ベネッサ×ジャッキー

ベネ×ジャッキー :2008/09/27(土) 21:26:28 ID:xyR1Oe4D

―ここは世界格闘トーナメントの試合会場のホテル。
通常なら一人に一部屋の豪華スイートルームが割り振られるはずだが、
何かの手違いで出場選手のみ相部屋になってしまったのだ。
今さら変えようにも、他の部屋はスポンサーや関係者、観客などの予約で全て満室になっている状態だ。


403号室に当てられたのは、ジャッキー・ブライアントとベネッサ・ルイスの二人だった。


ジャッキーはそわそわと落ち着きがない様子で部屋の中をうろついていた。

「そんなに嫌なんですか?私と相部屋なのが」

ベネッサはソファに腰掛け、トランクに詰め込んである荷物をテーブルの上に広げながら言った。

「嫌ってわけじゃ…でもいくらアメリカ人がフレンドリーだからって男女二人が同じ部屋っていうのは…」

ジャッキーは完璧にセットされた金髪をくしゃくしゃと掻きながら言った。

「いいじゃないですか。普段はいつも一つ屋根の下で暮らしてるッていうのに。あ、先にシャワーを浴びさせてもらいますね」

焦るジャッキーとは対照的に、ベネッサは落ち着いた様子でニコッと笑う。
幼少のころから軍隊での生活に慣れているベネッサにとって、男女共同生活は日常茶飯事のようなものだった。
初めての経験ではない。

浴室へ立ったベネッサをあとに、とりあえずジャッキーは浮わついた精神をおさめるべくトレーニングを始めることにした。

(彼女の言った通り、同じ家に住んでいる相手を変に意識する必要ない。
こんなんでは試合の結果にもよくない影響が…!)

深呼吸して精神を集中させると空を切るようにして何発かパンチを放つ。
拳はシュッと乾いた音を立て空気を裂いた。

(うん、悪くない)

気分がノッてきたので、そのままジャケットを脱ぐとTシャツ一枚になり、腹筋やら腕立て伏せを始める。

100…101…102…みるみるうちに腹筋の回数は3ケタをこえる。

「うわッ!?」

ジャッキーは一心不乱に腹筋をしていたところで、ピタリとその動きを止めた。
なぜなら、体を起こしたときに、目の前にスラリとした、だが肉感的な足が伸びていたからだ。

「ベネッサ…」

ベネッサはシャワーを浴び終え、まだ湯気のたつ体をバスタオル一枚にくるんだままの姿だった。
それにはさすがのジャッキーも呆然とする。
ベネッサは膝を折り床に座り込んだままのジャッキーと目線を合わせる。
かがんだときに彼女の豊満なバストが揺れるのが嫌でも目に入ってしまう。

ジャッキーは思わず後ずさった。

「やめろ…ベネッサ…もしこんなことがサラにバレたら俺は…俺は…」

「あの…荷物…。」

ベネッサはジャッキーの後ろにあるもうひとつのキャリーケースを指差す。

「着替え持っていくの忘れてたんで。」
「あ…」

ベネッサはキャリーケースに手を伸ばすと、ごそごそと着替えを探し始めた。
ジャッキーは、彼女の大胆な姿についよこしまな考えが頭に浮かび、取り乱してしまった自分に赤面する。
さっきから自分ばかりが変に意識してしまっている…。

「あ…っ。」

しばらく…いや、時間的にはほんの二、三秒、二人の間に沈黙が流れた。

目の前には女の裸。

つい目線はその丸いラインに釘付けになる。
ベネッサの方はというと、ジャッキーと同じようにポカンとしているものの、彼女の目線もある一点を見つめている。

「わっ…!これはその…!」

ジャッキーはベネッサの目線の先にあるものに気づくと、慌てて彼女に背を向けた。

恥ずかしいことに、彼女の裸を見せられたことにより、健全な男なら当然の自然現象が起こってしまっていた。
それも本人には全く自覚の無いままに。

ジャッキーは慌てて下半身を隠すようにして彼女に背を向ける。
はたから見ればかなり間抜けな格好だ。

そして恥ずかしさのあまり血ののぼった頭で必死に言い訳の言葉を考える。

「…これは…その…えっと…」

しかしどう考えてみても彼女を自分が邪な視線で見ていたという事実は変えられそうもなかった。
絶体絶命とはこのことだ。

しかし、ジャッキーは半ば放心状態に近くなっていたところで、じわりと背中に温かいものを感じた。
ベネッサが後ろから抱きしめるようにしてピタリと体を密着させている。
運動してかいた汗やら冷や汗やらでいつの間にかじっとりと濡れていたTシャツごしに感じる肌の感触。
どうやら彼女は全裸のままのようだった。

