LAM

RIM-16 LAM(LowArea AirDefense Missile)は、ジェネシック・インダストリー社とダイダロス・アビオニクス社が共同開発した装甲目標用低空域高速近接防空ミサイル。短射程であるがその分簡素なシステムであり、近接防空用として、戦闘艦以外にも広く搭載されている。

概要


ミサイルの胴体部はMGM-35KEM高速徹甲ミサイル、シーカーはAAM-X10ナトー短距離マイクロミサイルを基として開発されている。誘導方式はアクティブ・レーダー誘導と赤外線誘導方式で、ミサイル本体が目標を捕捉、誘導が行われる。このような誘導方式を採用していることから、LAMは射撃指揮レーダーを必要とせず、より簡素な設備で運用できる。
ミサイル本体は三胴型で、MGM-35KEM胴体左右には空力カウルを兼ねた補助ロケットモーターを持つ。この構造によってミサイルは長射程能力を得ている。弾頭は重量14kgの長弾芯で、ミサイルは終末速度M8.5の速度で目標に突入、300MJの運動エネルギーで目標を破壊する。
ミサイル本体は、コンテナ内に密閉された状態で、艦上に設置された専用の20連装の発射機に収容される。ランチャーは、揚陸艦や航空母艦などの大型艦船に搭載される防衛戦闘システムである自動防衛システムに連接され、その能力を発揮する。

開発の経緯


RIM-16 LAMは、低空域~シースキマーの装甲化された目標を想定した対装甲ミサイルである。従来、個艦防空ミサイルの最小射程よりも近距離での対空射撃は、ガーディアンシステムやパルスレーザーCIWS等艦砲によって行われてきたが、これらは射程が短く、超音速対艦ミサイルや重装甲目標には効果が薄い上に低領域で高速であるために迎撃が難しかった。長距離や高空域での迎撃ならば、高初速のレールカノンと高精度索敵・追尾レーダーによって対応できるが、高速目標や自己回避運動が可能な目標に対しては、1回か2回の射撃でしとめなければ、艦に被害が出ることは避けられない上にシステムは大掛かりで、搭載できる艦はおのずと限られてくる。このことから、従来の近接火器よりも遠距離で交戦でき大威力である一方、従来の個艦防空システムよりも簡素で軽量な、低領域装甲目標用高速防空艦対空ミサイルとして開発されたのが、RIMー16 LAMである。

諸元


用途:個艦防空ミサイル
分類:艦対空高速徹甲ミサイル
設計:ダイダロス・アビオニクス
製造:ジェネシック・インダストリー
運用者:多数
推進方式:固体ロケット・トリプルスラストモーター
全長:3.5m
全幅:50cm
弾体直径:22cm
重量:160kg
弾頭:運動エネルギー長弾芯
装甲貫徹力:8000mm以上
射程:55km
誘導方式:アクティブレーダー・IRシーカー

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最終更新:2013年09月18日 23:01