4-晶×パイ

あきら×パイ :2008/05/09(金) 09:15:25 ID:cuOp8r1I

ここは中国、チェン家。
チェン家の主人であり名料理人、そして格闘家でもあったラウ・チェンの葬式が済んで、
それまでいたたくさんの弔問客はすでにおらず何ともいえないシンとした雰囲気だった。
ラウの遺骨の前にはラウの娘パイが座りこんでいた。

泣いてこそいないものの彼女の表情からは悲しみがいやというほど見てとれる。
むしろすでに涙は枯れてしまい、疲れしか残っていないようでもあった。

「…父さん…」
パイは、蚊の鳴くような声でそう呟いた。
パイはそれまで家庭をかえりみない父を恨んでいた。
幼い頃から自分は父の愛情を十分に受けることのなかった不幸な子供だと思っていた。


彼女はその悲しみと父への恨みをバネに燕青拳の修業に励み、
18になるころには中国でも有名なアクションスターへと上り詰めていた。
考え方を変えればラウの存在なくしては今の彼女はなかったのだ。
(皮肉なものね…)
父はパイの知らぬ間に病に侵されていた。

余命幾年、パイに心配をかけさせないためにわざと姿を隠していたのである。
娘は心の優しい子だと分かっていたから。
自分の命が長くないと知ればやっと掴んだ名声と栄光をも手放してでも自分の面倒を看ようとする。
それを分かっていたからあえて姿を消したのだ。

それが愛しい娘に対する最後の愛情―…
ラウは死の瞬間、
「わしはお前の父親になれてよかった」
そう言って息をひきとった。

パイはもっと親孝行してやれば良かったとひどく後悔した。

「パイ…?」
「誰!?…ア…キラ…?」
後ろには格闘家仲間の結城晶の姿があった。
「ラウの葬儀…すまねぇ、間に合わなかった」
「…いいのよ…気にしないで」
「パイ…無理するなよ」
「無理なんかしてないわよ」
「…おれの前でまで泣くのをこらえる必要はねぇよ」


アキラとは第一回大会のときからの顔馴染みだ。
パイは武骨な彼に淡い感情を抱いていたのだが、アキラの方はその方面にはてんで鈍感で
一度二人で組み手をしていたときにアキラの白虎がパイの胸を鷲掴みにしてしまったときも、
「あ、悪ぃ悪ぃ」
それだけで済ませてしまった男だ。

そんなデリカシーもない男に気遣われてパイはついカッとなってしまった。
「何よ!あんたなんかに何が分かるの!」
そう叫んだ瞬間、パイの身体はアキラに抱きすくめられていた。
「何よ…っ突然…!」
「パイ…」

そう言ってアキラはパイの小さな頭に手をやるとくちづけをした。
それは不器用な彼に似つかわしい不器用なキスだった。
初めはただ唇を合わせるだけの行為だったのが、
次第にアキラの舌がパイの唇の中に侵入し、互いの舌を絡ませようとしてきた。

パイは必死に抵抗しようとしたが、好きな男に突然唇を奪われた驚きと嬉しさでついボーっとなってしまった。

「…ん…っ…やっ…やめてよ!!」
パイは思い切りアキラの厚い胸板を突き放した。
酸素を得てしばらく肩で息をしていたパイだったが、突然関を切ったように涙が溢れてきた。

「何しに…来たのよ…っ!!」
いつも気丈に振る舞う彼女の、涙で潤んだ瞳を見てアキラは困惑した。

「パイ…俺は…俺は…
お前のことがずっと好きだった…!」
「…!」

突然のアキラの告白にパイは戸惑いのあまり思わず顔を手で覆った。
いつの間にか涙は止まっていた。
「ずっと好きだった…でもお前は親父のことで大変だっただろ…
それにお前は女優だし…俺なんか邪魔になるんじゃないかと思ったんだよ。
でも今のお前を見てられなくてよ…悪かったな…じゃあ…」
そう言うとアキラはバツが悪そうに家を後にしようとした。

「どうしてアキラが邪魔なのよ!バカ!早く言ってよ…そういうことは…っ」
(私もずっと好きだったのに―。)
パイはアキラの胸に自分から抱きついた。

「パイ…」
「遠慮なく泣かせてもらうわよ」
パイはそれから一時間近くアキラの胸の中で泣いていた。

アキラは黙ってパイを抱きしめていた。

「パイ…?大丈夫か?寝てるのか?」
顔を覗きこんでみたらパイは眠っているようだった。
白い頬には涙の跡が残っていた。「おいおい、女優がこんなツラさらしていいのかよ」
自分の前で無防備な寝顔を見せるパイをアキラは愛しく思った。
彼はパイの涙の跡に唇を落とした。
「…ふふっ」
眠っていたかと思えたパイがクスクス笑い出した。
「お前っ騙したな!?」
「だって珍しくアキラが優しいから…」

そうしてじゃれあっているうち、ふとパイの視線がアキラの視線とあった。
しばらく二人の視線が絡みあったのち、どちらからともなく近づいてキスをした。

知り合って四年も経つのにキスはおろか手を繋いだこともなかった。今日が初めてだ。

「謝らなくていいのよ、もう…。自分で脱ぐから…」
「あ、ああ…」アキラは後ろを向いた。
「これから裸になるのにどうして後ろ向くのよ!」
「な、なんとなく…」

しばらくゴソゴソしているとパイの方から「いいわ」と声をかけた。
パイは一糸まとわぬ姿で、体は向こうに向けて、顔だけアキラの方を振り返る姿勢で座っていた。
胸は腕で隠している。