「別に軽蔑なんかしませんから安心してください」

耳元で囁かれた彼女の声にわずかに笑みを感じる。
確かに軽蔑はしていないようだ。
その様子にジャッキーはほっと安堵する。

しかしこの状況…安堵して、謝って、ハイ終わりです。という風にはいきそうもなかった。


初めは肩に回されていた彼女の手がいつの間にかジャッキーのTシャツの裾のあたりをまさぐっている。

「ベネッサ…!」

ジャッキーは思わず首だけ後ろを振り向く。
そこにはあと一センチという距離にベネッサの顔があった。
彼女の瞳に自分の顔が映っているのがはっきりと分かる。
普段こんなにまじまじとベネッサの顔を見たことがなかったが、化粧していなくても健康的な肌に整った顔立ちの、
すごい美人だということに気づかされる。

ベネッサはくす、と口元に微笑を浮かべると、ジャッキーの耳のあたりを包み込むようにして手を添え、
そしてゆっくりと彼の唇にキスをした。

これにはジャッキーも目を白黒させて驚くことしか出来なかった。

ベネッサは、顔の角度を変えると、するりっ、と舌を滑り込ませてきた。
軽く頬に添えられていただけの手が、頭をがっちりと抱えこんでいて逃げられない。
舌が、蛇みたいにぬるぬると口内を這いまわる。
舌、歯茎、裏顎…と丁寧に舐めあげる。
しばらくそうやって一方的に口内を攻めると、彼女はふと唇を離す。

「…何を突然!」

ジャッキーは唾液でベトベトになった口のまわりを拭いながら言った。

「だって、私のせいでこんなになってしまったんでしょ?」

ベネッサは、くすっと笑うとさっきよりパンパンに張りつめた彼の股関に顔を寄せ、軽く撫でた。

「う…っ!」

そんな状態のそこは少し触れられるだけでも大変な刺激になる。
ジャッキーはビクッと後ろにのけ反りそうになるのを我慢する。

ベネッサはさらにくすくすと笑うと

細くて長い指を滑らせすっとズボンのファスナーを下ろすと隆起したものを取り出した。

「やめ…」

ジャッキーは止めようとするが、ベネッサは止めるより先にモノを口に含んでいた。

「うっ…」

先端を唇で優しく挟むように吸う。
そして尖らせた舌先でチロチロと舐める。
ぎこちなさとは無縁の、実にスムーズな動作だ。

想像もしなかった彼女のテクニックに、止めるつもりだった気持ちも萎えてしまう。
ジャッキーの中でベネッサは、美人だがサバサバしていて、こういうことには全く興味がないように思っていた。
普段は話しかけても事務的な反応しか見せないような女だったのに、
今自分の下にかしずいて動いている彼女は妖艶な娼婦のように見える。

一通り舐めあげられた男根は、すでに射精寸前というように脈打っていた。
ベネッサは動くのをやめるとジャッキーの上にのしかかり、耳元で囁いた。

「このあとはどうしますか?このまま口でしますか?それとも…」

それまでの行為で上がった彼女の息が喋るたびに耳をくすぐる。
表情は見えない…というか見る余裕が無いのだが、多分彼女は笑っている。
さっきから明らかにこの状況を楽しんでいる。
そう考えるとジャッキーの中にふと悔しさが込み上げてきた。
このままバカにされていいように弄ばれていていいのだろうか。
彼の中の負けず嫌いな性格がむくむくと沸き上がってくる。

