ヴァルチャー
概要
大戦末期に、
HMAや装甲車両等の輸送と高速展開を前提に開発された戦術輸送機。最高速度マッハ12で太平洋上を往復可能な超音速戦術輸送機として計画され、機甲部隊の高速展開に用いられた。
特徴
基本構造
SVC-9の外見上最大の特徴は、滑らかな機体ラインと無尾翼機スタイルである。揚力の70%は内蔵した
重力子干渉率制御機関によって賄われているが、残りの30%は、リフティングボディと小型可変翼によって賄われる。これは超高速飛行時の衝撃波を抱え込むための工夫であるとともに、超音速飛行時には能力不足となる垂直尾翼の能力を補う為、機体各所のスラスタ、及び圧縮空気噴射によって機体姿勢の制御を行う形式を取っているためである。
主エンジンは、機体左右に内蔵され、エンジンポッドは下面に張り出した形となっている。機体上部は滑らかな形状で、可変サイクルエンジン用エアインテーク以外の段差は存在しない。機体中央胴体は貨物室と機関室、コックピットである。
外皮は高分子系耐熱ポリマーでマッハ3飛行下で発生する大気との摩擦による300℃超の高熱に耐えられる上、チタン系軽合金によるハニカム構造によって軽量となっている。
貨物室には完全武装の
HMA2機と車両1両(MGSなら2機のみ)を搭載可能。空中投下が可能であり、この際には、機体下面の一部と後部が開口するようになっている。
エンジン
機体左右下面に空気取り入れ口、後部に
アーシェ・クロイツ社製のTNL3000可変サイクル熱核ジェットエンジンが4機搭載されている。TNL3000は通常の水素インパルスジェットエンジンモードと熱核ロケットエンジンモード、超高速飛行時用のラムジェットエンジンモードの三形態をもち、通常離陸には水素インパルスエンジンモードを使用する。なお、水素燃料等は内蔵しておらず、空気から酸素と水素を取り出して使用する。エンジンノズルは三次元推力偏向ノズルで、機体の直接操舵に使用される。
コックピット
操縦席は機長・副操縦士の二人乗りである。操縦席は脱出カプセル(モジュール式脱出装置)として使用されるようになっており、非常時には丸ごと機体から分離する。
諸元
設計者:
ダイダロス・アビオニクス社
製造者:
ダイダロス・アビオニクス社
運用者:多数
機体正式名:SVC-9・ヴァルチャー
全長:80m
全幅:45m
全高:20m
機体重量:120000kg
最大離陸重量:220000kg
最大積載量:100000kg
エンジン:可変サイクル熱核ジェットエンジンx4
最大速度:18000km/h
巡航速度:9000km/h
通常飛行高度:150000ft
航続距離:20000km
乗員:通常4名 最小2名
コメント
バリエーション
SAC-9
ヴァルチャーの早期警戒管制機型。上空70kmを飛行する高高度機で、カーゴの電子戦装備化と、翼の大型化改修を受けている。
最終更新:2013年08月12日 23:15