ESTAM
ESTAM(Evolved Single Theater Air-defense Missile、発展型単独戦域防空ミサイル)は、
FIM-109の弾体を利用して開発された中・近距離アクティブ・レーダー誘導の対空ミサイル。制式名称はMIM-110・ESTAM。エリア・ディフェンスを突破して飛来する標的などを迎撃するポイント・ディフェンスや、単独での戦域防空、近距離弾道ミサイル迎撃を担う兵器だ。
概要
ESTAMは、長距離での防空射撃が困難な場所や状況での超音速目標に対応、これを迎撃するために開発された。
ESTAMのミサイル前部は、
FIM-109を改良して使用しているが、機動性改善のために、FIM-109では弾体中央部に装着されていた操舵翼を尾部に移動させ、安定翼は弾体に沿ったストレーキ状のものになっている。また、ロケット・モーターの大型化により、最大速度はマッハ4以上、サイドスラスターと推力偏向ノズルによって最大60Gの旋回も可能な高い運動性能を有する。最大射程は150km、最大射高は20000m以上。対弾道弾防衛では終末段階に対応し、100~130kmの範囲を防衛する。
誘導の最終段階は、自機からのレーダー波照射によるアクティブ・レーダー誘導だが、中間段階では、データ・リンクによる自律飛行も可能で、複数の目標に同時対処可能となった。
構造は大きく4つに区分される。先端はレーダー波シーカーなどを内蔵する誘導部分となっており、直径は25cmである。後方の弾頭部分はFIM-109の弾頭を改良している。
後部のロケット・モーターの直径は28.4cmと大型化しており、レーザー点火モノパルスロケット・モーターを内蔵している。
発射機から打ち出される際には低温燃焼低排煙性のブースターを用い、発射後に投棄される。
諸元
用途:戦域防空ミサイル
分類:地対空ミサイル
設計:D.A社
製造:D.A社
運用者:サンヘドリン対ヴァリアンタス軍陸軍、海兵隊
推進方式:固体モノパルスロケット
全長:3.7m(ブースター含む)
直径:28.4cm
全幅:48.4cm
重量:390kg
弾頭:マルチモード弾頭もしくは
メタニウム貫通弾頭
装甲貫徹力:―
射程:150km
誘導方式:アクティブレーダー誘導
最終更新:2013年09月18日 22:55