「パイ、こっち向けよ」
「は、恥ずかしい…」
パイは撮影で大勢のスタッフやカメラマンの前でヌードになったこともある。
仕事だったら裸になることも、人にその体に視線を受けることもなんとも思わないのだが、
四年も片思いしていた男の前ではそんな冷静なことを言ってられない。
家の中は明るくないにせよ、今はまだ夕方で嫌でも目の前の相手に自分の肢体を全て見られてしまう。

「パイ…綺麗だよ。お前…っ」
「…ン…っ…」
アキラはパイの白い胸元のあたりに何度も唇を落とす。
初めはちょっと舌の先で舐めてみたりするだけだったが、次第についばむように刺激した。

「あっ…待って…っ」
パイは頬を赤く染めて顔を背けた。
「もう待てないよ…」
「ズルイ…っ…アキラばっかり…」
「?」
「私だけ裸なんて…。アキラも服、脱いでよ…」
「わっ!?悪い…ッ!!」

アキラは急いで着ていたものを脱いだ。さっきパイが服を脱いでいたときには緊張のあまり気が気じゃなくて、
自分のことはすっかり忘れていたのである。
「これでいいか…?」
「うん…」

アキラはパイをベッドに横たえると、自分はその上に覆い被さった。
まず、パイの白くて豊かな胸に手をやると不器用に揉みしだく。
「ん…ッ」


パイは微妙に眉をひそめる。
なんのテクニックもない、ただ胸を触られているだけなのにどうしてこうも感じてしまうんだろうか。
それは相手が誰でもない結城晶だからだ。

アキラはパイが恥ずかしがりながらよがるのが面白くて、そして可愛らしくて、しばらく胸を集中的に責めた。
時々中心を舐めたり吸ったりすると我慢できずに矯声をあげる様子は可愛らしいを通りこしていやらしかった。

「もっ…もう…そこはいいから…」
「えっ?」
「他のところも…。」
「あ、ああ」
アキラは、パイの秘部に手を伸ばした。
「あっ…」
「なんだよ。こうして欲しかったのなら初めからそう言えばいいだろ」
「っ!バカ…っ…言わないでよ…」

初めのうちは一本の指で凹凸のある壁を撫でたりしていたのだが、
触っているうちにパイの矯声が段々と強く高くなっていくので、
アキラの興奮もヒートアップしていき、指が一本から二本へ増えていった。

「あ…あん…アキラぁ…」
アキラはたまらずパイの秘所に顔を近づけがむしゃらに舐めた。
「だめよ…っそんなトコ!あ…っ私…っ」
私…と言ったときにはすでにパイは絶頂を迎えていたようで、
びくんびくんと背中をそらせた後ぐったりとして胸を上下にさせて息をしていた。
「アキラぁ…」
パイははぁはぁと息をしながら、潤んだ瞳でアキラを見た。その表情はぞくっとするほど美しかった。

「パイ…いいか…もう我慢できない…っ」
「あ…っアキラ…ッ!!」
アキラは再びパイの上にかぶさり、
その細い腰を掴むと一気にもう限界まで張り詰めた自身でパイを貫いた。
「ぁああ…っ!!」
「パイ…パイ…」
アキラはその締め付ける切ない快感のあまりわけもわからず突き上げた。

アキラの体の下ではパイの乳房が突き上げるリズムに合わせて揺れていた。
その光景がさらにアキラを興奮させた。

「ん…あン…っああ…っ!」
「パイ…っ…お前…どうなんだよ…」
「いいわ…っもっと…っ」
「そうじゃない、お前は俺のこと本当に好きなのかよっ!?」
「えッ!?」
そういえばパイの口からは一言もそのような言葉を聞いていない。
「え…ええ…好きよ…アキラが好き…」
「俺もだ…パイ…そろそろいいか…」
「うん…っ来て…」

アキラは更に動きを早めるとぐちゃぐちゃにパイの中を突き上げた。
動きが強まるのに合わせて彼女の中がアキラを締め付けるように痙攣し始めた。
パイの白い腕がアキラの首に絡んできた。パイの顔を見ると快感のあまり目の端から涙をこぼしていた。

「あああ…っ…!!」
初めて味わう快感にアキラは頭の中が真っ白になったように感じた。

そして彼女の中に精を放った。

行為を終えると、二人は一言も話すこともないまましばらく見つめ合っていた。
互いに汗だくでパイの長い髪が頬やうなじに貼り付いてとても色っぽかった。
そしてパイの表情には先ほどまでの悲しみの色はすっかりなくなり、清々しいほどだった。

しかしアキラは思い出したようにハッとした。
「あ…悪いっ!」
「何が?」
「俺、中に出しちまった…」
「…妊娠したら責任とってくれる?」
「……パイ…もしも妊娠したら産んでくれるか…?子ども…。」
「えっ!?それって…。」
パイは再び頬をポッと上気させた。
「ああ、お前がいいなら…俺と結婚…してくれないか?」
「アキラ…っ!」
パイは思わず顔をくしゃくしゃにしてアキラの首に抱きついた。
アキラはパイを離すとキスをした。

「まだ夜には早い…もう一度、するか…」
「うん…っ」
そしてまた二人は先ほどのように、どちらからともなく深く抱き合った。
最終更新:2008年08月12日 23:53
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