ジャッキーはベネッサの肩を掴み身体を引き離すと、勢いよく彼女を床に組み敷いた。

ベネッサはキョトンとした表情を浮かべているが抵抗する様子はまるでない。
彼女ほどの人なら押し倒される瞬間に逆に首折りのひとつでも仕掛けることも容易なはずなのに、
それでもされるがままにされているという所に更に怒りを覚えた。


「クソッ!」

横たわる彼女の足をおもむろに開く。
既に全裸だった彼女の秘部を覆うものは何もない。
その上、薄暗い電球の灯りの下に晒されている。
わざわざ触ってみなくてもわかるほどに彼女は「濡れていな」かった。
先ほどの行為も彼女にとっては何の性的興奮もないただの戯れに過ぎないものだったのだ。
興奮していたのは自分だけで。


ベネッサは今もまだ何の抵抗もせずに無表情で見上げているだけだが、
その表情がジャッキーには何故か嘲りの表情に見えた。


「抵抗しないってことは好きにしていいってことだよな」

ジャッキーはフンッと鼻で笑う。
ベネッサは頷くこともしないでただ目を瞑った。
恐らく本当に好きにしていいということなのだろう。
さっきも述べた通り、彼女は抵抗しようと思えば出来るのだ。

ジャッキーは自分の下に寝そべったままのベネッサに顔を近づけると、おもむろに口付けた。
さっきのような濃厚にじらすようなテクニカルな口付けではなく、乱暴に噛みつくように。

「ん…っ」

激しいキスに苦しいのか感じているのか、ベネッサが喘ぎを洩らす。
意外にもボーイッシュなイメージとは違って喘ぎ声は可愛らしくて、少しグラッとくる。




(ダメだダメだ)

ジャッキーは自分に言い聞かせる。
何としてもこの女にからかわれた仕返しをしてやらなくては気が済まない。
彼女の意外な一面にときめいている余裕なんてないのだ。

そして彼女の胸元に手を寄せ、ギュッとその乳房を掴む。

「…っ…」

よく鍛えられた胸筋に支えられた乳房は柔らかいというよりずっしりとした重みがある。
横になってもその形を崩していないあたり、さすがと言うべきか。
その形良い乳房を味わうように揉みしだく。
それでも彼女は何の反応も見せない。
ずっと眠ったように目を瞑ったままだ。
そこで今度は乳首を口に含んでみる。
そして舌先で転がすようにしてみたり、時々強く吸ってみたりする。

「ん…」

軽く歯で噛んでみると、少しだがまた声をあげる。
それにうっすらと、彼女の褐色の肌が汗ばんできている。
少しずつだが確かに感じてきているようだ。
ジャッキーは思わず勝ったような気分になりニヤリと笑った。

そして、唇を乳房から下腹部へと這わせる。
つーっ、と汗やら唾液やらが混じった液体が、なめくじかなにかが這ったあとのように跡を残し、
褐色の肌の上でキラキラと輝いて妙にいやらしい。


下腹部の薄い茂みの奥も、わずかながらしめってきているようだ。
そして肉厚な襞の部分を舌で掻き分け、敏感な突起を中心に舐める。

「んッー…」

さすがにこれには彼女も反応を隠さずにはいれないようで、ひときわ高く、小さく呻いた。
そして股の間にある男の顔を「もっと」と要求するように、太ももを擦り合わせ、秘部に押し付ける。
しばらくそうやって舐め続けていると奥から粘液がみるみるうちに滴るくらいに溢れてくる。

「これくらいでいいか」

充分に潤ったのを確認すると、ジャッキーはパッと顔をあげる。
ベネッサは物足りないといったような顔で見上げてくる。
ジャッキーは汚れた口元を手で拭うと、さっきベネッサがやったように彼女の耳元で囁いた。

「実はこっちもそんなに余裕がないんでな」

実はさっき彼女にあれだけ舐められたおかげで彼自身ももうそんなに我慢ができないのだ。
すると、ベネッサは無言で小さく呟いた(ような気がする)。

そして彼女の太ももを掴むと動きやすいように肩の上に担ぎ上げる。
ふと、ジャッキーの脳裏に妹のボディーガードと隠れて関係を持つということに対する罪悪感がよぎり、動きが止まる。
もし、もしこのことがサラに知れたらどう思うだろうか?
サラはベネッサのことを友達のように気に入っているようだし、もしかしたら嫌われてしまうかもしれない…


