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プロローグ

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落雷のような激しい音とともに大地が揺れる。
刹那、キープに敷いた指令本部に衝撃がはしった。

「伝令!北東のオベリスクが攻撃を受けています!」
「B:6にて敵ジャイアント発見!敵ジャイアント発見!」
「ただちに東に援軍を!このままではオベリスクが折られる…!」

殺伐としていた本部がにわかに色めきだつ。

「ジャイアントだと…!そんな召喚報告はなかったぞ!どこから…」
「それよりもナイトだ!ナイトを召喚しろ!」
「中央制圧に向かったイーグル大隊も敗走、援軍にまわせる戦力がありません!」
「なんとしても死守しろ!東を制圧されたらこの戦況は覆せなくなるぞ!」

怒号と通信が飛び交う中、続々と自軍の敗走の知らせが届いていた。
脳裏に敗北の二文字が浮かび上がる。

「ナイト召喚できます!」
「よし、すぐに出撃させろ!」
「了解!」

クリスタルの力を指先に集約し、ルーンを刻む。
すると、まばゆい光とともに巨大な騎馬兵が出現した。
騎馬兵はあたりにつむじ風を起こしながら、突風の如き速さで駆けだした。

「ナイト出撃しました!目標、砲撃中の敵ジャイアントの撃破!」
「ナイトに続き、まだ戦える者を集め東へ進軍!各隊に伝えろ!」
「了解!伝令!まだ戦力を保有している隊は…」

……

…………

………………

メルファリア歴1844年に突如はじまった、ゲブランド帝国による領土侵攻作戦、「ナッツベリー包囲網作戦」。
その足がかりとなったのは、同年のマスクス水源での武力介入だった。
ゲブランドはその圧倒的な戦力差を発揮し、ホルデイン王国の領地であるマスクス水源を制圧・占領した。
これはトルクマイヤ帝国に打倒したエフリシアの乱以来の大規模戦闘であり、
以降、ゲブランドはホルデインの領土を次々と侵略していくのであった。

………………

…………

……

しかし遠くで響く轟音は止むことはなかった。
満身創痍のホルデイン兵士たちでは、ただでさえ戦力差のあるゲブランド帝国の兵士に対抗することは敵わなかった。
悲痛な叫びも空しく、音をたててオベリスクが破壊されていく。

「だめです。B:6オベリスク、破壊されました…」
「…くっ、ここまでか…」

キープが重い空気に包まれる。
見上げた空には斜陽の光。
深いため息を吐いた後、司令官は絞り出す。

「…至急前線へ通達。現時刻をもって作戦本部を破棄。このまま日没とともに撤退する」

メルファリア歴1844年。オークの月のことだった。

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最終更新:2010年04月08日 14:14
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