が一番だよナ。」
バド「いや、違うゾ?」
バド「世話が思ったより大変だったとか、 そういうんじゃないかラ。」
馬に戻れないの?・ウマくいかなかったよ
▼ウマくいかなかったよ
ディラス「……バカにしてるのか?」
最終更新:2018年07月04日 14:17