「…?」

ベネッサはどうしたの、という目で見上げた。

「いや…」

今さらになって躊躇しているなんて言えるはずもない。
するとベネッサは察したように

「お嬢さんには言いませんよ」

ベネッサはその後に「さっさとしてください」と付け加えた。
彼女は確かに嘘をつくような人間ではない。このことをダシに恐喝…なんてことも多分ないだろう。

何もかも見透かされてるなぁ、とジャッキーは苦笑いすると、言われた通りにする。







その後はジャッキーも一旦躊躇してしまったせいかいつの間にか変な意地も忘れたのか、二人してずっと無言で動くだけだった。
かなり焦っていたのか、ジャッキーは中で出してしまいそうになり、
慌ててベネッサに突き飛ばされ何とか後の祭りにならずにすんだ。
何ともカッコ悪い最後だ。








「ベネッサ…悪かったっ!!」

事が済んでから、浴室でベネッサに体を流してもらっていた時のことだった。
そもそもこんなことになったのはジャッキーが勝手にベネッサを意識し過ぎて、
いやらしいことを考えてしまったために起こったことなのだ。
その後逆ギレして半ばレイプしようとしたことや、挙げ句の果てに中出ししかけたことなども。

男なら当然といえば当然の現象なのだが根が単純な上にお人好しな彼は、
冷静になってから罪悪感でいたたまれなくなってしまったのだ。

「本当に悪かった…」

ジャッキーは首を90度に近いくらいにガクリと落とす。
ベネッサは彼の背中をスポンジでゴシゴシとこすりながら言った。

「別にいいですよ、最初からそのつもりだったから」
「えっ!?」

つまり…ベネッサは最初から自分とそういうことをするつもりだった=自分に惚れているという方程式がジャッキーの中で出来上がる。

ジャッキーは振り向くとスポンジを持ったベネッサの手をがしっと両手で掴んだ。

「すまない…君の気持ちは分かるが俺は…俺は…」

ベネッサのことは嫌いではない。むしろ大切な妹の護衛としてかなり頼りにしている。
だが女性として恋愛感情を持っているわけではない。
…実は今回のことでちょっとだけ意識しはじめているのだが。
これまでベネッサの気持ちになどこれっぽっちも気づかなかった。
それなのに自分に惚れている女性と関係を持ってしまった…
生真面目なジャッキーにとってはそれは大変な「罪」だった。

「どうして気づかなかったんだ…!俺のバカッ!!」
「ちょっと勘違いしないでください。誰もあんたに惚れてるなんて言ってません」

ベネッサは握られた手を振りほどく。

「え…?」

何が何だかわけがわからない。

「やっぱり…知らなかったんですね…明日の試合、私たちが当たるんですよ」
「何だって!?」

確かに…手違いで女と相部屋になると知ってからジャッキーの頭の中はそのことでいっぱいで、
試合のことなど頭の片隅にもなくなっていた。

当然次の対戦相手など確認しているはずもない。

「まさか…最初からそのつもりだったって…!?」
「ええ。勝つためなら利用出来るものは何でも利用しないと。」

ベネッサはニコッと微笑んだ。
つまり、彼女に上手くハメられたというわけだ。
彼女はジャッキーの性格を理解した上で、こうなるように巧みにモーションをかけたというわけだった。
シャワーの後の着替えを忘れたのも、全てわざと。

「どうですか?明日の試合…気まずくて試合どころじゃないでしょう?」

ベネッサはふふっと小悪魔的に笑うとサッと浴室をあとにした。
ジャッキーはその後ろ姿を泡まみれのまま呆然と見ていた。



そして彼女の思惑通り、
ジャッキーは翌日の試合では、いつもならさほど気にならなかったはずの露出の高い彼女の服装の、
胸元や肌なんかが視界に入るたびに昨日のことを思い出して、
まるで試合どころではなくて見事に完敗したのは言うまでもない。


終わり
最終更新:2009年04月11日 22:32
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